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昆虫料理は所謂ゲテモノ料理に属するものであり、私も食することに躊躇いが有った。が、現地の文化として根付いており、Terroirを尊重する私としてはやはりここで試さない訳には行かないと思う。ちょっとグロテスクな写真であるがその辺をご考慮頂きたい。昔、同じように谷間にあった母親の実家の村で蝗、蜂の子、ざざ虫(カゲロウの幼虫)を食した事を思い出した。蛋白質に乏しい山間部の生活の知恵である。さて、この味だが見た目とは裏腹にかなりいけるのである。一度熱湯を通してからハラワタを取り、そしてから揚げにしているのでシャキシャキとしているし、味わいも良い意味で蝦の殻のようである。キチン質なのだろうか。この緑の葉はミカンの一種ということだがまるで山椒でスパイスとして味わいにアクセントが加わる。江戸前の料理であった河蝦の山椒添えと通じる乙な味わいである。この料理には軽いブルゴーニュ・ブランを合わせたが予期もしないマリアージュにさぞかしワインも驚いただろう。
2006/11/07
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クーデターの影響でで少し遅れたがいよいよ旅に出た。今度の旅は後年振り返れば私にとって非常に意味を持つものだと思う。さて、その旅の最初の食事。機内食である。前にも書いたがGuy Martinに監修してもらっているとかでここの所レベルが上がっているように思う。料理自体はシンプルで量も決して多くないが素材の良さを感じさせる。私は野菜コースにしたが、隣の人のアニョーの方が美味しそうで、帰りは久しぶりに肉でも食べようかという気になった。尤も無事帰れればの話であるが。オードブル。フェタのアスピックにナスのグリエを冷やしたもの。野菜のラビオリ。中はロケット、アスペルジュとリコタチーズ。ソースはクージェット。まずまず。ワインは景気付けにこれ。一時Lansonの最上キュべになったことも有ったがこれかKrugだと嬉しい。この後デセールは省略してParisでのミーティングに備えて眠りについた。
2006/10/01
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ここでの滞在も残り少なくなってきた。漁港に立ち寄った後、トラットリアに立ち寄る。このところちょっと飲み会続きなので軽めの食事ということで蛸のトマト煮にScampi alla griglia。蛸は一旦茹でぶつ切りにした後、30分程冷凍し、柔らかくするのがコツ(だそうだ)。大蒜のスライスを加え軽く炒めた後、フレッシュトマトを加えて煮込み、仕上げに赤ワインを加えコクを出す。此処では地元のPrimitivoを使っていた。ワインは自分の持ち込みのブルゴーニュ。軽めの赤とよく合う。
2006/08/06
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週末に友人が来るのでメニューをテスト。このところ暑いので冷たい料理だけで通すつもりである。最初はたらば蟹。Avocadoで挟んだのは例のアストランスのパクリであるが、中をマンゴーのアッシェで合え、ライムを搾った。こちらの方が合うような気がするのだが・・・メインは鮪の叩き、ミルフィーユ仕立て。さくの鮪を一面軽く焙り薄く削ぎ切りしたものにローストしたトマトを挟んだもの。ソースは醤油、味醂に煮切りの赤ワイン(Chorey)を合わせ、エシャロットを煮だす。酸味があるので冷やしても良い。盛り付けがちょっと多すぎたので本番では3段にする。この両品に冷たいスープを合わせる。デセールは冷たい皿が続くので変化を持たせる為に桃のグリルにする。さて、ワインは何を合わせるか?やはりシャンパーニュとブル白だろう。とりあえず今日はシャンパーニュを飲む。勿論いつものである。
2006/07/19
