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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) フィルズ・フィル (PHIL'S FILL) ウォール・オブ・サウンドの革新的技法 PHIL'S FILL: The Revolutionary Technique of the Wall of Sound フィル・スペクターがプロデュースしたロネッツの1964年のI Wonderは、ウォール・オブ・サウンド創成期の傑作です。とりわけ1分32秒~1分42秒の部分に現れる演奏構造は、ポップスにおける重要な技法のひとつといえるでしょう。この箇所では、ドラムに合わせてピアノ・ギター・ベース・ホーンなどが完全に同じタイミングで「ダン、ダン、ダン、ダッタ、ダンダンダン」とスタッカート連打を4度繰り返し強烈なアンサンブル・ブレイクを生み出します。爆発的連打を伴うこの演奏は、華麗かつ重厚なウォール・オブ・サウンドに更なる快活さと躍動感を与え、緊張感を生み出しながら楽曲の流れに勢いとドラマを持たせる構造的なアクセントとなっています。創造性が高く、独自性の際立ったこの技法の効果は絶大であり、ポップス史における重要な発明と断言して差し支えないでしょう。この技法は後年、繰り返し引用されており、主に下記の23曲などで同種の演出が確認されています。にもかかわらず、長らく確立した名称が存在しませんでした。また、1981年に大滝詠一氏により効果的に使われて以来、ほぼ日本でのみ使われてきたことを考慮すると、大滝氏の功績が絶大であることは明白です。本来なら偉大な先駆者である大滝氏に是非この技法について命名頂きたかったのですが、惜しくも故人となられてしまいました。そこで今回、この技法を最多の5曲において使用されているウォール・オブ・サウンドの大家である岩崎元是氏に依頼したところ『フィルズ・フィル(PHIL'S FILL)』との名称をご提案いただきました。これは「フィル・スペクター」が生み出した「フィル=音楽の隙間を埋める装飾フレーズ」という意味の技法に由来するものであり、 偉大なる創始者へのリスペクトと、音楽技術的・理論的意味を兼ね備えた極めて適切な命名だと思います。この優れた技法が、名称とともに末永く受け継がれ、更なるウォール・オブ・サウンドの繁栄に繋がるものとなれば、これ以上の喜びはありません。【フィルズ・フィルの使われている楽曲の例】 (カバーソングを除く)01 The Ronettes / I Wonder Arranger:Jack Nitzsche Producer:Phil Spector 1964 02 Ike & Tina Turner / Save The Last Dance For Me Arr:Perry Botkin Jr. Prod:Phil Spector 196603 大滝詠一 / 恋するカレン 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内 1981 04 佐野元春 / SOMEDAY 作曲編曲:佐野元春 198105 松田聖子 / 風たちぬ 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内 1981 06 森進一 / 冬のリヴィエラ 作曲:大瀧詠一 編曲:前田憲男 198207 大滝詠一 / ペパーミント・ブルー 作曲編曲:大瀧詠一 198408 竹内まりや / もう一度 作曲:竹内まりや 編曲:山下達郎 198409 成清加奈子 / ハートのピアス 作曲編曲:井上大輔 198410 レインボーシスターズ / 悲しきウェザーガール 作曲編曲:木森敏之 198411 小林旭 / 熱き心に 作曲編曲:大瀧詠一 198512 ERI / 恋はドーナツショップで 作曲:木戸やすひろ 編曲:新川博 198613 森末慎二 / BECAUSE I LOVE YOU 作曲編曲:岩崎元是 199114 細川たかし / 応援歌、いきます 作曲編曲:岩崎元是 1991 15 薬師丸ひろ子 / 夕暮れを止めて 作曲:楠瀬誠志郎 編曲:清水信之 199116 三石琴乃 / MY DOLPHIN BOY 作曲編曲:岩崎元是 199417 大滝詠一 / 幸せな結末 作曲:大瀧詠一 編曲:井上鑑 199718 金月真美 / 愛の国 作曲:木戸やすひろ 編曲:新川博 199719 キンモクセイ / 七色の風 作曲:伊藤俊吾 編曲:キンモクセイ&佐橋佳幸 200220 岩崎元是 / 君は夏色の風 作曲編曲:岩崎元是 200821 原めぐみ / トビラ~EVERLASTING LOVE~ 作曲:渡辺博之 編曲:土屋剛 200922 原めぐみ / トキメキ 作曲:星直哉 編曲:土屋剛 2013 23 MACHICO / 勇気のつばさ 作曲:池毅 編曲:岩崎元是 2016(追加分 )24 斎藤和義 /歩いて帰ろう 作曲:斉藤和義 編曲:斉藤和義/松尾一彦 199425 日向坂46 / もうこんなに好きになれない 作曲:なかざわけんじ 編曲:田中昇吾 202226 Irma Thomas / Long After Tonight Is All Over 1964 1964年10月のJimmy Radcliffe版のカバー。
