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以下、完全な私個人の推測です。日本側は拉致問題解決に強い意欲を燃やしている(1)。訪米が取りやめになった時に、拉致問題の解決には「モンゴルがいいよ」とのささやきがあり、安倍首相はモンゴルへ飛んだ(2)。最初は日本側の要請だけであったが、モンゴルの経済情勢も思うようにいかないので、モンゴルとしても日本からサムライ債での言質がほしかった(3)。 サムライ債については当局が冷静に分析すればNOとしか言えないが、安倍首相にしてみれば拉致問題解決のためなら2-300億円くらいの保証なんて大したことない。モンゴル側もせっぱつまってきたので、急きょ大統領がやってきて、より具体的な話をした(4)。それには、モンゴルに北朝鮮へのお土産話が必要だった。 そのお土産にすべく、安倍首相と握ったエルベグドルジ大統領の指示のもと、モンゴル企業が入札した。当然、最終的な資金のバックアップは日本政府が行う約束になっている(5)。 大統領は予定通り訪朝したが、なぜか金第一書記には会えなかった。これは大きな誤算でした。だが、会えなかったものの、お土産話(朝鮮総連本部)はまだ続いているとの説もあります(6)。 ちなみにその頃私が聞いたもっともらしいシナリオは、大統領の訪朝が成功し、アヴァールの落札も成功する。アヴァール社は「これまで通り朝鮮総連本部に貸す」と明言する。数日後に突然第三国で、拉致被害者と見られた人たち数人が「発見される」。その後、年内に実施のサムライ債発行認可かモンゴルへの巨額ODAが発表され、モンゴルの外貨準備問題も落ち着きを見せる。 めでたしめでたし、となるはずだったそうな。もちろん、ガセネタかもしれませんけど。 現実に戻せば、裁判所はこんな入札があっては困惑しているはず。通常であれば、当然アヴァールという怪しげな会社は資格なしというべきところですが、おそらく非公式に官邸ルートから「それじゃあ困る。拉致被害者を助けるんだから、協力しろ」と言われたことでしょう。 とはいえ、裁判所は「はい、この会社は適正です」と公表できるはずもない。実際にお金がないのだから。さあ困った。どうする? アヴァール社への送金や、裁判所などへの公式な根回したり、モンゴル側と密約を結んだりするには「絶対内緒にしないといけない内容が多く含まれる」のは明らかです。要するに「超法規的措置」です。 これらを一斉に秘密にするには、この特定秘密保護法案を通さないといけないというわけです。 このシナリオが本当だとすると、特定秘密保護法案を作った理由はともかく、ここまで大急ぎで通したい理由が拉致被害者の救出のためのモンゴルへの対応があったという可能性があるのです。 私の妄想を聞いたうえで、先のモンゴル&日本の政治に詳しそうな日本人の方は「いや、かなりいい線行ってるんじゃないですか。いろいろご存じなんですね。」などと言ってました。信じるか信じないかは、皆さんの自由ですけど。法案も通ったので、今後何らかの動きがあるかもしれません・・・(完)
2013.12.07
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特定秘密保護法案のことで連日ニュースは賑わっています。私は個人的には「なんだか怪しい法案だなー」と思う次第ですが、大自民党がやりたいといえばなんでもできる現状では、首相のやりたいようにやれるんでしょう。そんなに首相権限が強いなら、そんなところで頑張らなくても、規制緩和とか財政再建に向けた「反対勢力を押しのけるような」リーダーシップを発揮してもらいたいものです。が、どうも本当に必要なところへのリーダーシップはまだ弱いように思えます。それはともかく、多くの人が疑問に思うのは「なんで、そんなに急ぐの?」ではないでしょうか?わずか1-2か月程度の薄っぺらな議論だけで、「とにかく通すんだ」という姿勢が強いように見えてしまいます。先日、モンゴル&日本の政治に詳しそうな日本人の方にお目にかかる機会がありました。私は「ところで、なんであんなに急いでいるんでしょうかね?」と疑問を投げかけてみました。その前に、北朝鮮問題やモンゴル大統領の訪朝について話題になっていたこともありましたが、その方は「なんでだと思います?」と意味深に聞くのです。うーむ、なんだか点と線みたいな話になってきました。ここからは当たり前ですが、誰にも確認したわけでもなく、単なる私の想像(+仮説)みたいな話ですが、どうもまんざらインチキ話ではなさそうなのです。本ブログを読んでおられる方は、私が朝鮮総連や拉致問題に絡めて、モンゴルの外貨準備高の問題などが関連しているような記事は読まれた記憶があると思います。ちょっと整理してみます。まずは点と線の「点」です。1、安倍内閣は拉致問題を優先課題と位置づけ、「自分の内閣で必ず解決する」と宣言しています。まるで何かツテや解決への道筋があるかのような印象さえあります。2、今年3月に急きょ、安倍首相がモンゴルを訪れました。経済分野ではさしたる成果もなく、いつものように握手だけして帰ってきたかに見えましたが、一部では北朝鮮問題への「強い」協力を求めたと言われています。モンゴル側でもそのような報道がありました。3、9月にアルタンホヤグ首相が来日しました。日本側はともかく、モンゴル側の最大の関心は、サムライ債の発行協力を得ること。それほど外貨準備高の減少は深刻であったのですが、結局は実現しませんでした。4、事前の正式なアポもなく、9月下旬にエルベグドルジ大統領が米国の帰途とはいえ突然日本を訪問し、安倍首相の私邸で会談をしました。緊急度から言って、経済協力よりも拉致問題での協議と言われました。この時点で両国の最大の関心事は、日本側は拉致問題、モンゴル側は外貨準備不足と思われます。5、朝鮮総連本部のビルの入札に、モンゴルのペーパーカンパニーらしき企業が入札しました。裁判所は10月下旬に「検討する」と言ったきり、何も発表していません。モンゴル内でも「40億円ものお金をあの会社が単独で準備できるはずはない」との見方が強いです。6、エルベグドルジ大統領が10月下旬に北朝鮮を訪問しました。大方の期待は、北朝鮮の金第一書記と拉致問題について協議してくれるのではないか、というものでした。が、会談は実現しなかったという見方が強いです。(一部には、会談したけど秘密にしている、という見方もありますが、モンゴル国内でも面談できなかったとの認識が強いです。)7、10月25日に特定秘密保護法案を安倍内閣は閣議決定し、12月6日に成立させた。となるわけです。これを線で結べるのではないかというのが、私の考えです。(続く)
2013.12.06
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なんだか怪しいタイトルとなってしまいました。10月からこの話どうなるのだろうとマスコミなどで騒がれていましたが、最近は全く話題になっていないようです。裁判所は結局どう判断したのでしょうか?実際、ネットで検索してもほとんどが1か月以上前の記事しかありません。つまり、裁判所も含め、全然動いていないってことでしょう。そんな中でのこのタイトル記事。これは数日前の夕刊紙に載っていたものです。まあ、夕刊紙ですからどこまで真相を表しているかわかりませんが、やはり興味はあります。そこには、前振りとして「(最近)北朝鮮とモンゴルの関係が注目されている」とあります。確かに、総連本部ビル入札からかなり両国の関係は注目されているように見えます。その状況の中「北朝鮮グッズコレクターの大家として知られている」という人物が登場します。へー、そんな人がいるんだ、と感心しました。その人は山梨学院大学経営情報学部のM教授(新聞には実名で)が、重要情報を握る人物の講演会を主催することが判明した、とあります。このM教授が「鍵を握る人物」かと思いきや、教授はその人物を知っており、その人に講演会をやってもらうという記事なのです。となると、当然気になるのはその「鍵を握る人物」です。私も気になって、先を急いで読みました。その答えは・・・なんと「駐日モンゴル大使のフレルバータル氏」とありました。確かにモンゴル側の代表者ではありますが、なんでこの方が?と思いました。その解説によりますと、大使の前任地は平壌なんだそうです。記事には「ゆえに友好関係にある北とのつながりや、モンゴルを通じて北や日本がどう外交を展開するか、重要証言が飛び出す可能性がある」と書かれています。現役大使の口から「重要証言」が飛び出すとは思えませんが、それをネタにした講演会をやるというのは面白い発想だと思いました。で、その講演会を調べてみると・・・先のM教授研究会主催のようです。企画自体は、1か月前にはできていたようです。日程は12月5日17時半、場所は渋谷のアットビジネスセンターというところですが、定員はたったの50人。入場料は2000円。題名の割には、こじんまりとした講演会になりそうです。個人的には行ってみたいのですが、その時間は仕事で行けません。ちょっと覗いてみたい講演会ですね。ご興味ある方は、行ってみてはいかがでしょうか?
2013.12.02
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カメラマンのEさんもたくさん撮っていました。カメラは、専用のビデオカメラではなく、キャノンの1眼レフでビデオ撮影していました。見た感じでもかなりの高級機器(プロ用)でしたので、ビデオも問題ないのでしょう。 会場は平日にもかかわらずかなり混み合っていました。 週末の混雑はこんなもんじゃないということなので、平日取材でなんとか撮影できたんじゃないかと思います。 どこも混雑していましたが、特にトヨタの催し物コーナー、日産のGT-Rそしてメルセデスベンツの会場が混雑していたと思います。 モンゴル人の大好きなベンツも必見です。 私がこの新型ベンツSクラス(一番大きなベンツ)の表示に「頭金400万円、600万円はローンで月々OO円」と書かれているのを見て「こんな車を、ローンで買う人なんかいるのかな?」と言うと、Uさんは「モンゴルだったら、みんなこれで買うよ」と言いました。 要するに、モンゴルだったら「400万円用意できれば買えるんだな」と買いたがる人はたくさんいるというのです。もちろん、翌月からのローンが払えるかどうかなんて誰も気にしないという意味です。(笑) 確かにそうです。同じことを以前友人のBさんが言ってました。「日本人は預金が400万円ある人は、400万円のクルマは買わないでしょ?150万円とか200万円でしょうね。でも、モンゴル人は違うんです。400万円あったら、無理してでも600万円のクルマを買いたいんです。その後の計画性?誰もそんなことは気にしないんです。だから高いクルマが売れるんですよ。」と言ってたのを思い出しました。 モンゴル向けとしては、一応パジェロも押さえておかないと、というわけで三菱も訪れました。 これが1~2年後に登場する新型パジェロのようです。なんだか大きいだけで「カッコいい!」とか「欲しいなー」というオーラは全くありませんでした。PHEV(プラグインハイブリッドのEV)でエコらしいですが、どっちつかずだなと思いました。 大型SUVに求められるのは、絶対的な動力性能(例えばランドクルーザー)を備えている安心感か、誰もが認めるステータス性(例えばレンジローバーやカイエン)のどちらかしか残れないんじゃないかと思います。 パジェロは従来は動力性能路線でしたが、PHEVでは怖くてゴビへは出かけられないような気がします。本当のところはわかりませんが。 今回の東京モーターショーをモンゴルの方々もテレビ映像で楽しんでもらえたら嬉しいです。 (完)
2013.12.01
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東京モーターショーに行ってきました。今回は、モンゴルのテレビ局の社長Uさんらとの取材に同行です。Uさんらはダライラマの取材できましたが、それだけではもったいないので、関西での馬頭琴コンサートなど日本でいろいろ取材しています。ちょうど来日中にモーターショーがあるので、これもモンゴルの国民にお知らせしようと取材することにしました。モーターショー関係で短い特集番組を作るつもりのようです。なので、私にとってはいつものモーターショーとは全く違う視点で見て回ることとなりました。なんとスタートはトラックからです。現在、モンゴルの鉱山では大型ダンプカーの導入を検討しているそうです。その有力候補が日野のダンプカーなのです。まずは、モンゴルの皆さんに導入間近のトラックを紹介しようというわけです。 これは、日野700という大型ダンプカーです。このトラックの説明文を読むと、鉱山で活躍する大型ダンプカーで日本国内では販売してないものとあります。恐らくこれと似たような車種が検討されているだろうとのことです。UさんはカメラマンのEさんのカメラの前でマイクをつけてモンゴル語で(当然です!)レポートしていました。日本製のトラックがこれからもモンゴルでどんどん売れるかとなると、それは難しいでしょう。街中で走るトラックはヒュンダイなど韓国製の中古が多く、コスト的にはとても日本からの新車は無理でしょう。が、鉱山の場合は、耐久性などの品質が重要になりますので、こうして日野の新車が検討されているというわけです。日野の大型トラックは、現在コマツを扱っているS商事が輸入販売するらしいです。多分、モンゴル国から勲章を頂いたFさんの奮闘の成果でしょう。高品質な日本の製品をどんどんモンゴルに紹介してほしいですね。こちらのクルマは、ちょっと派手な大型トラックです。これは実際に南米のダカールラリーで走行したものです。ラリーというと、パジェロやアウディなどの高速エンジンを積んだ4輪駆動のイメージですが、こんな大型トラックも参戦するのです。日野はこの分野では強く、10年以上も完走を続けています。チーム・スガワラが数々の成果を上げているというのは有名です。その菅原さんは実はモンゴルにも来たことがあるのです。というか、この車も実際にモンゴルラリーに参戦したことがあるそうです。Uさんは菅原さんにもお目にかかったことがあると言ってました。せっかくの機会なので、Uさんも私もコックピットに乗り込んでみました。コックピットから見えるのは、前面のガラスではなく液晶テレビです。そこには実際のラリーの風景が出ているのです。こんな感じですが、何か感じますか???なんとこれはモンゴルラリーの映像だそうです。東京モーターショーでモンゴルの映像が見れるとは!!Uさんはモンゴルの見覚えのある草原を見て嬉しそうでした。こんなところでモンゴルの景色が活躍しているとは驚きです。ブースはモンゴルと縁のある企業を中心に回りました。日野、ヒュンダイ(トラック)に続き、ディーラーのあるスバルにトヨタ。MONNISの日産、ブリッジのスズキももちろん撮影しました。その度に、各ブースでUさんがカメラの前で解説をしていました。(続く)
2013.11.29
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朝青龍の暴行事件のニュースが報道されました。私は現地からのニュースで聞いてはいましたが、本人は否定しているようで真偽のほども不明なので、このブログで書くのは控えていました。が、もう日本のメディアにも出ているので書きます。10月31日夜にウランバートルでハローウィンパーティがあり、そこで朝青龍が顔をナイフで切られたとの報道が現地でありました。なので、てっきり最初は朝青龍が被害者だと思っていました。確かに、朝青龍の言動があまりにもひどくて、怒った相手がナイフで切ったと聞いてました。当然、二人とも酔っていたことでしょう。ですが、その後の報道では、朝青龍が酒に酔って口論となった相手を数回殴り、その後その相手からサラダナイフで反撃を受けて顔に傷を負ったとのことです。相手も朝青龍相手に殴ったそうです。相手は当然普通の人ではないでしょう、朝青龍相手に殴ることができるのは。中には「朝青龍、人を刺し逃亡」なんて報道もありますが、さすがにこれは嘘ですね。なぜなら、朝青龍は事件後マスコミに対応しているからです。現地での報道によると、朝青龍は「そんな事実はない!」と主張しているそうです。そして「そうやってお前らマスコミが嘘ばっかり書くから、おれの評判が悪くなっていくんだ」と怒っているとのことです。私は真偽のほどは別にして、やっぱり朝青龍はどこにいても同じだなと感じました。一つは、マスコミからの評判が悪いということです。日本にいるときは「習慣の違い」「言葉の問題」などで誤解などもあったかもという声もありましたが、日本だろうとモンゴルだろうといつもマスコミと喧嘩しているようです。白鵬の日本におけるマスコミ受けの良さと比べると一層それがわかります。モンゴルでも当初は白鵬の評判は必ずしも良くありませんでした。特に日本人女性と結婚してからは、かなり評価が下がっていました。一部マスコミは、白鵬の奥さんへの個人攻撃じゃないかと思えるような報道もあったようです。が、実際にその奥さんがモンゴルを訪れてみると「意外といい人じゃないか」「なかなか良くできた女性だ」との評判を得て、今ではそうしたバッシングはないようです。モンゴルでの横綱の地位は、ある意味日本よりも上でしょう。その横綱という強いモンゴルの血を他の国へ流出させることにはかなりの抵抗があるとのことです。白鵬は、そうした当初の悪評をはねのけて今では日本はもちろん、モンゴルでもマスコミといい関係を持っているように見えます。朝青龍問題の二つ目は、暴力問題です。礼儀とか品位などであれば、まだ習慣の違いと言えなくはないですが、暴力問題を起こすことが日本とモンゴルでの共通行動となると、やっぱり人間として基本的な能力がないってことなのでしょう。自己制御できないってことです。日本にいるときはまだ「一人横綱としてのプレッシャー」とか「習慣の違う国でのストレス」などもっともらしい理由を挙げて擁護する向きもありましたが、モンゴルでも同じってことはその人そのものの問題です。モンゴルで暴力問題を起こしたのは、今回だけではありませんから。例のアヴァール社問題でも、社長の親せきとして名前が挙がった朝青龍。もっと明るいニュースで登場してほしいものです。誰がどう言っても、やはり日本人にとってのモンゴル人の、モンゴル人にとっての日本の象徴的存在であることには変わりはないのですから。