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帰りの便でもご好意でアップグレード出来てGuy Martinの料理(?)を試す事が出来た。やっぺさんの依頼でもあるので軽く報告しておく。アミューズの後、前菜は鯛と冷製ラタテゥイユのガトー仕立て。鯛は軽く潰してムース状にしてあり、舌触り良く、魚の臭みも無く中々である。少し変えて自分でも作ってみたい。今回のメインはアニョー。カレー味でスペルト小麦添え。これは肉に火が入りすぎて今ひとつ。加熱・冷蔵・加熱を繰り返すので繊細な火入れを要求するこの食材は難しいと再認識。ワインはChateau de ChamireyのMercurey 1級2003。何の変哲も無いワインであるがまあ、肉を流し込むには十分である。デセールも色々チョイスが有ったのだがこの辺で苦しくなってきたのでソルベ。添えのフルーツにグロゼイユやフェザリスを積んでいるのが芸が細かい。次回はエコノミー食を報告する(笑)。今回のラウンジワイン。Girardinよりも一段上で切れがあるように思う。
2006/07/13
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昨日夜は友人と合わせた後、打ち上げを兼ねて友人連中と飲みに行きイタリア戦で盛り上がり早朝まで飲み明かす。ほぼ完徹で早朝一番のフライトでParisへ。さて続きだが、翌日は隣の漁港に立ち寄る。正午には気温は42度に達し今年一番。流石に昼食の食欲が落ちる。ということで今回はアンティパスタのみにする。トラットリアに電話して下ごしらえをしてもらい、後は適当。まずはMerlunの南蛮漬け。南蛮漬けというからにはきっとこの辺の南欧が発祥であろう。マリナードはレモンと白バルサミコ。ガルニのフィノッキオ、セロリ、人参のジュリエンヌと一緒に漬ける。次はアンショワのマリネ。おろした後軽くブランシールし、これもレモンと白バルサミコ。新鮮なアンショワというのは滋味があり野趣がある。その次はルジェ(伊:バルブン)の前菜。一度軽くグリエしたルジェに新玉葱とオリーブをアッシェし、これもレモンと白バルサミコに合わせ、エルブ・ド・プロヴァンスを加える。単純だが新鮮なルジェの良さが一番出るのではないか?と思っている。さて、今日もフランス戦で友人に付き合わされるのは必至である。。。。
2006/07/01
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今日は40度近くまで上がり流石に暑いが南へ下りヴァローナの港に立ち寄り、昼食用に知人に頼んでおいたトロ箱のスカンピを引き取り友人の知り合いのトラットリアで料理。朝、水揚げしたばかりのスカンピはまだ生きているのもあり、これ以上のコンディションは無い。さて、最初はスパゲッティ。今回の下ごしらえは半分に切らず尾部の殻に切り取り、身を露出させると同時に頭部に穴をあけ、所謂蟹みそがスーゴに出やすくする。スカンピの場合は殻からかなり味がでるのでどちらでもあまり変わらないが。ベースはポモドーロがベース。オマールやラングーストも悪くないがスカンピの繊細さには勝てない。揚がったばかりなので柔らかいが弾力があり、甘い。ワインはありふれた土地の物で単純だがこの少し甘いスカンピと相性は抜群である。次はア・ラ・グリリア。仏でも前菜に出ることがあるが大抵はちょこっと大人しく皿に乗っているがここでは地元で材料が新鮮で且つ安い(!)ので単純に炭火で焼く。勿論殻ごとかぶりつく。スカンピの甘さと海を感じるしょっぱさに殻の香ばしさ、パリパリ感が加わり、文句なしに美味しい。
2006/06/29
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昨日何時ものトラットリアでの料理。前にも書いたが一見ただのボンゴレであるが、使っているのは真性のVongole Veraceであり、日本の浅蜊とは違い繊細である。日本の浅蜊でこれを作るとコクがありすぎてしまう。見た目には日本のと比べて若干地味だが、殆どわからない。しかしテースティングすると一発である。最近は中々得る事が難しく普通のレストランではまず出ないと考えた方が良い(仕入れ値も倍ほど違うと聞いた)。今回も友人の差し入れで。麺は乾麺の方が良くドメーヌ・スパゲッティーも色々あるがDi Ceccoはやはり美味しい。堅さはモルト・アルデンテ。ワインは土地柄もあり、イタリア物を持ち込み。今から更に南に下るのでこれについては後述。
2006/06/28
