全63件 (63件中 51-63件目)
※本日記は非表示にしていますm(__)m
2007年08月12日
昨日ご紹介しました、NHK福祉ネットワークの『石井筆子を知っていますか~映画になった障害児教育の母~』についての感想です。この番組は、思った以上に良かったです!d(>_< )Good!!主な内容は、現在上映中の映画、『筆子・その愛 -天使のピアノ-』の紹介でしたが、映画の映像をダイジェストでたくさん見ることが出来ました。知的障がい児・健常児合わせて100人を起用しているそうで、たくさんの障がい児の演技に本当に感動しました。(演技というのかな?)また、その映画に出演した障がいを持った子たち何人かが最後に登場したりして、30分ながらとても充実した楽しい番組でした。この番組で私がとても印象に残ったのは、ゲスト出演の山田火砂子監督と、常盤貴子さんの言葉でした。とくに常盤貴子さんの言葉。。山田火砂子監督は、女性の監督ですが、ご自身も現在43歳の知的障がいを持った娘さんがいらっしゃるそうです。明治時代の障がい者の扱いのひどさや、石井筆子さんの功績についてとても熱く語られていました。常盤貴子さんは、一緒に出演した子供たちが好きで好きでたまらなかったようです。ちょっとでも、みんなと一緒にいる時間を持ちたいと思うほどとても魅力的な存在だったとのこと。。常盤さんの言葉の中で一番印象に残った言葉は「きらきら」。障がい児は皆「きらきら」しているそうです。そればかりでなく、障がい児のお母さんたちが「きらきら」しているのにとても驚き、それを見て、「きらきらのそばにいるときらきらがうつるんだな~」と思ったそうです。とてもいい言葉です。。m(゚- ゚ )この番組で、常盤貴子さんの言葉が番組用のものではなく、本音でそう思っていることがよく伝わってきましたので、障がい児の親としてとてもうれしかったのはいうまでもありません。。そして山田監督は、子供たちへの演技指導は全くしなかったらしいです。やっぱりそうなんですね~。。(^_^;A本当にこの映画見て見たいと思いました。(私の母が見に行ったらしいです。やはりひろくんとダブって 号泣・・)私は正直、「常盤さんに負けてるな~」と思いました。恥ずかしながらまだ私には、その「きらきら」があまりよく見えません。もっとも、ダウン症の子供たちとの交流も、まだ遠方ゆえ満足に参加できていないということもあります。話は変わりますが、3月21日は『世界ダウン症の日』です。大阪ではその日、万博会場でイベントが行われるそうですので、少し遠いですが、タイミングが合えばぜひ行って見たいです!「きらきら」は我が家ではひろくんのあだ名になりましたね~(^_^;A本当にいい番組でした。。(*⌒▽⌒*)b★映画『筆子・その愛 -天使のピアノ-』公式HPhttp://www.gendaipro.com/fudeko/
2007年02月15日
子どものためのバリアフリーブック障害を知る本2・ダウン症の子どもたち本日から、この本のシリーズを少しずつ読んでいきますが、今回は、一番身近であるダウン症について書かれた本を読みました。文字通りダウン症の基礎についてわかりやすく説明されています。絵や写真も豊富で、字にはふりがなも打ってありますので、小学生の高学年くらいから読むことが出来る絵本だと思います。それよりも、親が読んでとても参考になる本でした。今回図書館から借りたのですが、とてもよい本でしたので、後日購入しようと思っています。ダウン症と呼ばれる起源、染色体のこと、なぜダウン症になるのか、ダウン症児の成長の仕方、学校でのことや、職場でのこと、ダウン症児の作文など、複雑なダウン症という疾患を、この本ではとてもわかりやすく説明されています。じっくり読むことで、ダウン症に関連することについて様々な興味が湧いてくる本でした。ダウン症児を育児しているお母さんの下記の言葉が、私には1番印象に残りました。「障害児の親になるのも悪くはないなあ」この言葉は、今の私の気持ちと全く同じです。また、興味あるアンケート調査では、「この子が生まれたときは不幸だと思ったが、今は生まれてよかったと思っている」という答えが81%に上っている記述に、私自身とても頷けます。日本には5万人のダウン症の人たちがいるそうです。(1998年出版時点だと思いますが)昔と違い、今は情報についてとても恩恵を受けている時代だと思います。1人でも多くの方が、ダウン症について理解し、ダウン症を持っていても、社会に貢献出来ることは案外多いんだよ、ということを多くの方々にぜひ知っていただきたいと願っています。この絵本は、上地玲子先生から推薦していただきました<(_ _*)>※目次がどこにも掲載されていませんでしたので、参考として下記に書いてみます。・がんばる中田くん・学校に通う、こうすけくん・どうしてダウン症っていうの?・染色体は体の設計図・どうしてダウン症になるの?・ダウン症って遺伝ですか?・ゆっくり成長していく・保育園でおともだちと・学校で・・・・・・ともに学ぶ・学校で・・・・・・ともだちになるために・学校で・・・・・・勉強と訓練・はたらく・・・・貯金も寄付しているよ・はたらく・・・・老人ホームで作業所で・できることが、いっぱいあります・わたしの道は、自分でひらく・家族がやさしくなった・ダウン症の子を支える以上です(^^)♪