2013.11.03
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昨日、モンゴル人の友人のUさんと夕食を一緒にしました。Uさんは9月にも来日しており、今回は東南アジアへの出張の帰りとはいえ、かなり頻繁に海外出張に出ています。確か先月私が連絡した時は、ヨーロッパ出張と言ってました。Uさんは会話の途中、モンゴルからのメールなどを見て「えー、大統領は金正恩と会えなかったの!」と驚きの声を上げました。最初は残念そうにしていましたが、次第にちょっと怒りに変わり「事前に会う約束をして大統領が訪朝したのに、キャンセルしたなんて失礼な奴だ」と怒ってました。その表情から、私はモンゴルと北朝鮮の関係が少し推測できるなと思いました。世界中にほとんど「友人」のいない国に対して、モンゴルは食糧援助をしたり、労働力の場の提供(モンゴル国内でかなりの数の北朝鮮人が合法的に働いていることはご存じのことと思います)してきたにもかかわらず、この仕打ちはないだろうということです。こうなると、今後の展開はどうなるんでしょうか?私にわかるわけはありませんが、いろんな説が出回っているようです。「実は会ったけれども、あえてそれを発表しない説」があるようです。もちろん、信ぴょう性は低いですけど。この説の狙いは、会ったとなるとその内容が詮索され、拉致問題がらみ、日本政府との連携などいろんな秘密ごとがばれていく危険性があるというものです。そうなると、更なる情報が北朝鮮側にも伝わり、交渉がうまく進まないのではないかと危惧するということでしょう。確かに一理ありますが、このためには北朝鮮当局も一緒に秘密にするという協力が必要となるでしょうし、モンゴル側の報道陣をすべてだませるか?という問題もあります。これはかなり無理があるんじゃないでしょうか?もっと驚くのが「朝鮮総連本部入札用の資金は、実は韓国系が用意した」という説です。この説は、どういうメリットが韓国側にあるのか見えません。噂ベースにしろ、その裏のロジックが見えないので、ちょっと非現実的かなと思います。例のアヴァールという会社の社長さんは、やはり相当なお金持ちではあるようです。またどう考えても日本との接点がある人物ではなさそうで、あるとしたらやはり義兄弟である朝青龍しかないだろうということです。50億円あろうがなかろうが、そのこと自体は大した問題ではないわけで、私が怪しいと思う根拠は「評価額が26億円程度の馴染みのない日本の不動産に50億円も投じて、これは純粋なビジネスだ」と言い張ることです。モンゴルで同じ資金を投じたら、その何倍、或いは10倍もの利回りが得られるでしょうから。一例をあげてみましょう。東京で1000万円程度のマンションを購入すると、家賃収入は年間で恐らく60万円程度が相場です。つまり6%程度ということでしょう。もちろん、古い物件の場合はもっと表面利回りは高いでしょうけど。モンゴルで数年前に実際に1000万円程度で購入したマンションの実例によれば、利回りは20%を超えてます。これには最近のマンション価格の上昇という要素が入っているのは当然でしょう。東京のマンションを相場の2倍で購入すれば、当然利回りは半分になります。単純に比較すれば、モンゴルで20%超のチャンスがあるのに、なんでわざわざ東京で3%を狙うのか?ということになります。もちろん、バブルの時のように東京も値上がりを見込めるのであれば買うこともありえますが、長期的には値下がりしか見込めないのではないでしょうか?細かい計算は別にして、要するに今回の入札は北朝鮮側と関係があろうとなかろうと、明らかに純粋なビジネスではないということだと思います。ところで、訪朝で金正恩と会えなかったことは、今後の一連の流れ&推測はどうなるんでしょうか?「拉致問題を解決したい官邸-モンゴル大統領に解決のサポートを依頼-朝鮮総連本部入札-大統領の訪朝-拉致問題の解決」というのが美しい表の流れとすれば、当然もう一つの流れがあるような気がしています。「外貨問題を解決したいモンゴル政府-サムライ債またはODAなどを条件にお願いしたい日本政府-朝鮮総連本部入札-大統領の訪朝-外貨問題の解決」という裏の流れが透けて見えるような気もしています。もちろん、こんな流れを推測しているのは私くらいのもので、マスコミ等の報道には一切出ていません。それは物事を日本側からしか見ていないからでしょう。外貨問題に関連しているかはもちろんわかりませんが、大統領の帰国後には1ドル=1730トゥグルグ程度にまで下落しました。私はモンゴル側の視点からも、今回の訪朝で金正恩と会えなかったのは残念でなりません。上手くいけば、年末にはどーんと外貨が入ってきたかもしれませんから。
2013.11.01
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エルベグドルジ大統領が北朝鮮から今日の夕方モンゴルへ帰国したとのことです。現地の情報では、金正恩第一書記と会えなかったそうです。当然、会えるという前提で訪朝したはずですが、ドタキャンでもされたのでしょうか?日本側の期待していたシナリオとはちょっと異なる結果になりそうです。日本の思惑とは別に、友好国(というよりも北朝鮮に援助している国)の大統領訪問に対して、会わないということはかなりモンゴルに対して失礼な行為に思えます。モンゴル側の反発もあるかもしれません。面倒な国です・・・
2013.10.31
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当初は、一部のネットニュースなどに限られていた今回の騒動は段々大手新聞社や有名週刊誌などを巻き込んで大きくなりつつあります。恐らく、モンゴル在住の方々よりも日本にいる人の方がこの騒動を耳にする機会が多いのではないかと思います。現段階では真相解明には至っていませんが、朝青龍の名前まで登場していますので、おかしな話としてモンゴルの名前が広められるのはあまりいいことではないように思います。その後のニュースについてまとめてみます。まず、24日に話題のモンゴル企業「アヴァール・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」のチュワーメト・エルデネバト社長が会見したというニュースが入りました。彼によれば「純粋なビジネスであって、北朝鮮政府や日本政府とは関係ない」と言っています。ちなみに、この社長は朝青龍の親戚なんだそうです。私は彼が嘘を言っているのかどうかはもちろんわかるはずもないですが、「純粋なビジネス」というのはいくらなんでも嘘くさいと思います。純粋なビジネスというのは、要するにあの朝鮮総連本部のビジネスを50億円で購入たら儲かりそうということです。他の報道によれば、そもそもあの土地建物の評価額は26億円程度だそうです。実際、裁判所の入札価格も26.6億円を基準にしているとのこと。モンゴルでは、銀行に預けるだけで15%程度の金利がつくというのに、為替リスクのある円建てで相場の倍以上もある不動産を買うなんてありえません。外国の投資ファンドからの資金と言いますが、これもふざけた話です。そもそもモンゴルという国に対する国際的な金融の信用力は高くはありません。仮に外国の投資家がモンゴルの会社に投資をするとしたら、それはモンゴル国内の投資先への投資でしょう。それをわざわざ金融リスクのあるモンゴルの会社を使ってモンゴル外の日本の不動産を買うことを許す外国投資家がいるはずがありません。本当にそうしたいなら、香港やシンガポールの企業経由で買うでしょう。チュワーメト・エルデネバト社長の会見の様子をネットのテレビで見ました。が、見た感じでは投資を仕事にしている雰囲気はありませんでした。住所の問題は「聞かれた人が間違って報道陣に教えた」と、いかにも胡散臭そうな言い訳をしていました。この人は、朝青龍のお兄さんの奥さんのお兄さんだそうです、いわゆる義理の兄弟だそうです。もちろん、朝青龍の関与は否定されていますが、それ以外にこの人が日本と関係する様子はなさそうです。ここまでが社長の会見の話です。もう一つは、週刊新潮10月31日号に載っている記事です。こちらはもう少し突っ込んで書いてます。その内容を以下にまとめてみます。「アヴァール社の資本金は6万円」とあります。これは、10月21日付け本ブログに書いた「資本金は1000と書かれただけ」から想像できます。恐らくこれはトゥグルグのことで単位が千なのでしょう。つまり100万トゥグルグってことです。これを円換算すると大体6万円ですから、この数字はそこからもってきたのでしょう。やはり企業活動の実態はないようで「税金や従業員の給料などを支払った形跡はない」とのことです。更に、本ブログでも書かれているようなことが続いて、いよいよ核心に迫ります。まずは、北朝鮮とモンゴルの親密性を書いています。「現在、北朝鮮には国連による経済封鎖が行われているにもかかわらず、モンゴルは未だに北朝鮮に食糧支援を続けている」とあります。この情報元はわかりませんが、北朝鮮に食糧援助をしているとは知りませんでした。外国人労働者としてモンゴルでの労働を認めているのは有名ですけど。「昨年11月の日朝政府間協議会は、ウランバートルで開催された。この時、北朝鮮側の交通費、宿泊費などはすべてモンゴルの丸抱え。」とのこと。その理由は「日朝関係を調整することで、モンゴルは北東アジアでの存在感をアピールし、同時に日本に恩を売って、敵対する中国を牽制したいという思惑があるのです。」と書いてます。内容が正しいのかは知りませんが、日本は拉致問題ではわらをもすがる思いですから、十分に恩は売れるでしょうね。この記事の「敵対する中国を」のフレーズの主語がわかりません。日本なのか、モンゴルなのか?ま、どっちも中国とは・・・ですね。その後、日本の政治家や安倍首相と会談したことなどが書かれ「拉致問題解決を標榜する安倍政権としても、モンゴルにその糸口を見出そうとしている」とあります。その上で「さすがに、日本政府が税金で落札するわけにはいかない。なので、モンゴル政府の関係する企業に一旦買い取ってもらい、朝鮮総連にリース。」するというのです。「いずれ落札代金の50億円をモンゴルへの経済援助に紛れ込ませて、日本政府が支払う。」というわけです。最終的には?「その見返りに、突然、第三国で拉致被害者が発見されるというものなのですが・・・」と書かれています。以上、週刊新潮の記事をもとに書きました。このシナリオは、基本的には本ブログで書かれた方向性と一致しています。うーむ、本当にそんなことあるのでしょうか?恐らく、最終的に拉致被害者救出につながれば、日本政府が「はい、実は政府主導でやりました」と言っても、国民は納得してくれると踏んでいるのではないかと思います。もちろん、簡単には「白状」しないでしょうが、北朝鮮相手でまともなやり方は通用しないことは日本国民はわかっていますから。ちなみに、資金調達は虎ノ門の弁護士事務所だそうです。ここが実務を取り仕切っているのでしょう。入札するには拠出金が必要ですが、それもモンゴルからの送金ではなく日本国内で振り込まれた可能性があるように思います。だって、今モンゴルは深刻な外貨不足なのに、そんな大きなお金を送金するとなれば、当局の許可も必要でしょうし、秘密にはしておけないでしょうから。ちなみに、このスキームに「北遺族連絡会」(北朝鮮での日本人遺骨収集と墓参りを推進する団体)の幹部もからんでいるらしいです。つまり北朝鮮とは無関係とは言えないということです。報道を総合すると、日本政府の関わり具合は別にして、このモンゴル企業による入札が北朝鮮問題となんらかの関わりがあると考えるのが当然でしょう。裁判所は、これをどう決断するのでしょうか?官邸サイドから「空気読めよ!拉致問題解決は国民の願いだぞ!」とのメッセージを受け取り「落札OK」にするのか、「実体のない会社による落札は認められない」と判断するのか?あまり話が大きくならないうちに発表しないと、ますます騒ぎは大きくなりそうです。決定は、今月いっぱいでしょうか?私は個人的には、今回のスキームは「あり」だと思います。相手は北朝鮮です。やれる手段はなんでもやるべきです。裏に表にモンゴルが助けてくれるなら、それに乗っかって、十分な謝礼してもいい話だと思います。アメリカも中国も助けてはくれないんですから。
2013.10.26
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どうやら、このモンゴル系企業である「アヴァール・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー」への売却許可決定は延期されたようです。不許可になったわけではなく、許可するかどうかの決定を延期するということです。地裁は、実態が不明な会社なので慎重に審査するようです。UBの税務当局は「今年1月に設立されたが、事業実態は不明で納税もしていない」とのことだそうです。その会社の住所というのはアパートの一室だそうで、この会社の代表の父親がかつて所有していたとのことですが、数年前に引っ越したそうです。現在住んでいる女性は「そんな会社は知らない」と言ってるとのことです。安倍首相か官邸がリードしている話なら、官邸サイドからなんらかの情報が地裁に入るでしょうが、そうではないのでしょうか?もし、官邸が無関係だとすると、確かに怪しい話です。今後どうなるのでしょうか?そもそも、50億円なんて大金、どこから持ってくるのでしょうか?
2013.10.22
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このニュースはモンゴルでは話題になっているのでしょうか?日本では、17日頃からネットニュースに登場し、その後いくつかの新聞やNHKニュースにも出ました。が、大手新聞にはまだ出てないようです。朝鮮総連というのは北朝鮮の在日代表機関のようなもので、日本における北朝鮮系の学校の管轄や様々な活動を本国と連絡しながら行っている機関です。が、膨大な借金を抱えて裁判所命令で本部ビルを明け渡さないといけないことになっていたのです。このビルは競売にかけられ、一旦は鹿児島県の宗教法人が落札し、継続して朝鮮総連に貸し続けることになりましたが、最終的にはお金を調達できずに破談となり、今回再入札が行われていたということです。どうも今回落札した企業がモンゴル企業だというのがニュースの発端です。入札額は50億円。850億トゥグルグ!!!当然、どの企業だという疑問が出ます。会社の名前は、Avar Limited Liability Companyです。Avarって何かな?ある日本の新聞社はウランバートル市に電話をしましたが、市当局は「その住所は実在しない」と答えたそうです。登記簿情報によれば、資本金は「1000」だけ。多分、1000トゥグルグではないでしょうか?住所はチンゲルテイのようです。携帯の電話番号もあるようです。私は最初にこのニュースを知った時に「なんか、嫌なニュースだな。モンゴルが怪しい国みたいに印象付けられそうで。」と思いました。初期のニュースは「モンゴルは北朝鮮と友好関係にある国」と紹介され、北朝鮮となんらかの関係があって落札したと推測されていました。「モンゴル=世界でも数少ない北朝鮮の友好国」なんてレッテルを貼られたら、日本にいるモンゴル人はなんとなく嫌な気分になるでしょうね。が、その後のニュースを見てみると、どうも「ホワイトナイト」の可能性もあるようなのです。どういうことか?先月末にエグベルドルジ大統領が訪日し、安倍首相の私邸に招かれたことはお伝えしましたが、どうもそのことと関係あるようなのです。朝鮮総連は、本部ビルを失うことに相当な危機感があるようで、これを普通の日本企業に落札されたら、貸してもらえないばかりか、ビルそのものも取り壊されるだろうと思っているでしょう。安倍首相は、モンゴルを通じて拉致問題で北朝鮮と交渉したい強い気持ちがあります。なので、第三者的なモンゴル企業を使って落札してもらい、それを従前通り朝鮮総連に「使ってもいいよ」というメッセージを北朝鮮に送るというのです。外交の交渉ごとは様々なギブアンドテークがあるでしょうから、今回の件も官邸主導の対北朝鮮交渉の一つではないかということです。こう考えると、モンゴルは「怪しい立場」ではなく、安倍首相に協力するための行動ということになります。エルベグドルジ大統領は今月中にも北朝鮮に行って、金正恩と会う予定で調整中だそうです。つまり、安倍首相は大統領に拉致問題の解決を頼んだと推測されるのです。その一環として、モンゴル企業が落札したと考えられるということです。もしこの通りであれば、モンゴルの立場は「怪しい」のではなく「白馬の騎士」という日本を助ける立場になります。このシナリオが正しいかはまだわかりませんが、22日に地裁による落札の確認、月末までの大統領の訪問などで、徐々に真相が見えてくるのではないかと思います。モンゴル企業の名前Avarはモンゴル語で「救う」という意味があるらしいです。日本を救う?拉致被害者を救う?何やら意味深な企業名ですね。上手くいったら・・・?そりゃあ、けた違いのお礼が必要でしょうね、モンゴルに対して!