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AFの機内食にGuy Martinが起用されたということは聞いていたが今回Upgradeして頂き遂にそれを試す事が出来た。メニューカードも一新され確かに彼の名前が入っている。その名もLe gout du voyage。メニューを見て驚いたがプラットが野菜とオマールの選択のみで肉が無い!アントレのチョイスもフォアグラと野菜(しかもスイートポテト!)だけで私には丁度良いが米人にはかなり答えるであろう。肉を多用し量を重視するUAのような米キャリアとは対極である。さて、フォアグラ・オマールを選択したがフォアグラはジロルとテリーヌ。もう少し工夫が欲しい気もするが何といっても安いペーストでは無くきちんとブロックであり、しかも質が良い。多分機内食のフォアグラとしては断トツでトップであるし、下手なレストランよりも上である。オマールも盛り付けこそ今ひとつなものの、材料が良いし、(これは毎週オマールを食している私が感じるので間違い無いと思う)ソースはコリアンドルとMangue verteでなかなか面白かった。でセールもプチフールだけだが全体的に量が丁度良い。明らかに量を抑えて質の向上を図るという姿勢が感じられた。シャンパーニュは大抵Comte de ChampagneかKrug、LansonのNobleキュべなのだが今回はPalme d’Or96。悪くは無いがドザージュを感じたのでブルゴーニュ白(J. Moreau, Le Clos 2002)へ移行。これもまあ普通。ワインに関しては大量に使用しなければならないエアラインなのでどうしてもこういう大手に頼らざるを得ないのが難点である。とは言えUAやLHよりは格段に上で多分これからもAFを使うことになるだろう。ただし座席はそちらの方が良いのだが・・・
2006/06/22
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今日は帰りが遅く簡単な物ということでモリーユの卵とじ。見た目は悪いがこれはクラシックな組み合わせでモリーユの香りが引き立ち、結構私好みなのである。さて、これに合わせるワインは結構難しい。何か良い知恵はないだろうか?
2006/06/10
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今日はフランス料理屋に行く。旧フランス領だったため、こんな途上国の田舎でも外見は結構まともなフランス料理屋はあるもので、外すと判っていてもそうとなると腕前を見たくて試してみたくなるのが私の悪い癖である。さて、前菜は焼きマンゴーと鮭の軽いグリエ。鮭が冷凍であることは120%確実だが(20%は解凍・再冷凍)流石亜熱帯ならではの組み合わせでもう少し洗練させれば夏の料理として出せそうに思う。メインはフォアグラのラビオリだが、フォアグラは痕跡を留めているだけで流石に無理があった。此処でフォアグラを食するということ自体無謀であり、これは多分長期滞在している西欧人のための郷愁として供されているのであろう。ワインは棚にあったまともなネゴスのアリゴテを選ばせて頂く。VTは99。1本しかないようだ。回りを見ると大抵は安オーストラリアを飲んでいるので、数年前に1本買って棚に飾ってあったと思われる。逝っている可能性が高いと思ったがやはり逝っていた。強烈なシェリー香。でも不思議とUnderlyingな物が判り、飲める。これもブルゴーニュに対する私の郷愁かもしれないが。
2006/05/17
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ここらの人は人懐っこく友達になるまでが大変だが一旦親しくなると本当に親身になって世話をしてくれる。本音を言えばちょっと世話焼きすぎるところもあるのだが、心からお世話したいという気持ちが見えるのでこちらも微笑んでなすがままに任せている。昔の日本みたいかもしれない。今日は出発直前ということでかなり仕事をしていたが夜八時になって宿舎に現地の友人が訪ねてくる。見ると、例によって取れたての魚を携えている。仕事はしなければならないが彼らの恩情に答えねばならないので行きつけのトラットリアで料理。と言える代物でもないが。まずはPorciniのタリアテレ。