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はっと気がつくと1年以上も更新していない! 読んでおもしろかった小説やマンガで、ここにUPしていない作品が山ほどあるのにね(汗) で、今回紹介するのは「憂国のモリアーティ」。タイトルからわかる通り、シャーロック・ホームズのシリーズを下敷きにしたマンガで、主人公はなんと、ホームズの最大の敵モリアーティ教授です。 じつは、1巻からずっと、新刊が出るたびに買っていたマンガです。1巻が出てすぐのとき、書店で見かけたときには「え?」と驚き、なんとなく敬遠し、何度目かに見かけたときに怖いもの見たさで手に取って読み始めた…という記憶があります。 巻を追うごとにワクワク感が増して、期待外れがなく、大胆な脚色に魅了されました。アイリーネ・アドラーすごいわ。切り裂きジャック事件の真相とか、なぜホームズのシリーズに登場しなかったのかとかもおもしろかった。 最近出た14巻で、ホームズとモリアーティがライヘンバッハの滝から落ちるあのシーンまで終了。なので、ここに書きたくなりました。このマンガでは、ふたりが滝から落ちたのはワトソン博士の脚色で、落ちたのは別の場所ですが。なぜ脚色したのかは、書くとネタバレになるので、ご自分で読んで確かめてください。 これで完結かと思ったら、次巻は空き家の冒険編がはじまるそうです。楽しみです。憂国のモリアーティ 1 (ジャンプコミックス) [ 三好 輝 ]憂国のモリアーティ 14 (ジャンプコミックス) [ 三好 輝 ]
2021年04月25日
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本編完結後もシリーズ物となっていろいろ出ていた「幻獣の星座」。すっかりはまって全部読みました。そのラストを飾るのが星獣編です。星獣編のメインは予知能力をもつ少女とともに平安時代にタイムスリップする話で、たいへん面白かったのですが、今回ご紹介するのは、エピローグ集的な最終巻の第6巻。コロナ禍のなか、たしか最後が感染症の話だったと思い出し、つい読み返してみました。野生動物発祥の感染症。最初は風邪のよう。でも、そこから先の症状はコロナより怖いな。凶暴になって周囲の人間を殺してまわり、やがて自分も死んでしまう。しかも、それが必ず起こるというのですから。これに比べれば、コロナのほうがまだしもマシかなと、変なところでホッとしました。幻獣の星座〜星獣編〜(6) (プリンセスコミックスGOLD) [ 秋乃茉莉 ]
2020年04月14日
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引っ越しや転職があいついで、ふと気が付けば、ずいぶん間があいてしまいました。山下和美さんのマンガです。6巻まで出ています。書店で最初に見かけたのは3巻が発売されたとき。興味を引かれたのですが、たいへん忙しいうえに金欠のとき。で、買うのを見送ったのですが、それからまもなく、図書館でパラパラ読みしていた雑誌「ダ・ヴィンチ」に「ランド」の特集があって、第1巻が何ページか試し読みできるようになっていました。その試し読みが面白く、特集記事からも続きが期待できそうな気がしたので、書店で1巻から3巻まで買って読み、そのあと4巻を見かけて買って読み、そのあと新刊が出るたびに買って読むようになりました。舞台の1つである「ランド」は、雰囲気などは江戸時代ぐらい昔の農村風ですが、独特のタブーや信仰のある閉鎖社会。タブーの一つは双子で、双子が生まれると、片方が殺されます。そのタブーのため、赤ん坊のときに父親によって殺されるところだった少女アンと、その双子の姉妹で、タブー破りをするほど好奇心旺盛な少女に育った杏が、このマンガの主人公です。東日本大震災後の世相に触発されて描かれた作品とのことですが、震災後の被災地に限らず、この作品に見られるような雰囲気は昔もいまもあると思います。リストラの不安にさらされている職場、何かのはずみで集団いじめが発生した学校、年金制度崩壊の不安にさらされている現代の高齢化社会。不安をバックにスケープゴートを求める群集心理は、それらにも確かに見られます。で、話の途中から登場するもう一つの世界。ランドをつくりだして統治する人々の住む世界。最新刊では、はじめ冷酷非情と見えていた支配者たちのうち、ふたりの素顔が意外でおもしろかったです。このあとどう展開していくのか楽しみの作品です。ランド(6) (モーニング KC) [ 山下 和美 ]ランド(1) (モーニングKC) [ 山下和美 ]ランド(2) (モーニングKC) [ 山下和美 ]ランド(3) (モーニングKC)[ 山下和美 ]ランド(4) (モーニング KC)[ 山下 和美 ]ランド(5) (モーニング KC) [ 山下 和美 ]
2018年05月14日
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最終巻を読んでからずいぶん経ってしまいましたが、浦沢直樹さんのマンガ「BILLY BAT(ビリーバット」の感想です。ずっと以前、1巻の最初をばらっと見て、「昔のアメリカンコミックみたい」という印象を受けた覚えがあります。それもそのはず、冒頭は、終戦まもないころのアメリカで、日系マンガ家のケヴィン・ヤマガタが描いているマンガ。つまり、作中作。ヤマガタは、絵から浮き上がって現れるコウモリに導かれるように「ビリーバット」というマンガを描き、そのマンガが現実となっていくのです。なんともユニークで奇妙な話。わかったような、よくわからないような話で、でもなんだかおもしろく、続きが気になるので、新刊が出るごとに買って、最終巻まで読みました。最終巻、救いがあって、満足のいくラストでした。読みごたえのあるマンガです。BILLY BAT(1) [ 浦沢直樹 ]
2016年12月13日
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清水玲子さんのマンガです。本編の後日談にあたるシーズン・ゼロ第4弾は、槇の同期、桜木警務部部長が、婚約者を誤って射殺してしまった事件の話。その真相を追ううち、桜木の負う二重の秘密が明らかに……。8月の発売日に買って読み、最近また読み直しました。重い過去をもつ槇でさえ、「桜木さんの地獄はわからない」と思うほどの桜木の秘密。にもかかわらず、救いのあるラストで、読後感が心地よい話です。最初に読んだ発売日はたいへん忙しいときだったので、ラスト近くのある場面で「幸運な偶然」と思い、そのまま読み流してしまったのですが、読み直して、偶然などではなかったと納得しました。(ネタバレになるので、くわしく説明するのはやめておきます)それにしても「秘密」のシリーズ、世論というか群集心理というか、正義漢ぶりながらサディスティックで無責任な人々の心理にリアリティありますね。こういう事件が起これば、こういう反応する人いそうです。秘密 season 0 4 [ 清水玲子 ]
2016年09月20日
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■商品名:【送料無料】【お買い得茶・業務用】静岡牧之原産 ほうじ粉茶80g 【代引き・お時間指定不可】【RCP】05P12Oct15■レビュー内容少し残っているポイントで、ほうじ茶を買えないかなと探してみたら、あったので買いました。茶葉を小さく砕いているので、ふつうのほうじ茶より少ない量で、わりと早く出ます。「業務用」と書いているところをみると、飲食店でよく使われているんでしょうね。手早く淹れたいときには便利だし。細かいといっても、茶こしの網よりは大きいので、ふつうに急須で淹れられます。味や香りも、べつにふつうのほうじ茶に劣らなくて… もっと詳しく見る
2015年10月21日
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秋乃茉莉さんのマンガです。「幻獣の星座」9巻と「幻獣の星座~ダラシャール編」3巻で完結しています。子供のころから鳥葬の夢に悩まされているやんちゃな少年、風斗が、突然現われた幻獣ガルーダに、ダラシャールの法王の生まれ変わりだと告げられ、ふしぎな力を発揮するようになって……というところから展開していく物語です。わたしは、「幻獣の星座」が最初に出たときには読んでなくて、ダラシャール編として再開するのに先立って出た新装版ではじめて読みました。新装版の1巻を読んではまってしまい、毎月2巻ずつ出るのを楽しみにして、9巻全部読みました。はじめのうちはホラーとギャグが入り混じった話で、毎回完結していたのが、4巻の終わりごろから深刻な事態の長い話になっていき……。どう完結するのかと思っていたら、9巻は、「この先どうなるの?」という終わり方。続きを読みたいという声が多かったというのもうなずけます。「幻獣の星座~ダラシャール編」は、各巻、発売と同時に買って読みました。ですから、全部読み終わってひと月ぐらい経っているのですが、感想、いまごろになってしまいました(汗)ダラシャール編の1巻は前法王の話で、2巻から、新装版9巻の続きとなります。こんなたいへんな状況で、3巻で完結がつくのか……と思っていましたが、3巻の半ばあたりで完結していました。3巻の後ろ半分は外伝です。なんだかだまされたような……。でもつじつまは合っている……というか、この結末で説得力がありますね。全体として、読みごたえのあるマンガでした。【楽天ブックスならいつでも送料無料】幻獣の星座(1)新装版 [ 秋乃茉莉 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】幻獣の星座~ダラシャール編~(1) [ 秋乃茉莉 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】幻獣の星座~ダラシャール編~(3)(完) [ 秋乃茉莉 ]