2006年11月06日
先ほどの記事で、上地玲子先生のお作りになられた牛乳パック製の椅子とダンボール製テーブルの事を少しお話しました。そのときに写した写真を取り急ぎUPいたします。(^^)この、筋緊張の弱い子のための椅子&机は、全て上地先生のオリジナルではなく、JDS(日本ダウン症協会)岡山支部の親の会の方々が見よう見真似でお作りになられたものを、上地玲子先生ともう1人のママさんとでここまで仕上げられたとか。(゚-゚;)ウーン言わば親の経験と努力の結晶のようなものだと思います。上地先生も言っておられましたが、親の力って本当にすごいと思います。m(゚- ゚)子どものために、色んな工夫をされてるんだな~と、人事のようですが感心してしまいました。↓牛乳パック製の椅子(前) ↓牛乳パック製の椅子(後) ↓マットすべり止めを付けた時(すべる為) ↓ダンボール製の机(上) ↓ダンボール製の机(下) ↓机と椅子のセットです!(=^_^=) 実際に手にして見た感想は、椅子に関しては思った以上の強度がありました。見かけ一つの牛乳パックに、3本分の牛乳パックが詰め込まれていることがとても効いているのでしょうね。机の方は、ダンボール製ですので少し弱い印象も受けましたが、幼児の手の支えになるだけの強度があればOKだと思いますのでなんら問題はありません。これらの机と椅子は、実際に試され、改良された上で作られたそうですからとても信頼性があります。I 先生いわく、とても評判がいいものだと言われていました。(^^) → 椅子の作り方詳細はこちらをご覧下さい(^^) ※JDS岡山支部のブログに飛びます
2006年08月25日
今回は、「たったひとつのたからもの」に関する記事になります。私はこのテーマに登場する、秋雪くんや加藤夫妻から、素晴らしいものをたくさん頂きました。思うこともたくさんありましたので、下記に明治安田生命のCMの紹介、私なりの本やドラマを見た感想等を書いていきたいと思います。☆明治安田生命CM「たったひとつのたからもの」※以前ご紹介しました記事を再掲載いたします。この記事は単独記事ではありませんでしたので、検索の都合上こちらで再掲載することにしました。以下は、8月12日の記事の抜粋です。あまりにも有名な明治安田生命のこのCM。ほとんどの方が一度は見たことのある映像だと思いますが、強く心を打たれます。私は、以前からこのCMは知っていたのですが、ダウン症のお子さんだったと気づいたのは、恥ずかしながら、ひろくんが産まれてから初めて見た先日のこと。非常にショックを受けたとともに、ダウン症に関して、今までとても無知だったことをあらためて反省しました。☆明治安田生命2001年度CM→「たったひとつのたからもの」☆上のCMが掲載されているページです! →「2001年度 CM「あなたに会えて」シリーズ」※私は、このCMに出会って大変感動しましたので、本、ドラマ、ドキュメンタリーを続けて見る機会に恵まれました。その感想等を下記に綴っていきます。☆本:「たったひとつのたからもの」生まれたときに、余命を宣告された秋雪くん。男の子だったら、お母さんが付けるはずだった名前をなぜかお父さんがつけられたそうです。名前の由来は、生まれた季節の「秋」と、お父さんの好きな「雪」をかけたとのこと。とても素敵な名前です。秋雪くんは生後1ヶ月を経てダウン症と正式に診断されました。それも心臓に重度の疾患を合わせ持って生まれてきたこともわかりました。余命1年。「半年以内に風邪を引いたら、命はない」と、医者から宣告されたそうです。そんな環境で生まれながら、秋雪くんは6年2ヶ月もの間、お母さん、お父さん、周りの方々に見守られながら頑張って生きました。そこまで生きるのには奇跡的な要素が多分にあったと思います。ご両親のお気持ちに、神様が答えてくれたのかもしれません。お母様がおっしゃられている、「人の幸せは、命の長さではないのです」という言葉は、そのまま秋雪くんの生き方で証明されていると思います。この本には秋雪くんの写真がカラーでたくさん掲載されています。お母さんが高校時代写真部だっただけあって、素晴らしい写真の数々が親の視点で随所にちりばめられています。何回見ても涙が出ます。この本はご両親のかけがえのない宝物に間違いはありません。そんな本を読む機会が出来て本当に幸せだと思いました。この本を読んでみると、命とはなんなんだろうと深く考えてしまう機会に恵まれます。早期に命がなくなると分かっていながら、生きる為の必死の努力、言葉の練習、歩行練習等を一生懸命する。なんのために・・結局人生は結果ではなくて、どのようにその間を生きたか、ということにつきるのではないかと思いました。