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東京の地図からとうに消されてしまった地名、霞町。僕の家は、今はもうはやらない気位の高い写真館だった。高校生の頃の、古い映画のスチールに似た青春の記憶 ・・・ 表題作他8編収録。浅田次郎といえば、「いいか、これで泣くんだぞ」的な面がありますが、(極端な決め付けです。そして私はそれが嫌いではないです。)今回はそんなに露骨ではないかな?それは、裏表紙いわく“著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活”だからか。オーティス・レディング、パルスピード、エヌコロ、ムゲン、カマロ・・・受験を控えた都立の進学校の高校生は、ディスコに通い、ショット・バーにたむろす。この時代の風俗、生活からして良くはわからないので、正直いって入り込みにくかった。ただ、この時にしか出来ないカッコつけかたというものがあって、それを追い求める気持ちは分かる気がする。自分を誇張し、この“いかにもポーズをとっている”感じこそが青春なのだろう。しかし、この話は別の所に更なる魅力があるように思う。写真館の家族と僕の話。これがいい。特に祖父母に痺れる。それぞれの話が別に順序だっているわけではなく同じ頃の話で、『青い火花』、『雛の花』、『卒業写真』 は祖父母のことが中心になる。明治の職人であった御用写真師も、今では日がな客が来ないスタジオの籐椅子に座り、愛用のライカを磨いている。80を過ぎても誇りは失わず、【写真師・伊藤夢影】という名刺を真顔で差し出すが、写真はピンボケし本人もボケてきている。そんな中、撮ることに決めた廃線になる都電の最後の花電車。姉御肌で美しくかった祖母は、その昔深川の芸者だった。いつも凛として、派手好み。納得いかなければ、啖呵をきる。大の芝居好きで、僕は必ず一緒に連れて行ってもらっていた。あの日、歌舞伎座であった祖母をよく知るらしいあの人はいったい誰なのか・・・そしてもうひとり。父の存在が光る。祖父(父にとってみれば父だが)への思いが篤い。写真付が良かったなぁ。(ってどこまでホントかわかりませんが)初代と二代目伊藤夢影、二人が撮ったものが観たかった。まぁ、想像してくれよ、ということでなのしょう。作品数も代表作も多い人なので、この本は地味であまり目立ってない気もしますが、私は結構好きです。『霞町物語』 浅田次朗 講談社文庫 (2000年11月第1刷発行)
2004年01月31日
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看護士として林の中の町立病院に勤務している和夫。肺癌の為、そこに入院していた単身赴任宣教師・マイクの病室に、脳卒中が再発した和夫の父・松吉が部屋を移すことになった・・・ 表題作他3編収録70になる父は、かつて電気鉄道の運転手だった。トロッコを改良して作った非力な小さい電車は、この町では花形だった。宣教師のマイクは、かつてベトナムでファントム戦闘機に乗っていた。マイクと打ち解けた松吉は、退院した後、「水車を、つくる」と言い出した。さて。初めて読む作家ですが、穏やかさと厳しさが同居した味のある作品でした。病院の内科医長でもあるという南木さんの経験がもたらしているもの。【死】に対してのスタンス。そして【生】に対する思い。『冬への順応』タイ・カンボジア国境で三ヶ月間、難民医療活動に参加した医師のぼく。帰国後、つとめる病院に入院してきた患者は、かつての恋人だった。しかしぼくは、倒れた老医の代わりに過疎の村の診療所にいくことになった。こちらもタイ・カンボジア国境に赴いた自身の想いが強く出ていることでしょう。タイでの医療活動と、帰国後の村の診療所、そしてかつての恋人との思い出が入り混じる。『長い影』帰国した一年後の、カンボジア難民医療団の忘年会。酔って、大浴場の男湯にやってきた一人の女。彼女は現地で難民と結婚・妊娠したという噂があった・・・『ワカサギを釣る』難民医療団の一員として働いていた種村と、現地で助手を務めていたミン。“氷が張った湖に穴を開けて釣りをする”という話をしていた。5年後、ミンは種村のもとにやってきて、二人は湖へと向かった・・・ワカサギに限らず、“釣り”は他の話でもよくでてくる。間違いなく、南木さんの趣味でもあるだろう。医療と深く関連するのかはわからないけれど、主人公が息をつく重要な役割を担っている。また、巻末の加賀乙彦氏との対談には「小説の中の季節がほとんど秋から冬にかけて」とある。滅びゆくものへの想い、というのは肺癌患者を数多く見、その死にも触れてきたということと無関係ではないだろう。繰り返しになるが、厳しさのなかに穏やかさを求めることは必要なのではないか。決して何もかもがうまくいくわけではないけれども、それでも進まなければならないのだし。表題作で第100回芥川賞受賞作。ちなみに作者は、【なぎけいし】とよみます。本文とはあまり関係ないが、気になった巻末の加賀氏の発言。「精神病の人というのは、妄想の世界の中で自己充足して幸福なんですね。それを治すと、安定した世界を壊しちゃうわけですね。すると突然、自分の悲惨な現実が見えてくる。いままで自分が大天才だと思ってやってきたことは、全部病気がなせる業だということに気がつく。精神分裂病なんかは治り際に自殺しちゃう人が多くて、これは私たち精神科医にとっては大問題なんです。」P234『ダイヤモンドダスト』 南木佳士 文春文庫 (1992年2月第1刷)
2004年01月30日
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新進作詞家が自宅で行ったパーティーの最中に死亡した。死因は、ロシア紅茶の中に混入されていた青酸カリによる中毒。社会学部助教授である火村のもとに警部から電話が入った・・・ 表題作含む6編収録。これまたファンの方にとってみては「何で今更?」てなもんですね。クィーンに倣った【国名シリーズ】の一番最初。(本家の国名シリーズも読んだことなし。X、Y、のみ)犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖のコンビによる謎解き。(正直いって、まだ二人のキャラクターがつかめていないのだが・・・)不思議な暗号、不可解な死、大胆なトリックが揃った粒ぞろいの作品集。『動物園の暗号』動物園の猿山で飼育員が死んでいた!その手には、多くの動物の名を記したメモが・・・絶対に私にはわからん暗号です。最後の締めが見事!『屋根裏の散歩者』屋根裏を這いずり回り、各部屋を覗き見していたアパートの家主が、住人につけた暗号(【大】【太】【く】【ト】【Ⅰ】)にはどのような意味があるのか?乱歩の同名小説を未読で、そのためにこの本を読むのをためらっていたのですが、あまりトリックうんぬんには関係ないようです。この暗号も巧い!言われてみれば「あーなるほど!」という一番おもろくやしい結末。思わず笑った。『赤い稲妻』マンションの7階からアメリカ人女性が落ちて死んだ。彼女が落ちた、まさにその瞬間を目撃者は見逃していた。強引だが、その後に起きたもう一つの事故(?)と結びつける、その一連の流れがとても印象に残った。ピタリにはまってる。アリバイに『砂の器』が登場。『ルーンの導き』 は、このなかではあまりパッとせず。一番最初に書いた『ロシア紅茶の謎』。これが一番気に入った。“紅茶の中に、毒が!”というこれでもかというくらい使い古された設定。トリック自体も目新しいものではないのが、その使い方(実行の仕方)に恐れ入った。うーん、こうくるかぁ。単純だけど、盲点をついているなぁ。迫力もあるし。『八角形の罠』芝居の稽古中、突然の停電のあと、役者が死んでいた!劇団内のぎくしゃくした人間関係。いったい誰がどうやって?有栖川さんが原案を手がけた芝居で上演されたものを基にノベライズしたもの。近藤史恵さんの解説も続けて読むと面白さ倍増?近藤さんは実際に芝居をご覧になり、推理したが犯人はわからなかったとか。(貫井徳郎氏のみが正解したとのこと)私もトリックはわかりませんでした。こういう試みも楽しくて良いな。さて。実は苦手意識があった有栖川有栖。(『マジックミラー』『46番目の密室』があわず)でもかなり印象が変わりました。はじめにこれを読んでいればなぁー。って今からでも遅くはないか。創元推理の『月光ゲーム』をはじめとするもう一つのアリスシリーズ?も読んでみよっと。『ロシア紅茶の謎』 有栖川有栖 講談社文庫(1997年7月第1刷発行)
2004年01月29日
