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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.06.28
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 平均寿命以上の年齢まで生きる予定をしている私にとって、
 それは、将来、間違いなくやってくるはずの時であるし、
 その時になって、それ以降の人生を考えたのでは、遅すぎるのは明らか。

 さらに、こうしている間にも、自分自身、どんどん歳をとっていくけれど、
 親の方はと言うと、私自身より、さらに一歩先の老齢を生きていく。
 だから、いつかは、確実に、親の介護問題が発生する。
 これからの人生を考えるとき、そのことは、決して避けて通れない問題。

そんな、あれこれの事情から、本著を読んでみることに。
『定年の迎え方』
今まで、あまり考えることがなかった事柄に触れることができ、
さらに「生きる」ということについて、考えさせられた。

   ***

本著では、人生80年をマラソンに例え、
最初の20年を助走段階、
社会人になってからの40年を集団マラソンの時期、
そして、最後の20年を個人マラソンの時期としている。

この個人マラソンを、自分のペースで、
誰にも比較されず、気の向くままに、楽しく走ろうと、著者は言う。
相手がいないのだから、そこに、勝ち・負けなどなく、
求めるものは、充実感と納得だけと言う。



さて、本著を読んで、私が印象に残ったのは、次の三つの部分。
まず、最初は「いじめ」について言及しているところ(p.53)。

   子どもの世界にも、この大人の世界の相貌は投影される。
   「いじめ」も、大人の世界では日常茶飯事的な現象が反映して映っている、

   大人の世界の多くの場面で見られる「いじめ」がなくなれば、
   それは子どもの世界にも反映する。
   その事実にふれないで、大人が子どもの世界のいじめを解決できるはずもない。

何か起こると、すぐに犯人捜しを始め、ターゲットを見つけると、バッシングの雨嵐。
ターゲットが、2度と立ち上がれないほど、完膚無きまでに、徹底的に叩きのめす。
そんなやり方が大好きな大人たちと、その姿を、一緒になって、ずっと見ている子どもたち。
そんな大人たちに、最後の一文が、見事に決まっている。

次は、子どもの躾について言及している部分(p.119)。

   私がかいま見た米欧の中堅クラスの家庭では、
   とくに幼児期の躾が日本にくらべれば格段に厳しい、という印象を何度も受けた。
   命令したり指示しても、子どものほうが従わないと、たたいてでもやらせる。
   頭で覚えなければ、身体に覚えさせるのだ。
   まるで犬の躾のようですね、とあるとき、
   子どもをたたいて躾けていた母親に口をはさんだところ、当たり前でしょう。
   口で言ってわからなかったら、体に覚えさせるのです。
   「それが本人のためですから」- この一言には返す言葉がなかった。
   子どもが早く社会のルールに適応できるようにするのが親の責任であり、
   子どものためでもある、という彼女の主張に、私は対抗できなかった。

虐待の問題等も絡むので、一概に「これでヨシ!」とは、決して言い切れない。
しかし、このような大人・親としての、子育てに対する意識や姿勢の欠如こそが、
学校や社会の中に、どんどん「オレ様」を増殖させていき、
彼らの「ルール無用」の振る舞いで、秩序がかき乱されていることは間違いない。

   日本に長く住んでいるイギリス人が、ある日、首をかしげて私に聞いたことだが、
   なぜ日本の大学生は日常的にはほとんど使う機会がないにもかかわらず、
   話す、聞くに一所懸命になり、 
   学問をする上で必要不可欠な読み、書きには努力しないのか、ということだった。(p.163)

これについても、様々な意見があるだろう。
もちろん、喋ること・聞くことができるに越したことはない。
それが、ある人にとっては、ビジネスやそれ以外の様々な場面で、役立つこともあるだろう。
しかし、日本に住むすべての人が、本当に英語を喋ったり聞いたりできないとダメなのか?

実際には、読み書きできることの方が、
色んな場面で、有用性が高いような気が、私もしている。
例えば、大学生なら、最新のことを学んでいこうとするならば、
まだ日本語訳されていない書物や論文に当たる必要も多いはずだから。





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Last updated  2008.06.28 16:24:34 コメントを書く


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