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前にも書いたが、ブルゴーニュとシャンパーニュでは人が決めるパラメーターが多々存在する。NVならセパージュのアッサンブラージュやリザーブワインの配合、Vielliessementの期間、デゴルジュのタイミング、それに異なる村のアッサンブラージュ! ブルゴーニュでは単一村のみならず1級以上は原則、畑で作るのが当たり前なのだが、シャンパーニュでは村まで混ぜてしまう。AmbonnayとLe Mesnilを混ぜてロゼを作る事は、ChambertinとMontrachetを混ぜてBourgogne Rose Grand Cruを作るようなものである。こういうことを個々人の胸先三寸でやっている。或る意味で恐ろしい事だ。これも何度も書いたがRMの怖さは 同一キュベ、同一エチケットでも作りのパラメーターが変わり、全く違うワインになってしまう事だ。一昨日は昔の憧れのドメーヌについて書いたが、この作り手もかつては素晴らしいと思っていた。このキュベを15年以上前に飲んだ時はPMからこんなに綺麗で純粋なワインが作れるのかと感嘆したものだ。骨太だが、エレガント。格付けのない村からこういう二律相反する要素を際立たせてシャンパーニュの可能性を感じさせてくれた。その時点では間違いなくRMの頂点の一つだった。その後、作り手自身からこのキュベの上にもう一つ上位のキュベを作り、このキュベをアッサンブラージュにしたと聞いて両方試してみたが、その上位のキュベ(確かPM100だったと思う)とこのキュベ両方ともそれ程感銘は受けず、二兎を追うものの印象が残った。それから何年も経ち久しぶりにこのワインを試して見る機会が有った。Viellissementは7年だが、PM 65, PN25, Ch10のアッサンブラージュで、やはり力は無く、大人しい普通のシャンパーニュだった。私にとってこの作り手の章も終わりである。
2017/10/29
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このブログでは基本的に同じワインは一度しか書かないのだが、一口飲んで溜息を吐いたのは久しぶりなのでもう一度書く。先に飲んだ時より2年が経ちワインは確実に開花していた。ワインはmasculinながらも絹のような滑らかさtextureさ、果実の厚み、そして獣味、ほんのりとしたエピス。フィネスさえ有る。 美味しいが野卑なBeauneのワインでは無く、複雑で気高いCdN。前に飲んだ時のようにGevreyだと思う。否、並みのGevreyでは無く少し重みのあるLatriciere だ。 Beauneの3つのクリマを超古樹(t.v.v)を合わせ500lのfoudreで醸造。 個人的にはGevreyと思うだろうか、 合わせたこの3つのクリマの選択も絶妙だからだろう。それぞれ、男性的なクリマ、女性的なクリマを混ぜ、両者でキャラクターを作り、少し硬質で粗野な3つ目のクリマが骨格を与える。そしてpieceで無く態々foudreを使ったのは新樽の接触面積を抑えるのが主目的だろうがelevageから3つのクリマのワインを混ぜて一体感を確立させるためもあるように思う。ひょっとしたら発酵方法も普通キュベとは変えてるかもしれないが、その辺は判らない。「名無しのクリマ(1級)」のワインは中々美味しい事が多い。DRC、Vogueは特級の若木が入っているからまあ、当たり前と言えばそれまでだが、H. Lignier、C. Dugat等はメランジェで素晴らしい1級を作っている。だが、それらのワインはやはりそのクリマを超えてはいない。この絶妙な組み合わせ、適切な作り〜それは多分彼の直感に基づくものだろうが〜からクリマを超えたワインを作るのはやはり天才しか言いようが無い。Foudreで2樽だから年生産量は1200本程度、かなりのレア物に属するだろう。作り手自体が生前は余り評価されておらず、このワインも殆ど日本に入っていない。そして作り手が亡くなりプチブレークし、バックビンテージが再輸入された後も、このワインだけはかき集めれなかったのだろう、やはり日本には入っていない。このワインもまだまだ開花したばかりで今後10、20年とゆっくりと本咲きになるだろう。そして私もその開き加減を見ながら時折開けて行くとしよう。何と無くだがそれまで頑張って生きていけるような気がしている。
2017/04/07
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毎日忙しくて更新する暇が無いのだが、ここの生活は結構性に合っているようで、ここに長逗留してしまう危惧を持っている。さて、手持ちのワインリストを或るオークションに送ってみたのだが、中々意外な結果が返って来た。最近の経済状況は判っているつもりだが、85のクロパラが800ドル、87のRichebourgもそれ位の値で「これだったら自分で飲むわい」と取り敢えず様子見にする。一方DRCは流石に王者の貫禄で安くなっても、RichebourgやRSVが1000ドル以上である。こちらを処分する事を考えている。さて、今日の食卓は鴫らしき鳥。久しぶりの野鳥である。血の味が濃く滋味に溢れる。NSGか北ローヌでも合わせたいところだが、ここでは想像だけである。
2009/03/06
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ここは森の国である。森といえばやはり茸。乾季から雨季にかけて森には数々の茸が生える。森の傍らにやおら茣蓙を敷いて摘んだばかりの茸を売っている。(これは発展途上の森の国なら大抵どこでもある。前にいたユーゴスラビアやルーマニアでは森の外れでジロールを売っていた。フランスやイタリアになると市場のネットワークが出来ているし、捕り手・売り手のOpportunity Costが高いので森の外れで長時間ただ客が来るのを待つということができないので普通そういうことはない。)さて、ここでは数種類の茸が雑多に混じって売られている。良く見ると明らかにBoletusと思われる茸もある。少し興奮。早速買って調理してみる。因みにここに見える一山は30円で、二山50円、5山で100円である。躊躇わず買占め。食べてみると現地語でHet Phum(蜂蜜茸)というだけあって甘みを感じる。本家のポルチーニ(Boletus edulis)と遜色ない位の美味しさである。この国には基本的に山の民と平地の民に分かれていて、平地の民は毒茸を怖がって食さないので不思議な事にこの手の茸は市場では全く売れない(山の民はわざわざ茸にお金を出さない)。この日も買っていると通りがかりの何人かにどうやって食するのかと尋ねられた。結局、リゾットやパスタも考えたが、量が多いので征伐しなければと全てオリーブオイルでソテー。この日は夕食は結局ポルチーニともち米だけであった。米が出たところで次回は少し米の話をしてみようと思う。ここは米の種類が世界一多いことでその筋には良く知られている。中には古代米と思われるのがあり、これが物凄く旨いのである。