2013.10.21
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最近、モンゴルのことを蒙古と表現するのは控えてほしいという要望がありました。「え?蒙古がいけないの?日本は昔から使っていたはずだけど・・・」と思ったものの、少し調べてみるとやはり私の方が無知なんだということがわかりました。私と同様、蒙古を使うのは良くないことなんだとわかっていない人がいる可能性があるので、ネット等で調べたことを書きます。蒙古という言い方は、700年以上前の鎌倉時代からだそうです。ですので、日本人にとっては単に国を表す漢字でしかないと思っていました。当然ですが、この言葉は中国から伝わってきたものです。良く知られているように、中国は周辺の異民族を呼ぶときには必ず「侮蔑」の文字を入れます。匈奴とか鮮卑とか、見るからに悪そうというか、悪意のある名前の付け方であることがわかります。司馬遼太郎も、中国は異民族に対して「夷」「卑」などの文字を使ったり、けものへん(犭)を使って蔑視を表していると言ってました。日本だって、その対象です。古代より奴国や倭国と呼ばれ、当然ながらいい意味ではありません。女王卑弥呼の「卑」も蔑視が含まれると言われています。中国はその辺、漢字のオーナーだけに、中華思想によって上手に蔑称する漢字を当ててきたのでしょう。そういう流れでの呼称が蒙古なのです。意味は「無知で古臭い」とのことです。私もそうですが、ほぼすべての日本人は侮蔑の意味では使っていないと言えると思います。明治以降でも、アメリカを米、フランスを仏などと漢字で表現するようになったため、その一環で蒙古は一層定着したのでしょう。ですが、悪気がなければそれでいいのか?という問題があります。呼ばれる側の立場になって考えないといけないでしょう。ミヤンマーは以前はビルマと呼ばれていましたが、今では国際的にはミヤンマーが定着しています。外国人には本当のところ、ビルマとミヤンマーの違いは詳しくはわからないでしょう。ですが、当の彼らがビルマをやめてミヤンマーにしてほしいと言っているのです。そうであれば、彼らの希望に従うというのが国際社会の常識なのだと思います。恥ずかしながら、私は蒙古という表現に「問題あり」とは全く知りませんでした。が、調べてみると、意外と昔から日本は対応していたようです。共同通信社は「世界年鑑」1949年版で蒙古をモンゴルとすると示し、それ以降はすべてモンゴルと表記しているそうです。日本の外務省は1972年の国交樹立以来、すべての表記はモンゴルです。1962年司馬遼太郎で有名な大阪外語大も1962年からは蒙古語科からモンゴル語科に変更しました。なるほど、私の認識がいかに甘かったかがよくわかります。このブログでは、今後はモンゴルと表記します。ですが、やっかいな問題が残っています。そもそもこの蒙古表現問題は漢字を使う国だけの問題です。常識的に考えれば、この問題が残っているのは日本と中国(台湾含む)くらいなのでしょう。では中国に対してはモンゴルどう言っているのでしょうか?調べてみると、中国に対してはなかなか言えないそうです。なぜならば、中国にはそもそも蒙古自治区というものがあり、中国は昔から中国としての呼び方を持っているのです。日本をリーベンと呼び、東京をトンキンと呼びます。この呼び方には昔から日中間で議論がなされましたが、未だに東京はとうきょうとは呼んでもらえません。その中国に対しては、蒙古(モング)と呼ばないでとまではいえないようなのです。これをモンゴル側が強く主張すると、内モンゴルの人たちに向けた政治的、民族主義的な運動と誤解される、というのもあるそうです。というわけで、このモンゴル呼称問題は、世界広しといえども、どうやら日本固有の問題のようです。モンゴルの人が嫌がる呼称は止めないといけません。声を大にして行うような運動ではないかもしれませんが、モンゴルに多少なりとも縁のある人たちは、呼称には十分注意したいものです。
2013.10.08
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夜遅いネットのニュースで、エルベグドルジ大統領が今日来日して、安倍首相と会っていたとの報道がありました。報道によると、国選総会に出席した大統領側から帰国途中に訪日したいとの意向があって、急きょ安倍首相の私邸で1時間ほど会談があったとのことです。首相の私邸での首脳同士の会談は異例だそうです。異例でも何でも、いいことだと思います。事前のアポなしで突然連絡して「これから会いましょう」というのは、モンゴルでは普通ですが、日本側は慣れているはずもなく、さぞかし慌てたでしょうね。今日は日曜日だし、官邸を使うとなると緊急に職員の休日出勤を必要とします。かといって、その辺のホテルでやるといっても警備の問題もあるでしょう。結果として、首相の私邸しかなかったんじゃないかと思います。でも、私的な会談のようで良かったかもしれません。ちょっと穿って考えれば、臨時国会でも外資法改正は通らなかったし、外貨準備は減るし、サムライ債もなさそうだし・・・何か緊急に相談することでもあったのかもしれません。とはいえ、モンゴルの大統領は地位も名誉も高いけど、政治的な権限はあんまりなさそうなので、すごいことが即決できるとは思えませんけど。何はともあれ、9月中に大統領と首相のツートップが来日するなんて、滅多にあるもんじゃないでしょう。日本とモンゴルの関係が良くなることを願っています。
2013.09.29
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16日にウランバートルで発砲事件があったとのニュースが入ってきました。私も現地に聞いてはいますが、今のところはニュースなどで流れている情報程度のようです。ですので、以下ではモンゴル関連のブログから引用して状況をお知らせします。まずは、「モンゴル最新ニュース」(バックフォースモンゴリア作成)から。「表題:政府庁舎北側で発砲事件が発生、省庁などに爆破予告も警察庁より先ほど、本日の「ガル・ウンデステン同盟」のデモとそれに関連して発生した事件について発表があった。(中略)スフバートル区8ホロー、政府庁舎の北側の敷地内にある玉璽のモニュメントの前で「ガル・ウンデステン同盟」の3名が銃を持って歩いていたところを警備員らが取り押さえ、さらに公安庁が事件を捜査しているとのこと。警察機関は直ちに政府庁舎の北側の敷地を立ち入り禁止にして、不法にデモを行っていた者をスフバートル区長の第370号命令によりデモ参加者を解散させた。朝10時28分に政府庁舎北側の庭園で手榴弾が見つかったとの連絡が警察にあり、関連機関が捜索し、爆弾処理を行った。その後、13:50に「セントラルタワー」の南側のゴミ箱と自然環境グリーン開発省の南側の花壇付近に爆発物を仕掛けた」との連絡があったため、警察が現場に急行した。これにより、セントラルタワー、自然環境グリーン開発省、鉱業省、国税庁の内・外部にいた市民、自動車を緊急に避難させ、警察庁、公安庁、軍084小隊、レスキューなどが共同で捜索し、爆発物を発見した。具体的には15:30ごろセントラルタワーの建物内のゴミ箱から、17:30に鉱業省の南側の花壇の中から爆発物を発見し、処理をした。捜査機関は刑法に基づき容疑者の捜索を始めている。捜査機関は発見された爆発物を専門機関と共同で処理し、安全になったので市民は落ち着くように発表するとともに、企業には安全警備を強化し、警戒を高めるように呼びかけた。捜査機関は現在、事件現場を立ち入り禁止にして巡回警備し、警戒に当たっている。B.バト記者」つぎは、「新モンゴルまるかじり」(モンゴルだるまさん)より。「モンゴルの環境保護団体「ガルウンデステン(炎の民族)」が今日から始まった臨時国家での通称・「長ったらしい名前の法律」(鉱山開発などに関わる水源や土壌・草地などを守るための環境保全と現状回復のための法律なんだけどとっても長い名前なので、こう呼ばれる)の改正要求のためのデモ集会を開催しました。その際、どうも過激な参加者が国会議事堂前のチンギスハーン広場にて、空に向けて発砲、警官隊ともみあいになり9名が拘束されたとのこと。その際、「自然環境グリーン開発省とセントラルタワー内に爆弾を仕掛けた」との通報があり、厳戒態勢に突入・・・との記事。(以下略)」次も「新モンゴルまるかじり」です。「今回は鉱山開発により自然破壊に対する抗議と同時に、ここ1か月で急激にトゥグルグ安になっていることへの懸念、国民の生活の経済的やりくりが混乱しつつあるなかで、なんの対策も講じない、あるいは緊急臨時国会のはずが10日間近くも延期されたことへのくすぶり、などが背景にあるようです。爆発物というのが手りゅう弾らしいという記事でビックリ。どこからそんなもん調達してくるんだ?でも、数年前くらいまで、イトウなどの大物の魚を取るのに、川床に手りゅう弾とか爆発物をしかけて大量にとる、という野蛮で自然破壊のダメージがひどすぎる漁法が各地で行われていた国ですから、どっかから手りゅう弾くらい調達できちゃったのでしょうか?いずれにせよ、アンダーグラウンドな闇がいきなりつきつけられたようで暗澹たる気分です。爆発物が仕掛けられていたという国会議事堂北側の公園、といえば、弊社オフィスのすぐ近く。10mと離れていない場所で、ほんとに爆発したりしなくてよかった、とほっとしています。デモ隊と爆発物の仕掛け人との関係性はまだ詳細はっきりしていないようですが、いずれにせよ、自然を守るために、人を傷つけてしまっては、どんな誇り高い行為も台無しだってことを冷静に考えてほしいです。」とのことです。私から付け加えるような情報はまだ持っていません。ただ、政府庁舎北側とかセントラルタワーとか、私も普通に行動していた場所なので、ちょっと怖いです。
2013.09.17
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国旗の優先順位のルールは今もわかりませんが、今日はモンゴル国旗に変わっていました。> 青空のもと、たくさんのモンゴル国旗がたなびいてました。>国会の前にも、ご覧のとおり。国会付近は当然ですが、外堀通りにもたくさん掲げられていました。思わず「一体、政府はモンゴル国旗をいくつ在庫持っているのだろうと思うほどです。30や40ではとても足りない数ですから。これと同じように、世界200か国分を在庫しているとしたら、ものすごい数です。1か国200本として・・・なんと4万旗!これ以外にも、室内用とか、机上用とかも必要でしょうから、政府の用具係も大変です。あと、自民党本部に人が多かったという話ですが、やはりかなり凄かったようです。私は開始前から大ホールの中にいたのでわかりませんでしたが、今日聞いたら「自民党本部から地下鉄駅まで列が並んでいた!」「入れない人がたくさんいた」というではないですか。「自民党の大ホールが満員で入れなくなったのは、史上初めて」らしいことも耳にしました。結局の推論はこうです。初めて自民党に外国の首脳を招いて講演するのだから、ガラガラになってはまずい。だから、相当動員した。が、意外なほど「一般の人」が押し寄せてしまって、長蛇の列となり入場することもできなかった、ということです。いずれにしろ、自民党に対しても「モンゴル凄いな」という印象を与えたかもしれませんね。
2013.09.13
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で、こういう会には珍しく、午後1時少し前に始まりました。司会は自民党の議員です。まずは、自民党の林日本モンゴル議員連盟会長のあいさつ。そこで「へー」と思ったのは、自民党が外国の首脳を招いて講演をしてもらうのは、なんと初めてのことなんだそうです!「だから、なんなの?」という声も出そうですが、まあ、日本の政治を長いこと支配してきた自民党で初めてのことがモンゴル首相なんですから、ちょっと嬉しいかなと。少なくとも、「大切に扱われている感」は感じましたね。その後、関係者入場。モンゴル側出席者の紹介に続いて、日本側、つまり自民党側の紹介も。その際、一番右端に馴染みのある顔が。そう、ハマコーの息子です。おんなじ顔しているんですね。以前の本ブログのことを記憶している人は少ないでしょうが、私は以前モンゴルの偉い人から「ハマコーって知っているのか?国を動かせるような大物か?」と聞かれたことがありました。その時点ではハマコーこと浜田幸一氏は国会議員は引退していましたし、何かとうさんくさい噂がありました。政権が民主党になっていたこともあり、「ハマコーが現政権になんらかの力を持っていると期待するのはやめた方がいい。というか、そもそもハマコーとは親しく付き合わない方がいいと思います」と言いました。案の定と言いますか、その後、週刊誌などで彼のスキャンダル関係の記事が出ました。確か、モンゴルのことも書かれていました。そんな経験があるので、ハマコーの息子を見て「この息子、父親のモンゴル利権でも引き継ぐつもりかな?」と邪推したわけです。会場全体はこんな感じでした。 >大統領の講演は30分程度でした。>右の人が通訳です。きれいな日本語で通訳していました。通訳時間があるので、首相の講演時間は実質20分弱じゃないでしょうか。内容的には、少なくともこのブログの読者には「Nothing new」でしょう。要するに、モンゴルは民主化以降、日本のサポートに感謝しています、とか、真の友好国です、などです。まあ、観衆はほとんどモンゴルに関しては知らない人ばかりでしょうから、それでいいんじゃないかと思いました。モンゴル側メンバーは、こんな方々です。 >フレルバータル駐日大使、バトバヤル経済・開発大臣、ガンホヤグ鉱業大臣、オヨーン環境大臣などなどです。でも、やっぱり一番目立ったのはこの人です。>横綱白鳳もこの講演会に呼ばれていました。もちろん、一番拍手が多かったです。というわけで、全体でも40分程度で終了しました。実質的な、首相にしか言えない話や本当の課題などは全くなく、有効活動の一環という感じの講演会でした。それにしても、参加者が多かったなあというのが正直な実感でした。もう少し突っ込んだ話は、12日午後4時からのジェトロ主催の講演会に期待しましょう。
2013.09.13
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昨日、永田町の自民党本部大ホールで首相の講演会があったので、行ってきました。会場に近づいてまず気になったのは、この旗です。 >永田町界隈では、外国の首脳が来日すると日の丸とともにその国の国旗が掲げられます。1-2か所というのではなく、交差点や道路沿いに何本も掲げられるのです。当然、今日はモンゴル国旗だと思って行って見たら、見慣れない緑色の国旗です。「あー、これはきっとトルクメニスタンだな」と思いました。日程的に、ちょうどトルクメニスタンの大統領とモンゴルの首相の来日が重なっていたのを新聞で知っていたからです。首脳の来日が重なった場合は、どうなるのでしょうか?オプションとしては、1、旗を交互に掲げる。トルクメニスタンの次はモンゴル、その次はトルクメニスタン・・・という風に。2、その国の偉い人を優先する。例えば、国家元首とそうでない首脳の場合は、国家元首優先、とか。3、日本国の迎え方で変える。国賓を最優先する、とか。自民党本部前の旗を見ると・・・>やっぱり、同じトルクメニスタンです。ということは、オプション1はなし、です。その後、今朝の新聞を見たら、トルクメニスタン大統領は天皇と面会したとありました。ということは、国賓ということでしょうから、3の可能性もあります。オプション2の可能性ももちろんあって、モンゴルの場合は国家元首は大統領ですから、この場合も残念ながらトルクメニスタン大統領優先となります。結論はわかりませんが、私はオプション3が原則かなと思いました。外務省のHPを見ると、アルタンホヤグ首相も天皇と面談するようです。外務省的には公式実務訪問賓客なんだそうです。トルクメニスタン大統領も同じく公式実務訪問賓客です。つまり、オプション3の差はないということです。となると、オプション2の大統領と首相の差なんでしょうか?わからないままです。開演は午後1時からですが、開場受付は12時半からとなっています。私は、12時半よりも5分ほど早めにいきました。が、その時点でものすごい人人人・・・です。今までも、モンゴル・ビジネス関係の講演会とかモンゴル高官が来日した時の講演会などには何度か出ていましたので、なんとなくそういう雰囲気には慣れていました。そういう雰囲気とは二つあって、一つは人数です。大体多くても200人程度で、100人以下のことも珍しくはありません。そりゃあそうです、東京でモンゴルに強い関心を持っている人がそんなに多いとは思えません。もう一つは、参加者の面々です。なんと言っていいか難しいですが、モンゴル関係者の顔は名前は知らなくても見たことあったり、話の端々からモンゴル関係者だとわかるのです。(もちろん、日本人ですけど)ところが、今回の自民党本部はそれまで経験した雰囲気とは全く違いました。12時半過ぎに受付を終わらせて会場に行ってみると・・・なんと、もうほとんど席は埋まっていました!まだ開始まで30分もあるのにです。席を探すのに苦労するほどで、なんとか前方で空いている一席を確保しました。で、改めて見回してみると、既に大ホールの壁にはたくさんの立ち見の人がいるではないですか。600人定員らしいのですが、それをはるかに超える人が集まっていました。「こんなにモンゴルに関心がある人が多いのか!!」とちょっと感激しそうになりましたが、正直、よくわかりません。雰囲気が全然違うのです。来ている人の雰囲気です。全然、モンゴルっぽさがないのです。ちょこっと耳にした会話も、議員とか選挙、政治の話です。「うーむ、なるほど、これは動員された人たちだな」と思いました。そういう目で見ると、若い人が結構いました。自民党職員や秘書などかもしれません。学生ボランティアらしき人もいました。要は「政治家見習い」でしょう。モンゴル首相を呼んで、開場ガラガラだったら大変なので、動員をかけて満席にしたんじゃないかと思います。なので、知人の会社の人は普通に午後1時前に入ったら、座ることはできなかったそうです。(続く)
2013.09.13