勿論この時期であるから乾燥であるが、秋に取ったものをゆっくり自分で乾燥させたものなので味わいとTextureは生の残滓がある。シンプルな料理だが好きである。魚もMouleも頂いたがこれはいつものことなので特に省略。今回、特別なのは鮪の子。写真では判らないがとにかくでかい。ポッタルガ(ぼら)の比ではない。鱈子だと10人分ある感じだ。これを漁民のレシピに従ってレモン果汁にオリーブオイルをほんの少し加えた水でひたひたにし、煮る。煮終ったら半分に切って開いて食する。余りにも量が多く、全部食べたらきっと急性冠状動脈瘤(そういう病名があるかどうか判らないが)を発症してしまうように思い、友人のみならず隣のテーブルの人にも分ける。素朴だが旨い。これにワインがあれば最高なのだが・・・ 現地物しかないのが悲しいところである。戻って仕事しようと思ったのだが、食べすぎで仕事続行不可能。明日は一層厳しそうである。
2006/04/23
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「ソムリエに助言を求め、それに従うのは初心者かかなりの上級者である」とは私の友人の言葉だが、その意味するところは明快で至言であるように思う。流石にブルゴーニュではまだソムリエに任せられないが(私より知っている人があまりいないこともあるが)新しい土地ではブルゴーニュを選ばずソムリエに任せてみるようになった。これが案外知らないドメーヌと出会えたりして楽しいのである。この日はLyonでの会議も無事終わり、お膳立てしてくれた元同僚を夕食に招待する。リスト(カルト)を見ると(すぐブルゴーニュに目が行く)Lafonがリーズナブルな値段で出ていて食指を動かされるが、家で飲めるワインをわざわざここで飲んでも仕方が無いので料理を選んだところで「おまかせ」にする。アミューズ。カリフラワーとポテトのムース、ピスタチオのソースにチーズボール。最後の出来が悪く、先行き不安になる。前菜は牡蠣と牛肉の盛り合わせ。面白い組み合わせだと思って頼んだのだが奇をてらいすぎである。牡蠣の鮮度は悪くない。今日は軽くメインはLoup。ソースはCidre風味ということだったがまあ、可もなく不可もないという感じであろう。ガルニは林檎とジャガイモを合わせたピュレ。Pommeにかけてあるのか。Portionが小さいので疲れた胃にはちょうど良かった。デセールはチョコレートとBrebiのムース、ピスタチオのアイスクリーム添え。これはなかなか面白かった。チョコレートをもう少し押さえればもう少し洗練されたものに仕上がると思う。さてワインだがブルゴーニュではないものという注文を出したので場所柄てっきりCondrieuを出すと思ったのだが意外や意外・・・・を選択した。これが結構合うのである。今回はこの選択でレストランに行った価値があると思った。さて、その選択とは一体何だったのでしょうか? 正解の方にはもれなくJayerのRichebourgをご一緒に招待いたします。ただ旅費は自己負担でお願いします(笑)。 しかも私にとって最後の晩餐となる時なのでいつになるか判りませんが・・・・。
2006/03/24
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Pastaの毎日が続く。Pappardelleにムール貝を合わせてみた。オリーブオイルで大蒜、玉葱のアッシェを炒め、シャンピニオンを加え、ゴルゴンゾーラでPappardelleの下味をつける。それにルッコラのアッシェで彩りをつけ、最期はワイン蒸しにしたMoule(伊語でCozzaと言うべきである)と合わせる。指示するのは私、作るのはChefのClaude。本来乳製品と魚介類は合わせるべきではないのだが漁師町であるので何でも有りである。彼もペストと海老と合わせたりしている。適当であるのがイタリア料理の良いところかも・・・
2006/03/20