2015年10月16日
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■商品名:紅茶葉「ロイヤル ダージリン」送料無料・メール便【smtb-KD】■レビュー内容ポイントで買える紅茶を探していて見つけました。ストレート紅茶はダージリンがいちばん好きだし、ティーバッグより茶葉のほうがいいと思っていたので、ちょうどよかった。淹れてみるといい香り。いつも飲んでいるティーバッグのダージリンとは、やはりかなり違いますね。量も50gありますし、満足です。 もっと詳しく見る
2015年09月27日
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上橋菜穂子さんの小説です。だいぶん昔の作品です。図書館で見かけ、「これ、まだ読んでない!」といので、借りてきました。 舞台は、古代日本の山奥の村。九州に「隼人」と呼ばれる人々がいて、朝廷が隼人の村々を支配下に納め、税を課していた時代。とはいっても、具体的にどこの村というわけではなく、史料などからわかるところは綿密に考証し、史料ではわからないようなところ(古代ですからね)は想像をふくらませて書かれた古代日本風世界のファンタジーです。 上橋さんのほかの作品同様、児童文学だけどおとなも楽しめ、深遠だけど小中学生も理解できるように書かれた物語です。読者対象は、「小学上級から」となっています。 「神」ではなく「カミ」だった時代、各地にカミがいて、人間の娘に恋をしたり、ツマとしたり、子供をもうけたりもしています。不死ではなく、人間に殺されることもあるカミで、人間の信仰の変化によって、「オニ」と呼ばれることすらあります。 人間っぽいところもあるけれど、人間ではなく、永遠の神秘のようなものにつながる存在です。 神のツマとなった女たちも、巫女のような面があるかと思えば(って、もとは巫女だし)、けっして自己犠牲的ないけにえではなく、カミに対する愛があったりとか、ツマとなったあとも人間の世界に対する郷愁があったりとか、そういうにも好きですね。(あまり書くとネタばれしそうなので、ここまでに留めておきますが)【楽天ブックスならいつでも送料無料】月の森に、カミよ眠れ [ 上橋菜穂子 ]
2015年09月23日
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■商品名:【メール便全国送料無料!】ハラダ製茶 生産者限定 知覧茶 100g【お茶/九州/鹿児島/日本茶/煎茶】【エピガロカテキン/水出し茶/氷水出し茶/EGC】【RCP】■レビュー内容ポイントでお茶を買いたいと思って一覧を呼び出したとき、人気順に並んでいるわりと上位のほうにずいぶんリーズナブルなお値段のものがあったので、買いました。人気度が高いだけあって、お値段のわりにおいしいお茶でした。スーパーなどで売っているもう少し高め(100g400円とか500円あたり)のお茶に比べても、遜色ない感じ。普段使いにいい感じで、満足しています。 もっと詳しく見る
2015年09月14日
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樹なつみさんのマンガです。1巻を本屋で見かけて手に取ったときには、発売からけっこう日数が経っていました。一見、最近多い料理マンガ風なので、樹さんのマンガと気づかずに見落としていたのかも。手に取ってみると、新選組の斎藤一の話。しかも樹さんの作品だし……というので買い、読んでみると、なんだかめちゃ面白い。で、続きを楽しみにしていたら、つい最近2巻が出ました。時代は明治の初め。主人公は東京築地のパン屋「フェリパン舎」のパン職人の女の子、西塔明(さいとうはる)。上野戦争の混乱の中、てんぱった彰義隊士に両親を殺され、別の彰義隊士に火事のなかから助け出されたあと、フェリパン舎のオーナー、フェリさんに拾われ、弟子になったという過去があります。そこを探索の拠点とするため、藤田五郎(斎藤一)が下男となって住み込む……という設定です。1巻で起こっている陰謀事件は2巻の終わりで決着がつきます。子供の明を助けた人物も、2巻で登場します。実際に起こったクーデター未遂事件を題材にした冒険活劇に、明がつくるパンや料理が花を添え、楽しいマンガです。2巻がきりのいい終わり方をしていたので、これで完結なのかと一瞬思いましたが、調べてみると、雑誌連載はまだ続いています。(「メロディ」のマンガは、単行本になってから読んでいるのが多いですが、雑誌では読んでないんです)。3巻が出たら、もちろん買います。【楽天ブックスならいつでも送料無料】一の食卓(1) [ 樹なつみ ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】一の食卓 2 [ 樹なつみ ]
2015年09月10日
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男の子のようなお姫様と女の子のような若君が男女入れ替わるという古典「とりかえばや物語」。 それを下敷きにしたさいとうちほさんのマンガ「とりかえ・ばや」にすっかりはまったもので、原作の古典も読んで見ました。 原作、存在は知っていましたが、読んだことはなかったので、興味がわきまして。 マンガは脚色がかなり入っていて、原作よりずっとおもしろいですね。いや、原作もこれはこれでおもしろいですが、マンガのキャラが念頭にあると、のけぞります。 原作は古典だけあって、モラルが現代とは全然違いますから、マンガのほうは、現代人の読者が感情移入しやすく脚色してますね。 マンガのキャラを念頭において原作読んだら、「睡蓮、ひでえ」と思いましたもん。(「睡蓮」「沙羅双樹」などの固有名称がついているのはマンガだけですが) 平安時代の貴族はこれがふつうだったんでしょうけど。 マンガの一途でけなげな睡蓮に比べて、原作の右大将は~~。「平安貴族の男~」という感じがしました。 もっとも、現代でも、現実の男の大半は、原作の右大将のほうに近いかもしれませんが。マンガの睡蓮はほんとに誠実ですね。東宮と幸せになってほしいです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】とりかえ・ばや(1) [ さいとうちほ ]この下のは原作。わたしが読んだのと同じ。図書館にあるとは思いますが【中古】 とりかえばや物語 ちくま文庫/中村真一郎【訳】 【中古】afb
2015年08月08日
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よしながふみさんのマンガ。かなり前、3巻まで読んだ時点で感想をUPしたことがありますが、6月に12巻が出ました。 江戸時代に男の子や若い男ばかりがかかる赤面疱瘡なる奇病が流行し、男性の人口が激減。そのため、歴代将軍も女、大奥に仕えるのは男たち……という設定の歴史SFです。 1巻は8代将軍・吉宗の時代の話で、1巻の終わりで吉宗が過去の記録に興味をもって読み始めたところから、2巻で、赤面疱瘡が発生した3代将軍の時代に遡り、それから時間の流れに沿って話が進んでいきます。 ふたたび吉宗の時代にたどり着いたあとは、赤面疱瘡を克服しようと尽力する人々が話の中心になっていき、わたしの好みとしては、いちだんとおもしろくなりました。 なんとなく、病気を克服して、黒船来航というあたりで終わるのかなと思っていましたが、12巻の終わりでいっきょにそこまで話が進んでびっくり。 13巻からは幕末編とか。どんな幕末になるのか楽しみです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】大奥(第12巻) [ よしながふみ ]
2015年07月08日
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はっと気がつくと、1年も更新してないわー。もっとまめに更新するようにします。 で、久しぶりの更新は、今日買って読んだ秋乃茉莉さんのマンガです。好きな作品がいくつもあるマンガ家さんなので、そのうち書こうと思っていたところ、知らなかった作品を見かけたので、読んだ勢いでこの話から書くことにしました。 「シャーロック・ホームズ異聞」の副題通り、ホームズの話を下敷きにしていますが、舞台は現代の日本。内定していた会社が倒産してしまった大学4年の白木焔と、紫外線アレルギーの謎めいた青年・渡瀬蒼が、ホームズ譚を彷彿とさせる事件を解決していくのですが、犯人や事件の真相、結末など、原作とはまったく違います。 最後にわかる事件の真相がなかなかおもしろい。書くとネタバレになるのでやめておきますが。(ホラーやファンタジーの要素も多分にありますが、いちおうミステリーだし) 1巻は「まだらの紐」「ボヘミアの醜聞」「踊る人形」。2巻も読みたいです。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ワトソンの陰謀~シャーロック・ホームズ異聞~(1) [ 秋乃茉莉 ]