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とうとうトゥグルグが大台を突破しました。今日の午後10時現在で、Web上の外国為替相場表によると1ドル=1,717.29トゥグルグとありました。今日のモンゴル銀行のオフィシャルレートも1,700トゥグルグ台になったようです。それにしても速いですね。このまま一本調子で下落するのかは不明ですが、日本が円安を喜べるのとは、モンゴルの場合はかなり状況は異なります。要するに、こんな急落はまずいでしょうということです。そんな中、アルタンホヤグ首相の来日です。そのせいでしょう、今日の日本へのMIAT直行便はかなり前から満席だと聞いています。突然ですが、今日の夕刊の広告です。確かに、このような広告をどこかの国の首脳で見たことがあるような気がしますが、モンゴル首相に関しては初めて見た気がします。(大統領を含め、もしかして以前にもあったのかもしれませんが)まず最初に感じたのは「これは一体誰に向けた広告なのか?」です。新聞広告ですから、ある人たちを対象にお金をかけでも広告したいのでしょう。そのある人たちとは誰か?首相の来日歓迎します、というメッセージですが、そもそもこの広告でどれだけの人がピンとくるのか?もちろん、私は即座に反応しましたが、普通は気にも留めないでしょう。普通の一般日本人が相手ではないと考えていいでしょう。モンゴルのビジネス関係者?三菱商事の名前が、この広告で何かそういう人たちにインパクトあるとは思えません。在日モンゴル人?うーん、少しはあるかもしれませんね。でもこう言ってはなんですが、いくら日本語を勉強したといっても、どれだけの在日モンゴル人が日経新聞の夕刊を買うのかわかりません。モンゴル人限定でいえば、数百人もいないんじゃないでしょうか?というわけで、これは広告としての意味はほとんどないと思います。じゃあ、何のためか?モンゴルから来る首相ご一行に対して、在日モンゴル大使館の人が「ほら、首相歓迎の広告が日本の新聞に大きく出てますよ」と首相に説明するのに使うくらいかなと思います。この広告主は5社あります。3つの商社は、モンゴルでなにがしかの事業をしているか、現在入札中です。スルガは例のジャパンタウンの建設者です。KPMGはモンゴルに最初に進出した世界レベルの会計事務所です。が、ジャパンとあります。モンゴルへはジャパン経由で進出したのでしょうか?なんでジャパンがついているのかわかりません。あれ?丸紅がないですね。双日だって、発電所の案件があるはずですが・・・どうやってこの5社に決まったのでしょうか?順不同とありますが、なんで真中がスルガで、住商の位置は左なんでしょうか?などなど、つまらぬことを考えてしまいます。とにかく、この広告は一般読者の99%は対象外であり、気にしなくても構わないという広告に見えました。でも、モンゴル関係者(というか経験者)としてはちょっと嬉しいです。今日から4日間、私もアルタンホヤグ首相の来日を歓迎します。早速、明日モンゴル国旗が飾られているか、永田町あたりをうろついてみましょう。(笑)
2013.09.11
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私はかねがね感じていたことがあります。英語で日本語のことをJPYと書くことがありますが、これは日本円(JaPanese Yen)のことですね。同じように、中国の元はRMB(Renminbi)と書きます。意味は、人民幣です。ところが、日常的に話す時には、日本円は「ィエン」と聞こえ、中国元は「ュエン」と聞こえるのです。日本語での「エン」と「ゲン」、英語表記での「JPY」と「RMB」は間違うことはありませんが、「ィエン」と「ュエン」はどう聞いても似ています。なんでかなと思っていました。もちろん、このブログの読者の多くの方々はご存知であったことなのかも知れませんが、私は恥ずかしながら「全然知りません」でした。先日、トゥグルグのことをネットで調べていたら偶然わかったのです。円と元は同じ意味だったのですね。以下はネットなどでの受け売りですが、私同様ご存知ない方もおられると思いますので、ちょっとまとめてみます。中国ではよく骨董屋さんあたりで見るような宋銭などの貨幣が流通していましたが、18世紀ごろからメキシコドルなどの円状の銀貨が流入し、これが「銀圓」と呼ばれたんだそうです。圓は丸という意味です。この頃の驚くべきことは、メキシコドル(銀貨)が世界通貨のデファクト(基準通貨)のようになっていたんだそうです。ま、メキシコといってもこの頃はスペイン領ですけど。アメリカの1ドル銀貨もメキシコドルに基づくもので、当時は世界的にメキシコドルの流通が圧倒的に大きかったんだそうです。びっくりです。もっとびっくりするのは、中国の圓とアメリカのドルはともにメキシコドルをベースにしていたので、当時はほぼ同じ価値だったんだそうです。にわかには信じられません。1ドル=1元=1円=1メキシコドルに近い状態の時代があったなんて!!銀貨そのものが貨幣ですから、確かに今の紙きれの価値とは違って、基本的には銀の世界相場でその価値は保証されていたということなんでしょう。原始的ですが、わかりやすいです。なので、東アジアではどこも圓という通貨を使っていたというのです。日本は明治になって正式に圓を通貨の単位としました。当然、その後は金や紙幣などの導入で価値は変わって行きました。そして戦後になって、旧文字の圓を新字体の円に変えたというわけです。中国でも、孫文による中華民国の成立が起き、旧字の銀圓を改め、銀元が導入されたのです。戦後は共産党支配となり、人民元に変わったということです。更に、韓国も同じ話だそうです。やはり元々は圓を使っていたそうです。それを「圜」(Hwan、ファン)に変え19世紀末期から使っていたそうです。それが「圜」(ウォン)に変わり、今に続いているんだそうです。ですから、今も中国では韓国ウォンは「韓圜」と表記されるとのこと。つまり円も元もウォンも、もとは全部一緒だったというのです。まさに「じぇじぇじぇー」です。更に驚いたのは、ここにトゥグルグまで登場することです。モンゴルや満州国では「圜」(円)と同じ意味のトゥグルグ(Tukhrik)を通貨単位として使っていたというのです。本当なのかな?ネットで調べてもこれが本当かどうかはわかりませんが、どうもそうらしいのです。満州国では、貨幣単位として「圓」が採用されてたのですが、紙幣上には「圓」表示とともにモンゴル文字により「トゥグルク」も表記されていたというから、驚くほかはありません。満州関連の本はいろいろ読みましたが、どこにも紙幣に「トゥグルグ」が書かれていたなんて見たこともありません。ここで感じたのは「やはりモンゴルは中国文化圏外」だなということです。日本も韓国も中国とは別と言いながら、結局は「圓」の末裔を今も使っているのですから。それに対して、モンゴルは意味こそ同じような丸の意味かもしれませんが、文字も発音も中国とは一切関係ない独自の言葉を使っています。モンゴル人がいつも言うように、やはり中国とはずっと隣合わせで来たけど、文化的には全くの「別物」なんでしょう。いやー、それにしても東アジアは深いですね。東アジア共同体とか言ってますが、将来はこの「圓」が共通通貨として復活するのでしょうか?その場合、発音の違いでもめることになるんでしょうね。要するに英語表記ですね。YenとYuanとWonを共通にするなんて日中韓が合意することは考えられないので、やっぱり無理かな。ちなみに、ベトナムのドンも仲間かなと思って調べたら、元々の意味は「銅」だそうです。これも東アジアを感じますね。
2013.08.31
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ネットニュースに出ていた「突厥」の二文字に反応してしまいました。反応した理由は、モンゴルにいた時に知りあった、日本の大学から突厥の研究で派遣されていた研究者のSさんの影響があるのは間違いないでしょう。本ブログ2010年10月14日付け「日本のインディージョーンズ、モンゴルを去ります。」参照http://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201010140000/記事によれば、突厥の文字を使った碑文がモンゴル東部で初めて見つかったのだそうです。調査は大阪大学が参画とあります。え?だとすると、Sさんがモンゴルにいた時から続けているあの調査の続きなんでしょうか?確かSさんは、大阪大学の研究チームでしたから。あの時は、文部科学省からの研究費が打ち切られて帰国すると聞いていましたが、また別のプロジェクトが始まったのでしょうか?突厥は、中央ユーラシアの草原地帯で初めて文字を使った遊牧民なんだそうです。そしてそのほとんどが、モンゴルの西部か、より西方の国でしか発見されていないと聞きました。確かにSさんはその突厥文字を求めてロシアやフィンランドまで遠征していたと聞きました。その突厥文字が、モンゴルの東部で発見されたというのが今回のニュースです。記事によれば、ウランバートルの南東450kmに遺跡があったとのことです。地図で見ると、スフバートル県かドルノゴビ県でしょうか?8世紀のものだそうです、やはりこの頃まではトルコ系遊牧民がいたのですね。それがあんな遠く、中東と言われる地域よりもさらに西へ移動してしまったのですから、大陸の歴史は島国日本の人間からは想像もできないダイナミックなものがあります。こういう研究は、確かに日本にとっては経済的なメリットはないでしょうが、この地域にとっては日本の存在は非常に大切だと思います。中国は自国中心の歴史しか関心ありませんし、特に周辺国の歴史については「捻じ曲げてでも」中国有利にしようとするので、中国の援助があっても正しい歴史は発見されないでしょう。なんせ、「なんで、中国は内モンゴルを取ったのだ?」と聞いても「え?取った?まさか。元々、モンゴルは中国だったわけで、その一部が北へ出て行ったんでしょ?」というくらい、現代中国人は教育されているのですから。「チンギスハーンだって、元々中国人だったわけで、それが北へ行って国を作っただけのことです。」と言い放つ現代の中国人を見ると、どんな教育がなされているのかは想像ができます。そんな「中国固有の領土」に8世紀ごろに遊牧民固有の文字があったなんて、漢字中心の人からしたら許せないでしょうね。ですから、特に中国周辺諸国の歴史探索には、公平な視点を持つ日本の参画が重要だと思います。そういえば、当然のことながらSさんは突厥文字を読めると言ってました。今度会ったら、今回発見された文字の解説でもしてもらおうと思います。記事の中には「褐色のわが土地よ、ああ」「わが家よ」などが書かれていたとあります。一見、何もない草原ですが、あまたの歴史が繰り広げられていたんだなと思いを馳せることができるでしょう。
2013.07.18
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こんなことでいちいちこのブログで反応することもないんだけど、沖縄が大好きな私にとっては非常に「ムカっ」とする話です。例によって、共産党の指示のもとで働いている御用研究者が「琉球は明清両朝の時期、中国の属国だった」と言ってるそうです。属国?属国ってことは、明や清そのものじゃないってことですよね?国としては別だと。はい、その通りですよ。この属国というのは、要するに冊封国ということです。確かに琉球は、その地理的に不安定な存在から清・明や大和と対立するわけにはいかず、清や明の冊封を受け入れていました。が、同時に大和(薩摩)の支配も受けていました。中国の人は自分たちのことしか見えてないから、そう思っちゃうんでしょうね。言い方悪いけど、二股かけてたんですよ、琉球は。それが小国の生きる知恵だったのでしょう、良い悪いの話ではなく。でも、歴史を直視できない中国人御用研究者は「自分だけとお付き合いしている国」だと勘違いしているのですね。そこが理解できない(したくない)ってことなんです。そして、冊封国が今も中国であるとの理由であるなら、韓国や北朝鮮、更にはベトナムなどはどうなるんですかね?せっかく変な理屈をつける研究をしているんだから、なぜ朝鮮や南越は今は独立国で、琉球だけが今も中国の領土であるのか聞きたいですね。きっとものすごく面白い理屈を述べてくれるんじゃないでしょうか?また、もし明の時代まで遡って所有権を主張するなら、もう少し頑張って元の時代まで遡って欲しいです。そうすれば、そもそも中国はモンゴルのものだということになりますから。モンゴルとしては、その理屈は理屈としても、謙虚に「全部とは言わん。まあ、内モンゴルを返すことだけで許してやろう」と優しく手を打ってくれると思うのですけど。アメリカの偉い研究者が言ってましたが、中世にまで遡って「これは俺の国だ」などと主張するのは、近代社会において許されないし、学者の世界でも非常識であると。その通りで、14世紀とか15世紀のこと言ってたら、アメリカは誰のもの?ってなってしまいます。もし、中国が「いやいや中世の頃が大事なんだ」と言うなら、北方領土の帰属に関してはどう判断するんですかね?この話になるとロシアの肩を持ってますけど。さすがのロシアだって、1945年以前から北方領土はロシアのものとは言ってませんからね。沖縄へ行けば分かることですが、昔の琉球は確かに大和とは異なる独自文化があったと思います。が、それは決して漢人文化ではありません。言葉ももちろん方言というには、日本語の標準語とはかなり異なりますが、言語体系は日本語と同じであり、決して中国語系ではありません。敢えて言えば、琉球は中国でも日本でもない独立した存在であったと思います。が、最終的には廃藩置県の時に沖縄県となったわけで、中国の主張する日清戦争で奪われたという話は全然違います。それ以後、中国は異議を言う機会もあったにもかかわらず、沖縄県を日本の領土として認めてきたわけです。が、なんで急に今そんなことを?当たり前ですが、尖閣諸島の問題です。尖閣の問題を矮小化するかのように、より大きな沖縄の問題を出してきた。ここで争って、最終的には沖縄は日本に、尖閣は中国にと妥協でもしたいのかもしれません。ただ、こんなことを言いだすと、私は中国にとってはマイナスでしかないと思います。多くの諸外国は、はっきり言って尖閣諸島なんて興味もないし、日中どっちの言っていることが正しいかなんてわからないでしょう。でも、沖縄は有名すぎます。そもそもアメリカと戦争して、壮絶な沖縄戦まであったわけです。良い悪いは別にして、アメリカの基地は今もたくさん存在しています。そのアメリカが「あなたたちは、中国の領土で戦争したのですよ。今ある基地は、全部中国の土地なんですよ。」なんて主張を聞き入れるわけがありません。インドネシアでダイビングした時に、ドイツから来たダイバーに「Why?なぜインドネシアに来るの?オキナワの海が世界一美しいんじゃないの?」って言われたほど、オキナワは有名なんです。サミットまでやったオキナワを中国が自分の領土だと主張すると、「ああ、やっぱり中国の主張ってインチキなんだな。尖閣のことは詳しくは知らないけど、オキナワと同じでインチキの主張ってことなんだな」とばれてしまうことになるからです。とにかく中国よ、そんなことよりチベット、ウィグル、内モンゴルの解放を早くやって下さい。
2013.05.08
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日本でやるモンゴルのお祭りハウリンバヤル。この名前はモンゴルにいた時から聞いてはいましたが、連休中ということもあり一度も行ったことはありませんでした。今年もほとんど意識していなかったのですが、5月5日の日にハウリンバヤルがあることを耳にして「じゃあ、行ってみようか」と思い立ち、ふらりと行って来ました。奇しくもこの連休中は、モンゴルでもジェトロ主催の「ジャパン・ビジネス・フェアinモンゴル2013」が開催され、連休中は日蒙両国で友好親善を深めるための催しがなされました。ウランバートルでのフェアは盛況だったようで、1.5日で900名もの来場者があり、21社もの出店者からは好評で、今後の継続開催を望む声が多かったとのことです。残念ながら私は現場には行けませんでしたが、BF社のサポートも良かったこともありかなり満足のいくフェアだったとのことです。フェアだけでなく、こういうことをきっかけにもっと多くの日本企業にモンゴルに進出してもらいたいと思います。で、ハウリンバヤル(モンゴル語で春のお祭りという意味です)です。大江戸線の終着駅光が丘まで地下鉄で行きました。ですが、下車したもののどこでやっているのはわかりません。電車を降りたとこにモンゴル人の学生風二人がいたので「どこでやっているのですか?」と聞きましたが、彼らもどっちの方角かわからないようです。仕方なく道行く人に「すいません、光が丘公園ってどっちですか?」と聞いたら、この駅周辺は全部光が丘公園だと言われ途方にくれました。案内板でもあればいいのですが、そういうものは一切ありませんでした。その辺をうろうろしているうちに、そのモンゴル人学生が「あ、きっとあっちだ」と言うので、そっちへ行くとやってました。実は彼は昨日も来ていたのですが、駅から出て方角がわからなくなっていたのです。会場に到着。風景的には、大学の文化祭でやっているような露店の店が20店余り出ており、後はゲルなどが点在しているという感じでした。最初に目にしたのは「トルコ料理」屋さん。他には焼きそばとかフランクフルトなど。期待していたモンゴル料理屋関係は数は少なかったですが、ありました。ボーズ5個入りパック750円、ホーショール2枚400円を頂きました。もちろん味は違いますが、まずまずでした。ナーダムの露店のように、店の後ろで女性たちが小麦粉から練って作っていました。ただ、ちょっと残念なのは、モンゴルの雰囲気を味わおうとやってきても、モンゴル人と接する機会がほとんどないのは残念でした。皆、商売で忙しいので、物を買う時だけ短い会話をする程度です。とても、「日本人とモンゴル人の交流の場」という姿ではないように思えました。私は少しはモンゴル関係の話でもきける機会があるのかなと思いましたが、残念ながらそういう雰囲気の演出はなく、日本の神社の屋台を歩いているのと同じ感じでした。もうちょっと、そういう演出があってもいいんじゃないかと思いましたが、そんなに簡単にはできないのでしょうかね?モンゴル人は商売で忙しく、日本人は珍しいものでも眺める感じでした。せっかく日本語ができるモンゴル人がたくさん来ているのですから、そこここでいろんな会話があればいいのにと残念に思いました。一人でブラブラしていても、とにかく話す機会がないので一通り見て帰ろうと思ったら、向こうからにこにこしながら声をかけてくる人がいました。なんとBF社(上記のジェトロのプロジェクトをモンゴルでサポートした会社)のCOOのHさんではないですか。聞けば、ハウリンバヤルのためにモンゴルの不動産関係の紹介を在日モンゴル人に行うブースを持っているとのことでした。10か月ぶりの再会となり、ちょっと懐かしく話しました。また、その近くにはモンゴルの就職機会を在日モンゴル人に紹介するブースもあり、NTVなどが紹介されていました。パンフレットを見ると友人のUさん(NTVの社長)の写真が。NTVからの取材の人もいて、いろいろ話せました。結局、「日本とモンゴルの交流の場」的な催しはありませんでしたが、在日モンゴル人相手のブースではいろいろ話すことができました。このお祭りは在日のモンゴル人留学生の会が主催しているそうです。日本にいながら、よくここまでできたなと感心します。当初は、関係各所などとの交渉は大変だったでしょう。今でこそ10数回も歴史があるので、やりやすくはなったかもしれませんが、第一回の主催者は本当に大変だったと思います。こうした会が継続するのは大変いいことだと思いますが、もう少し日蒙交流の場となるともっといいなと思いました。神社の祭りの屋台みたいなものですから、食べてブラブラすれば、あっと言う間にやることなくなります。結局2時間もしないで帰ることになりました。回を重ねて、こうした庶民レベルの交流がもっと深まることを期待しています。
2013.05.06
