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グローバルという言葉がここ数年紙面を賑わすようになり、世界規模で物事を捉える時のキーワードとなっている。グローバル化によってもたらされたグローバル経済に対応するために、グローバル企業は、グーバルに活躍するグローバル人材の育成が急務である。世はまさにグローバル規模での競争にさらされているのだー!!ってな具合である。まるで何かの呪文のようだ。このグローバルと言う言葉を考える時、これはつい最近の事象のように考えがちだが、その構造は大航海時代の頃とさほど変わっていないのではないと感じている。日本にとってはグローバル化は始まったばかりで、「インターナショナル」と言っていた時代を含めても数十年程度のものだろう。世界征服と言えば乱暴だが、世界のなかでどういう風に振舞っていけば、自分たちに利益があるのかという知恵において、残念ながら欧米諸国には一日の長がある。おそらく植民地支配をしていた彼らの基本コンセプトではないかと言う言葉がある。I trust you until I can not trust you.信用できなくなるまで、お前を信用する、と言っている。つまりまずは信用してみるということだ。これを理解するには、例えば日本に進出している欧米系企業で、欧米人がどの程度働いているのかということを考えてみるといい。ほとんどのCEOは日本人で占められていることだろう。基本姿勢として、上の概念があるので現地の人に任せるのは自然の成り行きだ。新興国にしてもそうだ。問題児の中国にもあっさりと大規模案件を投資し、現地の人間に事業を回させている。一方、日本の基本姿勢はどうだろう。I do not trust you until I can trust you.信用できるまで、信用しない。人を見たら泥棒と思えの精神である。リスクテイクの指向性の違いの根本はこの精神の違いにあるのではないかと思う。リスク回避性向が強い日本人の根底には他人を信用していない本音がある。グローバル人材の育成が急務なのも、基本姿勢として日本人がコントロールしなければならないという価値観の表れなのだ。英語が堪能で、現地のビジネスに長けた人材は、現地にいくらでもいる。だって、現地の人間だからだ。シンプルな話だ。それに反して、日本人からそのような人材を輩出しなければならないのは、相手を信用していない表れだ。しかし、Until I can not trust youのくだりで、実際に信用できなくなった時はどうなるのだろう?良い例が最近のGoogleではないだろうか。中国よ、もう信用できない。これは撤退するしかないようだな・・・と、強い影響力を持った後にそのような脅しをかける。クリントン国務長官をはじめ、国を挙げて脅しをかける。遂には台湾に武器まで売って、脅しをかける。「いやいや、それとこれは別の話だよ」とアメリカは言うだろうが、そんなことはない。信用するというよりも、信用してやる、お利口にしている間は飴玉をくれてやるが、おいたが過ぎる時は、痛い目にあわせるぞ!というやり方だ。別の言い方をすれば信用している間は執行猶予期間とでもいう感じだ。日本には相手が信用できなくなったときの対抗手段が乏しい。おまえ、信用できないから皆に言いつけてやる!程度の物だ。相手にしてみれば、あっそっ、って感じだ。要はリスクが現実のものになったときに、対応策を持っているか持っていないか、これによってリスク許容度が変わる。リスクテイカーはその準備ができているといえる。日本がグローバルに活躍するには、その足固めが必要だと思う。そしてそれは国の仕事だ。戦略なき国政では、いつまでたってもグローバル化には対応できない。
2010.01.29
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Cross-cultural Gap(異文化間の相違)については社内のトレーニングプログラムなどで良く習わされる。日米それぞれの国の平均的な思考として、どういうパターンがあるのか、何が好まれ、何が嫌われるのか。こういう事を教えられる。これを知ることは仕事をする上では非常に重要である。たとえ日本語かつ日本人の間でさえ難しいコミュニケーションを異文化の人間と取るには、相手の思考パターンをよく理解しておかなければ到底無理な話だ。一般的な論調として、米国は日本よりポジティブ(前向き)な考え方をより好む。例えば、望みの物が手に入らなかった場合でも、Better than nothingといって、「無いよりはましだろ?」と、手に入れた(不満足な)品物の存在をありがたがる。日本人は妥協した点にどうしても視点が行きがちになる。そもそも、米国社会では妥協(compromise)は良いことで、話し合いの結果、互いに歩み寄り、「よりよい物を生み出した」とさえ考える。面白いのは、米国人向けのトレーニングでは、「日本人は妥協という言葉にはネガティブなイメージを持っているので、使わないようにしましょう」と教えられる。そういうプログラムの中で、トレーナーの先生が使う言葉づかいに面白い違いを見つけた。例えば、日本人が正しい行動を促すときに使う言葉として、「そんなことは恥ずかしいことなので、してはいけません。」という言い回しを使う。米国では「そんなことをすると、尊敬されません」という。「恥ずべきことなのでしてはいけない」というのは、ゼロからマイナスへの動きをとらえている。マイナスになるからやってはいけない。逆に「尊敬されないから・・・」と言うのは、プラスからゼロへの動きをとらえている。言い換えれば、日本では普通の状態がゼロ、米国ではプラスということだ。そもそも出発地点が違う。米国の大統領選挙の予備選で、ヒラリーがオバマに「Shame on you!!」(恥を知れ!!)と言って話題になったが、これがいかに強い言葉であるのかが窺い知れる。