2015年06月07日
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幸村誠さんのマンガです。14巻まで出ています。 タイトルにある「ヴィンランド」とは、北欧の叙事詩サーガに謳われる西の彼方にある土地。つまり、北米大陸です。 かなり以前、アメリカ大陸を最初に発見したヨーロッパ人はコロンブス……という従来の定説を破って、バイキングの居留地跡が北米で見つかり、話題を呼んだことがありました。 そのバイキングの北米植民を題材にしたマンガですが、まだ出発していません。13巻の終わりになって、ようやく主人公トルフィンがヴィンランドを目指す決意。14巻で故郷のアイスランドに帰省。かなり長丁場の話です。 ですが、故郷をあとにして以来の長い道のりが、ドラマチックでもあり、深遠でもあるんですよね。主人公の心境の変化とか、ヴィンランドを目指す動機とか、すごく説得力を感じました。時代や文化が違っても、現代にも通じるテーマですね。並行して描かれるクヌートの変化もおもしろい。 絵柄も、1巻を読んだときには、あまり好みじゃないと思ったのですが、巻が進むにつれて、どんどん写実的で綺麗な上手い絵になっていくし。 続きを楽しみにしているマンガです。【送料無料】ヴィンランド・サガ(1) [ 幸村誠 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】ヴィンランド・サガ(14) [ 幸村誠 ]
2014年05月17日
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梶尾真治さんの短編集です。ユニークな異星を舞台に、男女の愛を描いたロマンチックSF4編が収録されています。 表題作の「スカーレット・スターの耀奈」は、さまざまな星から留学生が集まる大学に留学した地球人の青年が主人公。やはりそこに留学してきた異星人の少女ヨーナ(耀奈)と恋をします。 ふつうに考えて、地球人と異星人の恋愛というだけで前途多難な気がしますが、この話では、それはたいした問題じゃない。というか、それが問題にならないほどの秘密を、彼女は抱えています。 他の3作、「ドリーム・スターの亜眠」「ホーンテッド・スターの玲乃」「キュービック・スターの麻綾」でも、それぞれの話の舞台となる異星の特異な状況から、主人公に、恋人への愛を試されるかのような過酷な試練が降りかかります。 いつだったか、「現代の日本では身分違いというような決定的な恋愛の障害がないから、ドラマチックな大恋愛はできないし、現代の日本を舞台にした小説ではドラマチックな恋愛を書きにくい」というようなことを言った友人がいましたが、異星を舞台にすると、現代の日本どころか、古今東西、地球上ではありえないような恋愛の障害が設定可能なんですね。 4編のなかでわたしがいちばん好きなのは、「キュービック・スターの麻綾」ですね。お互いのことしか目に入らないぐらい熱愛中のカップルにとっては、ある意味、これが最大の障害かも。 2番目に好きなのは「スカーレット・スターの耀奈」。もしも20歳前後の若いころにこの短編集を読んだとしたら、この表題作をいちばん好きだと思ったかもしれません。【中古】 スカーレット・スターの耀奈 新潮文庫/梶尾真治(著者) 【中古】afb
2014年04月19日
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ホームズをアクション・ヒーローにしたという映画。予約すれば図書館で借りられるとわかり、予約して借りました。 原作とキャラや雰囲気が違うだろうとは予測していましたが、予想以上に違いましたね。キャラ設定を意図的に変えてるし。 英国紳士というより奇人変人のフリーターという雰囲気のホームズ。ホームズを迷惑がっているワトソンとハドソン夫人。ワトソンに婚約者として紹介されるのがホームズとの初対で、両親ともに健在なメアリ・モースタン。 もっと脚色されているのがアイリーネ・アドラー。原作「ボヘミアの醜聞」に登場したアイリーネはべつに犯罪者ではありませんでしたが、この映画のアイリーネは、お色気を武器にした犯罪の常習者。しかも、ホームズは、アイリーネに惚れた弱みで出し抜かれてばかりという設定です。 ホームズとワトソンとアイリーネの三人、ルパン三世と次元大介と峰不二子と思ったほうがイメージに合うなと、ちょっと思いました。 ストーリーも、アクションとお笑い要素強いですし。 まあ、ルパン三世みたいなホームズだと思って観れば、これはこれで面白かったですね。スリルあったし、笑えました。 二作目も観たくて予約しています。【送料無料】シャーロック・ホームズ [ ロバート・ダウニーJr. ]
2013年11月30日
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宮部みゆきさんの推理小説です。 図書館でこの作家さんのまだ読んでない本を探していて、これに目をとめました。 いろんな人の財布を主人公にした短編の連作で、全体として一つの話。なんか変っていておもしろそう……と思って、借りてきました。 そうしたら、期待以上のおもしろさでした。 自分のいるところで交わされる会話などをすべて聞いており、自分の中身を把握している財布たち。いつも持ち主の心配をしていて、ときとして持ち主より善悪観念がきちんとしている財布たち。 財布が主人公ゆえのユーモアに笑っているうちに進んでいく冷酷な連続殺人事件。最後に明かされる実行犯や影の犯人たちの動機は、意外でありながら、実際にありそうな気がしました。 彼らの性格や行動はかなり異常ですが、「これほどではないけど、少しこういう傾向はあるかも」という人はけっこういそうな気がします。うちのサークルのサイトに載っている小説にも登場するし、リアルでも、悪口を言いふらされるというような被害になら一度ならず遭ったことがあります。 犯罪にまで至らない集団いじめとか、人の評判を落とすという程度の行為なら、彼らのような人が絡んでいることがよくありそうな気がします。 こういうタイプ(具体的に書くとネタバレしそうなので伏せておきます)を極端にしたような人が、その目的達成のために、連続殺人も厭わない手段を思いついて実行したら……。 作中の捜査側の人たちと同じく「この動機でここまでやるか?」と思う一方、「こういう人ならここまでやるかも」と、妙に納得しました。【送料無料】長い長い殺人 [ 宮部みゆき ]
2013年07月29日
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ヤマザキマリさんのマンガです。6巻で完結しています。 古代ローマの浴場技師ルシウスが、仕事などで難問にぶちあたって悩んでいるときに湯の中に落ちると、なぜか現代日本の浴場にタイムスリップしてしまう……というぶっ飛んだ設定の話。 主人公のルシウスはタイムスリップとは気づいておらす、ローマの属州のどこかに瞬時に移動したと思い込んでいます。 で、見聞きした文化に素直に驚くようすがなんともおかしい。 たんに驚くだけでなく、古代ローマでそれを再現してしまうんですから、すごい人です。 この話を最初に知ったのは、かなり前、映画封切り前に路上で見かけたコマーシャル。 その時にはナンセンスなお笑いかと思ってあまり興味をもたなかったのですが、友人に原作のマンガがとても面白いと聞き、読みはじめて夢中になりました。 真面目で仕事熱心なルシウスのカルチャーショックぶりも、古代ローマの生活がくわしく描かれているのもおもしろい。 5巻の最後が気になる終わり方をしていたので、6巻、すごく待ち焦がれてました。 思いがけない展開にびっくり。終わってしまったのは残念ですが、満足です。【送料無料】テルマエ・ロマエ(1) [ ヤマザキマリ ]【送料無料】テルマエ・ロマエ(6) [ ヤマザキマリ ]
2013年07月19日
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以前に紹介した樹なつみさんのマンガ「ヴァムピール」の外伝です。 本編は現代日本の話ですが、この特別編の舞台は19世紀末のイギリス。主人公はスコットランドヤードの刑事です。 話の舞台も主人公も雰囲気も本編とは違うので、本編を読んでいなくてもわかるんじゃないかと思います。ヴァムピールが人間の悪意を食べるヴァンパイアだということと、悪意を食べると澱が溜まっていくので、浄化能力を持つ「浄化者」と呼ばれる人間に浄化してもらう必要があるという点は、最初の話でかんたんな説明が出てきますし、それさえ頭に入っていればついていける話です。 主人公のマイアズ刑事(通称キング)は浄化者で、そのため、本編にも登場したヴァムピールのバロン(男爵)につきまとわれます。その浄化の見返りとして、男爵はマイアズ刑事の捜査に協力します。で、そのついで(?)に食事もします。 1巻に登場する4つの事件は、第1話の切り裂きジャックをはじめ、実際に起こった連続殺人事件をもとにしたリメイク。題材となった事件の時代や場所はさまざまですが、19世紀末のイギリスの話につくり直しています。 各話完結のミステリー風の連作で、どれもおもしろい。主人公が刑事なのに血が嫌いとか、途中で登場する正統派の吸血鬼もじつは血が嫌いで、身内と乙女以外の血を吸うと気分が悪くなるなど、キャラ設定も楽しい。 凄惨な連続殺人事件の話にもかかわらず、本編に比べてなぜか雰囲気が明るいですね。主人公が浄化者で、本編の主人公のような深刻な状況にないからでしょう。殺人事件は話ごとに解決しているのだし。 続くそうなので、2巻も楽しみです。でも、本編も早く続き読みたい。話の途中で中断したままだし。【送料無料】ヴァムピール特別編KING AND BARON+(1) [ 樹なつみ ]