その点、秋雪くんとご両親はその与えられた命を十二分に生かして、その間とても幸せに過ごされたのだろうと思います。もちろん、さまざまな悲しみもたくさんあったとは思いますが。。わたしにも、ダウン症の息子がいますが、心臓の疾患は軽度です。それに甘んじている自分がいることにも時々は気づいています。この本を読んで、息子を幸せにしてやれる方法をもっともっと、探していこうと思いました。結果はどうあれ、自分たちが今、できることを精一杯する。あたり前のことですが、私はついつい忘れがち。この本から、このことを一番深く学んだような気がしました。☆ドラマ:「たったひとつのたからもの」「たったひとつのたからもの」松田聖子さん、船越栄一郎さん主演のこのドラマ。もちろん、先ほど紹介した本をモデルに制作されています。俳優さんたちの演技は申し分のないものだと思いました。ただ、残念なことに、ところどころに少し引いてしまうシーンがあったこと。(私の場合です^^;)私が引いたのは、お母さんが海に身投げしようとするシーン。実話かどうかはわかりませんが、本には載ってなかったシーンです。あれほど、一生懸命育てていたのに、いきなり自分だけ身を投げるもんだろうかと思ってしまいました。もし、実話ならその前後をもっとわかりやすく描いてほしかったです。あと、スーパーで買い物の最中、ダウン症の施設に入れるために、秋雪くんに近寄ってくる女性の言葉も引くには十分すぎるほど。とくに、前半の作りは少し力づくのシーンが多くあったように思います。でも、私は冒頭の出産とその直後のシーンで泣いてしまいました。まだ自分の中にあの時の感情が残っているんだなと、その時実感しました。このドラマは、全体的に見て割合いい作品だと感じました。健常児の親と、ダウン症児を持つ親の視点は違うはずですので、様々な意見があるとは思いますが、ダウン症という障害を社会に広めた意義はとても大きいものがあると思います。惜しかったと思うのは、妻も言ってましたが、生後1年目までの様子をもっと描いて欲しかったこと。本では、手術しても余命に変わりは無いという心臓の手術をするかどうか、ご両親が医者に決断をうながされるくだりがありました。断腸の思いで、手術を断られたそうですが、その後しばらくして、やっぱりしておけばよかったかなと後悔する場面があり、親としてとても考えさせられるシーンでした。この部分を何らかの形で入れてもらえればよかったと思います。でも、ドラマには時間や限られたことなどが色々とあるでしょうから、その中で精一杯撮影されたドラマだったと見ていて思います。ダウン症児を撮影で使うのはとても苦労することだと思います。恐らく、撮影している過程で変更された部分や、妥協せざるを得ない部分もかなりあったのでは無いでしょうか。後半の子役(本名:翼くん)がとてもよかったですね。ある方のご好意により、このドラマの撮影のドキュメンタリー(以前TV放映されていたものの録画)を見たのですが、「翼くん」のお母さんは大変立派な方でした。翼くんは、秋雪くんと同じダウン症です。いい子役を抜擢したと思います。この子がいたから、このドラマは成り立っているのかもしれません。※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※~主題歌 「言葉にできない」 収録アルバム~私が早速聞いたのは、「小田和正/自己ベスト」です。この中の、6曲目に「言葉にできない」が収録されています。他にもいくつかあるかもしれませんが勉強不足ですみません。。自己ベスト※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※
2006年08月22日
この度、赤ちゃん整体で知られている山田光敏(みつとし)先生をご紹介いたします。★山田光敏の「赤ちゃん整体」~ダウン症や脳性麻痺の症状緩和に~http://blogs.yahoo.co.jp/yamadamitsutoshi山田先生は、「東京ボディセラピストサロン」という治療院で保険診療による「脳性麻痺」や「ダウン症」の早期療育や症状緩和を行なっていらっしゃいます。山田先生のプロフィールダウン症にとどまらず、その他障害についての療育方法についてもお詳しいです。このように、幅広い視点からの療育について研究されていらしゃることが私にとっての先生への信頼感につながっています。また、山田先生は先日ダウン症専門のHPを新しく立ち上げられました。★ダウン症web~ご両親が行う超早期療育~http://homepage2.nifty.com/downsynd/index.htm(2007年9月現在本サイトはとても充実された内容になっています)このHPは、私にとって、そして5ヶ月になる我が子にとって、とても重要な情報が含まれるサイトです。"超早期療育"私たちが今、のどから手が出るほど必要な情報が、このひとことの言葉に集約されていました。いきおい、妻とともに、すぐにひととおり読ませていただいた次第です。