2008/06/08
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気分も新たにもう一度ブログを更新しようと決心したにも拘らず、中々腰が重くなっている。ひとつは私がネットがなかなか繋がらない環境にいるせいもあるが、自分自身、心境の変化でネットからある程度距離を置くようになった事が主であろう(これについてはおいおい書いていきたいと思う)。さて、今回は栗鼠の続きと蜥蜴。栗鼠の開きはOlamと呼ばれているスープにする。栗鼠の開きを砕いて、茄子や香草を入れて煮込むものである。栗鼠の開きは結構美味でジビエに通じる赤身で、開きにされ熟成されているためだろう、イノシン酸の味が濃厚で鰹だしと共通する味わいがある。蜥蜴はこういう風に森のはずれで売っている。それを買ってぶつ切りにしてさっと炒める。持参のオリーブオイルで炒めたがオリーブオイルもさぞびっくりしたことであろう。あっさりとした中にも仄かな赤みの味がしてかなり美味である。Gevreyあたりなどと相性が良いかもしれない。但し皮は硬くて食べずらいのでちんとフィレにしてから料理するのが好ましい。こういうゲテモノばかり食べている訳ではなく、結構垂涎の食材も多い。次回はそれについて。
2008/06/06
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ブログをResumeすると宣言したのに拘わらず、中々前のようにほぼ毎日という訳には行かない。ここではネットの環境も悪く、また結構飛び回っていて腰を落ち着ける暇も中々まとまって取れない。コメントの返信もままならず、訪問してくれている人に申し訳なく思っている。しばらくの間、kindly be patient.さて、今回はこれ。筍と同時に送って頂いた鯵の開き、ならぬ「栗鼠の開き」。地元ではこれを水に漬して戻しその後、筍や小玉茄子(私の命名。ビー球位小さく苦い)と一緒にに煮出してスープにする。味はビーフジャーキーに似ているがイノシン酸のせいか、少し鰹の味もする。因みに脳はピータンの黄身の味とTextureで、珍重されている。さて、これをどう調理しようか思案のしどころである。
2008/05/04
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結局壮行会は私が料理をする羽目になってしまった。旅に出ると料理する楽しみが中々持てないで嬉しい限りである。最近はレストランで食べる料理に全く感動しなくなってしまった。さて、友人達が鯛、蟹、烏賊、帆立、海老等を持ってくる。友人達と談笑しながら軽く料理していく。オープンキッチンの様に緊張。鯛は中骨で潮汁を作り、冬瓜を煮る。煮た汁をブランシールしたカリフラワーとポワロと一緒にミキサーにかける。つなぎに少し米を入れる。緑はルッコラ。バターもクリームも使わない。単純だが私は料理はもうこれで良いと思っている。
2007/01/21
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近海物のBlue Finが入ったからと魚屋から連絡がある。丁度仕事が一服した所なのでそそくさと出かけて行くとちょっと小さいながら確かにBlue Finであった。地中海鮪の規制が始まって又日本のBuyerが少しAggressiveになったのに何故?という問いには「飛行機に乗り遅れたのさ」と笑って答えてくれる。お陰で私の口に入るわけだが。さて、中トロの部位は別にして赤身は最近私が気に入っている食べ方。薄く切り片面を焼いて手で千切る。アボカドとアリコ・ヴェール、ドライトマトのアッシェに胡麻、シブレットを混ぜバルサミコ(黒)、溜まりにノワゼット油でソースを作る。ちょっとアンチョビーも加える。はっきり言ってサラダ・ニーソワーズだがこちらの方が美味しい。
2007/01/13
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季節感が無くて恐縮なのだが、熱帯から帰って来たせいかどうも体を冷やす食材を欲しているように思う。年末・年始のパーティーに疲れた体の為に適当に作ってみた一品。アーティチョークとトマトのアンティパスタの残りをさっとオリーブオイルと大蒜で炒めて生のリングイネを絡め、色合いにルッコラのアッシェを加える。火を止めた後にプロシュートを加え(熱が完全に通ると美味しくないので)仕上げにトマトのジュを振り、少し加熱する。トマトの生のフレッシュさを残すのがコツである。厨房料理だが結構美味しい。
2007/01/03
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魚料理を幾つか。最初は鮪のタルタル。タルタルの中身はネギトロにほんのりノワゼット油を加えトロミと風味を出し、更にローストトマトのアッシェを加え酸味を出す。それに軽くグリエした薄切りの鮪で包む。鮪はボストン産のBlue Fin。個人的にはこれ以上の鮪の食べ方は無いと思っている。次は厨房料理風に軽く鰯のグリエ。最近鯖が見直され高級魚入りを果たしたようだが、鰯はまだまだ下魚である。とはいえ、新鮮な鰯はご馳走でにんにくを絡めたオリーブオイルでポワレするとかりっとして野趣溢れ、高級魚とは違った良さがある。地中海漁師料理のようにポテトをあわせる。ただセロリ根を入れて更にローストトマト、シブレットのアッシェを加えて少しSophisticateさせたが。鰯はきちんと開いて骨を抜く事が肝要である。セルクル型で打ち抜けば一品にもなる。ワインは今日はこれ。大手と言っても良い作り手。ブーケはちょっと重めのフローラルにエピスが混じる。樽だろう。だが、飲んでみると案外樽は感じず、果実分がきちんと前面に出た堅実な作り。白果実も厚く、しっかりとこのアペラシオンの特徴が出ているように感じる。ただ酸は目減りしていてちょっと酒質が重いのが気になる。フィニッシュもまあ中庸で全体的に良く出来ているがやはり心惹かれることは無かった。
2006/12/29
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久々に自分の台所で料理をする。旅先でもキッチンを借りて料理をしたが勝手知ったる自分の居城は全く違う。体が動線を知り尽くしているので無駄な動きが無いし、料理器具が自分の手にフィットする。体が疲れているのでレストランに行きたくなく、シンプルな料理。あるレストランからアイデアを借用(というより盗用)。タラバガニにスペルト小麦を混ぜる。タラバガニは下茹でした後、白バルサミコとライムに漬け臭みを取っておき、盛り付け直前にトマトのジュで和える。この手のシンプルな料理なら家で十分である。ワインは熟練の作り手の秀逸な畑。94ということでちょっと膨らみがあるのは否めないが、透明感溢れる。フィニッシュにかけてのミネラリーな感じはBatardとは育ちが違うことを端的に物語っている。年が明けるとまた、旅に出そうな感じである。この年末年始は料理に専念しようと思う。