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昨日のネットニュースで、「中国外務省傘下の外交専門誌「世界知識」が、現在に至るまで日本の合法的主権は沖縄に及ばない、と主張する論文を掲載した」との記事がありました。日本には言論の自由があるし、誰が何を言っても構わないのですけど・・・正直「あんたがそれを言うわけ?」と思ってしまいました。沖縄の歴史については、アイヌの歴史同様に、日本への統合化の過程で現代的な視点で見れば「何も問題はなかった」ということはないとは、私も思っています。日本政府未だにアイヌ民族を北海道の先住民族だと正式には認めていません。ひどい話です。これを認めてしまうと、元々は北海道の土地は全部アイヌのものだったということになり、補償問題になってしまうからなんでしょうかね?世界的に先住民族を尊重しようという流れが加速化されている中での日本政府のあり方には大いに疑問を持っています。でも、だからといって、北海道は本当はロシアのものだったとは思いません。施政権は、江戸時代から日本政府(大和、ってことかな?)にあったのは間違いないでしょうから。沖縄は独立国だった、という話は良く聞くところです。私もあの時代の定義で言えば、日本でも清でもない独立国だったと思います。もちろん、清と薩摩からの二重統治的な部分はあったにせよ、そういうしたたかな生き方を含めて、独立国だったんだと思います。それが最終的には廃藩置県で日本に正式に編入されたわけです。そこに沖縄の人が文句を言いたいならわかりますが、中国には言われる筋合いはないと思います。なぜか?まず、中国人研究者は「合法的」とか「国際法」とかの正しい意味を理解していないことがあります。もし理解しているなら、ケーススタディとしてチベットやウィグルをちゃんと指摘するべきです。その研究者に「武力によって併合された」って例を挙げて下さい、言いたいですね。身近な例がたくさんあるでしょ?内モンゴルで数十万も殺戮したのは制圧するためだったんじゃないですか?と。チベット人僧侶を大量に虐殺したのは、チベットを併合するためだったんじゃないですか?と。ウィグルの弾圧を今でも続けているのは、暴力しか統治の手段がないからではないですか?と。この記事を見て、数年前にモンゴルで聞いた日本人研究者の言葉を思い出しました。「日本は財政問題からどんどん大学での研究予算が削られています。工業技術などに結びつく理系の予算はまだましですが、すぐには役に立つことのない文系の予算、特に歴史に関する予算はひどいものです」「歴史の研究は本を読んでいるだけ、というのは昔の話で、今は現地現場での研究が必要なのです。そのためにはお金がかかるのです」「歴史は、まだまだやればやるほどいろんな事実がわかってきますが、残念ながらその予算が削られています。でも、中国は逆にどんどん増やしているのです。」「以前は、中国はお金もなかったので、お金のある日本との共同研究といえば非常に歓迎され、喜ばれたものでした。が、今は絶対額でも到底かないません。今では、日本側が共同研究しようと言っても、なかなか乗ってきません。なぜかわかります?」「彼らは、彼らの手で歴史を作るのです。それも完全なインチキではなく、時間とお金をかけて調査研究したデータをベースに、いかに中国が歴史的にその領土を持っていたかを調べさせるのです。そして論文で発表します」「その論文はもちろん英語化され、どんどん増えて行きます。日本の比じゃありません。嘘っぽい論文でも大量に出回れば、それが真実になって行くのです。日本が反論しない限りはそうなって行きます。モンゴルの歴史も少しそうなりそうなのです」「反論にもお金がかかります。ただ単に「そんなのウソだ!」だけでは、論文になりませんから。調査研究が必要なんです。」こんな話を聞きました。なるほど、中国は単に騒いで歴史を歪曲化しようとするだけじゃなく、お金をかけて調査研究して、歪曲を正当化しているんだなということです。沖縄問題も、単に「またあの中国がアホなことを」で済ませられないのかもしれません。中国人研究者が中国の侵略の歴史を暴いてくれる日が来るのでしょうか?ま、今の体制のままなら殺されてしまうでしょうけど。日本も歴史の調査研究に手を抜かないようにお願いしたいですね。
2013.05.01
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北朝鮮情勢が、日に日に厳しくなっている最近の状況ですが、その北朝鮮とモンゴルが「友好国」であることは意外と知られていないようです。普通の日本人にはほとんど関心ないかもしれませんが、モンゴルに関係している日本人は拉致問題への関心などをきっかけに「へー、そうなんだ?」と知ることが多いでしょう。世界的に、国交はあっても友好国と呼べる国が中国以外にほとんどいない北朝鮮ですが、モンゴルはその数少ない友好国です。もちろん、今のモンゴルを見ればわかるように、韓国との友好関係も良好です。韓国との国交は1990年からですが、北朝鮮は社会主義時代からの関係です。ただ、今の現実的な市民感覚では「ソロンゴス(コリアのこと)」といえば、韓国のことを指します。ウランバートル市内にはたくさんの韓国料理屋さん(私の感覚では、中華料理や日本料理屋さんよりも多い)がありますが、そのほとんどは大韓民国の人たちのお店です。モンゴルへ行った当初は、「アリランというお店は北朝鮮系で、スパイらしき人がいる」などともっともらしい噂も聞いたことがあります。今ある同じ名前の店は、どうも違いらしいとも聞きましたが、私なんかに真相が分かるはずもありません。日本政府は、小泉さんの訪蒙の時も、今回の安部さんの訪蒙時にも「モンゴルを通じて、北朝鮮に拉致問題へのメッセージを伝えて下さい。」とモンゴルを頼りにしているのは、モンゴルが北朝鮮から見ても友好国とみなされていることを知っているからです。私がモンゴルに住んでいた時、拉致問題など時々北朝鮮のことが話題になったことがありました。その度に「あの国はかわいそうだね。でも、私たちも社会主義を経験しているからわかるんですよ、きっと何も言えない社会なんだろうって。」「モンゴルを見習って、早く民主化すべきです。」「日本人拉致は本当に許せない。」などの声を聞きました。その時に私が「モンゴルは世界で数少ない北朝鮮の友好国ですからね。」と言うと「え?北朝鮮って、モンゴルの友好国なの?そんなわけないでしょ、あんな馬鹿な国と。」という声が帰って来たのも事実です。社会主義時代を経験している年配の方ならともかく、北朝鮮が馬鹿な独裁社会主義国家だとしか知らない若い世代にとっては、そんな見られ方は困りますという感じでした。そんなモンゴルと北朝鮮との関係を示す珍しい報道がありました。「ひどい食糧不足に直面するかも。北朝鮮大使がモンゴルに支援要請」という見出しの報道がありました。それによると、新しい在モンゴルの北朝鮮大使がエルベグドルジ大統領と会った時に「北朝鮮は、ひどい食糧不足に直面するかも知れない。モンゴルには、北朝鮮への食糧支援の可能性を検討するようにお願いしたい」と言ったと、大統領の公式サイトが伝えているんだそうです。他方、北朝鮮の朝鮮中央通信もモンゴル大統領との面談を伝えているにもかかわらず、この大事な要請については全く触れられていないそうです。その代わり、エルベグドルジ大統領は「モンゴル政府と国民は、モンゴルと北朝鮮の友好関係の発展に、常に深い関心を払った金日成主席と金正日総書記のことを忘れないだろう」と言ったと報道されているそうです。本当にこのご時世で、そんなことをあの大統領が言うんですかね?大統領側の公式サイトでは「モンゴルと北朝鮮の国交樹立65周年にあたり、2国関係はさらに強化されるだろう」と言っただけということになっています。まあ、脚色は北朝鮮の得意とするところですからね。現在の多くの国民、特に若い世代で北朝鮮を友好国だと思っている人はいないでしょうし、むしろ嫌いな人の方が多いでしょう。日本や韓国との友好関係、経済関係を重視するモンゴル政府が本当に食糧援助をするのか、ちょっと注目したいです。あ、一つ北朝鮮に関する大事なつながりを忘れていました。現在モンゴルで働く外国人労働者で一番多いのは当然のごとく中国ですが、次は北朝鮮なんだそうです。韓国人と同じくらいいるらしいのです。そういう点では確かに友好国なんでしょうかね?
2013.04.24
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知人から「記事がアップされてますね」という連絡を受けました。「はて?最近は取材を受けた覚えはないんだけど・・・」と思ってそのURLを開けてみると、一昨年の夏に経済誌に出た記事がネットに載っていました。(本年3月6日付けです)http://president.jp/articles/-/8740確かにこういう取材あったなと覚えてはいますが、特に連絡もなくオンラインサイトに載ったので全然知りませんでした。要するに、雑誌で取材した記事をネットで再利用するということなのでしょう。私としては困ることなんかないですから全く構いませんが、確か日経ビジネス系は事前に「オンライン媒体に載せますけどいいですか?」って聞いてきたことがありました。この辺はまだ各社で対応が異なるようです。私としては、記事の中身はともかく、モンゴルのことを多少ながらも触れている記事がこうしてネット上に載せてもらえるなら、それはそれでありがたいことだと思っています。その知人のメールでは「ランキングに入ってますよ」とのことでした。そのページを見てみると、確かに「昨日のランキング」とか「最近1時間のランキング」なども出ています。私の記事は、3月6日に載ったので、ベスト5には入っているようです。まあ、こんなランキングなんて2~3日すれば、新しい記事に切り替わるのは当然でしょうが、一つ嬉しい点があります。フェイスブックの「いいね!」がわずか2日で400以上も頂いているのです。私はフェイスブックをやりませんので、この数字がどういう意味なのか見当もつきませんが、まずまずの数字じゃないかと言われました。実際に、同じHP上で見られる記事のほとんどは200以下ですから、なんだか良さそうです。そもそもどういう人が見ているサイトかもわかりませんが、私とは全く関係ないところでそういう支持を頂けるのは嬉しい限りです。このうちの数人でもいいので、モンゴルに関心を持ってくれたらいいなと思っております。私の記事とは別に、この記事を見ながらいろいろ考えました。なぜ、プレジデント社は1年半も前の記事を載せるのでしょうか?見れば分かる通り、このサイトは無料です。プレジデント社としては、このサイトを運営することでの収入はほとんど期待できないのでしょう。なので、新しいコンテンツを作る費用もほとんどないのではないでしょうか。そうは言っても、世の中の流れでWeb化を無視するわけにもいかず、結果としてコストを最小限にして始めたのがこのサイトのような気がします。ニューズウィーク(アメリカ)のように、全面的にはネットに移行できる会社もそうはないでしょうし、それでもネット化の流れは無視できないので一応手は打っておく。が、こういう仕事は、コスト先行で収入はほとんどないのが実態なのでしょう。その結論が、古い記事の再利用ということなのでしょう。モンゴルも新聞や雑誌などがネット化されているようですが、果たして収入に結び付いているのかは疑問です。この辺のブレークスルーはまだ先なのでしょうか?
2013.03.08
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ツァガンサルまであと一週間を切りました。モンゴルでは、お正月の準備に余念のないことでしょう。ここ日本でも、モンゴルにゆかりのある人たちで来週にでも集まろう、という企画が出ています。モンゴル話に花を咲かせることができるので、とても楽しみにしています。 最近、久しぶりに東南アジアへ行く機会がありました。モンゴルへ移り住む前は良く行っていましたが、モンゴルへ行ってからは本当に久しぶりでした。5年ぶりかな? そこで感じたのは「ああ、そうそう、こういう感じだよね、アジアにおける日本は」というものでした。アジアにおける日本?それは存在感です。もちろん、日本の相対的地位が以前よりはずっと下がって、中国や韓国の進出が目立っているのは承知しています。 が、やはり現地へ行ってみると、車や電気製品を始めとした日本製品、化粧品や雑貨、更にはコンビニや広告などの日常的な光景でそこここで日本の存在感を感じました。久しぶりに行って驚いたのは、これらの輸出品に加え、日本食店が非常に多いことでした。 以前ももちろんありましたが、メインは日本人駐在員や現地の方でも日本経験者、あるいは一部の愛好者といった趣でしたが、今は全く異なります。本当に「普通に」ありました。というか、大型ショッピングセンターなどのレストラン街では、半端でなく、日本食屋さんが一番多かったところもありました。 無論、お客さんのほとんどは地元の普通の人たちです。ラーメン屋さん、とんかつ屋さん、うどん屋さん、お寿司屋さん、焼肉屋さんに定食屋さん。以前は、これらは細分化されていらず、ひとくくりに「日本食屋」となっていましたが、今はそれぞれの専門店がたくさんあります。 2008年にモンゴルへ移り住んだ時に感じたのが、日本の存在感をあまり感じない国だったということです。もちろん、以前社会主義だったこともあり、アジアと言うよりはむしろヨーロッパの影響を感じました。 もちろん、どういう影響が街に反映されるかはその国の人々が決めることなのでなんとも言えませんが、東南アジアなどで日本よりも韓国の影響が大きそうな国はあまりないように記憶しています。 ただ、これはモンゴル人がそれを選んだというよりは、日本側があまり積極的ではなかった、というのが原因だとも思います。 いつかモンゴルでも、韓国料理屋さんよりも日本食屋さんの方が多くなる時代が来るのだろうか、とふと思いました。全ては歴史の結果であり、現在だけのことではないことです。長い間モンゴル人の気持ち(日本との結びつきを強くしたい)という思いを、日本が十分に応えてこなかった結果でもあります。 東南アジアでは、なぜか全く「アウエー」な感じがしませんでした。モンゴルもいつかそうなる日が来たらいいなと、身勝手にも思ってしまいました。
2013.02.04
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先日、大相撲の1月場所を見に、両国国技館に行ってきました。以前も相撲を見に行きたいとは思っていましたが、切符の買い方が良くわからずにいました。チケットぴあなどの宣伝も見ましたが、具体的にどう買うのかわかりにくく、無理してでも買おうというほどではありませんでした。相撲はもう10年、20年ぶりです。以前は、相撲のチケットは親方のおかみさんらが経営するお茶屋が牛耳っていて、実際にほとんど一般の人は買えないものでした。仕事で接待に使う需要が圧倒的で、普通の人が普通に見に行くのはかなり困難でした。私の過去2回の経験も、仕事上でいったものであり、一体いくらかかっていたのかさえも不明だったように思います。そんな怪しい制度も、最近の相撲不人気に抵抗できず、今ではネットでも買えるようになったと聞きます。とはいえ、砂被りなどは、特定の人にししか販売しないでしょうけど。たまたま新聞屋さんのチラシに「日経新聞で大相撲のチケット買えます」というのが入ってきたので、申し込んだというわけです。2階の椅子席でしたが、それでも8000円!やっぱり他のスポーツ観戦に比べれば、良くない席にも拘わらずやはり高いと言わざるを得ません。とはいえ、双眼鏡を持ちこんで、楽しく観戦しました。遠い2階席から1眼レフの望遠で撮影しましたが、やはり小さくしか見えませんが、「誰か」くらいはわかります。まずは、日馬富士の土俵入り今場所好調のようで、元気そうでした。白鵬の土俵入りも立派でした。こちらの写真の方が明るく撮れました。館内には、この両横綱の優勝の写真盾が飾られていました。館内の写真は、ほとんどがモンゴル人です!館内では熱戦が繰り広げられました。2階席で気づいたのですが、とても外国人の方々が多いということです。イメージ的にはヨーロッパ人でしょうか?恐らくロシア、グルジア、エストニア、ブルガリアなどの出身力士がいるので、応援に来ているのだと思います。少なくとも、以前見に来た時とは比べ物にならないほどの観客の国際化です。そして、ヨーロッパ勢にも負けないのがモンゴル人のお客さんです。もちろん、一見してすぐにわかる人もいますが、そうでない日本人に溶け込んでおるようなモンゴル人もかなりいるようだということがわかりました。ま、番付を見れば、モンゴル人が強いのは一目瞭然ですけどね。熱戦の末の物言いもあります。今場所の稀勢の里もまずまずの成績です。やはり大相撲観戦はテレビで見るのとは大違いです。なんというか、やはりこれは単なるスポーツではなく、文化とか宗教の一部なんだなということです。そういう文化を守りつつも、モンゴルやヨーロッパの人たちにも来てもらえるような、良い意味での国際化は大変良いと思います。帰りには、お約束通り両国周辺で「ちゃんこ鍋」を堪能して帰りました。「エンターテインメント」であることは確かですね。これでもっと安くて、チケットが入手しやすければいいんですけど。行った日は、満員御礼には程遠い状態でした。
2013.01.17
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四国の愛媛県沖で、日本の長距離カーフェリーとモンゴル船籍の貨物船が衝突したとニュースで見ました。幸いけが人などもなく大事には至らなかったようですが、なんでモンゴル船籍が四国に?という疑問が浮かびました。モンゴルに海軍があることは知っていましたが、貨物船もあるとは知りませんでした。ですが、ネットで調べてみるとモンゴル船籍についての記事が結構あります。一部報道では、ロシアからのカニ輸入時の船にもモンゴル船籍があるとのことです。船籍は、元々はその船を所有する国籍ですが、広く知られているように今ではパナマ船籍やリベリア船籍など多様化しています。日本郵船などの日系企業が所有する船の乗務員たちが90%以上が非日本人であることも有名です。これらは、税金の問題や運営コストの問題が多いようです。例えば、日本船籍ですと、ある一定以上の日本人の船員が乗ってないといけないとか。そうなるととてもコスト競争力の点で厳しいので、そういう選択が増えたのでしょう。こういう船は便宜置籍船と呼ばれるようで、その船籍のある国と実質的に運営している船主のある国とは全く関係ないということもあります。便宜置籍船は登録料と税金が安いほか、本国の船員組合からの干渉を逃れ、低賃金の 外国人船員を乗せやすいなど船主側のメリットがあるといわれます。船籍を提供する側からは「国名貸し」する国にとっ て外貨稼ぎにもなります。この流れで、モンゴルとしては船籍を提供することを始めたようです。ただ、こうした流れは複雑な問題が絡んでくるようです。例えば今回の事故のように船籍がモンゴルである場合、誰と交渉すればいいのか?便宜置籍船は、シンガポール辺りで手続きすれば容易に取得できると言われています。形だけ名前を貸したモンゴル側と交渉してもうまくは進まないでしょう。密輸などの非合法的荷物を積んでいる時の責任の所在はどこになるか、とか。カンボジアも最近はこの便宜置籍船で多くのトラブルが発生しているようです。寄港した国の当局からの出発許可が出なくても、平気で出港するとか。取り締まろうにも、一体誰を取り締まればいいのかがわかりにくいんだそうです。内陸国家ですが船籍を持てるというのは良いことだと思います。が、船主によってはおかしな問題に巻き込まれる可能性もあり、注意してほしいものです。今回の事故も早々に解決することを期待しています。
2013.01.12