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一課の吉敷竹史(よしきたけし)が捜査に乗り出す!浴室で発見された死体は、顔の皮が剥がされていた。やがて明らかになっていく、被害者の辻褄の合わない行動。死亡推定時刻の前後に、寝台特急「はやぶさ」の車中で被害者を撮った写真が見付かった・・・さて漸く読めた、吉敷もの!(御手洗シリーズでも読めてないものがたくさんありますが)解説によるとこれが第一弾のようです。長身、長髪、鼻筋は高く通り、唇は少し厚い。混血のファッションモデルのよう。うーん、ここでまず驚く。イメージがだいぶ違いました。勝手に十津川警部みたいな感じかと思ってた(そちらもよくわかりませんが)。ベテランのオジサン警部。どちらかというパッとしない容貌というような。全体的な地味なイメージがあった(イメージの話ばかり)。それは、光文社文庫の劇画チックな表紙絵のせいでもある。と責任転嫁。(背表紙の色も一役かってそう)その上タイトルは、いかにも時刻表トリックをつかったトラベルミステリー風。私は、“時刻表を使ったアリバイトリック”が苦手でなかなか手が出せませんでした。しかし、吉敷シリーズの『奇想、天を動かす』が傑作だ、という話をあちらこちらで眼にしていたので、挑戦しないわけにもいかず今回の選択となった次第です。初っ端に提示された“顔の皮が剥がれた死体”と“死亡推定時刻前後に撮られた写真”のとても魅力的な謎。なぜ皮を剥いだのか?は十分納得がいくし(その後の犯人の行動はともかく)時刻表もそれほど気にならない。吉敷は御手洗ほどの派手さはないが、渋くてなかなかよい。思ったよりも面白かったので、彼が出てくる他の話も読みたくなった。シリーズものは順番がわかりやすいように、なるべく同じ出版社から出して欲しい。無理な注文なのかな・・・『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』 島田荘司 光文社文庫(1988年1月初版1刷発行)
2004年01月28日
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戦乱後、荒れ果てた河北の地、観津(かんしん)。落ちぶれた貧しい竇家(とうけ)に郷父老がやってきた。娘の猗房(いぼう)を村の代表として推薦したいという・・・漢の時代。高祖亡き後の呂太后が実権を掌握していた世の中。郷父老は、民間選出の指導者で、身分は中央政府から追認される。“心からというより、肌膚(はだ)で尊敬してしまう”という存在。(各家は戸とかぞえ、それがまとまり、戸 → 里 → 郷 → 県 となる)人によっては、とっつきにくいであろう中国古代。だが、この話は歴史的背景がそれほど細かに書いてあるということはなく、ひとりの少女が家族と別れ後宮に入る、という一点に絞っている。酒見賢一『後宮小説』とほんの少し設定が被りますが、まったく別の味付け(当然か・・・)。(もっとも本書では【後宮】という言葉は使っておらず【皇宮】としている。本来の“皇帝の住まい”の意と、“後宮”の意味ももちろん含んでいるものと思われる)呂太后の時代でありながら、権謀術数が渦まいていたりだとか、血生臭さを感じさせるということがほとんどない。(少しはあるけど) 国家よりも、家族がメイン。弟の広国との別れとそして・・・200ページたらずで、字がやけに大きい。中編で、漢字もそれなりにありますが(笑)、とても読みやすいです。ただ、歴史的には一番肝要な所を簡単に流しているので、その辺りを期待すると、少々物足りない面もある。すっきりしていて読後感もいい話なので、宮城谷入門にはいい一冊だと思いますが。一時期、この人の本を数冊続けて読んでいた。時代や人物が重なる部分も多いのが難点だが、忘れた頃に読む分には何の問題もない。以前から感じていたが、とにかく“誠実”で丁寧。綺麗ごとというのではなく、清潔感がある。それは本作でも感じたし、『漢字のこと語源のこと ―あとがきにかえて―』で言及しているように漢字の使い方ひとつとってもよくわかる。騒乱多き中国の歴史を描くとき、この誠実さが救いとなる気がする。気になる大長編『楽毅』はいつ読めるだろうか。『花の歳月』 宮城谷昌光 講談社文庫(1996年1月第一刷発行)
2004年01月27日
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高松の温泉旅館へやってきた水城と鮎井。近くにある雷斧神社には【天狗の斧】があるという。二人は、駅前で「天狗をみた」という話を耳にしていた・・・『樒』(しきみ)と『榁』(むろ)の2編収録。思わせぶりな表紙。なんだか難しい漢字を使ったこのタイトル。そして作中作で始まる『樒』。いかにも何かが起こりそうな雰囲気に期待が膨らむ。崇徳院、天狗・・・・・・そして密室。そして物語は、数年後。再び同じ地が舞台となる『榁』へと。『樒』 から 『榁』 への話の流れ、関わり方などは楽しめた。意外なつながりや、ちょっとした引っ掛かりにニヤリとする。つかみ所がない【石動】が登場!(嫌いではない)またもや悲劇は繰り返されてしまうのか?うーんちょっと、肩透かしをくらわされた感じ。なんともあっけない。これはこれで面白いけど。この長さの話ならではのあっさりさかな。そもそもが企画ものである【密室本】。ページの少なさや、いろいろと制約もありそうだし、ボリューム感がないのは仕方ないか。(今まで読んだ密室本の中では一番すっきりしてました)もう一つ問題発生。もしかして私は読む順番を間違えた?そう『鏡のなかは日曜日』が未読で、水城については全く知らなかったのだ。どなたかに忠告されていた気もする・・・薄かったからつい先に読んでしまった。もったいなかったか?さて、先にちょこっと触れたこのタイトル。【樒/榁】。反転するほどでもないけど、木で作られた(閂?)密室という意味?→ 木(密・室)それとも他に何か意味があるのかな?私にはわかりませ~ん。それぞれの樹の辞書的な意味を載せたりして、煽ってます(笑)(“しきみ”の語源は“悪しき実”からなど)こんな遊び心もいいな。『樒/榁 密/室/本!』 殊能将之 講談社ノベルス(2002年6月第一刷発行)・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょこっと関連の2点。天狗原人の話ではないが、発掘を捏造した藤村氏のインタビュー記事(昨日のMSN?確かめられず)が出ていたけど、そんな方向へ進んでいたのですね。小説のネタになりそうな・・・もうなっているかな?崇徳院の歌。いろんなところでヒョイと顔を出す百人一首。細かい注釈などはわからないけれども、出てくると何だかうれしくて楽しい。学生の頃、ただ暗記したのも損ではなかったと思う。↓のゲームが面白いです。はまってしまいそう。http://www.takken-iida.com/ogura/
2004年01月26日
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渋谷にある松涛美術館、『谷中安規の夢 シネマとカフェと怪奇のまぼろし』展へ行ってきました。夢の助さんの日記で紹介されていて興味が湧きました。明治から昭和初期に活躍した、版画家。内田百閒、佐藤春夫らと親交があり、挿絵を書いたりなどしていた。(詳しくは 夢の助さんの日記 をどうぞ。)初期の怪奇色の強い妖しいもの。一枚の中に、ストーリー性を感じさせるどこか懐かしいもの。(連作ものもありますが)戦争もの。幻想、諧謔、童心。男、女、虎、龍、鳥、自転車、自分・・・非常に多様な世界が、B5の紙ほどの大きさ(或いはさらに小さい)の中に拡がっている。まさしく、黒と白のエクスタシー(笑)版画をこれだけの数、いっぺんに見たのは初めてだが、思わず魅入ってしまった。専門的なことは何もわからないけれど、一つ一つに込められた思いが滲み出いてるようだ。なんてことのなさそうな図柄にも、妙な存在感がある。少し離れて、ボーっと壁一面を見渡した時、全く方向違うけど、ライリーの初期の白黒作品を何故か思い出してしまった。【黒】と【白】の対照の美しさ。面白さ。重さ。深さ。と、ホント適当な表面的な印象だけを書いてみた。展示内容や作品について詳しく伝えられないのがもどかしいが、私の鑑賞眼ではこの程度。ご勘弁を。結構、混んでいて自分のペースで見切れなかったのが少々残念。45分くらいで1周して出てきてしまったが、もう1回最後にパーッと流してみればよかったかな。まぁ、二日酔いの身だったので無理はしませんでした。それにしても、美術館行ったのは随分久しぶり。学生の頃は、たまーに行っていたのですが、ご無沙汰してました。またこのような催しがあれば、是非行きたい。
2004年01月25日
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久々に高校の頃の友達と飲んだ。ちょっと前までは、もう少し頻繁に会っていたが今回は半年ぶりくらい。なかなか話題が豊富で楽しかった。一人暮らしをしているM。コイツとは中学も一緒。特に仲がいいわけではないのだが、腐れ縁というものか。会う機会はかなり減ったが、なんだかんだで色々話をしているかもしれない。私が一番口が悪くなるのはMといる時だ。前回の飲み会で、私が日にちを間違えて伝えた為、地元の駅に着いて、三秒で帰っていた。次の飲み会の時に奢るから勘弁してくれ!ということで話はついたが、残念ながら、昨年末で時効が成立していたので(自己解釈)特に問題はない。さて、珍しく人数が揃って(8人)集まりが良く、7時には飲みだした。話したいことがある、と店に行く前からなんだかMがそわそわしている。乾杯。その後10分くらいで、Mは耐えられなくなったらしい。話を始めた。「うちが昨日、放火された」うぉーーーー、何だと!!皆、あっけにとられる。まぁ、でも本人がここに居て、こうして笑っているのだし・・・話によると・・・部屋に一人で居た夜のこと。いきなり窓をたたく音がする。うるせぇーなと思いつつ、窓を開けると・・・洗濯物が燃えていた。ようだ。通行人が驚いて、知らせてくれたらしい。本人も仰天して、第一発見者とともに、消火活動。さいわい、下着、タオルが燃えただけのボヤで済んだ。その後、警察を呼び現場検証。やはり「個人的に恨みをかっている人はいませんか?」