2010.01.23
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世相を表す「創作四字熟語」というものがあるらしい。年末の清水寺で発表される今年の漢字の存在感は大きいが、この四字熟語と言うのは知らなかった。この四字熟語、なんと20周年を迎えるそうだが、この20年を振り返ると、日本は一貫して下り坂を転げ落ちていることがうかがえる。世相表す「創作四字熟語」20年 最優秀作品で振り返る記事によれば、「低金利を嘆いた「利息三文」(二束三文)が優秀作品に選ばれた93年当時の長期金利は年3~4%台だった。しかし、成長期待の低下で今や1.3%台。「株式凍死」(株式投資)と言われた94年の日経平均株価は2万円前後だったが、今は約半額だ。」http://www.asahi.com/面白いのは94年の「政転辟易」。村山政権になったことを受けての作だそうだが、思えばその前に細川護煕内閣というのがあった。この四字熟語が選ばれる1年前の話だ。あれは日本新党と言った。当時参政権取りたての私は、新しさにひかれて日本新党に投票した記憶がある。結果はご存じのとおり、ポイッっと責任を放り投げて日本を混乱に陥れた。バブル崩壊の初期治療に失敗した原因の一つだと今では思っている。政権担当能力をもつ政党とはそう簡単に誕生するものではないと学んだものだ。苦境に立たされるとき、救世主を求めるのは世の常なのかもしれない。世紀の経済危機が訪れたとき、アメリカでは初の黒人大統領が誕生し、日本では政権交代が実現した。ここまでは耳触りの良いストーリーではある。ただ、アメリカにはブレない国家の基本戦略があり、日本にはないというところが悲劇かもしれない。日本の政策は大きく舵を切った。波に逆らい急旋回した船は、大きく傾き、波に翻弄されることになるだろう。15年前に学んだ教訓を、「現政権にはもう飽き飽きしている」という漠然とした理由が吹き飛ばしてしまった。政転辟易政転してから1年後の作品とのこと、さて今年の政権の行方は何処へ・・・・
2010.01.15
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大晦日から新年に向かってのカウントダウンライブというのは、日本でも多くやっている。あたりまえだけど、ここアメリカでもやっている。元旦の日記にも書いたタイムズスクエアのカウントダウン中継と入れ替わり立ち替わり中継されていたライブがあった。最近の音楽は全然フォローしていないので全く知らないのだけどRihannaという黒人のお姉ちゃんが、極寒、猛吹雪のロックフェラーセンター前でへそ出しでパフォーマンスを繰り広げていた。これがなんとも見事で、それ以来どうにも耳にこびりついていた。若者らしい溌剌としたハリのある声で、裏返りそうで裏返らない不安定な旋律を歌いあげる。安定した本格的な(と称される)歌とは対極的な刹那で退廃的な響きが魅力的だ。残念ながらビデオの埋め込みができないのでリンクを張っておく。[YouTube] New Year's Eve count down to 2010 Rockefeller center NYC Rihannaどうにも気になるのでiTuneで購入することにした。知らなかったけど、アメリカのCDってものすごく安いのね。ビデオクリップが2本おまけで付いて、$9.99、AMAZON.comのMP3ダウンローではなんと$5!!日本の3000円とはえらい違いだ。 それはともかく、アマゾンのカスタマーレビューで興味深い書き込みをみつけた。星は一つで、最新アルバム「Rated R」を酷評しているのだが、興味深いのは英語の表現。こういう内容を本当はしゃべりたいのだが、まずスラスラとしゃべることはできない。ひとつひとつの文章は極めてシンプルで当たり前の表現になっている。なにも難しいことはない。だけど、文章のリズムがいいし、何よりも言いたいことが明確だ。こういうのをペラペラと喋ることができれば・・・と常々おもっている。I've been a Rihanna fan since she came out with her first single- "Pon De Replay" and I've enjoyed her music since. Her biggest success was "Good Girl Gone Bad," and I very much enjoyed that album the most out of all of her cds. But alas to my dismay, I really didn't like it. I was expecting some of the same feel as of her old albums, but this album, I know she is singing from the bottom of her heart about the emotions she went through and the darkness in her personal life. But even this cd was just too much for my ears, I wanna say that this cd is just a dark phase of her life, like how Britney had "Blackout." But who knows, I hope her next album appeals more to my liking because this just sunk out. Sorry to those who like the album, "to each their own."by E. Guanio (Oxnarrd, CA USA)http://www.amazon.com/review/RW7HRH5UTVY2Z/ref=cm_cr_pr_viewpnt#RW7HRH5UTVY2Z対訳)ファーストシングル"Pon De Replay"以来、ずっとリアーナのファンで、彼女の音楽を楽しんでいた。