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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.05.18
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カテゴリ: 教育・子育て

 副題の「モンスターペアレントの謎」についても、「謎」という語が引っかかる。
 帯にある「バカ親と教師はどう向かい合うべきか?」が、一番妥当なネーミングで、
 これも帯にある「モンスターペアレントの全国実態調査」が、まさに本著の内容。

 モンスターペアレントが生まれた理由の一つとして、
 本著では「社会的モラルの崩壊」を挙げている。
 その指摘の中で、「カルティべーション効果」という語が出てくる。
 それは、こんなふうにだ。

  給食費の未納者が増え続け、全国の小中学校の給食費未納額が

  「自分だけではない」「みんなやっていること」という意識を強くしていく傾向があるわけです。
  これは、一種の悪のモデリング効果であったり、カルティべーション効果
  (現実と現実の一部にすぎない映像世界などを混同させてしまうメディア効果)
  に似ているのかもしれません。

確かに、こういうことは多々あるような気がする。
NHKの受信料未納者の増加も、同じようなことが言えるのかも。
ところで、本著では、モンスターペアレントが生まれた背景として、
「流行としての“教師いじめ”」も挙げているが、次の部分は興味深い。

  これだけ社会全体がストレスフルになり、
  日頃からストレスを溜めている人間にとっては、
  好き勝手な要望を押しつけられる相手がいれば、その絶好のはけ口となります。

  そうした際、教師は基本的に“反撃してこない人種”だという安心感があるので、
  最初の一歩さえ踏み出してしまえば、その後の“攻撃”はとくに過激化しやすくなるのです。

では、なぜ教師は、それに対して反撃しないのか?
本著では、教師をフォローしてくれる存在がいなくなったことを挙げている。
それは、校長や教頭が変質してしまい、かばってくれないからだと。


  このとき、保護者の要求をきっぱりと断れないのは、教師が弱いからではなく、
  子どもに対する“深い愛”を持っているからです。
  (中略)
  「モンスターペイシェント」などと違い、大人同士のトラブルではなく、
  真ん中に子どもをはさんでいるだけに対応がむずかしいのです。
  子どものことを思うと、たとえそれが理不尽な要求であったとしても、
  むげに断るわけにもいかないのです。

本著では、「学校問題解決支援チーム」についてもとりあげ、
教師や保護者が、それについて、どのような意見を持っているか
アンケートを実施し、その結果をかなりの紙幅を費やし、報告している。
著者は、それについて、あまり肯定的な受け止め方がなされていないとしている。

この点については、アンケートに答えた人達が、
これまでにどのレベルの事柄(モンスターペアレントの凶暴度)に
どれほどの深さで関わってきたかによって、答えが大いに違ってくるだろう。
それ故、今回のアンケート結果だけを見て、結論を出すような問題ではないと、私は思う。

そして、本著の結論、「モンスターペアレント」問題の解決方法で、最も重要なことを、
「親と教師の相互理解」というところに落ち着けてしまったことについては、
まだ、それで解決できるレベルの問題で、大騒ぎしている人たちが多いんだなと思った。
私は、絶対「相互理解」に至らないようなケースで、どうすべきか知りたかったのだが……。

つまり、「“困った親”の問題は、どうすれば解決できると思いますか」という問いに対する
保育士さんの「無理です」の一言に対して、
「心に突き刺さります」のコメントだけで終わってしまわれては、
何にも解決しないと言うことですよ、尾木さん!!

   ***

本著を読んで、学校問題解決支援チームやゼロトレランス方式に対してだけでなく、
学校選択制や教育バウチャー制、民間人校長の登用、全都一学区制等、
著者の尾木さんの様々な教育問題に対するスタンスが、再確認できた。
特に「夜スペ」を、藤原さんの「暴走」と言ってのけたところは、かなり衝撃的だった。





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Last updated  2008.05.18 23:13:31 コメントを書く
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