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モンゴル人の友人Uさんが来日しました。シンガポールへ出張するのに合わせて、成田経由で行くことにしたので週末だけ東京に立ち寄ることができたということです。10月に来たBさんもそうですが、最近のモンゴル人ビジネスマンは、国内に閉じこもっている私なんかよりよっぽど海外を駆け廻っています。「何が食べたい?焼肉?寿司?」と聞くと、当然のように「寿司」との返事。日本に長い間いたモンゴル人の場合は、やっぱり日本に来たらモンゴルではなかなか食べられない新鮮なお寿司を希望するようです。(ケンピンスキーの日本人シェフのSさんは、頑張っているんですけどね。こればっかりはネタだから)お店に着くと、カウンタの離れた席には別の先客が。一目見て「あ、元監督さん」とわかりましたが、口にするほどではないので、黙ってました。すると隣に座ったUさんが「元監督さんですよね?僕、プロ野球好きなんですぐわかりました」だって。モンゴル人でプロ野球の元監督の顔を見てすぐ名前もわかる人って、Uさん以外にはあまりいないような気がするなぁ。普通の日本人以上に日本人っぽいです、Uさん。モンゴルでのビジネスや近況報告を聞きましたが、やはり最近はちょっと過熱気味だった景気も落ち着いているようです。Uさんは私の本のモンゴル語版出版に協力して頂いていたのですが、結構嬉しい報告を聞きました。私の本を売っている店も増え、少し前から空港にも置かれるようになったとのことでした。今度追加で印刷するときは、もう少しサイズを小さめにして手に取りやすい本にしたいと言ってましたので、増刷も検討されているようです。「他の国でも売れるんじゃないですか?」なんて言われましたが、さすがにそこまでは無理だろうと思います。ま、そういうことを言ってくれる友人がいるというのは、いずれにしても嬉しいことです。Uさんからも、先日気になっていた選挙のことを聞きました。やはりウランバートル市の多くの選挙区でやり直し選挙をやったようでした。どうも原因は、人民党時代に作った選挙人名簿に原因があるらしいという話を聞きました。なぜなら、やり直し、つまり投票率が50%未満の区域を調査しても、ほとんどの人が選挙をしたという結果が出たんだそうです。ですが、選挙権のある人の名簿を見ると「韓国に出稼ぎに行ってる人」「海外に留学している人」などもかなりの割合が含まれており、それが理由で投票率が伸びないんだとか。そもそも選挙権のある人の名簿を整理することはとても重要だと思うのですが、それをアップデートしてないんですかね?或いは、形式上は海外の人も選挙権があるから分母から外さないのでしょうか?もし日本にも投票率50%未満は、選挙やり直しなんていう法律ができたら、各地域の知事選とかどうせ当選するに決まっている田舎の市長選などの多くがその対象になりそうです。例えば埼玉県の知事選なんて、昨年は24.9%と50%どころか、そのまた半分というレベルです。ちょっと調べてみたら、今までの最低投票率は、2010年に行なった東広島市議会議員補欠選挙でなんと8.82%というのがあったそうです。ここまで行くと、そもそも選挙って何?って感じですね。これでも成立するんだから、日本の選挙制度にもまだまだ欠陥はありそうです。お寿司おいしかったです。しかもちょっと日本酒飲み過ぎ気味で。食べ物はやっぱり日本が一番ですね、と改めて思った麻布十番のM勘でした。
2012.12.03
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11月は紅葉の季節でした。全国各地できれいな景色が見られたことでしょう。私もちょこっと足を延ばしたので、写真を載せてみます。まずは、秩父の紅葉から。こちらも秩父です。こちらは長瀞の荒川流域です。川下りから見える紅葉は絶景でしたが、私の腕前がイマイチで、ちゃんとお伝えできてないかも・・・モンゴルにも紅葉はあるのか?ないわけではありませんが、その期間はとても短いというのが印象です。夏から秋、そして冬への移るのですが、秋はあっと言う間です。もうTシャツなんかじゃ寒いなと思ったら、すぐ暖房。そして零下の季節がまたたく間にやってくるので、木々は紅葉してもすぐに枯れてしまうのです。紅葉と言っても、赤くなるのはモンゴルでは見たことありません。ちょっと黄色っぽくなるかなという程度でしょうか?いずれにしても日本の紅葉は素晴らしいと思います。次は、京都のとあるお寺。見事な銀杏でした。これは携帯で撮影したものなので、そうでもありませんが、本物は本当に大きな銀杏で、まっ黄色でした。最後もそのお寺の中で。これも携帯撮影です。赤い紅葉はいいですね。東京では紅葉からイルミネーションの季節に変わりました。東京では「最高気温」が10度くらいで寒いでしょうと言ってますが、ウランバートルは最高でマイナス23度、最低は何とマイナス35度だそうです。8月の頃は、少なくとも最高気温は東京とUBは大体同じだったんですけどね・・・UBの気温の変化はジェットコースター並みです。
2012.12.01
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先日、新幹線の中でゆっくりと新聞を読んでいたら、今度の衆議院選の公認候補の名前の中に友人Kさんの名前が載っていてびっくりしました。1か月前に飲んだ時には、確かに政治や選挙に関してのテンションはいつもよりも高かったとは感じましたが、やっぱり本気だったんだと感心してしまいました。出張先へ着いたら早速Kさんに電話しましたが、声の様子から「もうバタバタしている」というのが感じ取れました。「のんびり話なんかしている場合じゃないな」と殺気立ったものを感じたほどです。地元での活動をしていたのでしょう。1か月前の時は、まだ解散が正式に決まっていない頃でしたから、政治の世界に入るかどうかの決断は突然迫ってくるもんだと、改めて感じた次第です。あの後すぐに「近いうち解散」でしたから、Kさんはあれからバタバタと会社を辞める決断までしたということでしょう。改めて考えると、やはり政治家は「普通の人」からは遠い職業だと思います。多くの人は、普通に職業を持っていますし、政治的な関心が高いといえども、そう簡単には仕事を投げ打って立候補するなんてできません。立候補したところで、当選するかどうかももちろんわからないんですから。そう考えると、元々が政治家の近くに育った環境か、政治家の秘書、或いは政治家を身近で見ている役人らが多くなるのも、なるほどなのかも知れません。Kさんの選挙区は私にはほとんどというか、全く縁のない地域なので知人に声かけることもできず、何かお手伝いができたらいいなと思うばかりです。一方のモンゴルでも、選挙の季節です。友人でビジネスパートナーのTさんがウランバートル市の市議会選挙に出ると聞いたのも、およそ一か月前ほどでした。「え?ビジネスの世界を辞めちゃうの?」と聞いたら、彼が創業した会社は順調に育ってきているので、その点は心配ないと言ってました。確かに、彼のような真面目で能力の高い人が議員になってくれたら、UBの発展にも十分貢献できると確信しています。確か、モンゴルでの選挙は11月21日頃のはず。メールを出しても、返事が来ないのでどうなったかはわかりませんが、小耳にはさんだところによれば、最低投票率(50%?)に達せずに再選挙とのこと。聞いた限りでは、彼はその時の選挙ではトップだったそうです。でも、再選挙となるとどうなるかはわかりません。当選していますように!仕事で関与しているとある組織でも、今選挙の最中です。トップの人も含め、選挙の洗礼を受けねばならず、なかなか厳しい組織だなと思いました。この季節が選挙の季節かどうかはわかりませんが、都知事選挙も入れれば、身の回りで選挙がたくさん起こっており、候補者も友人となると、ちょっと身近に感じます。
2012.11.29
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太陽橋、開通したようです。最近のウランバートル市内の渋滞は、ナンバー規制のお陰で減ったとのことですが、この太陽橋の開通でより一層渋滞が緩和されるといいと思います。土日の渋滞は今もひどいということですが、今週の週末に変化が見られるのかどうかは、楽しみですね。ちょっと政治の話題を。夏の選挙を経て組閣された名簿を、遅まきながら拝見しました。別に知人が大臣になったというわけではありませんが、名簿を見ると日本とはやはり違うなあと思いながら見てました。恐らく一番違うであろう点は平均年齢だと推測しますが、その名簿には年齢が書かれていないのでわかりません。総理大臣以外の大臣は全部で18人です。このうち、女性閣僚は3人、日本留学組は2人です。日本との比較で特徴と言えるのは、外国語を話せる人が多いということでしょう。一人で何カ国語もできる人もいますが、話せる言葉の多い順に羅列すると、英語とロシア語がともに13人で1位です。ちなみに、これは偶然同数になったというのではなく、この13人は全員英語とロシア語が両方できるということです。閣僚の7割以上が外国語2カ国語以上できるなんて、日本とは全然違うと言えます。その他の言語では、日本語2人、ドイツ語2人、フランス語1人、チェコ語1人とあります。意外なのは、中国語や韓国語を話す大臣がゼロということです。最大の貿易国である中国に対しては、多くの国民感情としては「嫌い」でしょうが、現在学んでいる言葉としては日本語よりも多いはずです。中国語ゼロというのは、二つの理由があるかなと思いました。一つは、中国語を学ぶ人が増えたのは比較的最近なので、まだ大臣クラスにまでなっていないという考え方です。もう一つは、大臣の履歴に「中国語」と書きたくないのかな?とも勘ぐれるかなという点です。「中国語」と書くと「あいつは、中国の回し者?」「中国との利権があるのか?」など余計な感情を生みだすからかも、とも考えられます。さすがに、実際にはわざわざできる能力を書かないということはないでしょうが、そんな勘ぐりまでできそうな、現在の蒙中関係のような気がします。連立相手からの入閣が5人もいます。イメージ的には「国民新党レベル」のような気もしますが、18人中5人はかなり連立相手に気を使っているということでしょうか?今回の選挙で民主党中心の連立政権となったわけですが、モンゴルの政治家は変わるのでしょうか?私には政治方針とかの違いはよくわかりませんが、外国人にとって一番「変わった」かどうかわかるのは「不正」が減ることと、「役所仕事」がスムースになることでしょう。是非とも、そうなってほしいものです。
2012.10.18
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今日は、モンゴル人の友人のBさんが仕事で日本に来ているということで会いました。Bさんとは、この夏の私の訪蒙以来、2カ月ぶりの再会です。仕事の話やモンゴルの話など、あっと言う間に時間は過ぎました。私がちょっと気になっていた点を聞いてみました。「ナンバープレートで車両を制限する法律は機能しているのか?」ということです。すると意外なほど「今のところは、結構うまく行っています。」とのことでした。Bさんに聞くと、Bさんのナンバーは月曜日が運転できない日でした。しかも、彼のパートナーのMさんも偶然末尾が同じナンバーということで、月曜日は車がないということでした。私が「でも、どうにかしてるんでしょ?」と聞くと、案の定月曜日だけ車を調達しているようです。私が「あんなルール入れても、金持ちは複数の車持っているから関係ないんだろうね」というと、意外というか、なるほどという返事が。モンゴルに住んでいる方はご存知だと思いますが、モンゴル人はかなり「数字」を気にします。以前にもこのブログで書きましたが、携帯電話の番号にもこだわる人が多いです。というわけでBさんが言うには「金持ちは確かに車はたくさん持っていますが、例え10台持っている人も、その人が好きな縁起のいいナンバーを全部につけているんです」とのことです。つまり、金持ちほどお気に入りのナンバーを全てに適用したいといううことなんだそうです。今回のナンバー制の導入で、10台とも同じ番号で困った人もいたそうです。確かに、Bさんもそうでしたし、私もナンバープレートを携帯の番号と同じにしたりしてちょっぴりこだわっていましたが、そういう人にとっては何台持っていても、制限のある日は同じ日になってしまい使えないということでした。多分、これも今後2台目3台目を買う人には、良い教訓になって変化することでしょう。バスレーンも効果的だそうです。Bさんもあまりに気持ち良く走れたので走っていたら、警察に呼ばれて罰金を払ったそうです。Bさんの評価では、今回の施策は今のところモンゴル国内でも良い評価で、実際に少し渋滞は緩和しているとのことでした。但し、問題も。平日は厳しいルールですが、土日はそのルールはないとのことで、土日の渋滞がかなりひどくなってきているとのことでした。新しいルール導入にはいろいろ問題はあると思いますが、今回の交通規制はモンゴルとしては意外なほどスムースに導入されているようです。このまま続くといいですね。
2012.10.15
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先日、大学時代の先生のお別れ会があり、出席しました。ゼミテン(ゼミに所属するメンバー)だけの出席でしたが、150人も集まりました。聞けば、先生のゼミテンは全部で300人もいるとか。地方や海外勤務の人も多いだろうに、出席率5割は大したもんです。出席者の名簿を見て「え?私はこの中では若い方なんだ」と妙に感心しました。ま、それだけ大先輩(おじい様)が多かったということですが。先生の生前の業績報告などを聞いているうちに、「もしかして、私が学生だった時の先生の年齢と今の自分の年はほぼ同じ?」という驚きと疑問がわいてきました。当時の先生は「いかにも大学の老先生」といった風貌で、良い意味で信頼のおけそうな大教授、別な言い方をすれば相当自分たちとはかけ離れた遠い世代の人、という雰囲気がありました。当然、二十歳そこそこの学生から見れば、「おじいちゃん?」「父親よりも上?」と感じたからです。私には「こんなに善人善人した人が、世の中にいるんだ!」と思えるほど、世俗を達観した良い先生でした。良い意味での昭和の先生像そのままでした。もちろん、ゼミにはついて行くのがやっとの劣等生でしたから、先生の「極意」をご教授いただくほどの感度・感性はありませんでしたが。諸先輩方の長い「お別れの言葉」などを聞いているうちに、ふとモンゴルのことを思いました。なるほど、私がモンゴル国立大学(MUIS)にいた時も、学生から見るとそんな感じに見えたのかな?と。「あんなおじいちゃん風に見えたのかな?」「いやいや、私の方が見た目は若いだろうけど」などと意味のないことを思っていました。先生からは「自己の律し方」なるものを教わった気がします。常に平常心というか、乱れることなく、穏やかに人と接する姿勢。しかも、芯は強い。私は、2年間でどんな印象を残せたのだろうか?2年間は短いですが、小学校ではないので何年間も同じ学生と続くわけではなく、大学生、大学院生レベルでは、それぞれの学生に向きあうには十分な時間であったと思います。日本から来た、ちょっと変わった先生?一方的に講義するスタイルがほとんどのモンゴルで、珍しく学生と議論しながら進める先生?(これは学生からたびたび言われました)下手な英語なので、正直何言ってるかわからない授業?まあ、どれもあるでしょう。聞けば、そのMUISは今年で創立70周年だそうです。学歴志向の高いモンゴルでは、今ではMUIS出ただけでは物足りず、大学院や諸外国への留学が最終学歴となる場合が多いようです。30年ほどのちに、私と接した学生らが「そういえば、学生時代に変な日本人の先生がいたなー?」なんて思い出してくれれば、それに勝る喜びはないでしょうね。
2012.10.10
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最近、出張などが重なり、なかなかブログの更新ができませんでした。出張はコンサルタントの仕事につきものですが、私にとっては貴重な時間です。というのは、本や雑誌をゆっくり読めるからです。日ごろ、読みたい本を机の上に置いておいても、なかなかまとまった時間は取れないものです。新幹線の中でパソコンで仕事をしている人良く見ますが、私は新幹線での仕事は苦手です。誰にも邪魔されない2-3時間というのは、仕事以外に使いたいと思っています。先日、ニューズウィーク(もちろん日本語版)を読んでいました。その週は「反日の行方」というタイトルで、中国の反日の様子を特集していました。私はこういう外国系の雑誌に期待しているのは、外国人記者が今回の事件をどう見ているかということです。全体のトーンは、やはり中国批判、中国はやり過ぎ、というトーンで書かれていました。確か、先月には韓国の竹島問題についても書かれていましたが、やはりトーンは韓国のやり過ぎと言うものでした。欧米系の記者ですからどちらに肩入れするということではないでしょうが、島の所属問題の真偽はともかく、やはり「国中で暴力に訴える」とか「大統領自ら関係悪化の先頭に立つ」などは、普通に考えておかしいとう感覚は誰もが持っているということでしょう。今回、この記事の中に突然モンゴルの文字が飛び込んできたので、思わず引き寄せられました。その記事は、元米国国務省中国経済担当官が書いたもので、いわばアメリカでの中国通の一人というべき人です。それによると「中国が主張する古代の歴史はあまり意味を持たない。大昔の地図にこれらの島が載っていて、領土と記されていたとしても、そんなことは関係ない」と昔の地図を引っ張り出しても意味はないと主張しています。その例として「もしも歴史が領有権の根拠となのなら、例えばモンゴルは中国やインドの大半、さらには欧州の一部や中東も領土だと主張できることになる。」と書き、オスマン帝国やペルシャ帝国の例も挙げ「そんな理屈に誰が耳を傾けるだろう?」と記してます。「いやー、まさにその通り!」と思いましたね。中国の主張に、明の時代の地図に島があったとかいうのもありますが、その明の前はモンゴル人の元だし、明の後は非漢人でモンゴル族に近い女真族の清です。元の時代は朝鮮半島まで支配していましたが、中国流の解釈では今の韓国は、元のものなんでしょうか?だとしても、それは中国ではなくモンゴルの領土ということになります。ということは、竹島もモンゴル領土?中国もモンゴル領土なら、尖閣もモンゴル領土?えええ?もちろん、今どきそんなバカな主張をする人はいません。要するに、欧米の専門家から見ても中国主張はおかしいということです。とはいえ、中国とは喧嘩せずに上手く付き合っていかないといけないのも事実でしょう。私は個人的には、モンゴルも中国もチベットも好きなんですが、なんだか単純に「好きです」なんて言ってられないのが、政治の世界のようです。
2012.10.03