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昨日からイタリア圏内でパスタの毎日が始まる。しょっぱなは行き着けの漁師相手のトラットリアでタコと赤ピーマンのスパゲッティー。メニューにはないのをコックのClaudiと話して適当に作ってもらう。蛸を軽くゆでぶつ切りにして炒めると適度に柔らかくなり、赤ピーマンと合う。中々いける。セコンドは軽くMerlunを焼いてもらった。イタリア料理はコースで取らなければならなく、大変というイメージがあるがこうやってシンプルに頂けばご飯に焼き魚という日本の料理とそれ程は変わらない。そういえば焼き魚を食べながらなんとなく、味噌汁があっても良い気がした。ワインは・・・・言わぬが花。
2006/03/17
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今回はアントレから魚2品までアントレはフォアグラ。ナチュレル、シナモン漬け、赤ワイン漬けの3種類。シナモンが良かったが量が多い。魚1はヒラメのサヴァイヨン。マテ貝がキチンと下ごしらえしてあったのは日本人のstagiereの仕事だろう。私としてはサヴァイヨンに焼き色をつけて卵の黄身の味を少し軽くしてほしかった。フィニッシュが気になる。魚2はオマール。これはありきたりで自分でも作れる。ここまで見てるとまあ、無難にこなしているがこじんまりまとまっているおような気がする。料理も別段エキサイティングとはいえないがほっとする感じである。残りは明日。
2006/02/28
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昨夜はParisから車でBourgogneに到着。3ヶ月ぶりである。早速ここで食事を取る。ワインはとりあえずこれにする。前回よりもリストが少しよくなったみたいだ。まあ、一時の栄華はもう無いがそれでもRoumierやDugat-PyのChambertinなど面白いところがある。残りは後日。
2006/02/27
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いよいよ発売を控えていろいろと内容がわかって来たみたいだ。去年はSt. Bonnet(★★→★★★)、Tinqueux(★→★★)の昇格ショックが大きかった。特に前者は2つ星の時に既に数ヶ月前からの予約が必要だったのにこれで完全に行く夢は絶たれたに等しい。後者も55ユーロで素晴らしいご飯が食べれたのに値段が大幅に上がりもう駄目である。自分の好きなレストランが昇格すると嬉しい反面、自分から遠ざかっていくみたいで一抹の寂しさもある。応援していた歌手がスターになるような気分か。さて、今年はCancale(★★→★★★)、Tour D'Argent(★★→★)が大きな目玉である。前者に関してはまあ東洋好みといってしまえばそれまでだが私的には腑に落ちない。まあ、行くこともないのでそれまでである。後者に関しては時代の流れということなのではないか。いずれMaximのようにMichelin拒否というのも一つの選択になるだろう。でもこれで行き易くなるような気がする。Cancaleの町Bourgogneに関してはなんとBenattonとChalemagneが★を取った。ちょっと早すぎる気もするが、これで彼らも鼻高々のことだろうし、ワインも取りやすくなるだろう。これから星を保つのが勝負である。かつて幾つものBourgogneのレストランが彗星のように★を取り、消えて行ったか・・・・がんばって欲しい。それにしてもSt. Pereの★★★は信じられない。去年行ったが拷問のようであった。星を落としたChagnyの方が洗練度、料理の質、サービスから言ってはるかに上である。Michelinの★と味とを混同している人が多いが、★は内装(雰囲気)、サーヴィス、料理、カルトなど総合点でつくので★があるから必ずしも料理が美味しいとは限らない。特に一つ★のばらつきは激しく、シャトーホテルのように外見が素晴らしい割りに料理はそこそこのから、ビストロ並の内装なのに料理が素晴らしいとか、いろいろである。値段も20ユーロ台から100ユーロ超とばらばら。個人的には内装や建物にお金をかけてただの一つ★というのは何となくかっこ悪いと思うのだが(実名は伏せる)。さて、明日からBourgogne, Champagneを回る。とりあえず、明日は楽しみのレストラン。その後は未定。
2006/02/26