と聴かれたらしい。本人はちらりと“微妙な状態の彼女のこと”が頭に浮かんだらしいが、すぐ否定。「いやー、自分では何ともないことでも相手は根にもっていることもありますからねぇ~」ただ、どうやら近くの他の場所でもボヤ騒ぎがあったらしく、追求はなし。連続放火のようだ。怖い。シャレにならん。だが、M本人は「おいしい」と思ってしまったようだ。芸人か、お前は!!まぁ、被害が小さかったから言えるのだし、そうとでも言わないとやりきれない部分もあるのだろうが。その後、消防署の現場検証。警察には処分していいですよ、と言われた“燃えたもの”を差し出す必要があった。管轄が違うのか、こういう連携って全然とれてないようだ。そして、次の日の朝。まだ寝ているころに、警察(消防だったかも)がもう一度来て、事情を聴かれたとのこと。うーーん、なかなか出来ない体験だ。Mは写メールで燃えた下着、ハンガーなどを撮っていて、皆に見せて喜んでいる。「いいネタ出来た~♪」と喜ぶ自分が怖い、などといいながら。深刻に話されるより場も盛り上がるし、「今日のために、わざと仕込んだんだろ?」「犯人はこのなかの誰かだ!お前に来て欲しくなかったから・・・」「今、部屋が燃えているかも」なんてことを皆が言い(私だけかもしれない)和やかムード?私も日記ネタが出来たとほくそ笑んだ。Mはそこに住みだしてから数年経つが、他にもいろいろあった。泥棒が入り、机の上の小銭とプレステだけ盗まれた。干していた下着、靴下などを何度か盗まれた。(警察によると、こちらの犯人は察しがついているとのこと)男でも、干しっ放しだと下着を盗まれるのである。引っ越せば?と皆に言われるらしいが、M本人はその場を気に入っているようだ。家賃も安いし、駅からも近くて便利。管理人は面倒は御免だ、という体で無関心らしい。大体験談も無事終わり、学生の頃の思い出へと話がシフトしていった。「ハセキョーって後輩なんだって!」という話でまた騒ぐ。丁度、入れ替わり。卒業したときに、ハセキョー入学。かな。「ちくしょー、あと1年でもずれていれば!」って、別にうちらが同じ学校内に居たとしても、何も変わらんて・・・・・・・・・・・・・・・・改めて書くほどでもないのだが。この後カラオケに行き、12時で一先ずお開き。以前、爆笑問題のラジオを録音したテープをくれたアッキにお返しに秘密のテープを渡し、バンドをやっているミッシェルガンT(仮名)が作った自主制作CDを300円で買う。この2人+2名はここで帰宅の途へ。Mが話し足りないようなので残り4人で3次会へ。フットサルをともにやっているKと、ナイスガイSと私で再び飲み屋へ。ちなみにSは、プロフィールに必ずこう書くらしい。【趣味・・・寝ること 特技・・・うっかり】Mのお姉さんの旦那(ホセ・ペルーの方)が日本の暮らしが合わずペルーへ帰っちゃった話や、(その前は、パキスタンの方と付き合っていたようだ)Mが以前、1日1万円乗り放題の航空券を使って旅行したときの話も。Mは、熊本へ日帰り旅行へ行くつもりだった。がこの日は、全国的なトラブル(何だったか忘れたけど、確かにそんなことがあった)で各地の飛行場が大混乱した日。行きの飛行機は4時間遅れ。帰りは中継した大阪だかどこかの空港で、アナウンスが入り呼び出される「Mさん、いらっしゃいましたら・・・」そして、この日羽田への便がもう無いことを告げられる。結局、宿代として8000円もらい夜をその地で過ごし、次の日の便で帰ってきたらしい(飛行機代はもちろんただ。前日の1万円の分で)つくづく、ネタに困らないヤツだ。まぁ、あとは結婚、恋愛話があり、SとMによる石田ゆり子論が展開され、(Kはほとんど寝っぱなし、私は聞き役に徹する。)始発の出る、4時半で終了。皆、もうバテバテで眠くて仕方が無く、盛んに「もう若くない」を連発、体力の衰えを嘆きあいました。とてつもなく長くなってしまった。下らない話を最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。
2004年01月24日
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探偵になる為に生まれてきた、と信じている。(フィリップ・マーロウは、孤独が悪ではないことを教えてくれた)アリサを無事に保護したものの、困難を極めるガルシアの捜索中、私は秘書を募集することにした・・・出版社をやめ、3年前から始めた最上探偵事務所。初仕事の成功が評判を呼び、定期的に仕事は入ってきていた。危険な犯罪捜査も辞さないタフな私立探偵。を目指しているのだが・・・昆布が苦手で、鍵のかかった部屋に居ると息苦しくなる。そして差し出す名刺は猫のイラスト入り。“ヘルプ・ニャー”コメディである。いや、もちろんハードボイルドでもあるが。ガハハと大笑い!というわけではないのだが、とっても微笑ましい。読んでいて楽しくなってくる。それというのも秘書?の片桐綾の存在が大きい。そう、綾なくしてこの話は語れない!何だか可愛い。綾にかかれば、「フィリップ・マーロウ」も「へりくつマー坊」になってしまう。数々の資格と経験を持つという触れ込み、大活躍しそうでいて・・・導入部分が長く、「これは連作短編のほうがいいんじゃない?」と思ったりもしたが、ある事件が起きてから様相が一変。緊迫感が出てきて、やっとハードボイルドっぽくなってくる。最後は、しんみりとさせて・・・「お話の中のことは、お話の中のことだよ、お前さん。本の中に出てくる人は、続きがないから楽だけれどさ。人の一生ちゅうのは、よけいな続きが長いんだよ」P246うーん、面白かった。満足。以前読んだ『オロロ畑でつかまえて』もかなり良かったけど、それ以上!この人も出ている本、全部読みたい。しかし、手元にはもうない・・・補充せねば!『ハードボイルド・エッグ』 荻原浩 双葉文庫(2002年10月第1刷発行)
2004年01月23日
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明かりが消える。ふと淋しくなる。脱力し、自分の無力を思い知らされる。その場に居合わせたくは無かった。一番近くの駅からでも歩くにはちょっと遠い距離に、その建物はある。川に架かった橋の脇を入って少し進み、上り坂がはじまる手前。白い外壁はくすみ、間口もそれほど大きく無く、普通の住宅のように見える。大きな看板もない。外から中の様子を伺い知ることは出来ない。が、そこにはとても魅惑的なものが潜んでいる。身体の一部が欠けた幾つものマネキン、派手に飾り付けされたトートーメ、喋るカカシ、なんにでも変化することの出来るネズミ、戦術偵察用戦闘機スーパーシルフ、などが書かれている、数多くの【本】たちが。そんな本たちに埋もれた我が家の我が部屋である。築17年。7年ほど前に増築し、小さな部屋が3つ増えた。この家を襲う不幸な出来事。それは・・・停電。契約アンペアが低いのだろう。油断すると直ぐブレーカーがおちる。1週間に1度、酷いときには3日で2度ほど。皆、学習しないのである。思い思いに電気を使い、暗闇へと誘われる。一番困るのは、パソコン、ゲーム、ビデオ録画。以前、私はノートだったから停電しても問題なかったが、今は違う。有無を言わさず、電源が切れやがる。この楽天の日記を書いている時に被害にあったことも1度や2度ではない。他の方へレスしている最中のこともある。私もまた学習しないのである。何に怒りをぶつけていいのか分からない。日記は途中の状態で保存出来ないし・・・一旦違うものに書いてこまめにセーブするか?文章を短くすればいいのか?それとも暖房器具を使わずに日記を書けばいいのか?停電。今、一番の強敵だ。本が読み終わらないので、仕方なく書いた。読み返すのが怖いので振り返らないことにする。私はいったい何が言いたかったのだろう・・・
2004年01月22日
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楽園の片隅にある、日本一安くて高級な立ち食いうどん屋。味は最高、腕は超一流、名物猛女店員 “さくら婆ァ” の濁声が飛ぶ。親子づれや昼休みのOL、サラリーマンの楽園。それは、デパートの【屋上】であった。屋上を舞台に繰り広げられる物語。連作短編?(表紙などには長編推理小説とある)フィルターを噛みちぎったエコーをふかす、さくら婆ァを中心に、興行師の杜田(もりた)、高校生のタクが屋上で起こった事件に迫る。人工物の語り、という珍妙なスタイル。(お札、財布、土地、など他の方の作品にもいろいろあるようですが)ここでは、稲荷社の狐の像、観覧車、地蔵、ベンチ、ピンボールマシンなどなど・・・・章ごとに視点が変わっていきます。これはもう作者にとってはかなり都合よく使えるはず!スタンドを考え出して、好き勝手に何でも出きるようになった荒木飛呂彦のように(違うか)。と思っていましたが、そこまで無茶はせず。狛犬、ベンチなどは、そのもの“独自”の観方というか世界があるように感じたが、他のはそうでもなかった。せっかく色々な視点を使うのだから、口調だけではなくもう少し変化があっても良かったかも。この変わった語り手と、存在感のあるユーモラスなキャラクター。何かがありそうなワクワク感、期待感がある。コメディタッチのさわやかな話になりそうでいて、そんなことはなく突き進む。事件はかなり起こるし、現場は陰惨であったりもする。一つの事件の一応の目途がたつ。が次の話では、続きがある。サイドの話がメインへと。この展開の仕方が面白かったが、話の結末そのものは後味が良くはない。苦くて哀しい。しかし、さくら婆ァ、タク、ロクさんらのキャラクターに救われている部分がある。この本を読んでから、いったいどれだけの人が池袋にうどんを食べに行ったのでしょうか?内容とは関係ないですが、バビロニアの王、ネブカドネザルニ世の名が懐かしい。世界史で初めてこの名を見たとき、只者ではない!とチェック入れました(笑)『屋上物語』 北森鴻 祥伝社文庫 (平成15年6月初版発行)