2013年05月31日
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惣領冬実さんの歴史マンガです。 主人公のひとりは、タイトル通り、チェーザレ・ボルジア。もうひとり、語り手役ともいえる主人公は、フィレンツェの石工の孫アンジェロ・ダ・カノッサ。たぶん、架空の人物だろうと思います。 物語は、アンジェロがフィレンツェの元首ロレンツォ・デ・メディチの推薦でピサ校に入学し、チェーザレや、ロレンツォの息子ジョヴァンニと出会うところからはじまります。 現在10巻まで出ており、9巻までずっとピサ校時代の話。10巻になってようやく、枢機卿となったジョヴァンニとその側近となったアンジェロがピサを離れます。 ゆったり流れる大河小説のようなテイストの歴史マンガ。コロンブス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどの有名人も次々登場します。 じつは、はじめ、見かけたときに何巻も出ていたのと、歴史解説みたいな堅苦しくて退屈なマンガかもしれないと思ったのとで敬遠していたのですが、9巻まで出ていたとき、1巻を立ち読み自由にしていた書店があり、最初の何ページかを読んで気に入って買い、次々に続きを買って、9巻までほとんど一気読みしました。 けっして教科書的な堅苦しさはないし、退屈でもない。当時の学校生活、歴史上の事件や政治情勢もいろいろ出てきますが、難しい感じもしませんね。渦中の人物たちが生き生きしているので、立場とか気持ちとかわかりやすいからでしょう。 待ちかねて買った最新の10巻でとくにおもしろかったのが、ジョヴァンニの卒業試験でのチェーザレの質問とジョヴァンニの答弁。ジョヴァンニは、1巻で登場したときには、アンジェロにちょっと意地悪したりしてあまりいい印象を受けなかったのですが、話が進むにつれて「ちょっと頼りないけど、けっこういい人かも」と印象が変わっていき、10巻で、頼りないわけではないとわかりました。少し気弱なところはあっても、しっかりした自分の考えをもっていて、必要な時にはそれを言える人ですね。 ちょっと驚いたけど、唐突な感じはしませんでした。それまでの彼の成長もありますが、彼が育ったメディチ家の環境を考えると、この答えは納得がいきますね。【送料無料】チェーザレ(1) [ 惣領冬実 ]【送料無料】チェーザレ(10) [ 惣領冬実 ]
2013年04月25日
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諏訪緑さんのマンガです。だいぶん前に「ブチフラワー」で連載された「玄奘西域記」の続編で、玄奘が中国に戻ってからの話です。べつに「玄奘西域記」を読んでいなくても楽しめる内容ですが。 ただ、設定は「玄奘西域記」を踏襲しています。 インドに経典を取りに行こうと考えたのは玄奘の兄で、玄奘自身はその護衛。だから武芸の達人で、年も若く、当時はまだ僧になっていませんでした。。 でも、兄は旅の間に亡くなったので、帰国後の唐では、玄奘が西天取経を成し遂げた人物としてもてはやされ、西遊記の原型のような芝居が人気を呼んだりしています。 そんななか、せっかくインドから持ち帰った経典の一部が盗まれ、玄奘がそれを取り返しにいく…という話です。 「玄奘西域記」のほうは、後世に書かれた「西遊記」ではなく、玄奘の書いた「大唐西域記」を下敷きにしていて、西遊記に登場する冒険は出てきませんが、この「三蔵法師の大唐見聞録」のほうには、「西遊記」を連想させるシーンや人物がいくつか登場します。もしもこういうできごとがあったら、それをもとに「西遊記」のあの場面ができたかも……というような形で。 現在、2巻まで出ていますが、話は完結していなくて、長くなりそうな雰囲気。(長さはわかりませんけど) 早く続きが読みたいです。【送料無料】三蔵法師の大唐見聞録(第1巻)【送料無料】三蔵法師の大唐見聞録(第2巻)
2012年06月16日
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最終巻の14巻が出てからだいぶん経つのに、いまさらですが……。 和田慎二さんのマンガです。 主人公の鹿嶋リンは、まるで要塞か牢獄のようなヨーロッパの女子校の生徒。物語は、祖父と姉の不審な死を知ったリンが学校を脱走し、実家に戻るところからはじまります。 彼女の実家は、鹿嶋操流と呼ばれる人形師の家系。鹿嶋家に伝わる『木偶(でく)』なるものを核にしてつくられた人形は、ひとりで動きまわることができる…。 ぶっ飛んだ設定、悲劇的な始まりのわりにはギャグ満載という楽しいマンガです。 14巻まで発売されており、14巻の巻末で作者が亡くなったと知って驚ききました。(読んだのは発売日なので、だいぶん前ですが) 話の最後に次から最終章に突入するという予告があり、そのあと、訃報とともに、編集者に語ったという今後の展開が載っていましたから、作者の頭のなかで最後まで話ができていたようです。 それを描かないままこの世を去ったのは、さぞ心残りだったことでしょう。 でも、巻末に今後の展開が載っていたのと、クレイジービエロのエピソードが気持ちのいい形で完結していたのとで、きりのいいところまで読んだという満足感はありました。 そりゃあ、ラストまで読みたかったけど。【送料無料】傀儡師リン(14)
2011年11月19日
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吸血鬼物を3編取り上げると、ずいぶん前に予告して、最後のひとつ、そのままになってましたね。 3作目は「ヴァムピール」。樹なつみさんの作品です。じつは、3つのうちでいちばん好きな作品です。 ヴァムピールは人間の悪意(正確には負の生命流動体)を常食とするヴァンパイアです。 人間の姿をとっているし、ヴァンパイアのイメージも強い一方で、「八雲立つ」に登場した『念』とシンクロするところがあるようにも感じました。 話は、高校生の少年・水沫伶が、飛び降り自殺の巻き添えで一分間だけ心停止するところから始まります。 いったん死の淵をくぐっていたあいだに、彼はヴァムピールに取りつかれ、霊が見えるようになるのです。 主人公は、彼のほか、死後にヴァムピールに憑依された美少女・北杜笙と、彼女のかつてのクラスメートでカウンセラーの青年・笛吹の三人(たぶん)。そのほか、人間もヴァムピールも、個性的なキャラがいろいろ登場します。 私がとくにおもしろいと思ったのは、夫をストーカーする妻など、病的に異常な人間が登場しても、ヴァムピールの食事となるのは、そういうみるからに異常な人よりも、むしろその周囲で社会に適応しているように見えながら、どろどろした悪意を秘めている人間だったりする点です。「悪意」ってのは、たしかにそういうものだよなと、納得しました。全て新品!注文可能商品は全て即日出荷可能!ヴァムピール 全巻セット (1~5巻 以降続巻)
2011年09月18日
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更新の間隔があいていてごめんなさい。できるだけ早く、また感想をUPしますので、もう少しお待ちください。
2011年07月02日
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今回は、アバターの年末年始企画に参加することにしました。アバター、宝箱で当たったの以外でも、無料アイテムなら、クレジットやウェブマネーがなくても手に入るんだったんですね。いままで気づきませんでした。本題、年末年始の過ごし方でしたね。年末はコミケ。寒かったけど、楽しかったです。12月は忙しかったもので、正月はぐーたらぐーたら過ごしています。ネットの無料ゲームについはまってしまいました。インストールしなくちゃいけないのは避けてましたけど、何もインストールしなくていいのなら、平気かな~と思って手を出したら、おもしろくて。
2011年01月02日
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吸血鬼物を三作取り上げると宣言していましたが、予定を変更して、紫堂恭子さんの「王子の優雅な生活(仮)」を挟むことにしました。このまえ出た3巻で完結したので、完結からあまり経ちすぎないうちに感想を書きたいと思いまして。 このマンガ、主人公は遊び好きで女好きの王子さま。庶民は食事などしないものだと思い込んでいたという、とんでもないキャラ設定で登場します。 でも、いとこに王位を奪われ、森に隠れ住むうちに、それまで顧みなかった庶民の生活の実態を知り、認識を改めます。 こう説明すると真面目な話のようですが、かなりギャグ要素が強いです。この方の作品はどれもギャグがふんだんに盛り込まれていますけど、そのなかでもギャグが多いほうだと思います。 王位の取り戻し方もほとんどお笑いで、ちょっとあっけなかったし。 そういうギャグマンガのなかに、封建社会の庶民の貧困からくる悲劇とか、子供のときに身分の差から引き裂かれた過去をもつカップルといったシリアスな要素がはさまっています。 2巻から登場するギルバートとセリーナの話も好きですが、1巻の捨てられて死んだ赤ん坊たちの話がとても印象に残っています。 終盤の王位奪回はちょっと物足りなかったですけど、全体としては、このマンガ、好きですね。王子の優雅な生活(1)王子の優雅な生活(2)王子の優雅な生活(3)