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この前日本から来た友人に長崎からすみを頂き、その中の入っていた小冊子にからすみが実はローマ時代の地中海沿岸地方がもともとの発祥地ということを知ってびっくりした。実は私は毎年秋から初冬にかけて地中海沿岸の漁師の友人から、からすみを頂くが、てっきり日本から学んだと思っていた。日本のは桐の箱に入っていたが(薄い!)、友人のは新聞紙に包まれてある。室温だと2週間程で脂が回るので早めに食べる。(この写真は前のブログからの再掲)地元では秋口に取れた鯔の卵巣を取り出し、日陰で自然乾燥させ、このように豪快に食べる。酒はワインは合わず、グラッパだが。ポッタルガを食べ、生玉葱でさっぱりさせた後、グラッパを飲む。これを目が回るまで繰り返す。この時、私は一腹半食べてリタイヤ。半生タイプをちょっと焼いてたらこ風に食べるのも乙である。また残った身は海水につけて陰干し、干物にして齧る。これもグラッパにあう。因みにポッタルガ、鯔が最高でシチリア産のマグロのカラスミは凝縮味や野趣に劣る。
2006/02/22
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昨日はプレゼンの準備で超忙しいところに友人が「陣中見舞い」ということでムール貝を2キロ持ってくる。ギッシリとフジツボがついてるし、海草も貝に挟まっている。本来ならば数日置きに数時間海から上げてフジツボが繁殖しないようにしなければならないのを怠っている。味には影響ないがこれでは売れない。料理する前に掃除をしなければならないが時間が無いので行き着けのレストランに持ち込んで料理するように頼む。白ワイン蒸し。ヴェルデッキオを使うように指示し、仕事をしながら食事を取る。22時。単純であるが滋味があり美味しい。やはり新鮮なものは違う。ワインは持ってきたCotat03。酸が無いが何も考えずに飲め、こういう時には丁度良いかも。就寝4時。 今日のプレゼンが無事終わり、これから夜の宴まで一息つく。
2006/02/01
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私は日本人であるから勿論日本料理は好きであるが、日本料理というものは突き詰めて行けば素材を生かすために出来るだけシンプルに手を加えないということにあるとおもう。勿論、包丁さばきも重要であるが調味料も、醤油は勿論、昆布、味醂に至るまで厳選し、吟味を尽くし最高の物を最低限だけ使う。極論すると日本料理の奥義は「醤油、味醂をここで1滴入れるとか、水塩のあく取りを半分する」とかまるで禅問答のような感じではないだろうか? もし、全く違う次元の発想として醤油の代わりにナンプラーを使ってみるとか、七味の代わりにハラペーニョを使うと日本料理も新たな方向へ発展できると思われる。ただそうなるとこれは日本料理ではないという人が出るかもしれない。この本の作者はそういう感じで日本料理の新たな境地を開拓している。最初に聞いたときは胡散臭さを感じ、全然気にも留めなかったのだがこの本(2冊目)を見てちょっと考えが変わった。薬味にハラペーニョや酢味噌に練りこんでいる!)、コリアンドルなど新しいものを使ったり、食材もフォアグラを鱧に合わしたりしている。それでいて根本の料理はあくまでも日本料理であり、近頃の日本のフレンチとは違う。この鮪のタルタルとキャビアの組み合わせはエリック・フレション(ブリストル)もやっていたが彼の発想・盛り付けはやはり日本的である。(因みに自分でもやってみたがこれは見た目程合わない)異端と言ってしまえばそれまでだが、ある意味で前に書いたカンカルのシェフが日本の食材を使って新たなフレンチの境地を開いているのと同じである。いわばヌーベル・ジャポネ。ちょっとごてごてしたところもあり、決して私の目指す路線ではないがコース仕立てをカルトで選べる点も含めて日本料理がグローバルに受け入れられ世界のスタンダードになる可能性を感じさせてくれる。
2006/01/21