2004年01月21日
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辿りついてしまった事件の真相。目の前にいる犯人たち。白髪まじりの老刑事・八坂は重くつぶやく。「それでも・・・おれは君に手錠をかけなければならん」 10作品収録の連作短編集。気になったものを簡単に。『証言』八坂刑事は帰省先で二人の男を逮捕した。母と娘を轢いた運転手と、それを目撃していた指名手配中の男。裁判後の二人の意外な関係は何を意味する?『精神安定剤』自殺未遂をしたのは、刑務所に勤務する医者だった。ある死刑囚への復讐の為に精神安定剤を使用した彼が、自殺しようとした理由とは。『黒幕』襲われた自分の娘を助けた為に、過剰防衛の罪に問われた洋服屋の主人。刑をすんなりと受け入れて出所した後、当の暴漢たちへ援助するという不思議な行動を取る。彼が真に恨んでいたのは・・・『一枚の木の葉』ジャンパー、地下足袋姿の男は、トイレから出ると別人のように変っていた。後を追った八坂刑事は、男が大学の助教授だと知る。やがて、世間を騒がした殺人事件の犯人として男が浮上し、本人も自供するが・・・『敵討ち』交際相手は産業スパイだった!会社に多大な損害を与えてクビになり、やがて自殺してしまった娘。父が決意した奇想天外な復讐の方法と皮肉な結末。『安楽死』吹雪の中、車がエンスト。夫は、妻を置いて助けを求めに行く。現場に戻ったとき、妻は凍死していた。疑われた夫は、妻が望んだ“安楽死”だと主張するが・・・さて山田風太郎と言えば忍法帖!(決め付け、笑)ですがこれは、荒唐無稽な話では無く、堅実な社会派?ミステリーといったところ。全編に登場する八坂刑事の同じセリフで話が終わる。セリフの内容からもわかるが、憎むべき極悪人として逮捕するというよりも、やむにやまれぬ事情を承知しつつ、それでも逮捕せねばならない、という犯罪が描かれている。短編ということもあってか、八坂刑事の心の葛藤を丁寧に掘り下げたというよりは、最後の一行に、重さ、虚しさ、やるせなさをこめ余韻を感じさせてている。トリックよりも、動機重視。展開が巧みで、一筋縄ではいかない。派手さはないが、思わず読み込んでしまう。全体的に、無責任な追随、追従、見て見ぬ振りの衆人たちに対する怒りを感じる。犯人の歪みで感情移入が全く出来なかったり、それほど重さを感じないものもある。過程は面白いのに、最後が「あれ?そっち行くの?」というイマイチなものも。ただやはり読みやすいし、アイディアも豊富。ページが進む。内容とはあまりリンクしていないようにも感じますが、思わず手にとってみたくなる、渋くていい題名ではないかと思います。底本・・・昭和52年刊 現代教養文庫書かれたのは更に前だろうが、古さはさほど感じない。『夜よりほかに聴くものもなし』 山田風太郎傑作大全8 廣済堂文庫(平成8年12月初版)
2004年01月20日
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扉の向こう店の中にいるのは皆同じ顔。バーテン、ウェイター、そして全ての客の名は、マカロフである。会員制のクラブ唯一の資格は・・・・マカロフであること。ウズベキスタン出身のエフゲニィ・ワシリーエビッチ・マカロフ(人名)は、自然環境の制御と維持を任務とした環境工学の研究者であった。やがて妻となるイレーナとの共同研究は順調に進んでいた。そんな時、突然転がり込んできたひとつの驚くべき提案。それは超国家的プロジェクトだった。増殖個体群(マルチプリカンド)。そしてマカロフは0番目の男に。さらには、【ならなかった自分】を観察するために70年後の世界へと・・・まぁ平たく言えば、クローンです。マカロフが選んだ道、そして行き着く先。オリジナル。ゼロ。クローンとオリジナル。最近読んだブラッドベリにもそんな話はあったが、こちらでは“増殖”されたのである。これはかなり怖い!と思うのだけれど。マカロフはそんなことよりも、逆に興味津々。自分の可能性だとか、もし今と違っていたら・・・なんて思うことはあるだろうが、現状に満足していてそこまで欲求が強くなるだろうか?(私が向上心無さ過ぎ?)イレーナに全面的に賛成。結局、自分は自分でしかないのだし。ようやく気づき、どうしようもなくなるが・・・最後に救いがあってよかった。いつもの感想のように、凄い、巧い、雰囲気がいい、なんて事を今回はあまり言っていませんが、良かったですよー。(語彙に関しては諦めてます)ん?と疑問を持たざるを得ない冒頭からテンポ良く進み、だれることなくすっきり締める。(中編だから丁度良いのかな)SFらしい問題提起もあるし、この最後も好きだ。ちょっとキツイしゃれとも言えるが、その権利、理由はあるでしょう。何てたって希望があるから、幾らでも無理できるでしょう(笑)遺伝子は遺伝子、わたしはわたし。この人の作品をもっと読みたい。『0番目の男』 山之口洋 祥伝社文庫(平成12年11月初版第1刷発行)
2004年01月19日
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堪え性がなく、またやってしまいました。でも仕方ないではないか!(開き直り)出会ってしまうのだから・・・主なもの。『ものがたり風土記』(続も)阿刀田高、『ビッグゲーム』岡嶋二人、『五年の梅』乙川優三郎、『回文堂』かわいしのぶ、『屋上物語』北森鴻、『桜の森の満開の下』坂口安吾、『ペルシャの幻術師』司馬遼太郎、『(柊の僧兵)記』菅浩江、『神隠し』竹内大、『エリコ』(上下)谷甲州、『王莽』塚本靑史、『呉・三国志 長江燃ゆ』(2、5、6、7)伴野朗、『第一級殺人弁護』中嶋博行、『てるてる坊主の照子さん』(上中下)なかにし礼、『一八八八切り裂きジャック』服部まゆみ、『陽炎の』藤沢周、『明治の人物史』星新一『一夢庵風流記』隆慶一郎、『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』ナンシー関 編・著『時間旅行者は緑の海に漂う』パトリック・オリアリー、『ヴァリス』フィリップ・K・ディックというわけで、またまた本の大量買入れです。二日間限りの、文庫全て◎円セール。ここはかなり品数も多いところで、安ければ買うのになぁーと思う本が沢山あったところ。別の用事があって近くまで来たので、伊坂・ラッシュライフか隆慶一郎があればいいなぁーという軽い気持ちでヒョイと寄ってみたところ・・・このセールに出くわしたのだ。私には確かに磁力が働いていた!かくして、「両者が無ければ何も買うまい」という決意(?)は脆くも崩れさったのである。ただこの後、午後から2日連チャンのフットサルが入っていた為、時間制限あり。はじめからカゴをもち、駆け足で見て、次々と本をとる。この厳しいご時世、安売りはうれしいものだが、ちょいと気が引ける。こんなに安く買ってしまっていいのだろうか?新刊買わないと作家や出版社はやっていけないのではないか?まぁー結局自分がかわいいので、容赦なく買うのだが。(偽善者と呼ぶがいい!それでも私は古本を・・・)ついでに、このセールの前に買っていたもの。『暗い宿』有栖川有栖、『エルガーノの歌』井辻朱美、『ハリウッド・サーティスフィケイト』島田荘司、『脳男』首藤瓜於、『鬼女の都』『プレシャス・ライアー』菅浩江、『かつどん協議会』原宏一、『妖説忠臣蔵』『夜よりほかに聴くものもなし』山田風太郎、『弓弦城殺人事件』カーター・ディクスンこちらもなかなか。うーん。それにしても、タイトル見てるだけで皆、面白そうだ。全部読みたい。今すぐ読みたい。むさぼり読みたい。無理だけど。だが私は誓う。今月はもう本を買うのは止める!(控えめ意味なし宣言)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・追記。題名もう一個あった(笑)ベッドの横に、この時買った本が山積みのままです。はやくなんとかしなければ。ちなみに、“掃除せい!”と“総ジセイ”をかけてます。説明しちゃー、おしめぇ~よ~。
2004年01月18日