2006/12/27
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今日は旅出前の最後の週末なので自分の為に料理を作る。マルシェで丁度出始めのビーツ(betrave)が有ったのでそれをソースにしたら綺麗だろうな?とふと思いつく。ビーツは少し甘いので甲殻類かシェーヴルの焼いたものかどちらかだと思ったのだが直感的に甲殻類、それもクラブケーキにする。クラブケーキはこの辺りから南部の伝統的な料理で渡り蟹のほぐした身に野菜を加え、卵白で繋いだものである。クラブケーキをほろっと崩してビーツのソースを絡めて食べるとほんのりとした甘さが渡り蟹の風味を引き立てると感じる。ソースはシンプルにビーツを軽く茹で、ポワローをスゥエーしたジュで茹で、ミキサーで潰す。少し白ワインを加え酸味を出す。シンプルに食べたいのでバター類は一切無し(私は最近バターを一切使わない)。仕上げにロケット(ルッコラ)を載せ、白バルサミコとマスタードのソース。シンプルだが中々味わいがある。合わせるワインは勿論いつものシャンパーニュ。相性は抜群である。先週のCoup d’Etatで旅出が数日延期になり、時間をロスした為、西回りで日本に立ち寄れない。次に寄るのは一体いつになるのだろう?
2006/09/24
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これがメイン。鯛をシンプルにポワレし、グリルした夏野菜を添えた。上にはルッコラの小さいのを載せ、バルサミコとバジル風味のオリーブオイルをかける。アクセントとしてバジルのピュレ。夏に相応しいクリーンな味である。ワインは次回。
2006/09/18
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アミューズはちょっと魚の切れ端を軽くグリエしたもの。鰆、いいだこ、海老。ソースは白バルサミコ、オリーブ油、マスタードにたまり。さてこれが最初の皿。烏賊の糸造り、鯛のタルタル、鮪のたたき風(薄切りの叩きでネギトロを巻く)、タラバガニのライム和えにひらめのテリーヌ。スーシェフなしなのでここまでが限界である。この後のメインとワインは次回。
2006/09/17
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本日の卸の成果を載せる。今の旬は鯛、鮪。鮪はボストンからの回遊でかなり脂が乗っているバチ。メインからのオマールは終わりつつある。後は烏賊を求める。 土曜日に秘書連中を呼んでいたら、友人であるBeauneのクルティエから連絡があり、日曜日に仕事を終えたので、立ち寄りたいとの事。HdBの件や何やらでいつもお世話になっているので夕食に招待することにする。 さて、秘書連はともかくクルティエのためのワイン選定は難しい。先日はブラインドでしてやられたので、今回はお返しであるが、むやみに彼女と関係のないドメーヌを出すのも気が引ける。考えどころである。
2006/09/17
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ピカビアさんがブログに書かれていたがクロスバンタムというとうもろこしの種子が無くなってしまったらしい。何でも昔の種で甘くなくてもちっとしていたらしい。私はとうもろこしを料理に使う際には余り知らず適当に選んでいたのだが最近は専らこれを料理に使っている。極軽く茹で、種子を取って野菜と炒める。甘さがくどくなく、べたつかないので重宝している。他の種類は甘すぎてどうも駄目である。今回はバジルとリコタのラビオリに添える夏野菜のソテーに使う。ソースはアメリケーヌ。夏野菜もあと1週間程で終わり、秋が始まる。
2006/09/13
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この所音楽・ワイン続きで磁器と料理のバックログが増えてしまったので久しぶりに料理を載せる。これはカジキを薄く切ってバジル風味のオリーブオイルに漬け、短時間グリルパンで焼いただけのものだが、カジキの新鮮さ(Game Fishingのを頂いた)の良さが出ていて美味しかった。付け合せは適度に焦がした玉ねぎにフェンネル、ズッキーニの花、ローストトマトをグリエしてあわせただけ。ワインもシンプルに。練習があるので余り飲めない。余談だがこのバジル風味のオリーブオイルは重宝する。単にバジルの葉、数枚をオリーブオイルの瓶に入れておくだけである。サラダにもグリエにも良い。
2006/09/10
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昨日の料理。残り物を使う。ブランダードだが中身は鱈では無く、鯛。オリジナルのレシピではクリームで伸ばすのだが、コレステロールが気になる年であるので、これも豆乳に変える(こっちの方が魚の味が生きる)。彩りと味のアクセントの為にシブレットのアッシェを加え、季節の野菜のソテーを添える。トマトソースはスクラッチから作った物。トマトをミキサーで潰し、大蒜とオリーブオイルで炒めながら30分位煮るだけで出来てしまう。酸味が死んでいる市販の物とは大違いである。ワインは後程。
2006/09/04
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昨日作ったものから一品。いつものパターンだが夏はサフランが良く合うと思う。フュメを取ってにんじん、ポワロ、玉ねぎ、セロリのジュリエンヌを炒めて合わせ、サフランを加えてスープにし、ジャガイモを入れてちょっと粘性を出す。アイヨリは加えずあっさり。ワインはこれ(勿論白)の00。ボディーはあるのだがちょっとゲヴェルツを思い起こすような草を感じさせさる青さとミネラルでフィニッシュにかけて締まる。中々に良いワインである(当たり前か)。
2006/09/03