2010年11月18日
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前回に続いて吸血鬼物のマンガ。水城せとなさんの作品です。 このマンガ、最初に書店で見かけたとき、タイトルと「愛と繁殖のバンバイア・ロマネスク」というキャッチフレーズに引いてしまって、買わなかったんですね。 でも、3巻が出たころ、古本屋で1巻を見かけ、中をパラッと見ると面白そう。で、買って読むとおもしろかったので、2巻以降も読み続けています。 現在、4巻まで出ていて、話はまだ続いています。 今まで読んだバンバイア物の作品のなかで、これがいちばん斬新かも。なにしろ、「吸血鬼」ではなく、「吸血樹」。植物なんです。 登場する吸血樹たちは、もとは人間なのですが、吸血樹という種族を愛し、そのより良い繁殖をはかろうとします。吸血樹たちだけでなく、ヒロインの梓(のちアリスと改名)をはじめ、繁殖相手に選ばれた女性たちも。 キャッチフレーズにあった「繁殖」って、そういう意味だったんですね。引くことはなかった。 でも、虫がたくさん登場するマンガは苦手という人は、お読みにならないほうがいいかも。 なにしろ植物ですから、虫と共存しています。それで、ちょっとグロいシーンもあったりします。 このマンガのキャラたちは、それも含めて吸血樹という種族を受け入れているわけですから、柔軟な思考と感性の持ち主ぞろいですね。 水城せとなさんの作品には、そういう世間一般の常識とか固定観念を超越したようなキャラがよく登場していますね。 このマンガもそういうところがありますね。そういうの、わたしはけっこう好きなんです。黒薔薇アリス(1)黒薔薇アリス(2)黒薔薇アリス(3)黒薔薇アリス(4)
2010年10月11日
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ここ数ヶ月間に、図らずも吸血鬼ネタのマンガを相次いで3作読みました。 べつに吸血鬼物ばかり選んで読んだわけではなく、書店や古本屋で目についた好きなマンガ家さんの作品を買っていたら、吸血鬼物が続いたというだけなのですが。 で、3作とも、従来の吸血鬼伝説から離れて、それぞれ独特の設定になっているんですね。「こういう存在がいたら、そこから吸血鬼伝説が生まれたかもしれない」と想像できますけれど、「人の生き血を吸う妖怪」という伝説通りの吸血鬼ではないんです。 それで、比較するのもおもしろいかもと思い、取り上げてみます。 前置きが長くなりましたが、まず、最初は赤石路代さんの「夜がおわらない」。三作のなかで読んだのは最後なのですが、古本屋で見つけた本で、かなり昔に刊行されています。 3作のうち、これだけ全3巻ですでに完結しているので、最初に取り上げることにしました。 この作品に登場する吸血鬼は、フィリピンの「アスワンダ」。ただし、伝説通りの吸血鬼ではなく、ちょっとSFっぽい設定になっています。 どういう設定かを書くとかなりネタばれになるので、やめておきます。 作品全体の雰囲気はポジティブ。この方の作品には、行動力があってポジティブで、人に好かれやすい主人公が多いですが、この作品の主人公せれんも、そういう女の子です。【中古】afb【古本】夜がおわらない・完結セット(全3巻)/赤石路代
2010年09月23日
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スーパーファミコンで出た「ファイアーエムブレム-紋章の謎」は、いままでにプレイしたなかで夏野が最も熱狂したゲーム。その前半部分が2年前にリニューアルしてDSで出ていましたが、今夏、後半部分がDS版になりました。 リニューアルといっても、変更部分がけっこう多いです。 まず、主人公が、マルスの近衛騎士となるマイキャラ。主人公が騎士見習いに応募してから近衛騎士に任命されるまでの前日編からはじまり、本編の合間に、前日編の人物がからんでくる外伝が挟まっています。 まだプレイの途中なので、この外伝ストーリーがどういう展開になるのか知らないのですが、キャラが興味深く、楽しみです。 あと、DS版の前作に登場した武器の錬成とか、今回から登場した出撃場面での会話や「みんなの様子」もおもしろい。 「みんな様子」では、仲間がユニークで便利なな武器を拾ったり、自主訓練でひそかに経験値を稼いでいたりして助かります。 ストーリーを知っているからそんなにはまらないかと思いながら買ったのですが、すっかりはまってしまいました。 でも、キャラを説明したガイドは、便利だけど、サムトーを仲間にする前に説明が出るのは、ちょっと親切過剰かも。 スーファミ版で彼を仲間にしたときには、驚いたり笑ったりしましたが、DS版で初めてプレイする人は、6章クリア前にガイドで「サムトー」の項を見たら、ネタばれしてしまいますね。まあ、攻略本や雑誌を見てからプレイすれば、どちらにしてもネタばれですが。 本編以外では、一面物の小シナリオ4つからなる「新・アカネイア戦記」がついていたり、通信で追加シナリオをもらえるのも、お得感があっていいですね。ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~ついでに攻略本(公式のガイドブック)へのリンクも貼っておきます。見なくてもクリアはできると思いますが、ゲーム中に登場する「秘密の店」は、ガイドか雑誌で場所を確認しないと、探すのは難しいです。ファイアーエムブレム新・紋章の謎~光と影の英雄~パーフェクトガイドブック
2010年08月14日
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「ハリーポッター」シリーズの最終巻をようやく読み終わりました。 すると、よく覚えてキャラがあったり、記憶の曖昧なエピソードがあったり。初めのほうの話を読んでから、かなり歳月が経ってますしね。 で、最初から読み返しました。 そうすると、最初に読んだときには気づかなかった伏線にいろいろ気づきますね。 クディッチについても、最初に読んだときにはよくわからず、「シーカーで勝敗が決まるのなら、他のポジションの選手は虚しくないのかな」と思いましたが、最初から読み返すと、ルールが頭に入って、納得しました。 シーカーがスニッチを取っても、それまでに点数を150点以上引き離されていると、逆転勝利はできないのですね。 このゲームと、シーカーというハリーのポジション、ウォルデモートとの戦いにおけるハリーの役割と重ねあわされているように思いました。 ウォルデモートとの戦いで、ハリーはシーカーの役割を果たしていますよね。 ホグワーツでの戦いがピンチになったのをハリーが逆転させて勝利に導いていますが、それはハリーひとりでは無理。ロンやハーマイオニー、それにホグワーツの先生たちや生徒たちや不死鳥の騎士団がそれぞれ力を尽くしたからこそ可能だった勝利です。 もしも彼らがハリーにすべて任せて何もしなければ、ハリーは挫折したかもしれないし、仮に首尾よくウォルデモートを倒せても、そのときには友達もホグワーツ校も全滅していて、何のために戦ったのかわからないような状態になっていたことでしょう。 最終的にハリーが決め手になると信じながら、それぞれ自分にできるやり方で戦う仲間たちは、クディッチを連想させます。 作者のローリングは、こういう展開を意識して、クディッチという競技を考え出したんじゃないのかなあ。わたしの想像ですけど。数が多いので、1作目と最終話だけリンク貼っときます。 【中古】単行本(小説・エッセイ) ハリー・ポッターと賢者の石【10P02jul10】ハリー・ポッターと死の秘宝
2010年07月04日
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「9番目のムサシ-ミッション・ブルー」、今回が最終巻でした。 最終巻にしてはあっけなかった気がします。前のときのほうが盛り上がったなあ。解決方法に無理があるような気がするし。 こんな賭けができるぐらいなら、もっと確実なやり方で解決できた気が…。ムサシが強いだけにそう思いました。 なんて不満っぽい書き方してしまいましたが、これは前作の最終巻と比べてのこと。 やっぱり続きは読みたいです。 美形の敵ボスたち、二人とも生きているんだし、まだまだ話が続きそうな気がするんですけど。 二人とも、それぞれ、本人としては「正義」をおこなっているわけで、「悪人」とはちょっと違うし、それでムサシも含めて三人が互いに敵どうしになるって設定は好きだし。 もうリニューアルしないのかなあ。9番目のムサシミッション・ブルー(8)
2010年06月19日
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前回につづいて、口コミテーマで投稿します。 「感動」というと、わたしの場合、やっぱり本ですかねえ。 まあ、こういうブログをつくっているぐらいですから。 最近では、「ハリー・ポッター」(いま、最初から読み返し中です)とか、「獣の奏者」とか。感動した話で、まだブログに取り上げたことのないのもいろいろあるので、これから取り上げていきたいですね。日記を書いて1万PT▼宝探しツアー▼