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初蹴りともいう。要するに(?)今年最初のフットサルをやりました!ということです。実際、全国何千万人のフットサルプレーヤーのうちいったいどれだけの人が【サル】と略しているのかはわかりませんが(少なくても私はしていません)久しぶり。身体重い。足は伸びても、腰は後ろ。よって届かない。ボールが足につかない。少し走って死にそうになる。まずいぞ、これは。出来としては今年一番だったが、全然満足してない。最悪。今回は取引先(信金さん)の営業の方が率いるチームに来てもらった。(大学のサッカー同好会同期チームだそうだ)会社からも3人を動員。後輩ひとりが初参加。この日は午後から。雪が降る!との事前情報。車で来る人も居るし大丈夫かなぁーと思ったが・・・影響なし!こちらは降らずにラッキー♪でしたが、前日に雪が降るだろうからとゴルフをキャンセルした父親は気の毒でした。フットサルの前、午前中に自宅に光ファイバーを導入!ISDNからADSLに替えようと思っていたのですが、地域的に難しいと言われた為、いっそのことこっちにしてしまえ~!ということで踏み切りました。工事をしてくれたあんちゃんが気さくにいろいろと話をしてくれました。線の扱いが難しいので、若手(~30代)がほとんどだとか、バカな業者が線を引っ掛けて大変なことになるだとか。1時間40分くらいかかって終了。あんちゃんは雪が降らないうちにと、次の現場に急いで行きました。(寒いときの外の作業は本当に大変らしい)しか~~し、なんと壁穴開け用のハンドドリルを忘れてしまっていた!すぐ出ちゃったので、その後どうなったのか知らない・・・付属のLANケーブル1.5mでは足りない為、この日は接続せず。このまま使用しようとするとベッドの上にディスプレイを置かざるをえない。もっとも、フットサルが終わって帰ってみると久々の頭痛が待っていた。かな~り強烈。何もする気が起きず、そのまま寝た。あの程度の動きでここまでくるとなると・・・先が思いやられる。
2004年01月17日
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ブーメラン戦士への至上命令。「たとえ味方が目の前で次々と撃墜されていったとしても、援護してはならない。自機を守り、収集した情報を守り、どんなことがあっても帰投せよ」フェアリィ空軍(FAF)、戦術偵察用のスーパーシルフ。3番機【雪風】に乗る専属パイロット、深井零が飛び立つ!これも長らく読もう読もうと思っていた本。はじめのほうはイメージとかなり違った。偵察機? え、妖精のように舞う、エース機の話じゃないの?と。(結局、エースというかジョーカーであったわけですが。)よく見れば簡単な単語なのだが、並べられるとわけが分からなくなるカタカナ攻撃。雪風のパーツやら、機能やら、操作手順やら。 “なにかの手違いで人間になってしまった機械”といわれる深井零もそれほど非人間的には思えないし、“作られた冷徹さ”が見え隠れする。敵である?異星体【ジャム】がそもそも全くわからない。うーん、かなり人気ある本のようだが、私には合わないかもしれない。と思いつつ読み進めていくと、段々と話に入り込んでいき、ラスト2、3章でジャムに対する緊張感が急激に増し、強烈にひきつけられていたことに気づく。機械って何なんだ? 人間は必要か?自らがつくりだした機械に駆逐されていく人間、という図式は良く見るが、正体不明のジャムとの戦いによるこの問いの浮き立たせ方に迫力がある。深井零、雪風の存在感が大きいのはもちろんだが、ブッカー少佐の果たす役割が大きい。FAFでの仕事ぶりも、物語の構成上も。彼がいなきゃ成り立ちません。もともと、『戦闘妖精・雪風』は1984年に刊行されたもののようだ。それに加筆訂正があり(改)という新版になったとのこと。(表記が少々に、ごく一部の修正した程度)わざとらしい説明的な会話など不自然に感じる部分もあったが、以前読んだ 完璧な涙』 に比べてかなり読みやすかった。続きがあるようなので、結末がどうなるのかとても楽しみ。雪風はどこまでも突っ走るのか?かなり気になります! 『戦闘妖精・雪風(改)』 神林長平 ハヤカワ文庫 (2002年4月印刷発行)
2004年01月16日
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なんだかテンテコしてきました。■ 直属の上司が会社を辞める。→ 経理の責任者となる。→ 面接をして人員補充をする。うちの会社は社員が若い。経験も少ない人がほとんど。その中で上司は15年ほど働いていた。(次に長い人で勤続5年)引き継がなければならないことが山積み。決算もあるし。私が面接官となり、採用する人を決める(最終は社長だが)。(この未熟者がいったい何を面接しようというのだ)小さい会社だと、社員1人が替わるのも結構おおごと。ただ、会社自体は何の問題もなく順調なのが救い。■ イトコの結婚式で司会をする。→ 流れの把握はもちろん、言葉も考える必要がある。→ シャイな私にプレッシャーが襲い掛かる!式というか、その後の食事会。出席者40人くらいのこじんまりとしたもの。とはいえ。司会だなんて、前の会社の“住宅見学会バスツアー”の時以来。緊張しまくるのは目に見えている私に何故やらせる!決まってしまったものは仕方がない。何度か打ち合わせをやった。月末には実際の会場でチェック。2月はじめに挙式。2人の門出。うーん。いいのか私で?忙しくなってきました。
2004年01月15日
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今更ではありますが、昨年の読書を振り返ってみる。☆の数は“自分がどれくらい気に入ったのか?”のバロメーター。30冊を挙げてみる。新刊がほとんどないのが特徴です(笑)☆☆☆☆☆(星5つ) 5作伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す』 乙 一 『暗いところで待ち合わせ』 船戸 与一 『砂のクロニクル』(上・下) 山崎 豊子 『沈まぬ太陽』(1~5) 山之口 洋 『オルガニスト』 ☆☆☆☆★(星4.5) 17作大崎 善生 『聖の青春』 恩田 陸 『ドミノ』 金城 一紀 『対話篇』 川端 裕人 『夏のロケット』 京極 夏彦 『鉄鼠の檻』 幸田 文 『おとうと』 酒見 賢一 『後宮小説』 高橋 克彦 『完四郎広目手控』 筒井 康隆 『パプリカ』 乃南 アサ 『凍える牙』 橋本 治 『これで古典がよくわかる』 吉村 昭 『冬の鷹』 ダン・シモンズ 『ハイペリオン』(上・下) R・J・ソウヤー 『占星師アフサンの遠見鏡』 フィリップ・K・デイック 『ユービック』 ディヴィッド・ハンドラー 『フィッツジェラルドをめざした男』 うんちく王選定委員会 『うんちくブック』 ☆☆☆☆(星4つ) 40作中8作抜粋池波正太郎 『鬼平犯科帳(五)』 奥田 英朗 『野球の国』 小野不由美 『黄昏の岸 暁の天 十二国記』 貴志 祐介 『青の炎』 金水 敏 『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』 菅 浩江 『アイ・アム Iam.』 津原 泰水 『蘆屋家の崩壊』 K・ヴォネガット・Jr. 『タイタンの妖女』 ☆4つの本は沢山あって、甲乙つけ難いのだが適当に8冊を選んだ。(バラエティー豊かになるように)あとで追記します。といいながら、別にリストを追加するとかではないです。(タイトルに偽りあり、になっちゃうので。普段偽りだらけのくせに、笑)☆の数をつけるのも結構微妙なんですよねぇ。四つでも五つより面白いものもあるし(?)読んでからだいぶ経ってからつけたものもあるし、その時の気分、テンション次第だったり。「ここにあるの読んだけどつまんなかったぞ」と言われたときの為の言い訳です(笑)作品が優れているとかいうよりも、あくまで好き嫌いなので。日記をつけはじめてから昨年中は、“作家一人につき一冊キャンペーン”を実施中だった為(何故?)、本当は好きな作家でも、たまたまとりあげた作品がイマイチだったため、今回のリストに出てこなかったというのも結構あり自分としても面白かった。(浦賀和宏、泡坂妻夫、山田風太郎など)長編には評価が甘い気もする。せっかく読んだんだから、つまらなかったら自分が可哀相(笑)『フィッツジェラルドをめざした男』のみ再読(といってもネタがなかった時にパラパラとめくっただけ)。他の作品も発売されてから月日が経っているものが多いので、ちょっと変わったラインアップになっているのでは。新しさがほとんどないのが難点です(笑)楽しかったのは、やはり『陽気なギャングが地球を回す』。涙が出たのは『聖の青春』『対話篇』『おとうと』。『ハイペリオン~』『完四郎~』『十二国記』は続きも期待。(『占星師~』の続きが翻訳されてない?というのも何とかならないだろうか?)一番反響があった(レスがついた)のは『これで古典がよくわかる』でした。今のペースで本を読む習慣が出来たのは一昨年の3月ごろから。去年は、今まで一番本を読んだ年だったと思う。(あいかわらずほとんどがフィクションだが)日記をつけるようになってからは、正直読むペースは落ちたが(苦笑)、感想を書くときにチラッと読み返してみたり、思うことをまとめてみたり(内容ないけど)したので、読了後に残るものは前より多くなったと思う。自分の感想を後から読むと、かなり恥ずかしいものも多い。だが、すぐ思い出せるし、その時の自分が何を感じたのかが分かるのは決してマイナスにはならないと思う。仕事も忙しくなり、結婚して自分の時間がなくなるかもしれない(全く予定はないのだが)、いつまで続けられるかは分からないが、本を読んで感想を書くくらいの余裕を持ち続けることが出来ればなぁと思う。今年に入ってから読んだ本。自分としてはかなり“あたり”が続いている。今後も期待しようっと。
2004年01月14日
