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2023.11.23
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テーマ: 読書(8283)
カテゴリ: 本日読了
2023/11/23/木曜日/早朝の雨






〈DATA〉
著者  坂田和實 尾久彰三 山口信博
発行所 新潮社
とんぼの本
2008年5月20日  発行


〈私的読書メーター〉


柳宗悦の御伴侶が声楽家であったことが、柳宗悦の欠けたるところを補って余りあるように思った。

即ち、ものの美は上々。
その一方で音楽が日常に溢れていたこと。演奏されるその時のみに立ち現れ消える一回性の美、だ。

しかも人間の声の。
柳兼子さんは当時、声楽の神さまとまで称され、ドイツ留学の折のベルリンリサイタルも大好評を得たという、正真正銘の芸術のミューズだ。


旧居の図面では、民藝館側に音楽室が大きく取られている。

軍歌は強要されてもそれを拒み、柳宗悦と共に半島に渡り、日本の圧政を非難しながら当地の文化を守った。


本書に寄って知ったが、空襲の火の手がすぐ先まで迫った時、オロオロする柳宗悦を横に建物に水を撒きかけ防災に奮闘したという。

火の手は手前で奇跡的に消えた。

後年、自宅と民藝館は米軍の攻撃対象外指定であったことを夫妻は知る。


敗戦間も無い国破れた風景。亡失の男が幼い娘と二人で、導かれるようにこの無傷の建物を訪れた。

建物に入ると娘は何故か赤とんぼを歌いだす。遅れてそれに合わせ美しい声で唱和する女性の声。

それは兼子さんだったろう、という思い出がとてもうつくしい。

兼子さんは経済的にも柳を支え、晩年まで一線で活躍した。柳宗悦の見る目は人間においてもかくも。

彼女を主体にしたストーリーに出会いたいもの。





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最終更新日  2023.11.23 10:48:35
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