2010年05月01日
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宝島なる企画に沿って、いつもとだいぶん趣向の違う記事を投稿してみます。 本格的なダイエットは考えていないけど、メタボになりたくないし、体重は気になりますね。十年前に比べて5キロ以上太った気がしますし。 ってことは、5キロぐらい体重を落としたいかな。 でも、体重よりウエストのほうが問題。あと7センチぐらい細くなりたいなあ。
2010年04月18日
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上橋菜穂子さんのファンタジー小説です。 以前に感想を書いた「狐笛のかなた」といっしょに新書版の1~3巻を買い、しばらくツンドク状態のあと、読んですっかり夢中に。続きがどうなったのか気になっていたとき、書店でハードカバーの続編を見かけ、新書版で読んだ話はいったん完結しているらしいと気がつきました。 で、ネットで調べてみると、いつのまにか新書版の4巻が出ているじゃないですか。長さからすると、たぶん4巻でいったん完結しているんだろうとあたりをつけ、やっぱり4巻で完結。続編はハードカバーが出たばかりだったので、新書版が出るまで待ちきれず、ハードカバーで読みました。 この物語の世界には、「闘蛇」「王獣」という巨大な獣が存在します。思わず怪獣映画を連想してしまいそうなこの二種類の獣と人間との関わりを軸に、主人公エリンの数奇な生涯が描かれています。 物語は、主人公のエリンがまだ十歳の子どものときからはじまります。 父は亡くなっており、母は「霧の民」と呼ばれて気味悪がられている一族の出身で、そのためエリンも母も祖父母(父の両親)に疎まれ、冷たく扱われています。 あまり恵まれた境遇ではありませんが、母には愛され、母の仕事である闘蛇の世話に興味を持ち、友だちもいて、不幸というわけではありません。 しかし、ある事件がもとで母を亡くし、波瀾万丈の人生がはじまるのです。 悲惨な経験をしたとはいっても、もしもエリンが平凡な子どもだったら、祖父母に冷遇されながらも平穏な人生を歩めたかもしれません。でも、驚くほど勇敢で、聡明で、しかも獣に対する深い愛情と責任感をもっていたがゆえに、苦しい選択を強いられ、苦難に満ちた生涯を送ることになってしまいます。 正しい判断をするにはあまりにも乏しい情報しかなく、しかも政治や権力者の意向がからんでくるために選択肢がかぎられている……。そんななかで自分の歩む道を模索していくエリンの姿はけなげです。 エリンの歩んだ道は、必ずしも正しいとはいいきれません。正反対の選択をしていた「霧の民」がまちがっていたとはいいきれないと思います。でも、エリンがまちがっていたともいえません。 エリンの人生から連想したのは、実在の人物ではアインシュタイン。自分の研究が原爆に利用されたことで苦しんだと、どこかで読んだ覚えがあります。 それに、フィクションでは、映画「ゴジラ」(原爆実験への批判から生まれたという1作目)に登場する天才科学者。この科学者の考えは、基本的に「霧の民」と同じですね。 破滅を招きかねない危険な知識は封印したほうがいいのか? それとも、危険の内容も含めて全貌を把握しておいたほうがいいのか? 現代社会の問題にもつながる話でしたね。獣の奏者(1)獣の奏者(2)獣の奏者(3)獣の奏者(4)獣の奏者(3(探求編))獣の奏者(4(完結編))
2010年03月07日
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もとなおこさんのマンガです。 わたしは中学生のころホームズの大ファンだったし、好きなマンガ家さんの作品だし……ってので、古本で見つけて買ってきました。 ストーリーはオリジナル。原作では、ホームズは、滝に落ちて死亡したと思われたあと、じつは生きていた歳月を経て戻ってきます。でも、このマンガでは、魔術によって、ミニサイズの人形になって戻ってくるのです。 で、その人形のホームズ、動けるし、話もできます。 ただし、それはみんなにはナイショ。ふつうの人形のふりをしたまま、ワトソンと組んで、事件を解決していきます。 設定もファンタジーなら、数々の事件も、吸血鬼が登場するなど、ファンタジー色が強い話が多かったです。 ホームズ好き、ファンタジー好きにとっては楽しいマンガでした。Dearホームズ(1)Dearホームズ(2)
2010年01月10日
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半年ほども前に、しおん☆彡さんのコメントを読んでネットで買って読んだ本なのに、感想を書くのが今になってしまいました。 上橋菜穂子さんのファンタジー小説です。 話の舞台は、日本の室町時代ごろのような印象を受けましたが、特定の場所や時代ではなく、明確に日本というわけでもなさそうです。 まあ、武士がそれぞれの領地を支配したり、争ったりしていた時代の日本風異世界と思えばいいでしょうか。 主人公の小夜は、森のそばで産婆の祖母とふたり暮らしの少女。この小夜が、犬に追われる子狐をふところにかくまい、森のなかの屋敷に隠されて住む少年・小春丸に助けられるところから、物語がはじまります。 日本昔話……とでもいった雰囲気のはじまりですが、話が進むにつれ、封印されていた小夜の恐ろしい体験、二つの国の泥沼のような憎悪といった陰惨な状況が浮き彫りにされていきます。 小夜も小春丸も、敵方の呪者にずいぶんむごい目にあわされているのですが、しかし争い全体をみれば、敵方が全面的に悪者ともいえないのですね。 そんな人間たちの諍いにからんでくるのが、守り人シリーズのナユグを連想させる異世界「あわい」と、そこに住む霊狐たち。作者の書いたあとがきに、「〈なつかしい場所〉の物語」とありましたが、この霊狐たちが、昔話的ななつかしいムードをつくりだしています。 こういう雰囲気は好きですね。 昔話的といえば、ラスト近くでの春望(小春丸の父)の決断もそうですね。 結局、これが、国境紛争などでの憎悪の悪循環を終わらせる唯一の方法。わかっていても、こういう決断をする為政者ってのは、めったになさそうな気がします。 それだけに、この解決法、ほっとしました。狐笛のかなた
2009年11月08日
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ふと気がつくと、前回更新から2ヶ月経ってしまいましたね。 あのあと読んでよかったと思った小説やマンガは何冊かあるのですが、まだ感想を書いていません。 その理由のひとつは、「ドラクエ9」にはまってしまったこと。人気があるだけあって、おもしろいですね。 わたしは、ドラクエは、スーファミ版の「天空の花嫁」までしかやっていなかったのですが、そのときなかったシステムがいろいろ。スキルポイントの振り分けとか、練金とか、宝の地図とか、すれ違い通信とか。 本筋以上に、そういうのにはまっちゃって、まだ、やっと船を手に入れたところです。 時間のかかるゲームですが、教会でのセーブ以外にどこでも中断できる機能もついて、細切れ時間しかないときでも遊びやすいのは助かりますね。スクウェア・エニックス ドラゴンクエストIX 星空の守り人【DS用】【税込】 NTR-P-YDQJドラクエ9 [NTRPYDQJドラクエ9]
2009年08月30日
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「エロイカより愛をこめて」は、ケルトの話まで雑誌で読んでいたのですが、そのあと、雑誌に載っているのを知っていても、買うのをガマン。コミックスで出るのを待ちました。 だから、35巻が出て、大喜びで発売日に書店で買いました。 今回は、番外編が二編と、新作連載の第1回。相変わらずおもしろい。 少佐って、マメですねえ。休暇に他人の家をピカピカに掃除するなんて。掃除嫌いのわたしにはとてもマネができません。 ジェイムズくんもグレードアップしてますねえ。掃除嫌いのわたしでも、ここまではマネができません。 ケルトの話で登場したマダムが再登場したのも楽しかった。 お笑いモード全開の番外編も楽しいけど、「エロイカ……」の本領は、やっぱり、スパイ合戦のからんでくる本編ですね。新作「聖ヨハネの帰還」は、武器密売組織を追う話。それに、ビザンティン美術の謎がからんでどう展開するのか、つづきが楽しみです。エロイカより愛をこめて(35)
2009年06月21日
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上橋菜穂子さんの守り人シリーズの最後を飾る物語です。「第一部」「第二部」「第三部」の三冊で一つの話となっています。 物語は、異界ナユグの季節の変化が原因で起こる気候の変動や天変地異と、外伝の旅人シリーズで語られてきたタルシュ帝国の侵攻とが絡み合うような形で進行します。 新ヨゴ皇国がタルシュ帝国対策として鎖国に踏み切るなか、呪術師たちが異変に気づいて調査に乗り出す一方、バルサが生死不明のチャグムを探しはじめる……というところから話がはじまります。 いわば、気になる終わり方をしていた「蒼路の旅人」の続きですね。でも、「虚空の旅人」「蒼路の旅人」に比べて、異界ナユグの存在が大きい。異界が重なって存在するという世界設定がメインの本編と、人間世界の話がメインの外伝とが融合したような雰囲気の話で、本編と外伝両方の締めくくりという感じがしました。 これまでの話で登場したキャラたちも何人も登場したり、これまでの話の設定が物語に大きく関わってきたりしますしね。 それだけに、あまり詳しく書くとネタバレになりそうなので書けませんが……。最終話にふさわしい、読みごたえのある話でした。天と地の守り人(第1部)天と地の守り人(第2部)天と地の守り人(第3部)