そのHPで書かれている内容は、とても説得力があり、また、実践的でもありました。とくに、体液循環不良によるダウン症児の弊害について詳しく述べられていることがとても勉強になりました。ダウン症児を持つ親にとって、その解決策はぜひ具体的に知りたいところですが、その内容もうれしいことに詳細に書かれています。とくに、ダウン症の子どもを持つママさん、パパさんはぜひ一度、山田先生のHPやブログを読んでみてください。きっと、得るものがたくさんあると思います。山田先生は、自ら考案されたBABY-CDPという療法(既存のCDPという体液循環改善手技に先生が赤ちゃん用に改良を加えたもの)を広めるべく、講演料無料で現在指導に回られています。地方でも、5~10人集まれば交通費のみの負担で指導をしていただけるそうです。また、電話での無料相談もお受けになっているそうです。以上は、先生のHPで実際にご確認下さい。このHPで私が印象に残った部分は、超早期療育では本は1日5冊以上、「ゆっくり」「はっきり」「おおきく」をキーワードにして読むということ。5冊以上という言葉が具体的でイメージしやすく参考になりました。なぜ早期の読み聞かせが重要なのかについても丁寧に解説されています。なかなか、具体的にイメージ出来る療育法は少ないと思います。そんな中で、無料で、イメージしやすく、しかも効果は絶大だと思える療育法に出会えたことは、私たちにとってはとても貴重なことでした。最後に先生の夢について、先生のHPから少しだけですが引用してみます↓現在、わが国では、適切な医療を受ける“機会の平等”はありません。「区別」は医療費削減の旗印の下、私達の目の前に大きく立ちはだかっています。障害、という言葉一つで人を「区別」し、医療は制限され、また地域によって大きな較差が存在します。~中略~障害を持っていても、その障害を改善するだけの医療を十分に受けられないのです。この世に生を得た人が全て、区別されることなく、その症状に応じた適切な医療を安価に受けることができる未来を、私は目指したいのです。それが、私の夢なのです。山田先生に今後とも頑張っていただきたいと切に思います。ますますのご活躍を期待してやみません。※追記2007年9月現在、山田先生はミクシィでダウン症専門のブログをご開設されていらっしゃいます。詳しい事はこちらにてご紹介しています。http://plaza.rakuten.co.jp/pmdecorp/diary/200709080000/※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※昨日、金澤翔子さんの書を取材されたのりたけさんを紹介しましたが、実は山田先生のブログが縁でのりたけさんを知ることができました。のりたけさんのご紹介許可の方が早かったこともあり、山田先生のご紹介は今日になってしまいました。私はこの度お2人に、本当に良いご縁をいただいたことを心から感謝するとともに、今後もそのご縁を大切にして自分自身もいっそう、努力していきたいと考えています。きっと、我がひろくんへの療育にも少なからず影響することだと信じています。※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※*※
2006年07月02日
ダウン症ハンドブック今日から、この本を読み始めています。この本では専門的なことを一般の人にもギリギリわかるレベルまでわかりやすくまとめられているように感じます。第一章まで読んだのですが、この中でアルツハイマーということばが出てきました。ダウン症の人は健常者と比べて、アルツハイマーになる時期がとても早いとか。ダウン症では、早い例では10代でも見られ、30代では全例で見られるらしいです。すなわち40才までには、全例でアルツハイマー型痴呆が出現するらしく、臨床的に痴呆に気づかれるのはその10~20年後の50~60才だそう。そして、痴呆症状出現から死亡までの平均は4年半とのこと。なんということなんでしょうか。この本でダウン症にはアルツハイマーの問題もあることを知り、少し愕然としています。そういえば、今まで読んだ本の中で、30を過ぎれば体力が落ちてくるとか、就労が厳しくなると言われていた事はまさにこのことだったんだろうか・・と思いました。今にかわいいひろくんもそうなるのかと思うとことばになりません。でも、最近のダウン症の医学は昔に比べてとても発達していますから、これらは昔のデータなので一概に言えないのではないかという望みも少し抱いています。(少し無理はありますが・・)もし、将来自分たちの手から離れていくにしても、壊れていくような離れ方だけはさせたくありません。とにかく、短い一生(元気なうちはもっと短いかも・・)の中で、自分が出来る精一杯の事をしてやりたいと尚更思いました。
2006年06月13日