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回文命!(笑)題名はもちろん、章題から、被害者達やら、回文づくし。これぞ、泡坂妻夫!妻に逃げられてから飲んだくれになった、奇術師・楓七郎。事務所から来た仕事の話とは・・・蒸気船で行われるショウへの出演だった。出来のいいアシスタント・森真を加えて、ウコン号へと向かう!そこで殺人事件がおこるわけです。登場人物は、ショウの出演者たちが中心。演目?としては、火焔男、コミック体技、百戯団、道化師、、虎術など。ちょっと表現が古いですが。ちなみに楓は“大魔術”となってます。正直言って内容がどうのよりも、“回文”を駆使した遊び心が楽しい。19ある章題。回文、全部以下。?【期待を抱き】、【罪人秘密】(つみびとひみつ)、【抜け穴開けぬ】、【死んだ異端児】【月並みな傷】、【どこまで真実】(まこと)、【まさか逆さま大敵が来ていた】他の12も、まぁーこんな感じ。序章、終章は繋げれば回文になり、はじめの一文、終わりの一文も回文。以前読んでそのトリックに呆気にとられた『しあわせの書』を読んだときのような幸せな気持ち(笑)亜愛一郎シリーズや、『陰桔梗』のようなしっとりしたものもいいけど、やはり泡坂さんに期待するのはコレ!紋章上絵師にして、有名なアマチュア・マジシャンでもある氏の面目躍如といったところである。ミステリーとしてはそんなに驚く仕掛けがあるわけではない。楓と唄子の関係も釈然としないし、真の最後もとってつけたよう。でもトータルとしては、私は大満足なのです(笑)それはやはり回文の力。山前譲の解説によると、実際に考えた、何十分の一しか使っていないのだとか。厚川昌男(泡坂妻夫の本名)、さすがである。私が読んだのは、ハルキ文庫。その底本が、85年の角川文庫らしい。ということは、書かれたのはそれよりも更に前。表現が古いのは仕方ない。『喜劇悲奇劇』ハルキ文庫(1999年5月第一刷発行)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、回文と言えば・・・私も日記のタイトルで何度か使ってます。【今、古典で天手古舞】、【何だか、旦那】、【さくらはらくさ】【痛い停滞】、【籤引き厳しく】、【ななつなな】、【機器毀棄危機】キレがねぇー。最後の二つは回文か?(笑)めげずにこれからも自己満足の試みを続けたいと思います。内容から離れても構わずに、見つけたらタイトルに使っちゃおっと。
2004年01月13日
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目が覚めると、知らない家にいた。あったことのない男がやってきた。そこは聞いたこともないのどかな島だった。田圃の真ん中にカカシがいた。そして優午という名前のこのカカシは喋るのだ。さらに、未来が予見できるのだという。仙台でコンビニ強盗に失敗した伊藤。逃げていたはずが・・・いつの間にか【荻島】という、かつて支倉常長が来た孤立した島にいた。ゴールデンレトリーバーに似た横顔の案内役、日比野。反対のことしか言わない元画家の園山。公式に人を殺すことが許されている男、桜。鳥だらけの部屋に住む、足の不自由な田中。地面に盛られた土のような身体の動かない女性、ウサギ。死にゆく人の手を握るのが仕事の百合。他にも、唯一外と行き来出来る轟、地べたに横たわる、若葉。郵便局員・草薙、刑事の小山田などなど、一癖あるちょっと変わった島民ち。そして、極めつけが・・・島の道標とも言える、カカシの優午。と、長くなってしまった。今一番の注目株、伊坂さんのデビュー作。ちょっとだけ違う世界。この島で、殺人事件が起きるのです。これに、仙台にいる伊藤のかつての恋人・静香や、一番警察官にふさわしくない警察官・城山までが絡んでくる。登場人物だけみてもわかるが、とっても盛りだくさんの内容。魅力的な舞台。だが、消化しきれてない面もあるかも。流れが悪くなったり、オイオイと突っ込みを入れたくなったりもする。『陽気なギャングが地球を回す』に比べると、鮮やかさにかけるのは否めない。殺人事件とは別のもうひとつの謎。“この島に欠けているもの”これもちょっと安易な気がする。が、このラストはとても綺麗だった。それでも、先が全く読めない展開で面白かった。やはりデビュー作でこれは凄い。次の作品が読みたくなる。巻末に付いている【第五回新潮ミステリー倶楽部賞・選評】での評価は厳しいものがあるが(その後に大幅な加筆訂正があるとのことだが)、世界にひきこまれたし、この島になにか愛着のようなものを感じてしまった。また同じ舞台で、もっと洗練された話が読めれば最高だけど。『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎 新潮社 新潮ミステリー倶楽部(2000年12月発行)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この話に出てきたリョウコウバトの話。はじめて知ったのですが、かなりショックでした。参考文献にあった、『地上から消えた動物』ロバート・シルヴァーバーグ(ハヤカワ文庫NF)が手元にあったので、“リョコウバト”の項目を読んだ。「真昼というのに日食の折のようにあたりが薄暗くなる」というほどの大群。それこそ少なくとも何十億はいたであろう鳩。その群れによる被害(音、臭気、糞による草の枯死、折れる大枝)は確かに凄まじかったのであろう。が、人間は最終的には単なる娯楽の為、ひとつの種を絶滅にまで追いやったのだ。1914年、たった2、3世代のうちに。恐ろしいことだ。オーデュボンが祈る間もなかったのかも知れない。
2004年01月12日
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てんてこまい。という言葉が昔から好きだ。“天手古舞”は当て字らしいが、響きからして楽しそう。もちろん意味合いとしては、そんな場合ではないのだろうが(笑)最近何を探しているのか自分でもよくわからないが、気になった言葉があると、ひっくり返してみたくなる。(何じゃそりゃ!)というわけなので、今回も題名に特に意味はない。使いたかっただけ。テーマ通り買った本を。『ジュリエット』伊島りすと、『リスクテイカー』川端裕人『ゴエモンのニッポン日記』小松左京(『明日泥棒』の続き?)『カフェー小品集』嶽本野ばら、『亡国のイージス』(上・下)福井晴敏『孫策の死』『驃騎将軍の死』伴野朗『モモ』エンデ(前回の『はてしない物語』に続き岩波のもの)そして『山本藤枝の 太平記』わたしの古典14『池田みち子の 東海道中膝栗毛』わたしの古典20集英社。¥200と安かったので購入。このシリーズ、あまり見たことがなかったのだが、どんなもんでしょう?他にも数冊あったが、様子見でこの2冊。両方ともきちんと読んだことはないが、ちょっと気にはなっていて(笑)かといって、長くて難しそうな原典を読む気には到底なれず、けれども今はやりの?あらすじ紹介本では物足りない気がして・・・都合のいい、わがままなヤツである(笑)今回の買い物も、全部古本であったとさ。
2004年01月11日
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島人(シマンチュ)の道に生涯を捧げるつもりの仲宗根綾乃(19歳)。大親友であるオージャガンマー(86歳)と、ガジュマルの樹の下でユンタク(おしゃべり)するのが日課だ。綾乃はいつものように何気なく話を切り出した。最近よく見る変な夢の話を・・・【綾乃】ルーズで楽天的な島屈指の怠け者。仕事に就く気はさらさらない。死ぬまで楽をして生きるのがモットー。島を出て行くつもりも全くない。相棒がいて、毎日が楽しければそれでいい!【オージャガンマー】大謝家の次女の意。本当の名はカマドゥだが誰もそう呼ばない。皺だらけの茶色の顔、オレンジ色の髪。綾乃からもらったヴィトンのバッグには・・・サングラス、CDウォークマン、サバイバルナイフ、缶コーヒー、缶ビール、入れ歯のスペア、グルクン(魚)生数匹・・・沖縄のある島を舞台にした、心温まる(?)物語。そのなかでこの二人の存在感は抜群!私のなかでは“最高(強)コンビ”の誕生である(笑)昔の祖母と孫のような関係から、今ではすっかり綾乃が主導権を握っている。オージャガンマーは常に「アンジドゥラー」(そうだねぇ)と相槌をうつ。自分勝手極まりない綾乃の性格も、何故だか自然と受け入れてしまう。綾乃が見た夢は、【ユタ(巫女)になれとの神様からのお告げ】であった。二人に、島一番のユタ・カニメガを巻き込んだ大騒動がはじまる!このカニメガもかなり強烈なキャラクターである。強引な商売、圧倒的な実績。決してイカサマ霊媒師ではないのだが、島一番を守る為には何でもする。とにかく容赦ない!もちろん綾乃も負けず、二人が出会えばプロレスの試合と化す。このハチャメチャぶりがとってもよい(何度も同じことを言うが)オージャガンマーのオトボケだけでも相当楽しい。(宮古島をフランスだと思っている。もちろん綾乃のせいで。)ユタになるか否かの問題が、もちろん一番の見所。が、それだけではなく【旧盆】にかける熱い綾乃が面白い!一年のうちこの3日間の祭りの時だけ、人が変わったように働く。トートーメの飾りつけに命を懸ける!ここ一番の集中力は並ではない。一番大事な綾乃の決断がちょっとあっけないかな、とも思ったが、ごちゃごちゃ感が楽しくて何ともいえず良い。そしてこの結末。わかってはいたけど・・・これはちょっと反則です。涙。涙。涙。かなり難しいだろうが、映像で見たいなぁと思った。沖縄の綺麗な景色はもちろん、音が聞きたくなった。独特なリズムのウチナーグチ。名手である綾乃の三線。オージャガンマーのトゥバラーマ(即興唄)。空気、温度も感じたくなった。沖縄の血が騒いだ(笑)第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞。ファンタジーの定義はよくわからないが、とにかく面白かった。文庫の表紙。バガージマ ヌパナスと切っているのは何故?おかしくないか?それともわざと?『風車祭』も読むぞ。『バガージマヌパナス―わが島のはなし』池上永一 文春文庫(1998年12月第1刷)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何度か日記でも書いた、宮古でユタをしている祖母の姉。年末に転んでしまったらしく、手術をしなければならないらしい。今まで、医者にかかったことがなかったので、とても不安がっているとのこと。無事終わればいいのだが。