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中国でものすごい反日デモが続いているようです。原因は当然のことながら、尖閣諸島に関することです。領土問題なので、ナショナリズムに火がつくというのはわかりますが、今の中国のデモはそんな立派な「愛国心」だけではないように見えてしまいます。中国云々の前に、私は今回の件は日本側にも大いに問題があると思います。確かに尖閣諸島については以前から中国側との意見の衝突はありました。漁船による衝突もありましたが、ここまで広範囲の「政府公認公的デモ」はありませんでした。何が問題かと言うと、なんでわざわざ大騒ぎしてマスコミの前で毎日発表して国有化したのかということです。確かに石原都知事が突然4月に尖閣諸島購入計画を発表したというのはあります。あれから半年間も毎日のようにマスコミで騒いでいたわけです。そもそも国内の土地の国有化について、普通は誰もそんなこと知らないし、関心ないでしょう。国が富士山の裾野辺りに土地を買っても、小笠原諸島のなんとか島を買っても、誰も気にしないし、知りません。それと同じように、石原さんが何か言った後にでも、さっさと購入を済ませてしまえばよかったのです。そうであれば、日本人すらわからない状態にもなりえたでしょう。もちろん、一番いいのは石原さんの発表前にさっさと買ってしまえば良かったのです。政府は「中国を刺激したくない」と言うけれど、一番中国を刺激する方法を選んだのが今の政府だと思います。半年もの間、散々日中両国のマスコミ、政治家、活動家たちに好きかって言わせておいて、お互い引き下がれないところまで盛り上げておいての、突然の幕引きです。まさに「劇場型国有化」ではないでしょうか?所詮は国内手続きです。別に外国向けに発表する必要もない土地購入です。霞が関の土地をあと500坪買い増しするのと同じです。さっさとやって、官報にでも載せておけばそれで済んだのです。とはいえ、もう騒ぎは始まっています。私はこの件については、正しい歴史認識を持たないので、確たるところはなんとも言えないとしか言えません。もちろん、日本政府の説明はその通りだと思いますし、沖縄県の一部だと思っています。が、こういうことは相手側も、もっともらしい歴史認識を有名な歴史の先生が述べているわけで、素人の私が簡単に論破できるとは思えません。こういう時は、結局「何が正しいか」も重要ですが「誰が言っているのか」に目を向ける必要があると思うのです。最近中国の文革時代を舞台とした映画を見ました。感想は「中国人はあの頃(1960-70年代)から変わってないんだなー」ということです。政府が出した方針に、一も二もなく判断力の乏しい庶民が従い、過激な行動に出る。証拠もへったくれもあったもんじゃない。内モンゴルに住むモンゴル人は「モンゴル人だという理由だけで、北のモンゴル人民共和国のスパイだ」と吊るし上げられ、殺されました。旧満州国時代に日本の東大などに留学したというだけで、日本のスパイだということで、多くのモンゴル人エリートが殺されました。しかも、今のデモと同じく、どこかの法的な正式機関が決定し処刑するのではなく、民衆を扇動化して大量の内モンゴル人を殺させました。その結果は?文革そのものについては、良くなかったこととされていますが、その時にモンゴル人を殺したという理由でその後逮捕されたり、罰を受けた漢人は一人もいないのです。つまり、モンゴル人であれば「殺し放題」という状態を作ったのです。また領土にしても、そもそもちゃんと「モンゴルという国」が存在するのに、なんで内モンゴルなる領土が中国に存在するのか?モンゴル民族の国が国連でも世界中の国々からも独立国として認められているのに、なんでその領土を中国の領土と言い張るのか?これと同じことが、チベットでもウィグルでも起こっているのです。そういう国が、今回の尖閣問題、共産党主導の公的デモを誘導しているのです。こうした事実を考えると、「尖閣の本当の歴史的経緯」がどうこう以前の問題として、何があっても捏造するという国家戦略の下で動いている国が起こした問題と捉える方が正しいと思います。もちろん、中国人の立場になれば、そのように教育されて来た人たちがデモに走る気持ちもわからないではありません。が、それが「国際的な言葉であるデモ」ならば、の話です。結局は、日系スーパーを襲って、中の商品を略奪しているというのが実態のようです。そりゃあ、「あのデパートへ行ったら、今の時期は略奪しても共産党は罰しないよ」となれば、こぞって行くでしょうね。あの国なら、10万人や100万人は、喜んでデモに参加すると思います。デモというの名の「スーパー、デパート取り放題、やり放題」なんですから。文革時代の中国の体質は、今も何ら変わっていないというのがよくわかります。今回のデモも、「モンゴル人を殺しても、共産党は咎めないよ」と示唆したことからモンゴル人大虐殺が始まったように、「日系企業から略奪する程度は、お咎めなしよ」の号令のもと、全国に広まったんだと思います。「政治的に反日の意思を持つ」ことと「泥棒をしてもいい」ということが結びつく国と結びつかない国があるわけで、中国は結びつく特殊な国家なんだと思います。しかも国家公認で。
2012.09.16
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「かぞくのくに」という映画を見ました。映画好きというほどではありませんが、先日新聞の映画評に載っていたので、興味を持っていました。久しぶりに、見終わった後何か重く考えさせられる映画でした。物語は、在日北朝鮮の家族のうち、1970年代の帰国事業で北に渡った兄が日本に一時帰国するというところから始まりました。その兄の様子を日本で育った妹の視点で映画は作られて行きます。映画に描かれるシーンはどれも素晴らしいのですが、私は常に兄の陰にあるかの国の存在感を感じていました。やはり社会主義というか、そういう社会は恐ろしいと。完全に個人の自由を奪って、国家のほんの一部の人だけのために国民が存在するということがリアルに感じました。また同じ「在日コリアン」でも、北と南は日本で生きる上では相当な違いがあることも改めて認識しました。在日でも北の人はソウルに遊びに行くことすらもできないのですね。モンゴルはもちろん立派な民主主義の国ですが、ほんの20年前まではこの国と似たような境遇だったのです。もちろん、私が知るはずもありませんが、何人かのモンゴル人から昔の様子を聞いたことがあります。日本に留学に行った時も同胞人に常に監視されていたとか、命令は絶対で質問も許されないとか。モンゴルで昔話として聞いたことを思い出しながら見てました。私は社会主義というものに直接ふれたことはありません。私が唯一直接社会主義について、その経験者から話を聴けたのはモンゴルだけです。そういう意味では、もちろん程度の差はあるだろうけど、基本的な問題は同じだと思いました。モンゴル人の友人らは言います。「確かに、今の北朝鮮はひどい。でも、我々にはわかるんだ、なぜあんな態度を取っているか。それは我々も同じ経験をしたから。だからこそ、早く目が覚めて、民主主義になって欲しいと願います。」と。この映画を見た後、この映画に関する論評を見ていたら、この映画は監督自身(妹であるということ)の経験に基づく話なんだということを知りました。確かにリアルではありましたが、かなり辛いリアルだと思いました。竹島がどうこうって言ってるレベルの方が、ずっと平和な話です。
2012.08.29
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またまたウランバートル市が、気まぐれな規制を実施することになりました。なんと市内道路を走る車のナンバープレート制限をするというのです。確かにロンドンを始め、そういう規制がある都市はあります。が、その場合は「公共交通機関を利用しなさい」ということが前提です。ですが、UBは確かにバスはありますが、それ以外全くなく、通勤や仕事で使っている人には大打撃ではないでしょうか?また、こういう案は、結局は金持ち優遇になってしまうような気もします。モンゴルからのニュースによりますと、月曜日から金曜日のいずれかの日に、必ず1日走行できない日ができるとのことです。例えば私がモンゴルにいた時に乗っていたプラドのナンバーの末尾は5でしたから、「5と0」がだめな金曜日には通行できないということになります。しかも、適用範囲が東西ドゥルブンザム交差点間のみならず、イフトイロー内、ナルニーザムから北というので、基本的には市内通行はダメとなります。いろいろ弊害が出そうで、ちょっと想像してみました。まず、タクシーはどうなるのだろうか、と。公共交通機関は大丈夫とありますが、タクシーはどうなんでしょうか?例え大丈夫と言われても、実質的にタクシーは白タクがほとんどなので、制限の対象になるでしょう。最近タクシーがつかまりにくくなっているのに、20%も減るとなると、かなりの影響が出そうです。しかも、需要は逆に増えるわけですから。旅行会社はどうなんでしょうか?モンゴルの場合、飛行場からの交通機関がないので、旅行者はほぼ100%お迎えの車を利用しますが、それが使えないとなるとどうなるんでしょうか?市内観光だってありますし、市内から田舎へ出かけるのもほぼすべて車ですが、どうなるのでしょうか?生鮮食料品を運んでいる車はいいそうですが、加工食品の場合はダメなんでしょうか?大根1本でも積んでおけばいいのでしょうか?東京で交通規制をやるならわかりますが、例えば新潟市のような地方都市でこんな規制をやってたら、営業などは仕事にならないでしょうね。新潟市は地下鉄などの都市鉄道がないのです。UB市は何年も前から地下鉄を作るとか言いながら、もちろん何もしてきませんでした。そういう努力はせずに、いきなりナンバー制限するのは、どうかと思います。モンゴルの場合、金持ちはすぐに対策をするでしょうね。要するに違うナンバーのセカンドカーを持つということです。ベンツやレクサスに乗っているお金持ちにとっては、違うナンバーの車をもう1台持つことは簡単なことでしょう。ある意味、この政策は「もう1台、余計に車を持ちましょう」キャンペーンのようなものです。外国人旅行者や一般流通業者は困るけど、お金持ちにとっては痛くもなんともない政策になってしまい、挙句の果てに車の台数が結局は増えるということにならないといいですが、多分、UB市の人はそこまで考えてはいないでしょうね。ちなみに、もし私がUBにいた時だったらどうするか?40分歩く?(真冬は辛い)タクシー?(捕まればいいけど・・・)うーん、金曜日は休講にするのが一番いいでしょうね。
2012.08.25
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暑いです。東京は暑いです。成田に到着するやいなや「ムッ」とする熱気で「ここは熱帯か?」と勘違いしそうなほどです。帰りの飛行機は、久しぶりに日本語のアナウンスがありました。昔は必ず日本語のアナウンスはありましたが、最近は3回に1回くらいでしょうか?それだけ日本の存在感が低くなっているということでしょう。きっと北京や香港への飛行機には、MIATといえども、中国語のアナウンスはしているのでしょうけど。飛行機の中で隣になった方は、日本に長年住んでいるモンゴル人の方でした。「モンゴルでの日本語教育はどうなっているのでしょうかね?」と最近の日本語教育のことを気にされていました。その方の時代(10数年前)は、日本語の勉強は憧れに近いものであったそうです。憧れがブームになり、ブームが現実(日本企業が進出しない)との差を生み、やがて普通の外国語の一つになって行くのかもしれません。もうちょっと日本企業に頑張って進出してもらいたいものだと改めて思いました。家に戻って、メールをチェックしていると、見知らぬモンゴル人からの1通のメールがありました。このブログに書いてある、「私個人への連絡方法」を使ってメールを下さったようです。メールの内容は「今度モンゴルへ来ることがあれば、ぜひお会いしたい」とのことでした。つまりちょうど入れ違いだったということです。その方は、モンゴル在住の日本人の知人から、このブログを紹介してもらったのだそうです。が、その日本人の方も、私の存じ上げない方でした。こういうブログを通じて、日本人でもモンゴル人でもネットワークが広がって行くのは嬉しいものです。というわけで、今回の訪蒙ではそのメールの送り主のモンゴル人の方には会えませんでしたが、その方からのメールに「モンゴルの教育、将来のことをご心配をしていただき本当にありがとうございました。 」と書いてありました。特段、そういう内容のブログは最近はなかったかと思うのですが、過去のブログを含めモンゴル人の方にポジティブに受け止めて頂き、嬉しく思っています。残暑の続く東京の生活がまた始まります。
2012.08.21
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19日の日曜日は散々な日でした。乗馬は、3時間の乗馬を2日間やったのですが、そのせいで身体のあちこちが痛いのなんの。モンゴルにいた時も久しぶりの乗馬の時はあちこち痛くなりましたが、今回のはその比ではありませんでした。初日はかなり快適に乗馬できました。考えてみれば2年ぶりの乗馬です。その割にはまずまずの出来で、遊牧民の方からも「思ったよりも上手」と言って頂きました。それもあって、結構長い距離を3時間もやりました。ところが、翌日になると身体のあちこちが痛いのです。特に股関のあたりはかなりやばいです。ですが、せっかく乗馬に来たのですから頑張ってまた3時間やりました。昨日の快適さとは打って変わって、乗馬中、ずっと痛みと戦っていたような感じでした。それでも雨が上がって天気も良く、コースとしては大自然満喫コースで良かったです。昨日は私が馬を操っているという感覚がありましたが、この日は動く馬に乗ってるだけ、という感覚でした。変に頑張ろうとすると、身体のあちこちが痛むので、動けなかったのです。情けないです。年のせい?それもあるでしょう。久しぶり過ぎ?もちろん、それも原因です。でも、良く考えてみると、3時間の乗馬を2日間続けたことはあまりないような気もしました。もちろん、時間だけであれば3時間というのはありますが、多くの場合他に結構な人たちがいて、全体にのんびりしていました。1日だけだったら、気合を入れた乗馬も良いですが、2日以上続くときはのんびり乗馬の方がいいのかもしれません。肩、背中、腹筋、股関、内もも、ふくらはぎと全身の筋肉痛になってしまいましたから。しかも、テレルジから戻った翌日の日曜日はウランバートル市内は朝からひどい雨。首都を囲む山々ではなんと雪が降ったそうです。さすがに市内では零下にはならなかったようですが、日本人からすれば立派な「冬」の気温です。しかも、昼間なのに。更に悪いことに体調を崩してしまいました。お腹を壊してしまったのです。結局この日はほとんど寝て過ごしました。日程的にはこの日は余裕日にしておいたので助かりましたけど。でも、しみじみ感じました。久しぶりの乗馬で身体が痛いだの、8月なのに寒いだの、簡単に体調を崩すなど、モンゴルに住んでいた頃の私には考えられないことです。「丈夫に産んで育ててくれた親に感謝」とばかりに、ほとんど痛いとか体調がどうこうとかありませんでしたから。やっぱり日本に戻ってからひ弱な都会の日本人に戻ったんだなあと痛切に感じました。20日月曜日に日本に戻ります。
2012.08.19
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モンゴルでは、8月となればもう秋です。とはいえ、日本人からすると「そうは言っても、9月まではまだ大丈夫だろう」と思ってしまうこともあるでしょう。私も日本から遊びに行っていた頃はそうでした。多くの日本人ツアー客は、今年のモンゴル旅行は済ませているとは思いますが、「これからモンゴルへ」という方は、くれぐれも暖かい服装を用意してきて下さい。特に、田舎のゲルに宿泊予定の方は気をつけて下さい。ウランバートルから70kmほどしか離れていないテレルジでも、夜は寒かったです。昼間はいい天気で「こりゃあ乗馬日和だなあ」と思って、奥テレルジの方まで汗をかきながら乗馬を楽しみました。3時間も山や川、草原を自由に馬で歩き回るのは快適です。ですが、ゲルの中は夕方から段々寒くなってきます。日が落ちる頃から薪ストーブをつけないと寒いほどです。翌朝は寒さで目覚めました。感覚的には「東京のマンションで12月の朝に目覚めた時の寒さ」よりは確実に寒いです。昼間は、東京並みの30度くらいでしたから、1日の中で「夏から秋、そして冬」まで気温が変化するのがこの時期の特徴でしょう。また今年は雨が多いとのこと。この日も、夜中から午前中の早い時間まで雨が降り続きました。モンゴルでは、春過ぎに雨が降ることは結構ありますが、7,8月になっても今年のように雨が多いのは珍しいことです。川は増水し、市街地の未舗装道路ではたくさんの水たまりができました。舗装道路といえども、排水溝がほとんどないので、すぐに川のようになってしまいます。一般的にはモンゴルでは「雨は良いこと」とされています。以前、このブログでもご紹介しましたが「明日は天気悪いの?」と聞いた私の質問が、モンゴル人の友人には伝わりにくいことがありました。日本人は「雨イコール天気が悪い」ですが、モンゴル人には「なぜ雨が悪いのか?いいことではないか?」となるのです。確かに降水量が非常に少ないこの国では、雨はありがたいものです。テレルジの緑は例年以上にきれいでしたし、花々も咲き乱れていました。雨がなければ、この時期はもう茶色く枯れ始めている頃でしょう。観光シーズンの短いモンゴルですが、暖かい服装であればあと1-2カ月は乗馬は楽しめると思います。
2012.08.18
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モンゴルでの選挙結果を受け、民主党主導で「公正」連合、国民勇気・緑の党と連立政権を立てることになりました。モンゴルの面白いのは、直接選挙で選ばれた大統領の権限は他国(アメリカやロシア)に比べ弱そうに見えるのですが、首相の権限はかなり強いように見えるということです。日本では省庁再編というだけで大騒ぎをし、内閣が何年もかけてできるかどうか、という難しい作業ですが、モンゴルでは新首相の下に新しい省庁に再編することができるようなのです。省を二つに分けたり、統合したりを国会で決めるんじゃないようなのです。なので、首相が決まってから内閣発足までかなりの時間がかかってしまうということなのです。また、日本ではほとんど報道されていませんが、ウランバートル市の市長選挙も国会議員選挙と同時に行われ、史上初めて民主党の市長が選ばれたそうです。その市長も、最近数名の副市長を選任し、いよいよ活動開始というところです。日本でも、東京都知事は大統領制のごとくかなり大きな権限を持っていると言われますが、モンゴルの場合はそもそもウランバートル市が全人口の40%を占め、かつ第二の都市の10倍程度の規模を持つなど、要するに経済的な存在としては「ダントツ」の存在感があります。都市問題のほとんどはUB問題でもあり、一般市民にとってはUB市長が誰かの方がより重要な影響を持つことも考えられるほどです。これらの政治体制の変更による影響はどうか?もちろん、細かいところを私が知るはずもありません。が、どうも「もっと実質的な人事がしたい」という動きがあるようなのです。どういうことかというと、単なるポストの割り振りではなく、実質的に価値がある人を政権に取り込みたいということです。しかもその対象を既存の政治家や官僚だけでなく、もっと広く民間人からも引っ張って来たいということなのです。日本でも、大臣のプストは基本的には「割り振り」ですし、防衛大臣や中国大使などに民間人を起用する例はあります。それが機能するかどうかは、任命権者次第だとは思いますが、国レベルでも市レベルでもそういう動きがあるらしいということを聞きました。当然、優秀な人材となれば、年齢などは関係なく30代でも高いポジションに登用される可能性はあります。以前、モンゴルの高級官僚であるKさんに「日本は、「官から政へ」と言っていますが、モンゴルでは官僚の力が弱過ぎ、政治家が勝手なことを決めてしまうので困ります」と言ったのを聞いたことがあります。そういう意味では、トップダウンの強い国なので、民間人が登用される部署にどんな人が来るのかが大事なポイントになります。ですが、そういう高官になるには、現職を止めないといけません。モンゴルでそういう対象になるような人材の多くは既に民間で成功している人が多いので、それを捨ててまで安い給料覚悟でやれるかどうかというのは、大きな問題でしょう。大胆な人事が出るのかどうか?あと1-2カ月くらいで見えてくるかもしれません。
2012.08.17