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この所余り書いていなかった料理を今日は久しぶりに載せる。夏も終わりに近くなり夏野菜も段々とシーズンが終わりつつある。食欲が落ちがちな夏の普段はそういう夏野菜を手早く料理して軽く済ませる事が多い。夏は体を冷やす野菜が多いので陰陽の面からも理に適っているように思う。南仏と南伊の組み合わせであるがその辺は愛嬌ということで・・・ズッキーニの花のリゾット。物の本を見るとブイヨンを使ってある事が多いがブイヨンだとどうしても野菜の甘みが潰されてしまうと感じるので私は玉ねぎのスライスを軽く炒めてコクを出す事にしている。特にこのズッキーニの花のような繊細な味の場合は大事である。ラタテゥイユ。これも各家にそれぞれ流儀があって面白いが、私は以前Provenceのある村の村長さんのところの奥様(といっても70代だが)に教わったように玉ねぎと大蒜を炒めてコクを出してから各野菜を順々に入れて最後に混ぜ合わせて煮る。長時間煮てペーストのようにしても良いがメインとして食すなら少し歯ごたえを残すように軽めに煮た方が好きである。ワインも軽めのもの。今日はこのワインを合わせた。VTは99。酸が丸くなってかなり飲みやすくなっている。マチエールは余り無くちょっと膨らむがまあ、Terroirを考えればしょうがないであろう。そう言えばこの作り手も最近はあまり聞かないところを見るとブームは去ったようである。
2006/09/01
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さて、最初の皿は冷製盛り合わせ。トマト、ラタテゥイユ、鯛のベーニエを冷やしてライムでマリネしたもの、オマール(アボカド、マンゴ)、それに烏賊の刺身。刺身は非日本人の客のリクエストでご愛嬌である。ラタテゥイユは私の大好きな一品でこの時期大量に作って主食代わりである。友人の祖母の教え通り、最初にたまねぎを10分炒めて味のベースを作るのがコツ。次はブランダード。本当は鱈を使い、クリームで伸ばすのだが今回は鯛を使い豆乳で伸ばす。まずいわけは無い。メインは八角もどきを使ってBourride。ポワロー、にんにく、玉ねぎとアラを炒めてサフランを加えたスープ。魚の身は別にサフランとオリーブオイルでマリネしておく。身はゼラチン質が多く煮崩れないので2時間ほど弱火で煮て味をしみさせる。ワインは後ほど。
2006/07/23
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今日は友人達が来るので朝から卸に買出しに行く。夏休みなので漁に出ていないかと思ったのだが(本当にこういうことがあるのである)本日はまずまずの品揃え。いつもの鰆、烏賊、オマール4匹、小鯛、イシモチ、と定番を揃え、更に八角のようなカサゴ属の魚を求める。一応ワインは決まっているのでそれに合うようにこれをどう料理するか昼までに考えなければならない。
2006/07/22
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久しぶりに例の画家の作品を載せる。前回の作品と同じような構図だが時期はこちらの方が少し後で若干技術的に良くなっているように思う。これもキャンバスではなくボール紙に書かれており全く売れなく疲弊していた頃である。 いつものように灰色が主体で鬱屈して沈みゆくヨーロッパのアンニュイさを表しているが正面の建物には何となく薄日がさしているように思える。
2006/07/05
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鯖は魚の王者のように思う。鯖程コクがあり、繊細で野趣味に富む魚は少ないと思う。流通経路で傷む事が多く匂いを消すために味噌や生姜を入れ煮物にするので一般には下魚だと思われているが(傷んだ魚はどうやってもだめである)、新鮮な物は生で良し、焼いて良し、〆て良し、茶漬けにしても良しと色々な料理方法で楽しめる。南伊ではなんと蒸してオリーブオイルとレモンをかけて食べる。元々漁師料理だったのだが今ではレストランでも出る。流通が難しいので高価であり、贅沢料理になってしまうが。さて、これは友人のレシピを少しアレンジしたもの。鯖を軽く燻蒸し、レモンとオリーブオイルでマリネしてほぐし、フヌイユ(フィノッキオ)のローストしたものを切って合わせるだけの簡単なものであるが、鯖とフヌイユの香りがなかなか合う。鯖の身が柔らかいのでリングイニは生麺でなければならない。黒いのは超粗挽き胡椒。鯖の脂分を引き締める。これに合わせるワインは中々難しく、寧ろ日本酒の方が良い感じがする。現地ではグラッパであった。フヌイユはローストが一番良いように思う。しゃきっとした食感は残るし香りもほぼそのままだが甘みが増す。ゆでると力がなくなる。
2006/06/23
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昨日の食事は少し軽めに野菜をロースト。ホワイトアスパラ、新たまねぎ、ジャガイモをオーヴンでローストしただけの物だが野菜の甘みが出ていて美味しい。一度ローストの美味しさを知るとブランシールするとなんだかミネラルやうまみが溶け出した感じで物足りなくなってしまう。今晩の友人にはこれをミキサーで潰してポワロをスェーして甘みを出したベースで伸ばしヴローテにする予定。アントレの一つはタラバガニ。脚の部分を白バルサミコと煮切り白ワインでマリネ。試作としてL’Astrenceの皿を真似てみる。屑身をほぐし白ワインとグレープフルーツで軽く煮てAvocadoで挟むだけのものだが柑橘系の酸味が強すぎる。今日はグレープフルーツの代わりにマンゴーで試すことにする。ワインはCotat 02。何も考えず素直に美味しいと思って飲める。
2006/06/17
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昨日は友人が来たので料理を作る。まずホワイトアスパラの冷たいスープを出した後、リクエストで何故か刺身。その後のメイン。ゲームフィッシングの流れものがあると魚屋から連絡されたのでいそいそと出かけてカジキを求める。初夏であるし、繊細なカジキを生かすためにさっとグリエしてローストした野菜と合わせる。ソースもシンプルにバルサミコ、オリーブオイルに少量のたまり。ワインも少しシンプルにしたいので若いブルゴーニュ白ということでLafonのVillage99。勿論薄いが愛らしいワインで酸が綺麗。初夏にふさわしいワインである。
2006/06/11
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残り物を使って時間をかけずに料理する時はProvence料理に限る。これはトマトの薄切りにオリーヴオイルをかけグリエした上に、鯛をポワレしたものを乗せただけの簡単なものだが酸味があり、初夏には下手なソースをつけるよりも食欲が湧く。ワインもテロワール通り(?)にプロヴァンス物。久しぶりに飲んだが厚ぼったくどうも好みではない。Chが入っているためかある意味でエルミタージュブランの酸の少なさと南のシャルドネの厚ぼったさが強調され、透明感、切れやフィネスというものを感じない。アリゴテのほうが良かったように思う。明日はアリゴテか?