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私の書き込みから毎日美食ばかりしていると誤解している人がいるようなので敢えて日常の食事を載せる。基本的に時間に関係なく仕事をしているので夜は遅くなることも多く、努めて軽くとるようにしている。週末以外には出来るだけ動物性蛋白を避けて日常的には美食であると思うが粗食であり、このような食事である。結構マクロビに近いことが多い。ポワロを10分程スウェーして甘みを出し、玉ねぎのアッシェを加え更に炒め、後はセロリ根、ニンジンだけである。これだけで驚く程の甘みとコクが出る。勿論野菜は近郊の農家で分けてもらうビオ物であるが。これにバゲットとワイン。ワインは単純だが質の良い白を選ぶことが多い。こういう食事が一番贅沢であると思う。花は友人の差し入れ。ここまでは手が回らない
2006/01/05
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つくづくフランスは食文化の国だと思う。男が3人集まれば大抵、食か酒の話しである。秋や冬になれば田舎だと猟やセップ狩の話で持ち切り、パリだと来年のミシュランの話である。まあ私の周りがそういう人が多いというだけかもしれないが。。。さて、これは私が最近気に入っているジャムである。(厳密にはコンフィチュールでないが、まあそういうことはどうでも良い。)フランス中部のシトー派修道院(修道女)で作られている。日本だと普通、五欲を絶ち悟りを開くために宗教施設に入るがキリスト教では食欲は別勘定である。勿論売って活動資金にしているのだろうが、品質を追求するにはやはり「悟り」の心ではなく「こだわり」が必要であるから。砂糖は別段控えめではないが、Melisseの心地よい酸味が格別で果実のような重さがなく、パンにつけてもよし、紅茶にほんの少し入れて(勿論、朝に飲む屑茶である)も良い。この修道院、他にもTilleulやVerveine、Romerinなどのジャムを作っていてどれもなかなか凝っている。
2006/01/03
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今日はギリシア圏からイタリア圏に移る。国境にある湖でsalmo letnicaを頂く。陸封型の鱒で湖の固有種である。日本では阿寒湖のヒメマスと同じく、鮭の先祖に近いと考えられている。後、バイカル湖にも同様の固有種が存在したように覚えている。新鮮な魚はそのままシンプルに食べるに限る。ということでグリル。淡水魚であるので鮭のような野卑な味はまったく無い。非常に繊細な味である。ワインは友人が持ってきたVDQS。8年前のヴァン・グリである。セパージュは多分ガメとピノの混醸だろうが、時間が経っているのでかなり崩れている。ちょっと鉄分が気になるし、フルーツもフェイドアウト、酸も殆ど無く、ワインとしてはちゃんと生きている。前にB氏のところで頂いた85のロゼ・シャンパーニュの炭酸が抜けた感じでそれ程悪くは無い。それにしてもこんなワインを良く長く持っていたものである。ただ感心する。
2005/12/13
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イタリア圏を出ると、漁村料理にパスタが出ない。アンティパストは烏賊のマリネである。軽くボイルし、オリーヴオイルとレモンでマリネ、パセリと和えて冷やすだけのものである。メインも魚の塩焼というシンプルなもの。塩はその辺で作ったもの、これにオリーヴ・オイルとレモンをかけて食べる。当たり前だが同じ地中海の魚でも国が違うと全く違う名前である。仏では大きいほうの魚はメルラン、小さい方はルージュであるが、ここでは別の名である(前者はブなんとか?後者はバルブニと呼ばれている、イタリア名も違う)。ムール貝もでる。巷に出回っているムール貝は大西洋が多いが、地中海ムール貝(学:ミティルス・ガロプロヴィンシャリス)は味、大きさとも一段上である。単純な料理ではあるが、魚・貝は水揚げ直後のもので新鮮さが違う。この料理に皆は赤。レモンをかけて食べるので並みの白だと酸が負けてしまうからであろう。驚いたが飲んでみると非常に爽やかである。ボジョレーに似ていると言える。決して取り合わせは悪く無い。シシリーのネロ・ダヴォラもそうだが南でこんなにエレガントなワインが出来るとは驚き。今回の食事は単純なものであるが、酒を含めて全材料が地のもの、旬のものでテロワールに適っていると納得。
2005/11/16