ことば育ちは心育て宝石のような本でした。決して大げさではなく、この本の中には子育ての期間である30年間のエッセンスがつまっています。私はこの本を読んで、正直言って7才の長女の子育てについてとても悔いが残りました。障害者であるなしにかかわらず、1人の人間を育てていくのに何が必要なのか痛感させられました。著者は、岩元昭雄さんというダウン症児の子育てではとても有名な方です。ダウン症児が他人のフォローなくして大学を卒業した例は皆無だそうで、なぜ英語、フランス語を習得するまでに至ったかについて思い当たることを述べておられます。著者は教職員であること意外、出生当時ダウン症児の子育てについては全く知識もなく、手探りで育てられたそうです。過去にも、家族で2冊の本を出版されており、今回のこの本では社会生活をするために最も必要だと思われる「ことば」について書かれています。私には、4ヶ月になるダウン症の男の子がいますが、いろいろとダウン症について学んでいくにつれ、ダウン症患者はことばについて習得するのが難しいと知り、ことばをこれから我が子にいかに習得させていくかについて模索していました。そのため、この本からたくさんの子育てのヒントをもらうことが出来ました。読み終わって感じたのは、結局子育てというものはダウン症だから特別なにかしなければならないことはなく、その子にとって何が必要なのかを適確にとらえ、いいタイミングでフォローしてやることが大事であるということ。ですから、私自身、専門知識は皆無だったとしても、子育ての原点に返ることで、悔いの残らない子育てが出来るのではないかという可能性を見つけることが出来ました。著者が実践されたことは、生後半年にも満たない時から本の読み聞かせをされていたそうです。そのときに、クラシック音楽を小さな音でかけていたとか、童謡のレコードを繰り返し聞かせたり、絵本を与えたり、さまざまなことを実践されています。それが、将来ことばを覚えるのに効果的だったのではないかと述懐されています。また、小学一年生から日記をかかせていたらしいです。これも、ことばの習得に関して大きな影響を与えたのではないかと言われています。とくに日記などは、小学校の6年間ほとんど休みなく継続されたらしく、いかに押し付けにならないように子どもをやる気にさせるかがについて大変参考になりました。そして、継続することの大切さも教えられました。体力をつけるための、父とのラジオ体操6年間(小学生期間)、日記5年間(2年~6年生まで、中学生からは学校の提出日記があったため断念されたそうです)、苦手な算数を勉強する為父親が作った問題ノートを小学6年生~高校3年生まで、今も続いているという18年間のNHKラジオ講座、フランス語講座12年間など、そのほかにもたくさんの事を継続して努力されています。両親が教育に携わる方なので、全てまねることは私には出来ませんが、我が子に照らし合わせて、自分たちの生活の中で最良の療育をしていくヒントになりました。最後になりますが、親の視点から書かれているこの本はとても意義のある本だと思います。専門医の立場からは、それがいいという立証が出来ないかぎりこのような形での子育て方法について述べることは出来ないこともあり、それゆえ一般の方のダウン症の子育て日記はとても貴重なものがあると思います。とくに、ダウン症児を育てるには、専門知識も大切だと思いますが、その根底には親の愛情や努力が必ず必要になってくるものだと思います。この本は、その大切さをわかりやすく、自らの経験から説明されているところがとても参考になりました。他にもたくさんのことが書かれていますので、とくにダウン症児を授かった方にはとても参考になる本だと思いました。私は、この本を何度も読み返すだろうと思いますし、過去に出版された本、ダウン症の綾ちゃんが翻訳された絵本も読んで参考にさせてもらおうと思っています。
2006年06月08日
ダウン症児すこやかノートこの本は、ダウン症児を授かった親が、その子の成長をお医者さんとともに記録していくような、そんな使い方をするのに向いている本です。イメージとしては母子手帳の大型版という感じがします。長く使えるように、ビニールカバーもついています。内容は後で簡単に述べますがとてもよく出来ており、ダウン症児を持った全ての親に配られても良いのではないかと思ったくらいです。私が思う、理想の療育ノートでした。この本の構成はまず最初に、ダウン症児を授かった親へのメッセージや心構えなどからはじまり、ダウン症に関しての知識、今後おこりえる病気について、療育機関はどのようなものがあるかなど、幅広い視点からまず説明されています。私は、とりこぼしを極端に恐れる方なので、この本はその心配をかなり軽減させてくれました。また、「~しましょう。」と頻繁に出てくる語り口に、妙な説得感があり、カウンセリングを受けているような安心感を感じました。心構えや基礎知識を学んだ後は、療育の実践の章に入り、ここでは主に、乳幼児期と学齢期に大部分を割かれています。青年期は、参考程度といったところでしょうか。以上が大まかなこの本の構成ですが、私がこの本で特筆すべきところは、実際に自分の子供を大学に入学させた子育て経験のある親のコラムが入っていることでした。