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2007.03.03
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
DARWIN'S NIGHTMARE

(112min)
那覇・桜坂劇場にて

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寸評:テーマ自体はもの凄く大切なもので、社会に広く問題を知らしめ、論議のキッカケを作ったことで役割は果たしたかも知れないが、ドキュメンタリー映画の映画としての質には疑問も多い。

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解説:(映画チラシより引用)これは、あなたが生きている世界の物語。淡水湖では世界第2位の大きさを誇るアフリカのヴィクトリア湖は、生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。ところが、そこへ巨大な肉食の外来魚ナイルパーチが放たれたことで状況は一変。ナイルパーチはどんどん増え、湖畔の町には、どの魚を加工・輸出する一大産業が誕生し、地域の経済は潤う。しかし、その陰では悪夢のような惨劇が生み出されていった。新しい経済が産み落とす貧困、売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、湖の環境悪化・・・。まるでドミノ倒しのように連鎖する。さらには、ナイルパーチを積みにやって来る飛行機が、アフリカの紛争のために武器を運んでいるという驚くべき疑惑までも浮上する。『ダーウィンの悪夢』は世界中の映画祭で多数のグランプリを獲得、2006年アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。海外メディアも本作をこぞって大絶賛し、そのあまり衝撃的な内容に、社会論争までもが巻き起こった。情け容赦なく暴かれてゆく悪夢のグローバリゼーションは決して遠い世界の出来事ではない!

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この映画に関して興味深いことの一つは、米アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞ノミネートだ。映画の中ではなるほどアメリカ批判がほとんど皆無で、悪者的に描かれるのはヨーロッパであり、特にまたロシアであり、そしてちょっぴり日本だ。黒人奴隷問題を除けば、もともとアフリカを食い物にしてきたのはイギリス・フランス・ドイツ・ベルギーといったヨーロッパ諸国であった歴史的事実がある。これが同じような問題でのアメリカ批判の映画だったらアカデミー賞では黙殺されただろう。この映画はフランスではセザール賞・最優秀初監督賞を受賞し、イタリアではヴェネツィア国際映画祭・ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞だ。これが自己反省・自浄作用を備えたヨーロッパ諸国と、傲慢一国主義の米国との社会的・文化的根本的違いだ。

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しかしこの映画の主題は、決してただナイルパーチを輸入するヨーロッパ諸国や日本批判でもなければ、輸送するロシア批判でもなければ、アンゴラ等アフリカ紛争地域への武器の輸出や、ヴィクトリア湖の環境破壊の問題や、(映画の中では直接言及されないが)ヨーロッパ諸国による歴史的アフリカ搾取の批判ではない。これは一つの例であって、先進諸国による後進諸国の搾取、南北問題を含む現代の世界のあり方そのものがテーマであり、その意味では米国も同じ穴のムジナであり、むしろ総本山と言ってもよい。そのことに気付かずにアカデミー賞にノミネートさせるという浅薄な見方しかできないのもまたアメリカの社会のレベルでもあるかも知れない。

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寸評に書いたように問題を社会に提示した意味は大きいかも知れないし、しかも根底にアメリカ批判をも含む映画を米国でも受け入れさせた効果だってある。しかし実際にフランスか何処かでナイルパーチの不買運動が起きたように、ことの本質がどれだけ広く伝わっているかには疑問がある。もちろんおめでたい映画ではなく現在の世界のあり方自体への批判を含むものであるから、出演者への配慮や公開の可能性等を考えての制約もあって、それでレベルの作り方になったと理解できなくもないが、結果として映画そのものとしてはつまらないと感じられた。内容的には400字原稿用紙2枚程度の要約以上の何物ももたらしてはくれていない。60分に編集してテレビで放映する程度の実質といってよいと思う。

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Last updated  2007.07.05 03:22:46
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