2006/06/07
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2皿目は平目のトロンソンのグリエ。ぶつ切りである。添えたのはフュメドポワソンで和えたPetits Poisのピュレと菜の花(ラペ)。シャブリに合わせる様に軽い料理にした。シャブリとの相性は悪くないが(VTは92)料理としては普通である。3皿目は季節柄オマール、アスペルジュとモリーユのソテー。ソースはオマールのジュを思いっきりルダクションしたもの。如何にラヴノーといえどもシャブリでは流石に役者不足なのでセラーから別に1本持ってくる。さて、何を選んだであろうか?
2006/06/05
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今日は早速友人が来て料理をする。わざわざ友人が代わりに卸に行き、朝5時半に魚を届けてくれる。さて、久々の料理で腕が鳴る。さて、最初の1品はひらめと鯛のテリーヌ。いつもながら魚と卵白、豆乳のみ。グリーンピースのピュレを混ぜているので薄緑色。ソースは自家製ヨーグルトとシェーヴルをベースにしたシンプルなもの。魚の味がダイレクトに出ていて自分の作品ながら美味しい。ワインも友人の差し入れ。感想は明日。2皿目以降も明日。
2006/06/04
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96のブルゴーニュ白に異変が起きているというのは昨今になって噂の域を超えつつあるように思う。端的に言うとPremature Oxidation(熟成前酸化)により、ワインが急速に衰えつつあるのだ。私自身もここ1年のうちにHdBを始め幾つかのボトルで酸化したワインに当たったことはあるが、その時にはSystematicな問題であるとは思いもよらなかった。Ramonet, Sauzetばかりでなく、Lafonといった超一流の作り手でもこの問題が指摘されている。私の友人と連絡を取ったが彼が先週試したLafonのPerrier96もかなり酸化が進んでいるとのことであった。(彼はドメーヌ直で複数本買って空調管理の地下セラーで保管しているので保存状態に関してはほぼ完璧である)。AAAさんのレスにも書いたが今年DominiqueがMeursaultのポレで96だけ出さなかったこともこの問題を確認する間接的な証拠とされている。さて、この問題、原因はまだ特定されていないし、ボトル差もあることが知られているが、主因がSO2の量不足であることはほぼ間違いないと思われる。折からのBioブームでドメーヌ、特に優良ドメーヌはBiologiqueやBiodynamicsに転換し、SO2を抑え始めたのが90年半ばである(Leflaiveが転換を終えたのは93~94だった筈である)特に96は酸が高くまたTirageの普及により幾つものドメーヌでSO2は極力抑えられた(酸が高く、腐敗果が少ないととSO2は少なくて済む)。MLFや熟成によりPHが高くなり分子SO2の濃度が少なくなり酸化が進んだというのが一つの仮説として立てられるのではないだろうか?(熟成とPHとの関係に関して研究はまだ見ていない~この辺はみりんさんなら知っているかもしれないが)副次的な要因としてコルクのばらつき(SO2を含む)や保管状態、バトナージュも問題であろうが、SO2の問題が一番大きいと思う。現に幾つかのドメーヌはこの問題を契機にSO2の量を多くしたと聞く。さて、残りの96、どうしようか処遇に悩む。
2006/05/16
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新しいチームメートと共に新しく担当となったClientを回っている。私の食に対する情熱が知れ渡っているらしく、きらびやかなレストランでなく、現地に通じている人でないと判らないところへ連れて行って頂き、大変感謝している。さて、この日は松茸。ということで指示して軽く焼いてもらう。この時期にあるのはやはり高温多湿ならではであろう。日本の松茸のように香りが高いのは採って間もないためだ。同じ高山地域で栽培される黒もち米も美味しく、この地が気に入る。米焼酎も悪くない。郷に入ったら郷に従え、やはりTerroirの理であろう。今度来るときは自分のワインを持ってこなければならないと考えていたがあまり必要もないかもしれない。
2006/05/12
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残り物を使った自分用料理。平目は5枚に下ろし上身を昆布で閉め、オリーブオイルでポワレ、野菜をいろいろ合わせた。平目はそのままでポワレするとがさがさしてあまり美味しくないので半日から1日昆布で閉めて水分を抜き、味をつけてからポワレ。日本と違い天然ものである。舞茸、アスパラ、フヌイユ、アーティショー。トマトは夏野菜だがご勘弁を。ソースは前の残り物で蚕豆。ワインは今度ちょっとシンプルなものにする。
2006/05/03
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旅から帰って来て大学院を終え5月から戻ってくる友人の復職祝いをする。仕事の上で少しハプニング(a pleasant one!) が手間取り、帰りが遅れたので簡単なものにする。材料は仕事前にあらかじめ卸で買っておいたので助かった。まずは烏賊と海老のガレット。卵白で固め、クリームの代わりに豆乳。仕上げにレモン入りのオリーブオイルを少し散らす。トマトのクーリーにローストトマトを添える。次はいつものオマール。ソースは金柑入りのブールブラン、バター抜き(笑)。われながらあまり芸が無い。メインは鯛のポワレ、春野菜適当添え。例によってバター無し。ソースは潮汁に蚕豆を溶かし込んだもの。この辺になると流石に酔いが回って盛り付けがおざなりになっている。さて、ここで問題です。これに合わせたワインは何だったでしょうか?