私は、今回この方からかなりのことを学びました。この方の経験談がこの本に、かなりの奥行きを与えているとも感じました。合計たった12ページのコラムですが、とくに乳幼児期のものが珠玉だと思います。短い言葉ではありましたが、かなりのものを頂きました。岩元さんといわれる方が書かれたのですが、この方はダウン症関係ではとても有名な方です。結局子育ての究極は、ダウン症だからどうというのではなくて、人としてどう育てていくのかという視点から突き詰めて考えていく必要があるんだなと今更ながら思いました。岩元さんの本も、今後読んでいくつもりです。後忘れてはならないのが、付録のCD-ROMです。まだ説明を読んで、シュミレーションのデータを入れただけなのですが、これは予想以上にすばらしいものだ!とすっかり興奮してしまいました。私がダウン症の我が子のために欲しかったデータは、自分の子供が標準の子供の平均と、ダウン症児の平均と相対的に見てどのような成長をしているのか、比較対象になるものが欲しいと思っていました。先日も妻にそのことを話し、なんとか調べられないか話していたところです。それが、このCD-ROMに全て載っていました。このCDーROMには、0才~18才までの健常児とダウン症児の身長と体重の発育の過程の平均像が、折れ線グラフで描かれています。それは一本のみのグラフではなく、3本に分かれており、最も小さい子、中くらい、最も大きい子の平均成長線が描かれています。最も小さい子と最も大きい子の折れ線グラフの間に、94%の子が入るらしいです。また健常児とダウン症児のそれぞれに色分けされて合計6本の線が描かれています。その中に、自分の子の1ヶ月ごとの身長、体重データを打ち込んでいくと、それぞれのグラフの間をどのような過程で我が子が成長していっているのかが相対的にわかります。自分の子の成長グラフが、逸脱していないか、またある時期から変わった動きをしていないかを確認するだけでもかなりの不安が取り除けるのではないかと思います。この値段でこれだけの本が作れるんだ・・と正直感心してしまいました。この本は、ダウン症の子を持つ方々に子育てのヒントを多く与えてくれる良書だと思います。実母が、友人から紹介された本だったのですが、本当にいい本に出合えて幸せです。
2006年06月02日
ダウン症の子をもって著者は、著名な経済学者です。私がこの本に興味を持ったのは、私も生後4ヶ月になるダウン症の息子を持っていることに加えて、機械設計を生業としているので、同じ数字を扱う経済学者が、障害を持った息子をどのように見て、どのように感じたのかについて知りたかったこともあり、この本を買いました。また、先日読んだ「幸せを見つけてダウン症の子どもたち」を書かれた方がこの本に関してコメントを述べられていたので、そのつながりもあり購入しました。この本では、ダウン症が世間一般にまだあまり認知されていない頃から、家族全員で試行錯誤で育てられた様子がよく描写されていました。著者のご子息は、ダウン症の中でも重度の部類にはいるとのこと。この本を書かれた当時20才になっても、まだ言葉がうまくしゃべれない状態だったと書かれています。障害者に対する社会の認識が変わったのは比較的最近だそうで、それまでは重度の障害者は学校にさえ入れなかったそうです。毎年4月になると、学校へ入れたい一心でかなりの努力をされるのですが、それがいつも徒労に終わる時の母親の気持ちがとても切なく描かれていました。私が、この本を読んで一番強く感動したのは、母の子どもに対する愛情についてでした。実際、この本の元となったのは、話せない子どもの様子を記録する為に、施設と家庭とのやりとりを担った80冊以上にも及ぶ連絡帳でした。そのほとんどを母親が書いています。例えば、想像を絶するいたずらをする子どもに対してのいろいろな感情や葛藤が詳しく描かれています。そしてその子どもに対して、母も幼い兄も、もちろん著者の父も信じられないくらいとてもやさしい。この本を読んで、理屈ではない母の愛情に胸を打たれました。こんなにも、人間1人を育てることに愛情を注いだ本を読むのはこれが初めてです。まるで自分がそのダウン症の子どもの立場から、親に愛情を注がれているような錯覚にさえ陥りました。かなり遅いながらも、確実に成長していく息子さんとそれを見守る家族の絆が、息子さんの成長とともにだんだんと強くなっていくところが大変感銘を受けました。本当に、人間って素晴らしい。もちろん、この本に書かれているようなきれいごとだけでは無いことも冒頭で著者自身が言われている通り。私もどれだけの時間と愛情を、我が子に注げるのか定かではありませんが、片時も休むことが出来ない母親の気持ちが私には大変参考になりました。そして、愛情を注げば注ぐほど、ダウン症の子は答えてくれるんだという期待をさせてくれたことも。経済学者である著者は、社会的に見た現在の日本を痛烈に批判しておられるとのことで、この本にもその考えの一端が述べられていましたが、機会があればぜひこれらの著書も読んで見たいと思いました。この本は私にとって、ダウン症児を育てる母親の視点からまず考えさせられ、そのことから今後の自分の育児のやりかたをさらに考えさせられる一冊になりました。読んでよかったです。