2025.07.27
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【 TERRY'S 選外 】 ROMANCE / OH YOU'RE SO TIGHT (North Coast N.C.P.20003)'88 甘茶ソウル百科事典の世界(2) 【 未掲載の甘茶ソウル 】【 TERRY'S SELLECT編 】テリー・ジョンスンこと湯村輝彦さんの選曲は少々変態的で、#007のC# SHARPや#060のREFLECTIONS OF TIME FEATURING PADROなどおかま(ゲイ)歌手の選曲が特徴的。前者は甘茶としても優れているけど後者は単なる面白ネタという感じですね。ここで取り上げるROMANCEもやや後者に近い内容だけど、如何にもテリーさんが好みそうな甘茶ということでご紹介。ROMANCEはシングル2枚のみ発表しているマイナー歌手で、本曲のタイトルは「君はとてもセクシーでたまらない」という意味。甘いバラードを語り入りのファルセットで時折喘ぎ声を交えながら歌います。そしてあたかも性的に快感を得て自身が感じてしまって悶えるような発声をしていることからもゲイの受け側としての官能ソングと言えそうです。出来は甘茶ソウルとして優れているという程ではないけど、甘茶ソウル百科事典発行前にテリーさんがこの曲を知ってたら必ずやTERRY'S SELLECT 100選に入っていたであろう内容と思われます。「YouTube」で聴けます。
2025.07.20
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 58.Ethiopians / Sad News '711980年にスタジオワンから名盤「Everything Crash」を発表するEthiopianの前身グループ(複数形)の1971年発表のシングル曲。「Trojan Lovers Box Set」にも収録されています。1966年の活動開始以降スカやロックステディのグループとして活動してきていよいよレゲエ時代到来か?という頃の作品ですね。そんな訳でロックステディの中にもレゲエの息吹を感じさせるサウンドですが構成される音は最小限にとどめられ、かなり素朴で家内制手工業的雰囲気です。「悲しいニュース」というタイトル通り悲壮感たっぷりなメロディと相まって土埃にまみれたかのような純朴な雰囲気はなかなかの味わい。力の抜けた悲しげなリードは優しく丁寧に甘いメロディを歌い込み、それをサポートする温かみのあるコーラスもいい感じ。スタジオワン製の簡素なサウンドが、それゆえに曲の哀愁を一層際立たせていると言えるでしょう。かなり地味で淡泊な内容だけどメンバーの自作のメロディラインの出来は秀逸で、流石は後に 「WHEN WILL BE THE END」という大名曲を生み出しただけのことはありますね。「YOU TUBE」で聴けます。
2025.07.13
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2 【 ノーザン偏差値 64 】High Keys / Living A Lie (VERVE VK-10423)'661960年代に数枚のシングルを残したヴォーカルグループによる66年のノーザンダンサー。プロデュースは後にスウィートソウルの帝王にまで昇り詰めるGEORGE KERRです。ギターが入らず代わりに軽やかなヴァイブが鳴り響くという小粋なサウンドが特徴的。同じ66年のRichard Temple / That Beatin' Rhythmもヴァイブ中心のサウンドだったけど、この頃の流行の形態だったんですかねえ。派手さはないけど小気味よいテンポが心地よく、時折明るいブラスが盛り上げたりと雰囲気は華やか。リードは節操なく自由奔放に歌いまくる感じだけど、厚いコーラスがガッチリとサポートしており全体をリードしている。適度なスピード感と黒いグルーヴでフロアで踊るにはもってこいですね。スウィートのみでなくダンサーでもこんな素晴らしい仕事をしていたジョージカーの多才ぶりに改めて感心させられました。「YouTube」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器快活さボーナス(ヴァイブ)ノーザン偏差値合計87877778564
2025.07.06
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