ダンホセの花歳時記ー神宮外苑の公孫樹(イチョウ)並木
トウキョウのイチョウ
(神宮外苑のイチョウ並木)
トウキョウのイチョウは
初冬の穏やかな明るい陽光に赤く燃え立つ。
山里のイチョウは
晩秋の透明な柔らかな陽光に
透けてきらきらと金色に輝く。
大都会の喧騒と塵にまみれても、
強靭に生き続ける
トウキョウのイチョウは
そのいのちの証を天に向かって赤く燃え立たせて
その存在を強烈に主張している
夜も眠らぬ大都会のイルミネーションのきらめく街で
その夜の刺激的な、あくまでも人工的な街に
物欲しげな若者がたむろする。
働けど働けど貧困と孤独に打ちひしがれて暮す
老いたるものが群れをなす街に
自らのいのちをあらん限りのエネルギーで
燃やしている葉っぱたち、
そんな大都会で働く息子よ娘よ
頭を上げて見よ、
東京の赤く燃えるイチョウを。

(神宮外苑のイチョウ並木)
昼もなく、夜もなく、
いのちを削って働く
息子よ、娘たちよ、
トウキョウのイチョウは
赤く燃えているのを知っているか。
2億年前から、この大自然のなかで
全ての天変地異をくぐりぬけ
そのいのちを繋ぎつづけて今を生きている
トウキョウのイチョウの
その壮大ないのちのことを知っているか。
そして、山里のイチョウは、今、
夕日にひらひらと
金色に輝いて
大地に舞い散っている。
その明るさ、透明さを忘れてはいけない。
つかのまの休憩に
頭を上げて見よ。
赤く燃えるイチョウが東京にはあり、
山里には、明るい透明な空気に、
透けて輝くイチョウがあることを。
(東京・日比谷公園のイチョウの黄葉:イチョウは東京都の木でもあり、
銀杏の葉のマークが都営バスなど色んな所に使われている
)
《花の名一口メモ》
イチョウ(公孫樹・銀杏)
イチョウ科イチョウ属、雌雄異株の落葉高木。
学名;Ginkgo biloba
裸子植物で、約2億年~200万年ころまでは多くの種が栄えた。
現存するのは、中国原産1属1種。
人類の歴史とともに、人間の暮らしと深く関り生き延びてきた樹である。
学名の属名Ginkgoは「銀杏」の誤音読ギンキョウに由来する。
「公孫樹」はイチョウの漢名。公は祖父の尊称で、イチョウの実は、
祖父が種を蒔いても、実がなるのは孫の代であることからきた漢名。
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