2006年05月27日
幸せを見つけてダウン症の子どもたちこの本は大阪で活動されている、ダウン症児の親の会である「クローバーの会」の方々の手記や座談会をもとに書かれています。「クローバーの会」の由来は、染色体が一本多いダウン症児と、四葉のクローバーをかけて命名されたとのことで、本当にすばらしい名前だと思いました。面白いと思ったのは、この会の主導権を握っているのがお父さんだということ。もちろん、お母さんたちの集まりもあり、いい雰囲気で活動されているなと思いました。この本の構成は、この会のリーダーの手記に始まり、お母さんたちの座談会の様子、お父さんたちの座談会の様子、子どもが成人して活躍している親2人へのインタビュー、そして最後はダウン症の子どもと関わった方々の手記で終わっています。私が一番印象に残り、また勉強になった章は、33歳の娘さんをもつお母さんと、28歳の息子を持つお母さんへのインタビューの章でした。ダウン症児を出産し、子育てされた時期が、ダウン症に関する知識があまりない時代だったため、かなりの試行錯誤をされたようです。それに比べると私は、まだ恵まれているなと思いました。お1人の方の子どもさんは、甲状腺の機能障害があり、それがわかるまで、身長が止まったままだったらしいです。今では、考えられないことだと思います。このお2人の談話の中で、私がガツンときたのは、一日の生活リズムをきちっとされていることでした。自分たちにはまだ恥ずかしながら出来ていないことでした。ダウン症児にはまずこれが大切なことだと先日読んだ本にも書いてありました。また、ダウン症児を引き受ける覚悟ができたときにまず一番に「お行儀のいい子に育てよう」ということを決意されて、それを実行されたことにも大変感動しました。「お行儀が良かったら人にかわいがってもらえるし、ルールやマナーが守れる。(中略)食事をちゃんときれいに食べられるように、顔も頭もきれいに洗えるように、鼻をきちんとかめるように努めました」と書かれていました。私は、健常児の長女にさえも、これらのことを満足に教えてこなかったのを今すごく反省しています。私の生活全てを、ダウン症のあかちゃんのために、そして7才の長女のために、根本から治さなくてはならないことを改めて実感しました。他に勉強になったのは、知的障害者全体に対してのダウン症の割合が少ないこと。ダウン症の子どもの将来を長期的な視点から見ると、ダウン症の親の会ばかりではなく育成会(全国規模の知的障害者組織)に入るなどして、知的障害者全体の立場から活動していかざるをえないとも経験者の立場から言われています。地域の中で生きていく本人の事を冷静に考えると他の知的障害者と連携して、育成会でも活動していく必要があるとのことでした。 これらのことは今後の子育てについて大変参考になりました。これにとどまらず、このお2人の談話は、他にも大変参考になるところがとても多かったです。このような、ダウン症児の親の立場から書かれた本は今回初めて読みました。やはり、同じ子を持つ親として意見を身近に感じると共に、実際の経験による意見はとても貴重だということを今回特に感じました。子どもの成長は待ってはくれませんので、出来るだけ参考に出来るものは参考にして効率のよい育児をしていこうと思います。この本も、ダウン症児を持つ私にとって大変参考になる一冊でした。
2006年05月25日
ダウン症児のことばを育てるこの本のおかげで、ダウン症児の言葉に対しての理解が一層深まりました。また、ダウン症の我が子を今後どう療育していけばよいのかについての具体的なヒントがこの本から得ることができました。本書は、ダウン症についてことばの点から深く掘り下げて解説されており、解説だけにとどまらず、この本の意義は「ことばの療育プログラム」に集約されていると思います。なぜ、ことばなのか。 著者の言葉を借りると、「『ことばによるコミュニケーション』はダウン症の子どもたちにとって最も困難な領域である」らしい。とくに、まわりの子どものことばが理解できているのに自分の気持ちをことばで表現できにくいこと。そして、ことばは出ているのに不明瞭な為、わかってもらえないという問題があるらしい。これってある意味地獄ではないだろうか。私は、言葉による表現がうまくない方なので、今の自分よりもコミュニケーションがうまくいかなかったらと想像するだけで足がすくんでしまう思いがします。我が子は生後3ヶ月のダウン症児ですが、この文を読んだだけでも、出来るだけいい方向に療育してやりたいと思いました。ところで、本書は大きく分けて3部構成になっています。1部では、「ダウン症とは」からはじまり、「ダウン症児のことばの発達の特徴としての要因」等について述べられています。