2006/05/01
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トラットリアやリストランテを食べに行っていつも不服なのは最初にスパゲッティが出てくることである。最初に安いものでおなかを膨らませて肉や魚の消費を抑えようという歴史的な生活の知恵かもしれないが、現代にそぐわないし、日本人ならやはり締めにスパゲッティを食べたいと思うのだが・・・・・スパゲッティはともかく、お酒を飲んだ後に締めにラーメンやお握り等、ちょっとした炭水化物を取る日本人は結構いる。私も時折日本からの客が来ることがあり、その際にはフレンチ仕立てでも一応最後に何かしらの軽い炭水化物を出している。これがその一つである。もともとは私用の厨房料理だったのだが、結構好評で定番になりつつある。作り方は至極簡単でトマト、玉葱、セロリ(少々)、大蒜(少々)をオリーブオイルを加えミキサーに入れ、気泡を入れ冷蔵庫で軽くシャーベット状にする。様はガスパチョである。それに麺を足すだけ。ただし生麺に限る。生麺は表面に軽く気泡があいていてそこにソースがなじむからである。さっぱりして口直しにもなるし、腹も膨らむ。最後の一口は量よりも味であると思うので一口で十分である。
2006/04/13
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カスピ海産caviarが遂に禁止になる時も近くなって来たようだ。日本でもそうだが密漁にはRussian Mafiaがからんでいるので中々取り締まりが難しく、最終的には取引全面停止しかないだろう。数年前にカスピ海沿岸諸国で仕事をしていた時にはお土産に良く頂き、時にはBerugaの生を貰い、醤油と焼酎に漬け込んでご飯に掛けて食べたこともある(これが一番美味い食べ方だった)。最近は仕事も終わっていく機会もないし、値段も高騰して余り買わなくなってしまった。そういえば数年前からファーストクラスでも出なくなった。Beruga, Osetra, Sevrugaと種類があり、粒の大小によると思っている人が多いだろうが、実際は鮪と同様、全く違う種であり (学名は順番にHuso huso、Acipenser nudiverndris、Acipenser stellatus)味も比較すると微妙に違う(余り比べた人はいないだろうが)。最近は養殖が可能になり、時間がかかるため(3年強)安価と言う訳には行かないが、安定して供給できるためフランスの★付きレストランはごく一部を除きほぼ全部Girondeの養殖物である。アメリカでも固有種から養殖されてまずまずの味である。この料理はそのアメリカの固有種を使った物で勿論カスピ海産と比べると落ちるがこうやって料理に使うとそれなりに楽しめる。単にアボカドとバチ鮪を切っただけの料理にもならない料理だがこのハーモニーは悪くない。キャビアは思いっきり沢山入れて混ぜると醤油なしでも塩気が染み渡り美味しい。因みにオリジナルのアイデアはブリストル(★★)。合わせるワインは勿論シャンパーニュ。ノンドゼが一番映える。
2006/04/11
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今日はGrands Jours帰りの友人(仏人)を囲んで4人でランチ。ワインは各自が持ってきて料理は私。この友人はブルゴーニュの有名どころと極めて親しく、今回もドメーヌにお邪魔するどころか夕食・昼食を共にしてきたらしい。中でも神様の舎弟・甥を同時に招いた夕食の話はいろいろと面白かったが勿論公の場で書ける話ではない。閑話休題、さて、今回の料理は刺身盛り合わせ。タルタル仕立てだがこれはいつものことなので略す。次はサーモンのムース。固める為に白身を使ったものの、例によってバターの代わりにオリーヴオイル、クリームの代わりに豆乳とヘルシー志向。勿論サーモンはアラスカ紅鮭の天然物。身の締りが味に現れている。先日のミルフィーユを出した後(これは私はパス)、鯛のポワレ、アスパラガスのVeloute仕立て。これもクリーム、バター無し。こんな繊細な味はわからないと思っていたが結構受けていた。ワインは1本目がこれ。やはり98は難しい年でこれも通年のミネラルの締りが無い。勿論悪いワインではないが酸が落ちかけており、今がピークか。4人で4本、かなり飲んでしまった。今日はこのままダウン。明日、機上の人となる前に残りはアップする(予定)。
2006/04/03
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3月の最終週からかなり暖かくなり、本格的に春がやってきた。初春はいろいろな野菜、それもニュアンスのある柔らかい野菜、が市場に出回り、私の好きな季節である。平目を軽く昆布で締め、酒蒸しをした後、鯛の潮汁を混ぜたPetit poisのピュレに春野菜を添える。バター、クリーム一切0。最近の私のテーマ「食べても罪悪感を感じないフレンチ(C'est pas francaise non plus!)である。ワインはこれ。Millesimeは90。まずまず熟成が進んでいるがまだ数年は行けそうである。香りはシャルドネ特有の菩提樹の花に若干蜂蜜、ノワゼットが混じる。だが味わいには膨らんだところはあまり無く、ミネラルで締められている。余韻は長い。プラットが柔らかい一方、ワインはスパルタンで、シャサーニュの方が良かったように感じた。
2006/04/02
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今日は例の皿に合うサラダを作ろうと思い仕事の帰りに市場に寄ったのだが遅かったのかあまり物が良くなかったので仕方なしにパスタ。イタリアに文句を付けながらも時間が無い時のパスタは重宝する。紅鮭のカマの部分のスモークを捨値で売っていたので(こちらではこういう見た目が悪いが一番美味しいところは一般に食べない)ほぐしてレモン・大根汁少々と合わせ、フェンネルをブランシールしたものと合わせる。パスタは細めの生のTaglialini。 茹でて冷やし、ルッコラのアッシェと合わせ、バジル入りのオリーブオイルで合わせただけだが結構いける。昨日のSancerreの残りは合わない。困ったので結局1本空けた。思案したが、これに合うワインはなかなか難しい。あなたなら何を合わせますか?