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え、結局はドコモが悪かったの?モンゴルに到着して日本からの携帯にスイッチオンしたのですが、圏外表示のみ。一緒に持って行った、モビコム(モンゴルの携帯会社)の携帯は、ちゃんと電波が入りました。何度か電源オフ、オンを繰り返したものの、やはり圏外。まあそのうちつながるだろうと思ったけど、翌日も圏外。私は「まったくー、またかよ」と思いました。モンゴルに住んでいた時も、何度か日本の携帯が圏外になってしまうことがありました。その時、モビコムの方(日本人駐在員)に伺ったら「すいません、それはモンゴル側の問題です。もうしばらくお待ちください」と言われたのです。日本人の悪い癖なのですが、どうも日本のシステムは完璧だから、何か問題があるとすればそれは日本以外の所にあるはずだと思っちゃうんですね。要は、傲慢ということです。今回の圏外については、なんの疑いもなく「モンゴル側の問題だ!」と決めつけてしまいました。ところが、ニュースを見たら「ドコモ、海外で電波障害に」とあるではないですか!障害の時間も全く一緒。ごめんなさい、モンゴルさん。これだから日本人はいけませんね。記事を読むと、ドコモもこういう障害は初めてではないようです。なるほど、やっぱり日本企業にもこんなことがあるんだなあと。過信は禁物、過信の上に成り立っている傲慢はもっといけないなと反省した次第です。いずれにしろ、その後携帯は復旧したようで、ゴビへ行っても電波はちゃんと入りました。
2012.08.15
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13日からモンゴルに来てます。今回は完全なプライベート訪問で、ウランバートルにはほとんどいないので、事前または当日(モンゴル流)に連絡のとれた友人らと会いました。まず出迎えてくれたのが、UB名物夏の道路渋滞です。なんせ幹線道路や重要な通り道をなんの躊躇もなく閉鎖するのですから、当然その付近の道路はものすごい渋滞になります。もう何年も前から市長とか偉い人がウランバートルの渋滞解消を声高に言ってますが、全く改善の兆しは見えません。今回の選挙後に選出された新首相の最初の仕事が、ウランバートル市の道路の改修工事を速く進めよ!だそうなので、少しはエンジンがかかるかもしれません。とはいえ、今は8月でビジネス的にはオフシーズンです。9月になると、より一層の渋滞が予想されることでしょう。もちろん、新しい動きも見えました。空港から市内への道が、大幅に拡幅工事をしていました。が、8月の時点でこの程度では、年内には間に合いそうにはないでしょう。日本の援助(最後の無償援助とも言われている)太陽橋が、見た目では相当工事が進んでいるように見えました。恐らく10月までには完成するでしょうから、これができると、市内西部の渋滞はかなり緩和すると期待できそうです。それにしても相変わらずの建設ラッシュです。今年はマンション着工は1万戸は行くそうです。人口100万人の都市で、日本の中部圏全体のマンション建設数よりも多いんだから、その凄さがわかろうというものです。日本人の多くは「一体いつまで続くんだろう?」と口にしますが、今も新築物件はほとんどが完売だそうです。基本的には投資よりも実需が中心なので、すぐに弾けるというバブルではなさそうです。が、これだけ増えてくると、さすがに差別化というか、何か特徴が必要になってくるでしょうね。街を走っていると、何やら多くの人たちが空を見上げていました。どこも多いのですが、特にスフバートル広場の近くにはたくさんの人が空を見ていました。私も車の中から空を見上げましたが、何を見ているのかさっぱりわかりません。運転している友人のTさんもわからないそうです。そこで信号待ちしている時に、道行く人に聞いてみました。すると、太陽と月と星が同時に見えるのだそうです。日食とかそういうことではなさそうですが。昼食時に立ち寄った食堂の前でもたくさんの人が空を見上げていました。私も一緒になって空を見ましたが、残念ながらさっぱりわかりませんでした。Tさんは、月と太陽は見えたそうですが、私には全然。結局、雲が伸びてきてその3つとも隠れてしまいましたので、今回は見ることができませんでした。日本ではあまりそういう現象が騒ぎになるとは聞いたことはないけど、何か名前でもあるのでしょうか?昼は日本のようには蒸し暑くはないけど、夏らしい暑さです。が、夜になるとかなり寒くなります。田舎へ行けば一層そう感じることでしょう。
2012.08.14
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ほぼ最終の数字だと思いますが、今モンゴルの回のオリンピックでのメダルは、5つとなりました。北京オリンピックでは4つでしたので、1つ増えたことになります。とはいえ、北京では金2つ(柔道男子、ボクシング)と銀2つ(ボクシング、射撃女子)だったのに対し、今回は銀2つ(柔道男子、ボクシング)と銅3つ(柔道女子、ボクシング、レスリング女子)でしたので、単純に増えたとも言えないかもしれません。日本も北京よりもメダル数は増えましたが、金メダルは9つから7つに減りました。ですがモンゴルの場合、過去のメダル数は、メキシコ、モスクワ、北京大会の4つが最高だったので、日本ともども過去最高を記録したということで、まずはめでたしめでたしです。モンゴルの過去のメダルは、ご想像の通り全て個人種目です。一番多いのがレスリング、次が柔道、そしてボクシング、射撃と続きます。団体競技には、そもそもエントリーをしているのかどうかもわかりませんが、チームワークという概念がちょっと薄いモンゴルでは、当分は個人競技が中心となるでしょう。長かったオリンピックも、もうすぐ閉会式です。時差の大きい地域でのオリンピックは寝不足になったりしてちょっときついですね。次回はリオデジャネイロ。やはり時差は大きいでしょうね。アジアから南米に行くのは、結構大変そうです。
2012.08.12
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昨日のブログの続報です。昨日伊調選手に負けたソロンゾンボルド選手が、3位決定戦でカナダの選手を破って銅メダルを獲得しました。この選手の名前はバトツェツェグ・ソロンゾンボルド選手で、48kg級の選手と同じく「ツェツェグ(花)」という名前がつきます。これは、モンゴル女子レスリング史上初となるメダルだそうです。朝青龍は「同国団長として歴史的瞬間を目の当たりにし、思わず目に涙を浮かべた。」と報道されています。更に同氏は「日本に学んで体制を強化したい」と同国アマチュアレスリング界整備へ意欲を燃やしていたということです。今回の日本での報道も、朝青龍がいたからこそだと思います。朝青龍には、レスリング界の日蒙の懸け橋になって、モンゴルレスリングをどんどん強化して行ってもらいたいと思います。日蒙の国旗掲揚は素晴らしいですね。
2012.08.09
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オリンピックは終盤に差し掛かり、日本ではメダルの期待かかるレスリング競技が始まりました。レスリングは、モンゴルも大いに期待されています。白鵬のお父さんは、モンゴル相撲の横綱でしたが、メキシコオリンピックにレスリングの選手として登場し、見事銀メダルを取りました。オリンピックへの期待に加えて、更に話題になっているのが朝青龍です。朝青龍は、モンゴルの女子レスリングの団長としてロンドンに乗り込んでいるのです。彼は今後、男女ともに中学生、高校生の時からの強化を掲げており、かなり真剣に取り組んでいるようです。手元の情報だけでは、どんな選手が出場するのかはわかりませんが、48kg級では、オトゴンツェツェグ・ダワウスフという女子選手が1回戦でコロンビアの選手に勝ったようです。名前にツェツェグがつくのは、典型的な女性の名前です。ちなみにツェツェグの語源はチベット語だそうで、花という意味です。ですがこの女子選手が2回戦でポーランドの選手に負けたので、朝青龍がえらく怒っているという記事も出ています。また女子63kg級では、ソロンゾンボルド(多分、お父さんの名前)選手が、準々決勝を勝ち抜きましたが、残念ながら準決勝で日本の伊調選手に負けました。恐らく72kg級や男子選手など、モンゴルからはまだまだ登場してきそうです。是非メダル獲得が実現するよう期待しています。人口が少ないモンゴルですから、なんでもかんでも強くするのは難しいでしょうが、確かにレスリングはモンゴル相撲の伝統もあり、十分に将来性がある競技だと思います。朝青龍が多少の私財をなげうってでも、次のオリンピックですごいチームを引き連れてくるようになれたらいいですね。日本の場合、なぜか女子選手の名前の方が有名な気がします。コマーシャルなどで登場するからでしょうか?それとも世界チャンピオンが何人もいることから、実力的にも男子選手よりも上だからでしょうか?女子の方が有名?強い?というのは、確かに多い気がします。もちろん、私が知らないだけなんでしょうが、卓球もバドミントンもバレーボールも柔道も女子の方が少なくとも有名でしょうし、世界的には強そうです。サッカーだって、どう見てもなでしこの方が、U-23のオリンピックチームよりは個人名でも有名でしょう。男子選手は、内村とか北島などの本当のトップ選手は有名ですが、それ以外となると、結構女子選手の方が知名度ありそうです。今のところの日本の金メダルは、男女一つずつです。次は、どっちになるのでしょうか?あるとしたら、やっぱり伊調でしょうか?
2012.08.08
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オリンピックもいよいよ後半戦となりました。日本選手へのメダルの期待はまだまだ膨らみますが、今のところ金メダルは予想を大幅に下回る2個となっています。モンゴルは、銀と銅1つずつで合計2個です。いつもながら、人口がわずか270万人の国で複数のメダルを取れるのは大したもんです。新潟県(人口240万人)から2人もメダリストが出るかといえば、なかなか難しいです。オリンピックといえば、応援です。最近は「頑張れニッポン」などの声援が多いようです。ですが日本の古典的な応援方法は「フレーフレー、ワセダ!」などに使われる「フレーフレー」じゃないでしょうか?古典的というか、私の経験でも中学、高校、大学とこの「フレーフレー」は使われていました。更には、卒業してウン十年になるのに、同窓会などでは必ずこの「フレーフレー」は使われますから、今も現役の応援方法だと思います。で、この「フレーフレー」って何語だと思いますか?ちなみに広辞苑によれば、hurrayという英語だそうです。万歳(バンザイ)などを意味するんだそうです。実は、数ヶ月前にテレビのクイズ番組を見ていた時のことです。「この国は、どこの国でしょう?」という問題が出ました。私は昔から地理が好きだったので、この手の問題は得意です。しかも問題は「アジアのどの国でしょう?」とあるではないですか。更には、選択肢3つのうちにモンゴルが入っていたのです。後はどこだったかな?カンボジアとどこかだったような気がします。このクイズは絶対私はできる、と思ってマジでテレビを見てました。その問題は「ある国」に関して2つほど関連することが出ていました。でも、それだけではわかりません。モンゴルと言えばモンゴルかも・・・そして3つ目の質問が「フレーフレーの語源はこの国である」と言うのです。この時点で私は「うーん、わからない。でも、モンゴルじゃないことだけは確かだな」と確信しました。いくら私がモンゴル語ができないからといっても、さすがに日本語にもなっているようなモンゴル語があれば、とっくに誰かに聞いているはずです。ですが、そんなこと一度も聞いたことはありません。なので自信を持って「モンゴルじゃない!」と心の中で叫びました。ところが驚いたことに、答えはモンゴルというではないですか!本当なの?と疑いたくなるほどでした。「もしかして、内モンゴルでそんな言葉を使うのかな?」とさえも思ったほどです。その後、モンゴル人に「フレーフレーって使うの?」と聞いたら、なんとあっさり「はい、使いますよ」だって。「そんなの聞いてないよ」と思いましたが、やはりそうらしいのです。ですが、広辞苑では上記のように語源は英語なのです。一体どういうこと?そもそも日本とモンゴルには、歴史的にはほとんど接点はなかったのになんでモンゴル語が日本に入って来たの?ということで、ネットで調べてみました。単に「フレーフレー」で検索しても、当たり前の答え「語源は英語」しか出てきません。が、更に調べてみると・・・結果はこういうことです。日本に直接入って来たのは英語のhurrayですが、その語源はドイツ語のhurraだそうです。そのドイツ語の語源を調べると、なんとロシア語のura(ロシア語でypa)になるんだそうです。ロシア語?ああ、モンゴルは社会主義時代ロシアの影響下にあったからそのせいかな?と思ったら、もちろんそんな「最近の語源」であるはずはありません。モンゴル帝国がロシアを支配していた13~14世紀にモンゴル語のhuraaがロシアに入って、ロシア語化したというわけです。元々のモンゴル語では軍隊の雄叫びなんだそうです。モンゴルでは兵隊が「フラー!」と声を上げ、ロシアではそれが「ウラー!」と叫ぶそうです。日本の「エイエイオー!」と同じ使われ方のようです。それにしても、歴史ってすごいです。モンゴル→ロシア→ドイツ→イギリス→(多分)アメリカ経由で日本にやって来たんじゃないでしょうか?地球を西に向かって一周して、同じアジアの東にある日本に数世紀かけて伝播したというわけです。ですからこのブログの題名は、正しくは「世界語になっているモンゴル語」ですね。フレーフレー、モンゴル!フレーフレー、ニッポン!
2012.08.06
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なぜか、昨日のブログへの訪問者が急増してました。普通の日の3倍以上の訪問者数でした。ですが、コメント書きこみは全然ありませんので、炎上の前触れというわけではないようです。というか、特別な内容が書かれていたわけでもないので、ちょっと不思議です。さて、昨晩はついにモンゴル人選手と日本人選手が直接対戦する場面がありました。柔道女子63kg級3位決定戦です。日本側は上野選手で、モンゴル側はツェデブスレン選手でした。この名前も例によって、男っぽい名前ですね。もちろん、お父さんの名前でしょう。ご本人の名前であるムンフザヤというのは、女性の名前としてはとてもポピュラーな名前です。多分、通称は「ザヤ」でしょうね。こういう対戦は、見ている方にも複雑な気持ちになります。今までは、日本選手もモンゴル選手も応援してきましたかが、さて今回はどうする?私としては、ムンフザヤ選手を応援していました。理由?こう言っちゃあなんですが、日本は既にいくつものメダルを取っているし、特に柔道は今後も複数のメダルが期待されるでしょう。それに対し、モンゴルは、先日一つ取りましたが、そうはいくつもチャンスがあるわけではありませんから。更に言えば、モンゴルでメダリストとなれば、それはもう国を挙げての英雄として迎えられるでしょうから、頑張って欲しいと思いました。日本もそうかもしれませんが、個人としてよりも柔道界として歓迎される感じです。さすがに金メダルとなれば、日本でも個人として歓迎する雰囲気はありますけど。ま、これはどちらがどうということではなく、テレビ観戦する時の単なる私のスタンスですので、他意はありません。日本の女子サッカーで、「戦略的ドロー」というのがありました。南アフリカ戦で、あえて勝ちを狙わずに引き分けでよいと指示を出した、という意味だそうです。これについては、賛否両論あるようです。メダルを狙うなら、次の対戦相手も考えあえて2位を狙うのもありという立場と、スポーツマンシップに則り、全ての試合は全力で立ち向かうべし、という立場でしょう。私が驚いたのは、佐々木監督はドローの指示を公言したことです。これはオリンピックだから許されるのかもしれません。なぜなら、プロ野球でもプロサッカーでも、もちろん大相撲でも、試合にはベストメンバーで臨み、勝つために全力を出すべし、と規約に書いてあるからです。(見たことはありませんが、そう報道されています)例えば、優勝戦線に関わっている力士が、特定の相手の一番で「全力で臨まない」なんてことになったら、再び八百長騒ぎになり、収拾がつかなくなるでしょう。野球だって、監督が「この試合は引き分けでいい」と思うのは自由でしょうが、それを攻撃を緩めて引き分けに持ち込むことを指示したとなると、責任問題でしょう。Jリーグ・サッカーの場合なら、TOTOも絡んでいますから、それこそ大問題です。ですが、私はこういう作戦は「あり」だと思います。だって、狙いはメダル獲得ですから。「頑張る姿を見せる」のも大事ですが、今回のなでしこは、それ以上に結果、つまりメダルが求められているからです。ただ、怪しいと思うのが、佐々木監督の説明です。当地のカーディフの方が、遠くのグラスゴーよりいい、のが理由だと。そんなわけないのは、誰にもわかりきったことです。要するに、最大の強敵アメリカを避けたかったということです。アメリカさえ避けておけば、金か銀を狙えるということでしょう。そうでないと、次のトーナメントでアメリカに負けたらそれで終わりですから。そういうミエミエの目的を言わずに、場所がどうのこうのという「嘘に嘘を上乗せした」ような言い方しかできないなら「ドローの指示を出した」なんて言わなければいいと思います。今後の行方によっては、この問題再燃するかもしれませんね。要するに「アメリカ以外なら勝てるだろう」という前提の判断でしょうから。もちろん、私もなでしこを応援します。
2012.08.01
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柔道男子73kgモンゴルのニャムオチル・サインジャルガル選手が銅メダルを取りました。これは昨日の深夜のNHKでもやってましたので、見てました。相手はオランダのエルムントという世界選手権で銀メダルが2回という強豪でしたが、良く粘って勝ちました。NHKのアナウンサーは、なんとなくモンゴルの選手を「主語」にして話しているように感じました。NHKですから、本来は日本人以外には中立的な立場なんでしょうけど、やはりどこか「応援したくなる」雰囲気を持っているのかもしれませんね。当然名前は、オチルではなくサインジャルガルで呼ばれていました。この名前は、女性に多い名前のようです。モンゴルでは多くの場合、お父さんの名前を苗字として使うのですが、場合によってはお母さんの名前を使うこともあるそうです。もしかして、この名前はお母さんの名前かなとも思いながら見ていました。日本勢は、金メダルを期待されていた人(柔道、水泳、体操など)は今のところほぼ全滅です。それだけオリンピックというのは、思った通りには行かない場なのでしょう。そんな中で柔道女子57kg級の松本選手には驚きました。登場前に待っている姿がテレビに映される顔からして、他の選手とは全く違います。多くの日本人女子選手は、アイドル顔負けの笑顔で登場したり、無表情に近く淡々とする場合が多いのですが、松本選手は「獲物を狙う猛禽類」のごとき厳しい表情でした。こんな日本人女子選手は見たことありません。あまり表情を表に出さない日本選手が多い中、こういう表情は「あり」だと思いました。今まで見たこともない選手もおり、それぞれが「是が非でも勝ちたい」とやってくるのですから、こっちもそれ相当のツラで待ち構えないといけないでしょう。とにもかくにも、モンゴルにもメダルがもたらされて良かったです。モンゴルでのネット上は「モンゴルの誇りだ!」「モンゴルの男だ!」と喜びのコメントで溢れているようです。ロンドンまで取材に行っている友人のテレビ局社長のUさんも、書く記事が多くなって良かったでしょう。今後の両国の選手に期待したいです。
2012.07.31
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