2004年01月10日
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本所深川に伝わる7不思議をモチーフにした7編の時代小説短編集。『片葉の芦』一代で築き上げた“藤兵衛寿司”。宵越しの飯を使わず残りものは捨てるという習慣が、その名を高めた。しかし娘のお美津はこのやり方を嫌う。父には内緒で、貧しかった幼少時の彦次に飯を恵んでいた。勝手口の窓に【片葉の芦】を立てておくことを合図に。しかしある日、父・藤兵衛に見付かってしまい・・・宮部さんらしい作品だと思う。必ずしもどちらが正しいということではなく、すれ違ってしまった悲しさ。最後には救いをもたせて、表面的ではない、本当の善意を描く。“片葉の芦”の意味合いも効いている。特に気に入ったのは『足洗い屋敷』。名の通った料理屋である大野屋。主人の長兵衛が妻を亡くして7年が経ち、ひとまわりも年が離れたお静を妻に迎えることになった。娘のおみよが美しい義母に抱いた思いは・・・一番ミステリー的要素(捕物帳)が入り、ストーリに起伏もある。『鬼平犯科帳』を読んでいると一発でわかってしまうわけだが(笑)(読んでいなくてもわかるか?)これまた七不思議の絡め方が巧い。他の作品は『送り提灯』『置いてけ堀』『落葉なしの椎』『馬鹿囃子』『消えずの行灯』それぞれ、七不思議の扱い方は違う。茂七が利用したり、比喩として使ったり。茂七は全編で登場し、段々と活躍しだす。があまり捕物帳ぽくはない。脇役といってしまうのはかわいそうな気もするが(笑)。『初ものがたり』では主役だとか。こちらも楽しみ。池上冬樹さんの解説によると、そもそもこの話が生まれたキッカケは・・・宮部さんが贔屓していた店の“人形焼の包み紙の絵”らしい。そこに【本所七不思議】が描かれていて、そこから7編の短編を。うーん、凄いなぁ。今日読んだスポーツ新聞のインタビューでは、一行の“詩”からだけでも絵が見えてきて書ける、この間みた夢でも書けそう、なんてことも。作家って皆そうなのかな?ほんのちょっとしたことから、物語は生まれているんだなぁーと。まぁともかく、ひとつの目標であった“宮部みゆきの時代小説読み”を達成できて良かった(笑)『本所深川ふしぎ草紙』 宮部みゆき 新潮文庫(平成7年9月発行)・・・・・・・・・・・・・・テーマ変更の為更新(内容そのまま)
2004年01月09日
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新しい地球をめざす移民船の中。窓はもう何年も雨の風景しか映さない。船で生まれた細菌に勝てないシノは部屋から出ることが出来ない。そんなシノの為だけに存在している感情型人工物、フィー。船の揺れが激しくなり、それとともにフィーの様子も・・・『雨の檻』含む7編収録。菅浩江恐るべし!(笑)豪華で読みやすいSF短編集です。以前読んだ 『アイ・アム Iam.』 もかなり良かったのですが、今作にはそれ以上にやられました。『アイアム』の主人公と同じような人工生命体も多数登場。『雨の檻』『カーマイン・レッド』に出てくるのは自動人形。『セピアの迷彩』はクローン体とオリジナルの対面話。ここまでも十分読み応えがあったのだが、ここから3作が更に凄かった。『そばかすのフィギュア』自分が考えたキャラクター(アーダほか)が、フィギュアに採用された少女。そのキットは擬似神経をもち小さな人間のように話すことも出来る。アーダに託した思いが切なく・・・。『カトレアの真実』他の収録作品とは一風変わった作品。ミステリの要素もあり、面白かった。快楽と死が隣り合わせの町で、ビョーキになりスリープラスまで症状が進んでしまった女。彼女に近づいていった頬にカトレアの刺青がある男。 彼の表情に、彼の花に、彼の目に、ごまかされることなく、唇からこぼれる言葉さえ信じていれば・・・(P172)そして私が一番気に入った『お夏、清十郎』!時遡能力を持つ、日舞白扇流の家元・奈月。廃れていた過去の楽曲や至芸を復活させるため、意識を過去へと。奈月の苦悩、そして進むべき道、その先にあるものとは?特別な能力で、意識旅行をする奈月。しかし、長い旅から帰ったとき・・・一人また一人といなくなっている。自分だけが時をとめられて。世の中はどんどん進んでいく。テストケースであった奈月は様々な障害に苦しむこととなる。頭脳以外を氷付けにされ、踊れない舞踊家になっている現実。それでも奈月を時遡に駆り立てるもの。かつての踊りに対する情熱だけではない、別の目的。圧倒されてしまった。情景が目に浮かぶ。闇の中を舞う一枚のもみじ葉。黒と赤のコントラスト。美しい。と思った。踊りのことはわからないが、伸ばした指先まで目にみえるようだった。最後を飾るのは幻の?デビュー作『ブルー・フライト』。読んでいて、何だか若いぞ!と思った(笑)人生の浮沈みを未だ経験せず、希望と絶望が入り混じった状態。進むべき道がわからずに苦悩し、選んだもの。最後の結末がいかにもな感じではありますが、やはり光るモノがあります。(めちゃくちゃ偉そうですが、笑)この本は七生子さんに強力プッシュされ、順番を繰り上げて読みました。結論・・・これは積んでいて良い本ではない!読まなきゃ!(笑)とっても贅沢な充実した1冊でした。七生子さん、ありがとう~~!他の菅さん作品も是非読まねば!『雨の檻』 菅浩江 ハヤカワ文庫(1993年4月印刷、発行)
2004年01月08日
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くまにさそわれて散歩にでる。冒頭の一文である。私も誘われた気がした(笑)楽しんでって下さいよ、と。(何てったって、さそったのはくまだ)さらさら と プニプニ の中間の手触り。要するに、何だか気持ちいいのである。以前 『蛇を踏む』 を読んだ時、はじめは戸惑った。明るい話というわけではないのに、不思議に読後感が良かった。その理由が改めてわかった気がした。根底にこの話にも見える、無責任な楽しさがあったのである。そして今読んだこちらは、【うそばなし】よりももっとストレートだ。適当にお気楽に読んだ。普段あまり見かけない“いきもの”がわんさか。表題作『神様』、ラストの『草上の昼食』にでてくる、名前のない【くま】。値段の割りにいけるという赤ワインを用意してくれたのに、「酒はたしなみません。おつきあいできなくて申し訳ない」という律儀なヤツ。『夏休み』に登場する白い毛が生えている小さなもの。アルジャーノン、ウフコック、もしくは小さくなった楽俊。私が想像したもの。要するにネズミだ(笑)発想が貧弱貧弱。『花野』に出てくる【叔父】はちょっぴり切なくて影がうすい。『河童玉』にはもちろん河童が登場。それ以上に【ウテナさん】が謎。『クリスマス』に壺から出てくる【コスミスミコ】はあくびちゃんをイメージ。単純。『星の光は昔の光』のタイトルだけで泣きそうになり(それは嘘だけどちょっと痺れた)【えび男くん】を見て、重松清の『エビス君』を思い出す。『春立つ』の【カナエさん】が“猫屋”で飼っていた6匹の猫は、男に可愛がられているのだろうか?結局、風邪の咳に柑橘類はダメなのである。『離さない』の人魚の横顔は、何故だか劇画調でキリリとしているように思えた。なーにいってるんだか。ほとんど内容に触れてません。つまりは、お気に入りなのです。きちんとした感想を読もうと思っていた方、残念でした。すみませんです。『神様』 川上弘美 中公文庫(2001年10月初版発行)
2004年01月07日
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夢まで共有しようとする夫婦。他人の影を乗っ取ることが出来るという影絵の男。世界のエネルギー事情を一変させる電池を開発しようとする会社。不思議な力が働く人、もの、場所。『夢あわせ』を含む12編収録。ちなみに↑の3行はそれぞれ別の話(『夢あわせ』『影絵の男』『すれちがい』)。この本もタイトルに惹かれました。何となく正月っぽいかなぁーと。実際は“初夢”というわけでもなく、全く関係ありませんでした(笑)全体的に軽いSF&少しのホラーという感じです。ひとつの話が25ページ前後なので、やけにあっさりと感じるものも。(表題作もちょっとあっけなくて残念)いるはずのない人、あるはずのないもの。それは“特定の場所”に起こる。残った思いが作用する。(『ホテル暮らし』『怪談桜橋』『林道』など)絶対的な能力とそれに伴う反作用。行使する側と行使される側。この表裏一体の様がとても面白くもあり、怖くもある。そうそういいことばかりではないよなぁ、やはり。(『誰かが死ぬ』『特異点』『大吉大凶』など)人に喜捨の心を湧かせる雪洞(ぼんぼり)が登場する『雪洞夜話』。道具立ての雰囲気がとてもいい。岩井志麻子的な妖しさが欲しかった。『返り血』は現実と夢の区別が曖昧になり、思い込んで行動して・・・という筒井さんがよく書いてそうな話。もうちょいぶっ飛んでたほうが好み。あまり技巧的でも説明的でもなく、素直にすんなりと流れがいい。(或いはページ数の問題かもしれないが)それぞれの話をなんとなく読み終えてしまう感じではあるが、最後の一文でニヤリというのもあって油断が出来ない。作者のイメージや発表された年代などからすると、もっと小難しいかなと思っていたが、とても読みやすかった。『夢あわせ』 半村良 文春文庫(1992年1月第一刷)
