りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年06月17日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記


「アイツとオレ47」



まるでドラマのような別れ方をしてしまったせいかもしれない。
もっと駄々でもこねれば良かったのだろうか?

相手によってはそうなったかもしれない。
でも、彼女とはそうならなかった。

そんな関係もあるんだと思った。
オレのいい面を引き出してくれる人間。

だから何年もメールのやりとりができたのかもしれない。
だから、こんなに、失ったとは思えないのかもしれない。

週明け、会社に出ると、
タカダさんが最後に送ってくれたと思われるメールが来ていた。


  赤木くんがいなかったら、私はここで空っぽでした。
  今までどうもありがとう。


これだけだった。
これだけだけど、彼女がオレと同じように、
何か空っぽな何かをお互いで埋めていたことがわかった。

オレは、心に何かジンワリしたものがきてしまって、
涙が出てしまいそうになったけど、
こらえた。

こらえて、いつもの平和な日常を続けた。

今、
目には見えないけど、
どこかに彼女がいて、
同じ空をきっと見ている。
オレと同じように。

そう思った。


新しい派遣社員の女子は、若くて、
みんなが鼻を伸ばすような可愛らしさだった。

でも、いっしょに仕事をすることになったオレは、
タカダさんの仕事ぶりとつい比べてしまって、
ため息をつきそうになってしまった。

使えねぇ…。


  こらこら!赤木くんは正直だねぇ~。
  まさか本人に言ってないでしょうね?
  誰でも最初はそうだったでしょ?
  私も、赤木くんもそうだったじゃない?

  ゆっくり、長い目で見てあげるのよ~!
  でも、そんな正直なキミが好き!
  ガンバレよ~♪


きっとオレがグチのメールなんて送ったら、こんな返事が返ってくるんだろうな…。
そんなことを想像する。
オレの中に彼女がいる。
そんな恋もあるんだと思った。

そうして、オレの中にはいつも彼女が何となくいるような気がして、
毎日が過ぎていった。


オレは時間の合間に、
タカダさんからもらった分厚い本を読む。

何となく、早く読み終わってしまうのが嫌で、
じっくり、ゆっくりと読んで行く。

どちらにしても、この作家の作品は、
一度読んでスッキリするような話では無い。
多分、最後まで読んだら、
また読み返すだろうな…。
と、オレは思っていた。


そんな本を、寝る前に、
ようやく最後のページまで読み終わると、
何だかもの足りなくなってしまった。

でも、パラパラとめくった一番最後の白紙の部分に、
何か書かれているのをみつけた。

それは、彼女の新しい住所だった。

その時、こらえていた涙が、ようやく出てきた。
バカみたいに出てきた。

会いたい。
会いたい。

誰か助けてくれ。
カッコつけてるオレを助けてくれ。


その時、携帯電話が鳴った。

表示を見る。
アオヤンだった。

ウソだろう…?とオレは思った。

何でオマエは、オレのピンチにいつも助けに来るんだよ?




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最終更新日  2010年03月27日 17時31分30秒
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