2009年05月10日
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上橋菜穂子さんの守り人シリーズの話です。「来訪編」と「帰還編」の2冊でひとつの話になっています。 作中に、「虚空の旅人」に登場したサンガル王家の新王即位の儀式が巷の話題としてでてきますから、「虚空の旅人」と同じ時期の話とわかります。 「神の守り人」は、おもにロタ王国を舞台にした物語です。新ヨゴ皇国との国境に近いロタ王国のシンタダン牢城で、超自然的な虐殺事件が起こったことにはじまり、異界ノユーク(新ヨゴ皇国のナユグ)の季節の変化、ロタ王国の建国の事情などがからんできます。 ノユークの恐るべき神タルハマヤを身の内に宿した少女アスラ。「精霊の守り人」でチャグムが一方的に異界の生物に選ばれたのに対して、アスラがタルハマヤを宿すに至った経緯には、ロタ王国の民族問題を背景にした人間たちの思惑がからんできます。 恐るべき力を宿した危険な子供を殺すべきか否か……。いままでにいくつもの作品に描かれてきた命題で、「来訪編」を読んでいるときには、そういう話かと思いました。 でも、最後まで読むと、それだけでは収まらない話だとわかりました。 殺すべきか助けるべきか……という選択をしなければならないのは、周囲のおとなだけではありません。アスラ自身もしなければならないのです。助けたい人を助けるためや、「悪い人」をこらしめるためにタルハマヤを呼び出すのは、正しいのか否かという選択を。 アスラの属するタルの民は、ロタ王国で差別され、虐げられており、アスラの母もいわばその差別の犠牲者です。そのタルの民を救うため、虐げているロタ人を殺すのは正しいのか? 殺されようとしている者を救うため、殺そうとしている者を殺すのは正しいのか?……という選択を、12歳の少女が迫られるのです。おとなでも、同じ状況で正しい判断を下すのは難しいのに。 読んでいて、現実の世界での内戦や民族問題を連想しました。 あとがきで、2001年の同時多発テロ以前に書いた話で、あのテロ事件に触発されて書いたわけではないと説明されていましたが、わたしはべつに、あの同時多発テロ事件は連想しませんでしたね。それよりも、思い浮かんだのは、経済格差や民族の違いによる対立が延々とつづいている国々のことです。 そういう点では、いままでの話以上に、考えさせられる要素の多い話でしたね。 おとなが読んでもおもしろかったけど、若い世代に読んでほしい話でもありますね。神の守り人(来訪編)神の守り人(下(帰還編))
2009年04月25日
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上橋菜穂子さんの守り人シリーズの外伝です。刊行の順番では、「虚空の旅人」と「蒼路の旅人」の間に「神の守り人」が出ているのですが、図書館に「神の守り人」がなくて「蒼路の旅人」があったので、こちらを先に読むことにしました。外伝だし、「虚空の旅人」まで読んでいれば、「神の守り人」を読んでなくても話がわかるんじゃないかと思ったので。 そう思ったのは正解でした。「精霊の守り人」や「虚空の旅人」を先に読んでいなければよくわからないだろうと思いますが、「神の守り人」を読んでいなくても、わからないエピソードとかは出てきませんでした。 「蒼路の旅人」でも、現実世界サグと重なって存在する異世界ナユグが登場しますし、ナユグの季節の変化がタルシュ帝国侵攻の一因らしいこともほのめかされています。 でも、ナユグの存在感は「虚空の旅人」以上に薄いです。ナユグよりも、北に侵攻しようとするタルシュ帝国、その支配下に入って枝国となった南の大陸の国々、タルシュ帝国の支配を受け入れたサンガル王国など、政治と外交と国際社会の話という要素がいちだんと強くなっています。 チャグムは15歳になっており、「虚空の旅人」のときよりいちだんとおとなになっています。 やさしくて繊細で、もともと帝位や政治に関心の少なかった少年なのに、圧倒的に強い大国の侵攻にどう対処するか……なんていう、おとなでも途方に暮れるような重荷を背負わされ、それを受け止めている姿がけなげです。 そういう状況だけに、これまで読んだこのシリーズの他の話と違って、ラストでも一件落着とはいきません。 きりのいいところとはいえ、「続きはどうなるんだー?」という終わり方。ほんとにどうなるんでしょうねえ。蒼路の旅人
2009年04月12日
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上橋菜穂子さんの守り人シリーズの外伝です。守り人シリーズの主人公バルサは名前しか登場せず、チャグムが主人公となっています。 「精霊の守り人」で11歳だったチャグムは、この話では14歳になっています。もともとこの年代の3歳差ってのは大きいですが、そのうえチャグムは「精霊の守り人」と「夢の守り人」でたいへんな体験をしていますから、めざましく成長しています。 話のはじめに、とくに何年後の話といった説明がなかったので、「16か17ぐらいかなあ」と思っていたら、読み終わってからカバーの見返しを見て14歳と知りました。たいした14歳です。 それにしても、弱冠14歳の少年をお供ひとりかつけずに外交使節にする新ヨゴ皇国の皇帝って……。冷たい父親というだけでなく、皇帝としてどうかという気もします。 今回の話の舞台は、チャグムが新王即位の儀式のために赴いたサンガル王国。独立心の強い島々をとりまとめるため、為政者として高い能力をもつ王家の女性が各島の統治者のもとに嫁いでいる……という制度がおもしろいですね。 この話でも、守り人本編と同じ異界が微妙に名前を変えて登場します。魂を異界に捕らわれた幼い少女が、一種のいけにえにされようとします。 ただし、それに大きく絡んでくるのが、南の大陸からの侵攻という、政治と外交と陰謀の話。それだけに、守り人本編1~3作に比べて幻想性が薄らぎ、現実的でちょっと生臭いかな。虚空の旅人虚空の旅人
2009年02月15日
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上橋菜穂子さんの守り人シリーズ3作目です。この話も、物語的には1冊で完結していますが、登場人物たちやその気持ち、世界観など、前2作がからんできます。このシリーズ、発表された順に読んでいったほうがよさそうですね。 この話では、最初から主人公バルサが登場した前2作と違って、序章がついています。幻想的で美しくてのどかで、のちに恐ろしい事件になるとは思えなさそうな序章。 つらくて不本意な現実から逃れたい人々が、夢にとらわれて死んでしまう……。 いくつものフィクションで取り上げられてきたモチーフですが、独特の世界観のもとで語られると、趣きがまた全然ちがいますね。物語に引き込まれて、一気に読みました。 事件を通して明るみにされた女呪術師トロガイの過去が、意外でもあれば納得できるようでもあり、興味深かったです。 タンダの姪カヤの気持ちとかも、自分の若かったころと照らし合わせて、共感できるものがありましたね。夢の守り人私が読んだのは図書館で借りたハードカバー版ですが、文庫版へのリンクもあったので、載せておきます。夢の守り人
2009年01月18日
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上橋菜穂子さんのファンタジー小説。「精霊の守り人」の続編です。女傭兵バルサを主人公にしたシリーズになっているのですね。 この話は、「精霊の守り人」での経験を通して、バルサが養父ジグロの身内に会おうとうため故郷のカンバル王国に向かうところから、話がはじまります。バルサの心情や動機など、前作が大きく関わってくるので、まず「精霊の守り人」をお読みになるのをお勧めします。 貧しいカンバル王国は、地底の闇の国に棲む「山の王」から贈られる宝石「青光石」によって人々の暮らしが救われており、その「山の王」の家来と考えられているのが、「闇の守り人」です。 ですが、カンバル王国のほとんどの人々が考えている「山の王」や「闇の守り人」とその真の姿にはギャップがあります。 バルサの父の死やジグロが故郷を去った理由についても、事実とはかけ離れた話が伝わっています。 みんなが事実と思っていることと事実が違うってのは、現実の世界にもありがちなことですよね。で、事実ってのはきれいごとばかりじゃない。 この話でも、明るみに出ていく真相の数々には、おぞましいもの、真相を知った人々がさぞかし驚いただろうと思われるものもあります。 この話では、ジグロの甥にあたる少年カッサが、副主人公ともいえる重要キャラになって活躍していますが、思春期の少年にはショックだったでしょうね。 そういう点、子ども向けに書かれていても、きれいごとじゃないんですよね、この話。 しかし、明るみにされていく真実は、恐ろしいばかりでもない。美しく感動的な真実もあります。だから、読後感がとてもよかったです。闇の守り人わたしが読んだのはハードカバーですが、文庫版へのリンクも張っておきますね。闇の守り人