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昨日は「面白い物があるからおいで」ということで友人の家に行く。友人が見せてくれた物はイタリア語でダーテリ・ディ・マーレ(海のデーツ)。(あえて学名を書かない)外見はマテ貝(Razor Clam)に似ているがまったく違うものである。(私はマテ貝は食べない)地中海の貝の中でだんとつで一番美味であるが砂地ではなく、岩に穴をうがって住むので岩を壊さなければ採取できず、ハビタットを破壊するということで去年ワシントン条約のAnnex II上の禁制品になったはずである。勿論レッドブックにも載っている。出先を問われるのでレストランに出ることも無いし、ましてやガイド本にのるなんてことはなく、一般の人は知ることがないだろう。多分近隣国からの個人相手の密漁品であろうと推測。Annex Iでは無いので輸入国の承認は必要ではなく、条約未批准国から買っても罪にならないという現行法の盲点をついているので私もそれ以上何も言えない。勿論食べるだけならば罪に問われることは無いだろうが、罪悪感を強く感じる。しかし湯気とともに立ち上ってくるほのかな海の香りをかぐと猛烈に食欲が湧いてくる。理性か、本能か、難しい局面である。友人が早く食べろと勧め、フォークを持たされる。ハムレットの局面である。この後の私の行動についてはあえて書かないことにする。
2005/11/11
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ここのところパスタ続きで食傷気味である。決して嫌いではないがいくらソースや形を変えてもやはり単純で、味に奥行きが無い。まして一皿全部同じ味なのでまるで日本の丼的食事である。プリモを省いてセコンドだけにしても良いのだがセコンドも結局焼くだけで付け合せとの相性とかそういうのを考えてない。まあ、イタリアというのはそういうものだと割り切るしかないか。今日のパスタは兎である。Lapre(Lievre)と言っていたがConiglio(Lapin)であろう。兎をグリエして軽くトマトで煮込み、フェットチーニ(タリアテレ)で合えてある。悪くはないが、全体的に味がくどい。せっかくの兎のデリケートな味がトマトの酸味で隠れている。これなら廃鶏でも変わらない。ちょっと前に食べたフランスの一つ★の兎を見よ!一つの皿の中にいろんな要素があるではないか!トリュフとジロルに守られて兎もきっと成仏するだろう。
2005/11/06
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平均すると1週間に一度は飛行機に乗っている。通算するとここ10年で150万マイル位か。必然的に機内食に接する機会も多い。餌のようなものも多く、あまり食べないが、稀にまともなものもある。折々、写真を撮っていたら溜まってきたので徐々にまとめていく。ここ2~3年SQ,EK,AF,LH,NH,JL,UA,TK、DL等いろいろ乗っているがずばり一番美味しいのはラウダ・エアである。酒の種類は多くは無く、料理もシンプルであるが、材料が良く、新鮮である。いつぞやはヨーロッパ内の短距離便なのにタイ・カレーが出てしかも並のレストラン位良くビックリした。さて、今回はその機内食。まずはアミューズ。これは単純でAFとは比較にならない。その次はスープ。昨今は手間がかかるのであまり機内食ではでないが、まともなスープである。大皿から一人一人盛り付けている。アミューズも普通であるが他のエアラインと違い材料が割合新鮮なので食べられる。メインの魚。魚はコストからBarではなく淡水のPikeだと思うがきちんと焼けていてビックリである。付け合せも悪くない。こうなると、ワインリストがヒドイのが痛い。(赤、白1種類、シャンパーニュ無し)。OSの資本下に入り、日本発着便がないのが残念である。まあたかが機内食なので結局どうっていうことは無いが。
2005/11/01
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こんなものを美味しく感じてしまう自分が許せない・・・・
2005/09/27
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