2004年01月06日
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洗面化粧台に襲われた。それは、忙しい朝、身支度の最中のことであった。洗面台に付属しているコンセントに、ドライヤーを接続した瞬間!【ガラガラ、ガッシャーン!!】と、漫画の“縁取られた擬音”そのままの効果音を響かせ、洗面化粧台が倒れてきた。◆ 説明しよう!◆ わかりにくいので、はじめから。一坪の脱衣所に置かれた洗面化粧台がある。横幅90、高さは180くらい。一見、一体型のように見えるが、洗面ボール部分(蛇口)と鏡&両脇の棚部分の2つのパーツに分かれる。排水官に繋がる下の洗面ボール部は、まぁ置いてあるだけ。その上に鏡&両脇の棚部を載せる(一応シーリング有り。接続部分は思いのほかわずか)もちろんそれだけでは、安定しないので背面の壁にネジで固定されている。そのネジが外れて、役割を果たさなくなったのだ。轟音と共に鏡が自分に迫って来る!これはちょっとした恐怖だ。鏡の横の棚(4段くらい。オープン)からは次々に物が落下していた。化粧品のビン、整髪料のスプレー缶、よくわからんクリームの容器などが“落ちに落ちた”。二つのパーツの接合部がズレ、鏡は地面に対して30度くらいの角度で止まり、床を映している。洗面ボールは落下物で見事なまでに埋まっている。実は、コイツは以前にも同じような状況に陥っていた。なので、応急処置として、化粧台の上にツッパリ棒(地震対策用に売られているもの)を2本かませていたのだ。(“応急”のつもりが“恒久”になってしまったのがそもそもの間違いではあるのだが)その棒がゆるんだのだろう。私が受けた衝撃度は、以前日記で書いた 落とす音す の時以上。まぁ、今回は自分が落としたわけではないですが。ちくしょー、おちおち歯も磨いてらんねぇ。だってまたいつ倒れてくるのかと思うとさ~。朝の忙しい時の出来事なので、またまた応急処置。洗面台の上端から白い棒が2本延び、その先(天井との設置面)が拡がっている。その様は、バボちゃんのようでもある。(洗面台は四角いが)もう、朝から気分は最悪である。何も、仕事はじめの日に倒れることないのに。会社にはやくいって、年賀状を書こう!という計画もパー。挨拶回りに行った信金さんで、すきっ腹で酒を飲まされる。たった一杯といえど、日本酒はきく。しばらく気持ち悪かった。年初、ゴトウ日、新年会、洗面化粧台の攻撃・・・重なると大変じゃ。この日は、今年一番の忙しさであった。寒いなぁ、このごろ。帰宅後、深夜2時頃に寝ようとしたら…階下で、父と母が何やら言い合いをしている。しかも、絶対観てないであろうテレビをつけ、話を聞かれないようにして。一度寝に行った後に、再び起きたようだ。いったいこんな時間に何があったの?うーん、何だかおちつかない一日であった。
2004年01月05日
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母の再婚により金持ちになった【ナオ】。やがて母は病死した。家を追い出されるかもしれないという当初の心配も杞憂に終わり、六年が過ぎて中学二年生になった今も大きな屋敷に住む。そんななか、父が資産家の若い娘【キョウコ】と再婚した。ナオはキョウコへある疑惑を抱き、ひとつの行動に打って出た!表題作と『しあわせは子猫のかたち』の2編収録。さて04年度一発目は乙一から。この日記では初の2冊目の感想(一人の作家で)である。(以前にとりあげたのは『暗いところで待ち合わせ』。)やはり期待を裏切らない出来栄え。軽~く読みやすい話、これがライトノベルの特徴か!などと思いながら読む。生意気盛り(笑)の中学生が主人公。しかもお嬢様。「私は愛されているの?」という永遠の命題(笑)ちょっとしたイタズラのつもりが、どんどん大きくなって大変な事態に!というお約束の展開。ただもちろん、そこから愉快な設定となっていく。コタツが大部分を占める三畳の部屋。こういうのは本当に巧い。そして一騒動あって、急展開!さぁ、めでたしめでたし・・・とそこからのもう“一捻り”が流石です。随分とご都合主義だなぁ、まぁでもいいか、と思っていたところをしっかりとクリアしていく。うーん、やるなぁ。ライトノベル、侮れません!もうひとつ、収録順では先にくる『しあわせは猫のかたち』。こちらも、乙一らしい、静かないいお話。不思議だけど、気持ち悪くはない存在。見つめるやさしいまなざし。ちょこっとミステリの要素も絡めて出来上がり♪そしてやはり来ました『あとがき』。最早ひとつの作品ですな(笑)これが好きだという方が多いのもわかります。で今回は予感が的中。本文読んでいて絶対この表現あとがきで使うな、と思っていたら案の定。って、そう思った人は多いでしょうね(笑)いや、もう断じてそういうわけではないのである。てね。まだ読んでいない作品も多数ある。これが非常にうれしい。あと、このミスでも言ってた『ジョジョ』のノヴェライズ。いつになるのでしょう?これまた楽しみ。『失踪HOLIDAY』 乙一 角川スニーカー文庫 (平成13年1月初版発行)
2004年01月04日
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早速ですが1月の買い物。行きつけの(笑)ブックオフに行った。絶対、なにやら店独自のセールをやっているだろうと思ったら、やっていなかった(全店規模のものは普通にやっていたけど)ので、100円本しか買う気にならず。オイオイ。それでも、乱歩、中山可穂、清水義範、ねじめ正一、ファラデーらを購入。ついでに探していた中島美嘉のCDもない。かわりに小田和正の『自己ベスト』を選択する。消化不良気味なので、電車を途中下車し別のブックオフへ。あった!いろいろと。これぞ正月だ!!(ここも別に店独自のセールはなかったけど、そんなの知らん)泡坂妻夫『奇術探偵曾我佳城全集』(秘の巻)(戯の巻)京極夏彦『塗仏の宴』(宴の支度)(宴の始末)重松清『リビング』、筒井康隆『トーク8』、鈴木清剛『ラジオデイズ』、山田風太郎『ラスプーチンが来た』以上文庫。そして留めにして最大の収穫。伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』もう、伊坂氏は文庫化を待っている場合ではないね。といいつつまだ『陽気なギャングが地球を回す』しか読んでないけど(笑)値引きのチケットを使った結果、両店の買い物(他3冊)合計金額は五千円以下!なかなかいい買い物だったのではないかと、一人ほくそ笑む。さぁ、いよいよ日記の日付が現実に追いついたぞ!(アホみたいに書きまくってしまった。軽く自己嫌悪)これでタイムリーにその日のことを書けるし、書くことなかったら書かない、という選択もアリだ。(全日埋める、は去年の目標だったので、笑)
2004年01月03日
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なんだか生活リズムが乱れまくりです。休みも、あっという間だなー。あと2日か。久しぶりに体重をはかったら、2キロ減ってた。こりゃ体力落ちてるだけだろ、と思って運動しに行く。久しぶりのバッティングセンター。行くといつも素振りなどはせずにイキナリ打ちます。左で1回(20球)そして右→左→右と交互に。いきなり、はじめの2スイングが会心の当たり!センター方向へ鋭いライナー。これまでの左打席でNo1ではなかろうか?その当たりがずっと続いたわけではないが、概ね好調。身体が絞れたということか?というか、今までよほどの脂肪過多だったのでは?こんな腹痛によるものではなく、いい加減、体力減らさずに体重減らさにゃー。ま、でも増加要注意だった正月をマイナスで乗り切れるならヨシとするか(笑)抜本的に部屋の模様替えがしたい今日この頃。
2004年01月02日
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明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願い致します。さて、タイトル勝手にお借りしました(笑)夢の助さん、ごめんなさい。また、もし他の方でも「なんか下らないダジャレを思いついてしまった」けれど「自分で書くのはプライドが許さない」そうはいっても「このまましまっておくのは、何かもったいない」という場合は(あるか?)、いつでもご遠慮なく、当方までお知らせください。日記のタイトルに使わせて頂きます。あー、初っ端から何いってるんだか。と、こんな調子で今年もいくと思います。心の広い方、お付き合い下さると大変うれしく思います。では、よろしく。皆様に幸あれ♪
2004年01月01日
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