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カルカッソンヌの朝市で買った苺ジャム。
ソフトケースの中に適当に突っ込んだままにしていたのだが、旅の終わりにパリのホテルで荷物を整理していたら、なんと・・・!
フタはあいていないのに、赤い汁が漏れ出しているではないか!! 下着と靴下の一部が被害を受けている。
ええ~?
なんじゃ、こりゃ?
これまでジャムを買って、フタをあける前に中身が漏れ出すなんて事態に遭遇したことはない。もしや、本当に素人が作った手作りジャムなんだろうか?
それじゃ、もう腐ってるかも?
思い切ってフタをあけ、中身を食べてみた・・・
あれッ?
やっぱり美味しいのだ。
確かに分離しているのはしているのだが、ふんわりと軽い。にもかかわらず苺の風味はむしろ凝縮されている。べったり甘い普通の苺ジャムとは一味も二味も違う。ラベルをしげしげ見たら、ちゃんと賞味期限も記載されていて、2010年9月となっている。それなら、フタをあけないうちに腐ったというのも考えにくい。
フタをもう一度閉めて、日本まで持って帰るべきか否か迷うMizumizu。一度フタをあけてしまったので、また中身が漏れ出す可能性大。しかも、普通のジャムよりずっと液体度が強い、つまり水っぽいから、汁が漏れ出したら、周囲のものがまた被害を受けそうだ。飛行機に預けるソフトケースに入れることになるから、ガラス瓶が万が一割れてしまったら悲惨かも・・・
とりあえずベタベタになったガラス瓶を洗ってみた。するとラベルがはがれてしまい(まあ、水でこすれば当然だが)、ものすごくみすぼらしいジャムになってしまった。
洗っているときに気づいたのだが、ラベルにはジャム(Confiture)ではなくジュレ(Gele'e)と書いてあった。ジュレとは普通固めたゼリーのことを指すが、フルーツソースに近いようなジャムのことをジュレと言うこともある( こちらのサイト によると、「果汁+砂糖」で作るのがジュレ、「果肉(裏ごししたもの)+砂糖」で作るのがジャムだそう)。
なるほど、中身がゆるいのはジャムじゃなくて、ジュレだったせいか(←今さら気づいてどうする)。
せっかく買ったカルカッソンヌでの思い出だし、第一捨てていくには惜しい味。そこで汁が漏れ出しても多少吸い込むようにティッシュで何重にもくるみ、さらにビニール袋を3重にかぶせた。
これなら割れてしまっても、周囲に被害は及ばないでしょう。出発の朝までホテルの冷蔵庫に入れて保存しておいた。
大混乱のシャルル・ドゴールから直行で東京へ戻り、自宅に着いてさっそくソフトケースをあけてみると、またもフタから汁が漏れ出していたものの、ティッシュとビニール袋のおかげで周囲のモノに赤いシミができることもなかった。
しかし、また瓶を洗ったので、見た目はさらに悲惨に・・・
つぶつぶとやはり泡立っているように思う。まるでコーラを瓶の中で揺すったときのように色味が2層に分かれてしまったのは、掻き混ぜたら気にならなくなり、しばらく置いておいたら落ち着いた。
パンにつけるには少しゆるいのだが、ヨーグルトにかけると絶品。
(注:ジュレの表面が一部白っぽく見えているのは、泡ではなく光の反射です)
ふんわりとした口当たりで、やはり舌のうえで発泡性のアルコールのような味を感じる。しかも、驚いたことに、Mizumizu以上に、普通は苺ジャムは甘くて嫌いだと言って食べないMizumizu連れ合いが、「うめ~!!」と大絶賛。
「なんかこれ、苦味があるよね」
へ? 苦味? Mizumizuはあまり感じないのだが・・・ もしかして、それはジュレがちょっとヤバくなってきたということでは? フタをあけたあとパリから東京までフライトしたし・・・ もしや持ち歩いている間に発酵したのか!?
「ビールかなんか入ってるんじゃない?」
う~ん。シャンパン入りの苺ジャムというのはあるが、ビール入りのジュレというのは、聞いたことがない。
しかし、この泡はやっぱり、発泡性のアルコールを含んでいるせいだという気もする。そういえば市場のお兄さんが、一生懸命いろいろ説明していたっけ。でも、ひとことも分からなかったし。
そこでMizumizu+Mizumizu連れ合いは吉祥寺まで出向き、シャンパン入りの苺ジャムを売っている Gclef で、くだんのジャムを試食させてもらった。
「甘いですね」と、店員さんに感想を述べるMizumizu。
「そうなんですよね。シャンパンを入れると甘味が強調されるんです」
「・・・・・・」
カルカッソンヌで買ったジュレは、甘みが強いというほどでもない。むしろ苦味があるとMizumizu連れ合いは言っている。
どうもシャンパン入り苺ジャムとの共通点は感じられなかった。
ジュレのラベルのDomaine de Peyremaleというメーカー名で検索すると、HPともいえないようなささやかなサイトがヒットしてきた( こちら )。
確かに、フタにかぶせてあった布を見ても、ここのジュレに違いない。家庭での手作りジャムではなかったが、小規模農家のプロダクトのよう。
3ユーロというのは、サイズから考えると安くはないが、この手作り感のある個性的な味なら全然高くない。さすがウマいモノの宝庫ラングドック地方。そして農業国フランスの底力はやはり凄い。ふらっと立ち寄った地方の市場で、こんな絶品にお目にかかれるとは。
ヨーグルトにかけて数回でなくなってしまった。一応、日本に輸入されていないかネットで調べてみたが、当然見つからない。
「もう食べれないのか~」
がっかりしているMizumizu連れ合い。そんなに気に入るとは・・・
パリなら買えるのかしらん、Domaine de Peyremaleのジュレ。探せば置いている店もあるかもしれない。
Domaine de Peyremaleのジュレの泡立ちは、なにゆえ? ヒミツを知っている方は是非ご連絡を。
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