大阪市住吉区・住之江区の学習塾『創心館』のブログ

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2021.10.04
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今回は今月のSJに書いた内容を

少し補足してみました。

非常に長いですので

時間のある時に

読んでいただければ幸いです。






学校へ行くことは一般的に当たり前と思われています。
特に小中学校は義務教育のため、
学校へ行かずに外を出歩いている子どもを見かけると、
「あの子はどうして学校へ行ってないんだろう?」と、
世間一般の人々は思うことでしょう。
学校へ通っている子どもたちですら
「どうしてあの子は学校に来ないんだろう?」
と不思議に思うくらいなので、
それぐらい学校へ行くことが当たり前で、
学校へ来ないのは普通ではないという世間の風潮は、
そう簡単には変わりません。

さらに、
学校へ行けなくなった原因がはっきりしないことの方が多く、
周りからは「怠けているだけだ」と思われがちです。
そのため、学校へ行けなくなった子どもたちは、
学校へ行けない自分を「当たり前のことができない駄目な人間だ」と思い悩み、
自分を責めてしまう傾向にあります。
youtuber ゆたぼんのような子は、極めてまれなケースです。


では、学校へ行くことの意味とはなんでしょうか。
普段そんなことを考えて登校している子はごく少数かと思いますが、
学校へ行くのがしんどくなってくると、
「なぜ学校へ行かないといけないんだろう」
という考えが脳裏に浮かんできます。
子どもがそれを口にすると周囲の大人たちは、
なぜ学校へ行かないといけないのかを懇切丁寧に説明してくれます。
それに納得して一時的に学校へ行けるようになることもありますが、
やがて力尽きてしまいます。
頭ではなぜ学校へ行かないといけないのか分かっていても、
体が言うことを聞いてくれないのです。


なぜそうなるのか?
つまりなぜ学校へ行けなくなるのかという原因については、
文部科学省の文言でも明確化されておらず、
心理的・発達的・社会的な要因が重なっているため
個々によって様々です。
では、どのような対応が求められるのでしょうか。
これまでの研究結果から文部科学省の不登校支援の指針も柔軟になっており、
少しご紹介します。

【「学校へ行く」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、 不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある 一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。】     (文部科学省ホームページより抜粋)

このように学校へ行かないことのリスクに関する記載はあるものの、
学校へ行かないことの意味についても記載されていることが
非常に重要だと思います。
ただし、
学校へ行かないことが意味あるものとして機能するためには、
家族も含めて当人に対する周囲の大人たちの理解が必要不可欠です。
学校へ行けない本人にとっては上記のような文言があっても、
現実が辛いことに変わりはありません。
そのため、
学校へ行けない当人へのサポートとして
具体的にできることはあまり多くありませんが、
「学校へ行けない状態を認めてもらえる=自分の存在を受け入れてもらえる」
ことが何より有難かったと、
不登校経験のある方が述べておられたのが印象的でした。

他にも
学校へ行かない時期を過ごした結果
まるでサナギからチョウになるぐらいの
新たな自分に生まれ変わるような
体験をする子もいます。
それは親からの心理的な自立を
意味することもありますし
今までできなかったことが
自分でできるようになったという
身体的・技術的な変化を
意味する場合もあります。

ちなみに、
この記事内容を学校へ行けない当人に
伝えたからといって
子どもがすぐに変化するわけでは
ありません。
なのでくれぐれも
この記事内容を用いて子どもを
「説得」しようとするのは
あまりお勧めできません。
また、
この内容を読むことで
子どものことを分かった気になり
「〇〇だよね、分かるよ」
なんていう声掛けも
あまりお勧めできません。

この記事内容は
どちらかと言えば
学校へ行けない子どもを抱える
親の気持ちが少しでもラクになってもらえたら
というのが主な目的です。
学校へ行けない子どもは
自分の気持ちを分かって欲しい反面、
この気持ちを分かってもらってたまるか
という両極端な気持ちを抱きがちです。

ですから
子どもの気持ちを先取りするような
理解の仕方はよろしくありません。
「ほな、どうしたらいいの?」
と思われるかと思います。
これに答えるのはとても難しいのですが
とにかく目の前の子どもの
「今、ここ」の気持ちに向き合い、受け止めること。
それに尽きるのではないでしょうか。

これはことばにするのは簡単ですが
子どもの表現の仕方によっては
非常に大変なことでもあります。
なので、
専門家のサポートを受けることで
子どもの表現していることの意味を
少しずつ理解できるように
なっていくことがあります。


あまりに長くなりましたので
今回はここまでとします。


文責:垣内






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最終更新日  2021.10.04 22:52:06
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