2006/04/01
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時間が無い時は一皿で完全食品であるパスタは便利である。友人を呼んだ翌日は胃も疲れているせいもあり、週の中日ということもあり、残り物を使ってさっと手早く作る。これはオマールのスーゴで人参、セロリ根、玉葱を煮出し漉したものにさっとサフランとトマトピュレを合わせ、豆乳で伸ばしただけのもの。定石通り幅広麺。ワインは先日気に留まったアルザスの作り手のをEchantillonとして1本ずつ数種類取ったのを試す。Biodynamicsということで確かに綺麗であるが、薄い。しかもミネラルがある薄さではなく、マチエールが無い薄さである。これではZindと比較にならない。残り数本の試飲を待たないまでもDailyとして採択却下になる可能性が高い。
2006/03/30
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来週友人が来るので(米人)残り物を使って新しいメニューを考える(といっても私はrestaurateurではないが)。平目をつぶし、テリーヌ仕立てにした。彩りにオマールの身も足す。すし屋に行ってから夜食代わりにスパゲッティーを食べる連中をカロリーで迎え撃つので卵・バターバシバシ入れる。クリームもばっちり入れ鬼に金棒である。勿論、自分は別の物を頂く。一つ目の皿はパートフィロを使ってミルフィーユ仕立て。ソースはPetit Poisの残り。これはかなりいける。バターたっぷりでふくらみのあるテリーヌをPetit Poisの青さで締める感じである。テリーヌを口金でパートと同じ大きさに絞れば一つ★級である。(そのためにはStagiereが必要であるが(笑))二つ目はオマールのジュにトマトクーリーを溶かし込んだ簡単な皿。ふくらみを酸味がまとめ。悪くないが季節はずれということで見送り。ワインはオマール、テリーヌと来ればもうこれしかないでしょう。Batardでもモンラシェの向かいに位置する(しかもDRCの向かい)畑からはBatardとは思えないくらい均整の取れたワインが出来る。一本様子見で空けたがが酸・ミネラル・果実のバランスが抜群でBatardに散見されるAggressivenessが無い。非常に落ち着いて端正で、フィネス溢れる。Niellonと双璧であろう。大部分をSauzet,過去にはVergetに売り、自分では3樽程しか詰めない。勿論日本未入荷だし、御本人もあまり興味が無いようであった。
2006/03/28
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今日のフレンチ(?)仕立て。まあ、フレンチと呼べなくは無いが限りなく日本料理に近いというかもうNouveau japonaisという感じかもしれない。平目は5枚におろし、昆布で軽く〆、ポワレ。基本のフュメ(私の定番だが)潮汁にポワローをバターでsueurしたものを混ぜ、ミキサーで撹拌し、漉す。潮汁よりもふくらみがあり、通常のFumeよりも旨みがある。それを季節物であるPetit Poisのピュレをあわせたシンプルな物。クリームでなく、豆乳で伸ばしている。カロリーが気になる人(私である)でも大丈夫である。人参、菜の花、新ジャガは潮汁でBlanchir。ワインはソゼのサンロマン01。大したワインではないが彼のブルゴーニュとは段違いのミネラルがあり、酸味とあわせて可憐で綺麗なワインでGerardの作りがはっきりと出ていて、私のvins quotidiensの一つとなっている(適当な値段で楽しめるブルゴーニュの白を探すは結構難しいのである)。結構生産量が少ないので日本で見つけることは難しいが、見かけたら試して欲しい。
2006/03/26
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自宅に戻り、早朝行き着けの卸に行って仕入れ。鯛が無いので平目にする。さてこれをどう料理するか・・・(追加)結局友人達が押しかけてくることになった。以下、途中経過鯖 ~ 棒寿司烏賊 ~ 握り後はこれらのソースでFrench仕立て。ワインは適当にハウスワインを出すことにする。
2006/03/25
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いつも思うことであるが魚や甲殻類を話す時に「この産地」が良いという人は多いが学名が違う別物であるということを気にする人は殆どいない。海老はまあ、大正、車、芝と分けられているが、牡蠣やMoule、Homardの学名を気にする人は皆無である。(プロである私の友人達は別である)鮭についても同様。養殖、天然と区別する人はいるだろうが、養殖物がSarmo Salarと呼ばれる鱒に近い物でPacificの天然物のOncorhynchus属とは味が全く異なることを知る人は少ない。元々この種は味が単調であることに加え、特に密殖可能なので、殆ど泳ぐスペースも無いくらい湾内の生簀に詰め込まれている。結果、病気を予防するために使われる抗生物質の残留もさることながら生態系への影響(寄生虫のWild Stockへの伝染、天然種との混合(Genetic Interaction)、湾内汚染)等が大きく、個人的に賛同出来ないので出来るだけ天然物を取るようにしている。もともと天然物は産卵のため漁期の規制が厳しく、値段も高かったが養殖物の普及により天然物の値段が下がり、規制も幾分緩くなった。ある意味では皮肉な結果である。これは単にアラスカ紅鮭(Sock eye, Oncorhynchus nerka )をソテーしただけのものであるが、天然物が故に身がしまっていて蛋白質成分が多く(ということは脂肪分が少ない)焼いた時に白い体液が出ない。(私はこの白い液が生理的に苦手で見ただけで食欲を完全に失う)。味も繊細でソースは却って素材の良さを殺す。軽くレモンや橙を絞るだけで十分である。素晴らしい素材はElaborationに勝るという好例であろう。残念ながらここまで気を使うレストランは少ない。
2006/03/22