この1部で、ダウン症児におけることばについての基礎知識を頭に入れた上で、本書の要である、「2部:ダウン症児のことばの指導」に入っていきます。2部は、実践的な「ことばの指導プログラム」です。3部は、これらのプログラムを使った、軽度~重度のダウン症児の療育指導例が載せられています。私は、2部について最も感銘を受けましたので、ここで紹介されているプログラムについてまとめてみたいと思います。2部で紹介されている「ことばの指導プログラム」は1)0~1才(前言語期)2)2~3才(幼児前期)3)4~5才(幼児後期)4)6才~(学齢期)の4つの時期に区分してそれぞれに応じたプログラムが組まれています。私が参考にしたのはもちろん1)になります。2部の中で私が印象に残った言葉を以下に少し紹介してみます。・イメージをつくるのには、子どもに「今あなたは○○を見ているのよ、きれいね」とか「○○を食べているのよ、おいしいね」と言ったり、共感したりして、今経験していることをお母さんが意識させてあげなければなりません。したがってこどもが1人遊びしていたり、1人勝手に活動しているだけではイメージをつくることができません。・口唇や舌のコントロールは微細な身体運動で、手指のコントロールと共通性があると言われてきました。さらに手指は全身を使った歩く、走る、跳ぶ等の粗大運動と関連して発達します。したがって粗大運動は口唇や舌のコントロールの基礎ともなっているのです。ところでこのブログラムの構成の基礎となっている考え方があります。それは、<対人関係><認知能力><運動能力>の3要因です。それらはことばの花をさかせる肥料だとこの本では表現されています。この本では、この3要因を学習するために、<遊び>と<生活>そして補正的に<課題>学習する場面を設けています。バランスよくことばの指導を行うことができるような具体的なプログラムが上記の4つの時期について順を追って書かれていました。特に私が驚嘆したのは、子どもによって出る症状が千差万別であるダウン症をテーマにしたプログラムにもかかわらず、系統だってきちんとプログラムが組まれていることでした。上記の<遊び><生活><課題>の各場面ごとに、ことばの発達を支える3つの要因、<対人関係><認知能力><運動能力>を組み合わせた3×3=計9項目のプログラムが、各4つの時期それぞれに設定されています。それだけではなく、ダウン症の子どもたちがことばを獲得する過程で特に問題となる<聞くこと>の弱さに対応した項目を、1項目加えています。これで、各時期10項目の計40項目のプログラムが設定されています。この本に書かれているプログラムを参考にして、ダウン症の我が子にことばについての療育を試してみようと考えています。この本で書かれていたのですが、赤ちゃんによくする「たかいたかい」は上記3要因を全て満たしている遊びだそうです。非常に密度の濃い対人関係である、身体や表情を介したコミュニケーション、自分とお父さんお母さんの身体の大きさや感触の違い、揺さぶりに伴う位置関係の変化を実感することは、もっとも基本的な認知能力を育てるらしいです。そして、これもこの本のなかで、心に残ったことばですが、「ことばにおけるハウスとは何でしょうか」という質問がありました。答えは、日常生活の生活リズムだそうです。基本となる活動(起床、食事など)は毎日決められた時間にできるように生活環境を整えることが大切らしい。まずは、自分から変えなければならないようです。この本はダウン症児にとどまらず、健常児の育児にもよい影響を与えると思います。私の7才の長女の育児にも参考になる部分が多かったので早速試してみようと思っています。
2006年05月18日
ダウン症児の療育相談ダウン症に関して初めて読んだ本だったのですが、とても参考になりました。私はダウン症の子を授かったばかりで、合併症、今後の育て方など、何をしていったらこの子にとってよいのかまだ全くわからない状態でいます。今後、色々な本や、ダウン症児のご家族の方々、お医者様の方々にもご意見をお伺いすることでダウン症の知識を勉強していくことが何より先決と考えていますが、それに先立ってこの本は、それらの不安をある程度やわらげてくれました。この本はダウン症の基礎知識に始まり、発育に関して注意すること、訓練の仕方、また、今後社会に対してどういうアプローチをしていったらよいのかなど、実際に相談されてきたご家族や医療関係、教育現場に携わる方々からの質問に対しての回答をQ&A方式で簡潔に述べてあります。その回答が、ダウン症児に関わる方々に対してとても親身になっていながらも、客観的な立場で回答している姿勢にとても信頼感を持つと共に、著者に対して尊敬の念すらもいだいてしまいました。この著者の本は他に余りありませんが、残らず読んでいくつもりです。ダウン症児を授かり、これからどうしてよいかわからない私のような方々にこの本はとても参考になると思います。
2006年05月07日
全63件 (63件中 51-63件目)