2008年12月06日
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上橋菜穂子さんのファンタジー小説です。そのうち読みたいと思っていたところ、図書館の児童書コーナーで見つけ、借りて読みました。 児童書とはいっても、おとなが読んでじゅうぶんに楽しめる内容です。 舞台は、人間が住む世界「サグ」と精霊の世界「ナユグ」が並行して存在する異世界の新ヨゴ皇国。ただし、「サグ」と「ナユグ」というのは先住民ヤクーに伝わる伝承で、ほとんどの人々はナユグの存在を知りません。 異世界物って、世界設定の説明や描写がつきものですから、話に入っていきにくかったり、難しく感じられたりすることも多いのですが、この話、非常に独創的で幻想的な世界設定なのに、すんなりお話の世界に入っていけました。 惹き文句に「アジアンハイファンタジー」とありますが、なんとなく、わたしは、アジア風というより、オセアニア風というイメージを受けました。先住民ヤクーからは、オーストラリア先住民アポリジニを連想しましたし。作者はアポリジニについて研究している大学の先生だということですし。 主人公は、北方のカンバル王国出身の女用心棒バルサ。年齢は三十歳で独身。 三十歳の女性が主人公の児童文学って、ひょっとして珍しいのでは? 私事ですが、ずっと以前、友人が「持ち込み歓迎」と書いてあったヤングアダルト物の出版社に冒険物の異世界ファンタジーを持ち込んだところ、「話はおもしろいが、読者の主流が中学生や高校生の男の子なので、主人公が二十歳の女性では感情移入できない」と突っ返されたとか。 それに比べると、ヤングアダルト物より児童物の世界のほうが柔軟なのかな? それとも、ものすごくおもしろくて、枠からはずれていても売れると編集者に思わせる作品なら、主人公の年齢が読者と大きく離れていても受け入れられるということなのかな? まあ、そう言われても納得するぐらい、おもしろい小説でした。 もっとも、主人公は三十歳の女性でも、副主人公ともいうべき皇子チャグムは十一歳か十二歳ぐらいの少年ですが。 物語はこの一冊で完結していますが、バルサが主人公の本編とチャグムが主人公の外伝から成るシリーズになっているので、ほかの話も読みたいですね。精霊の守り人
2008年11月09日
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「9番目のムサシ-ミッション・ブルー」、発売日に買って読みました。 やっぱり、巻の終わりで話が完結していると、すっきりしますね。 おもしろかったけど、話の途中、難民キャンプで、難民救済にあたっている兵士が「大国が立ち上がればいいんだ!」と叫んでいるシーンで、ちょっと複雑な気分になったのは、わたしだけでしょうか? いや、ナインやUBがもたらす救済を暗示してるのはわかるんだけどさ。でも、湾岸戦争や第二次イラク戦争で大国が何をしたかを考えるとねえ。 だからといって、何もしないのがいいとも思いませんが。 まあ、「正義」を口実に大国のエゴで行動するのと、ほんとうに「平和」だけが目的で行動するのでは、結果は大違いってことですかね。9番目のムサシミッション・ブルー(3)
2008年10月19日
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タニス・リーの「ヴェヌスの秘録」第4巻です。 4巻は、これまでと打って代わって、未来の話。3巻までのヴェヌスは海底に沈んでおり、それを海底ドームに復活させたという時代の話です。 この復活したヴェヌスの住宅は、かつてヴェヌスに住んでいた人の子孫に相続権が与えられます。主人公のひとりでアフリカ系イタリア人のピカロも、PBSと呼ばれるこの相続権を与えられてヴェヌスに赴いたひとりです。彼の先祖は、1巻のヒロインのエウリュディケなのです。 ラッキーと思われたPBS取得ですが、ヴェヌスを管理している組織UASは、やることがかなりあやしい。ピカロの部屋に勝手に入って飲食物を補充するといったプライバシー無視の迷惑なサービスをしたり、昔のヴェヌスの住民ふたりを甦らせたり。 甦ったひとりは、古代ローマ時代の女剣闘士ユーラ。もうひとりは、1巻に名前のみ登場する作曲家デル・ネーロ。娼婦だったエウリュディケの客で、彼女をモデルにした歌を作曲して流行させたのち、殺害された人物です。 謎めいた状況に加え、ピカロは過去に母親から「三十歳のとき、海の底で死ぬ」と予言されています。 魔女めいた母親とその予言の謎、UASの謎、過去の人間を甦らせることが可能だった謎……。それらが、2巻や3巻で登場した天使や天国、このシリーズ独特の死生観と合わさって語られ、1~4巻のなかでいちばん複雑で難解な読後感を受けました。 正直いって、よくわからなかった。でも、理解しきれなくても、イメージの奔流は楽しめました。理屈で理解しきれないほうが、すごいと感じるのかも。こういうのはタニス・リーの醍醐味ですね。わたしはそういうのがけっこう好きなのです。 時間をおいて、また読み返してみたいです。復活のヴェヌス
2008年10月05日
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タニス・リーの小説「ヴェヌスの秘録」シリーズの第3巻です。 このお話は、墓職人バルトロメが、名門スコルピア家の葬儀で、スコルピア家とバルバロン家の確執を知ったことにはじまります。そのあとすぐに、スコルピア家の令嬢メラルダと画工ロレンツォのラブストーリーに入るので、とっつきやすい話です。 でも単純な恋愛話ではなく、彼らが主役というわけでもありません。彼らの悲恋がもとで次世代の物語が展開していくのですが、だからといって、親たちの悲恋が美化されてもいません。苦労知らずの令嬢と、けっこう身勝手なところのある男。もしも駆け落ちに成功していれば、いずれ壊れただろうというカップルです。 彼らの息子シルヴィオとバルバロン家の令嬢ベアトリクサの恋愛にしても、単純ではありません。読み進むうちに、どんどん複雑で難解になっていく話です。それだけに、読みごたえがありました。 3巻は2巻以上に宗教色の強い話ですね。「魂とは?」とか、「亡霊と魂の関係は?」なんてのが、この物語の重要要素になってますし。でも、既成の宗教とはちょっと違います。キリスト教のようでいて、そうではなさそうな宗教観がいろいろ出てきます。 この物語での「魂」の設定、ユニークでした。キリスト教にこういう発想があるのかどうかはわかりません。 そうそう。3巻は2巻より時代があと。物語としては独立していますが、2巻の話が変形して伝わっていたり、2巻に登場したアイテムが出てきたりするので、2巻を先に読んだほうがいいかも。幻想的な異世界(天国?)とか天使とか、2巻にも3巻にも登場しますから、たぶんこのシリーズ共通の設定として、大きな意味があるんじゃないかと思いますしね。 キャラクターとしては、メラルダの侍女ユーニケには苦笑してしまいましたね。 同じ主人一家のなかでも、男の主人に対しては、相手がどんなに幼くても心から忠実で、年配の既婚女性にはそれなりの敬意を示し、若い未婚女性に対してはまるでゴルゴンのように残酷。 いるよな、こういう女。ユーニケの場合とは社会制度などの違いがあっても、相手の性別や立場の強弱によってがらっと態度を変える女ってのは、現代でもたしかにいる。うちの職場にもいるし。 って、まあ、こういうのは女に限りませんが。こういう性格の人って、女性より男性のほうがより強烈な気もしますが。土の褥に眠る者
2008年09月07日
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タニス・リーの「ヴェヌスの秘録」シリーズの第2巻です。 時代は、第1巻「水底の仮面」よりも昔。ヴェヌスに正式名称が「ヴェ・ネラ」で、非公認の愛称がヴェヌスだった時代の話です。 「水底の仮面」のヴェヌスは享楽的な都市で、ルネサンス時代のような印象を受けましたが、「炎の聖少女」の時代は中世的。〈神の子羊協議会〉なる狂信的なキリスト教組織が、市民に禁欲的な生活と厳格な信仰を強制している時代です。 主人公は、幼いころに母とともに奴隷にされて育った少女ヴォルパ(のちベアティフィカと改名)。奴隷育ちのために服従が習い性となり、他人の命令に坦々と服従する……。 タイトルの「聖少女」という語や、表紙に描かれた火刑台の少女のイラストから、ジャンヌ・ダルクを連想しましたが、ヴォルパは、行動的な女性だったと思われるジャンヌ・ダルクとはかなり対照的な性格をしています。 でも、百年戦争中のフランスと、イスラム教徒(という名称は出てこないんですけどね)と戦争中のイタリアという差はあっても、戦争において彼女が果たした役割や、受けた仕打ちを考えれば、ジャンヌ・ダルクを下敷きに創造されたキャラかもしれません。 で、まあ、この話、狂信的な〈神の子羊協議会〉のとそれに反感を持つ聖職者たちの対立、トルコ帝国がモデルと思われるユルネイア帝国とキリスト教国ヴェヌスの戦いという、二重の宗教戦争が起こった時代なので、それぞれの宗教観の違いがよく登場します。無宗教人間のわたしとしては、それが、とっつきにくいと同時に興味深くもありました。炎の聖少女
2008年08月02日
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