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クスクスを使ったLouisさんの料理とのつながりということで私もちょっと前に作ったオマールを載せてみる。前にも載せたかもしれないがそうであればリサイクルだと思って許して欲しい。Couscousはもともと中東の物で羊がAuthenticだが結構魚にも合う。ゆでる必要もないこの食材はQuinoaと並んで横着物の横綱だろう。私も時間が無い時には多用する。細かくアッシェした野菜を軽くオリーブオイルで炒めクスクスに混ぜ、少しレモン入りのオリーブオイルで合えるだけのシンプルなガルニ。ソースはオマールのジュにシチリアのトマトペーストを溶かし込んだだけのこれまたシンプルなものである。オマールは軽く茹でて数分天板にいれ表面を乾かす。
2006/03/18
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ようやく左手が使える。今日のお昼は残り物の野菜を使ってパスタ。客をよぶ時にはガルニに使う為大抵数種類の野菜が備えるが今回は、出始めの南からのアスペルジュ、プティポワに温室栽培のクージェット類。旬にこだわる人間としてはこの時期(晩冬)が一番野菜の出物が少なく選択が難しい。大した苦渋ではないがそれでも悩むものである。結局有機栽培物ということで妥協。それにこれも残りの鮪を軽くグリエしたものを合わせる。私個人としてはパスタに関して小麦粉の味わいが好きなのであまりソースは使わずビアンコが多い。このシンプルなプラットに合うワインということで悩んだが結局若いブルゴーニュの白を選択。樽が強く一口飲んでマリアージュは難しいと悟る。失敗。ワインが怯えている。気楽なイタリア男にIQの高いフランスの少女を無理やり押し付けたような結果になってしまった。こういう時にはやはり大らかなおばさんのようなイタリア物が良いかもしれないが家には無い。
2006/03/13
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さて、料理だが、予想通り結構いい加減に作ってしまった。片手が痛くて使えないのでしょうがないということで許して頂いた。まず最初は最近気にいっている刺身仕立て。中トロのところを叩いたのを薄切りをちょっと炙ったので巻く。食感や味の違いを楽しめて結構気に入っている。その後はグリエして赤バター(Beurre rouge)を合わす。カジキは単にグリエ。時間が無いのでソースは大豆マヨネーズにマスタード、昆布と唐辛子を漬け込んだ醤油にバルサミコを混ぜて終わり。物凄くいい加減で友人に申し訳ない。友人曰く天国(?)からの生還ということでワインはまずまずのを空ける。一杯だけと思っていたのだが結局何杯も飲んでしまった。まあ、普通に美味しいと思う。こういう時は素直になれる。
2006/03/12
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事故から24時間経ち、肩・首が若干良くなって来たような気がするがまだ運転することは出来ない(首が回らない)。行きつけの魚屋に頼んでおいた魚を電話して断ったのだが、不憫に思ったのか何と配達してしてくれた。今日人が来る予定だったので頼んでおいたバチ鮪1キロとカジキ。これから料理をしなければならない。友人に電話して来てもらうことにする。料理はソースを作る暇も体力も無いのでシンプルなものになる。酒は・・・・困ったことになった。
2006/03/12
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今日は鴨のConfitの残りを醤油出汁と赤ワイン半々で煮て野菜をあえただけの厨房料理。野菜を取らなければならないので大根と一緒に煮る。この赤ワインと出し汁というのは結構気に入っていて、時々やる。適度にタンニンがあることが大事なのでこの時には例外的にボルドーを使っている。(普通はピノ・ノワール)ガルニには軽くBlanchirしたセロリ根、人参、玉葱、アスパラ等を加えてあわせると厨房料理ながらちょっと華やかな感じになる。ワインは訳の判らないBonne Mare。ドメーヌ元詰めでDBのイニシャル。このイニシャルでBonnes Maresを持っていてMarsannayにあるのはDomaine Bartしかない。Mediocreのドメーヌである。行き着けの酒屋で懇願され2本引き取ってみたものの、既に下り坂でどうもこうもコメントの仕様が無い。96が駄目なのか(結構下っているのは多い)、それともドメーヌが駄目なのか。2杯のみ残りは残りの鴨に足すことにする。
2006/03/09
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活きの良い鯛が手に入ったので三枚に下ろして刺身にする。日本では桜鯛という位だから桜の頃、こちらでもほぼ同時期の3月から4月頃が旬である。色々食べ方を試してみたのだが最後はこのようにタルタル仕立てにするのが一番美味しいような気がする。シブレットとゴマを振り混ぜる。みりんさんから頂いた黒七味をちょっと振るのもアクセントになって良い。塩で下味をちょっとつけ、醤油を少なくすると思いの外にワインにも合う。ワインはMini-Tastingで見出したこのアルザス。Classment一つ★であるが、全く知らなかった。ブルゴーニュはかなり網羅していると自負しているが、Alsaceに関しては無知である。香りにわずかにPetrolを感じるが(Fossileというべきだが)林檎や花梨などの白果実がDominantでまずはRiesling定石。味わいは非常にピュアで素晴らしく清清しい。酸が素晴らしく綺麗。少し残糖を感じるがミネラルと融合して長い余韻を残しで薄く切れていく。Biodynamicだそうだ。納得。とりあえず各キュベを1本づつ都合1csちょっと発注。また在庫が増える。新しいドメーヌを見つけるのも考えものである。
2006/03/08
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昨日はSt. Pierreが入ったとのことで卸から電話がある。こういうオファーがあったときにすぐさま承諾しないと自分の優先順位が落ちるので躊躇わずOK。(因みに私はこの卸にはCateringとして登録されている)ちょうど友人をよんでいたので他の魚も買い料理にとりかかる。今日は鯛とアスパラガスのスープ、assiette de poissons crus (刺身盛り合わせ)、オマールのネーヴルソースにこのSt. Pierreのポワレ。おろして皮をひいたSt. Pierreを昆布で〆め、ポワレしただけのシンプルなもの。メインの前に持ってくる。ワインは後日。今ひとつ。
2006/03/05
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