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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2007.10.04
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カテゴリ: 教育・子育て

 自己の欲求のままに行動するようになった。
 これは、巷間広く、一般的に言われていることだが、
 その原因を、幼少期の子育てのあり方に求めたところが、
 本著の斬新なところ。

 著者は、博士論文執筆中に得た着想をもとに、
 社会学的方法を全うしながら、この本を書き下ろした。
 新書にしては、少々硬めの仕上がりだが、そこがまた良い。

   ***


専業主婦の母親たちが実践した、専門家推奨の「科学的な子育て」と、
労働する母親たちが行った、家業の傍らの「風習の子育て」という
二つの規準が存在した。

それが、80年代になると、専門家推奨の子育て法が変わる。
「風習の子育て」を基本に、
「小児科医の新潮流」を混ぜ合わせた新規準となる。
赤ちゃんの添い寝は、
「良くない行為」から「よい行為」へと一変する。

そして、現在。
「超日本式育児」とでも言う、唯一の技法が、子育ての新規準。
全ての場面で、親は子どものペースに合わせなければならない。


「子どもの欲求には、全て応えなければならない」という強迫観念。
子どもの期待に、少しでも応えられない場面に遭遇すると、
育児不安が募り、それが一転、虐待へと繋がってしまうこともある。
さらに、この現代の新基準は、
少子化の原因の一つになっているとも考えられる。


いつ何時も、全て満たされ続けて育ってきた子どもたちはと言うと、
乳幼児期を過ぎ、幼児期を経て、学齢期に突入しても、
自分のペースを妨げるものに対てし、極度の拒否反応を示す。

なぜなら、自分の欲求は、
全て満たされるべきものであり、
自分の欲求を満たすことは、
周りの誰もが、最優先して行うべきことだと、信じて疑わないから。

   ***

本著は、「親の主体性をとりもどす」こと、
「子ども中心」から「親子対等」へ転換することを提言して、
締めくくられている。
本著の知見が、広く世間に浸透し、
健全な親子関係、大人と子どもの関係が、
再構築されていくことを、切に願う。





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Last updated  2007.10.04 22:52:58 コメントを書く
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