彼女の最大の成功は"Good Girl Gone Bad"で、彼女のCDの中でも一番好きだった。しかしガッカリすることに、今回のCDは全く好きではない。今回のCDにも、これまでと同じような感じを期待していたのだが、違っていた。彼女が経験した気持ちや彼女自身の人生の影の部分について、心の奥底の部分を歌いあげているのは分かっているが、少々重すぎる。このCDは、ブリトニーの"Blackout"のときのような、彼女の人生における闇の段階であると言っておきたい。だれも予測はできないが、次のCDではもっと私好みになっていることを望む。それほど、今回のはがっかりだ。このアルバムを気に入っている人たちには申し訳ないが・・by Fパン
2010.01.10
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http://www.lenzwine.com/去年の夏、まだこちらでの生活にも全然慣れていない頃、仕事から帰ると一箱の荷物が玄関先に置いてあった。聞けば、UPSのドライバーがけたたましく玄関のドアを叩き、何を言っているか分からないままサインを求められ、気がつけば受け取っていた・・・とカミさんが言う。どうやら前の住人に送られてきた荷物のようだ。しかし、この荷物、何か懐かしい感じがする。ずっしり重く、ゆするとガチャガチャとガラスが当たる音がする。そうだ、ワインの宅配便の音だ。贈り主を見てみるとLENZ WINEと書いてある。ネットで調べてみると、どうやらNY州のロングアイランドのワイナリーのようだ。前の住人は、ワイナリーの頒布会のようなものに入っていたのだろうか。なかなか洒落た奴だ。ロングアイランドにはワイナリーが結構あるらしい。アメリカと言えばナパだのソノマだのの加州ワインが有名だが、紐育州のワインも結構いけるとの話は聞いたことがある。田村正和がこの地方のワイナリーのオーナーと言う設定でドラマをやっていたとか。ワイナリーの経営者と言えば、成功者がリタイアして悠々自適に、あるいは世捨て人のような感じでやっているイメージがある。なんだろう、田村正和と言えば後者のイメージだ。実際のドラマでの設定は知らない。調べてみると、この地方のワイナリー巡りのツアーが色々あるようだ。これは調べてチャレンジする価値はあるだろう。基本的にリムジンかバスをチャーターして団体で行く感じだ。マンハッタンのホテルでピックアップして・・・と言うのが典型的みたい。うん、面白そうだ。さて、間違って突然舞い込んだこのワインの顛末はと言えば、私のストレス解消に・・・とはいかず、送り主のワイナリーに連絡をしたら、回収便をよこすとのことでしっかり回収されてしまった。私がワイン好きで、とても興味があることをアピールして、「いいよ!お前飲んどけよ!!」という答えを期待したが、そうは問屋が卸さなかった。回収のコストを考えると、回収をあきらめると踏んだのだが・・・・
2010.01.09
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思い返せばこの数年、ずっと変化の波にもまれている。もともと専門家たる道を歩んでいたのだけど、その変化の波に巻き込まれてからは一つの道を究める求道的生き方ができなくなった。どのような生き方をするにしろ、楽な生き方と言うのはないと思うが、変化をし続けなければならないというのもなかなかに大変な生き方だ。そんな中、大変だ、大変だと言ってはみても、別に状況が楽になるわけでもなし、誰かが助けてくれるわけでもない。大変なことには変わりがない。ならば、それはそれで淡々とこなしつつ、自分自身の楽しみの部分を如何に広げていくのかということを考えた方が建設的だと思うようになってきた。物事を楽しむには、案外にちょっとした障壁があるものだ。素敵なレストランで食事をしたいと思えば、雰囲気やらなにやらで敷居が高かったり、ちょっと旅行をしようとしてみれば、準備だのなんだので時間を食ったり・・・、忙しいのを理由に後回しにしてしまえば、結局楽しむことはできない。そういう小さな障壁を、今年はどんどん越えていこうと思う。腰の重さを解消して、フットワークを軽くするのだ。この写真は有名なタイムズスクエアでのカウントダウンだ。この大勢の人たちは、厳重なセキュリティチェックを受け、極寒のなか何時間も何時間もこの場にいた人たちだ。きっと朝からいたと思うので、12時間以上いたに違いない。おなかもへるだろうし、それに、これだけ寒ければトイレはどうするのだろう?それでもこの興奮を味わうために集まってきている。インタビューを受ける人たちを見ていると、アメリカ各地から集まってきてる感じだ。おそらく、世界で最もフットワークの軽い部類の人たちかもしれない。さすがにここまでとは言わないが、これまでよりは少しフットワークを軽めにしよう。2010年。
2010.01.01
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