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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.11.16
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 日進月歩のジャンルを扱いながら、
 発行から2年半以上の時を経ても、
 決して古さを感じさせることはなく、その価値は色褪せていない。

 私自身、本著を読んで、「グーグル」の本当の凄さに気付くことが出来たし、
 「ロングテール」という見方・捉え方も知ることが出来た。 
 さらに、「ブログ」の増殖と総表現社会の到来についてや、
 「オープンソース」の持つ可能性についても、認識を新たにした。

   ***

  情報をインターネットの「こちら側」と「あちら側」のどちらに置くべきか。
  情報を処理する機能を「こちら側」と「あちら側」のどちらに持つべきなのか。
  このトレードオフが、これからのIT産業の構造を決定する本質である。(p.059)

実際のところ、これまで「こちら側」で受け持たねばならなかったことがらが、
近年、どんどん「あちら側」で請け負ってもらえるようになってきている。
ウイルス対策なんかも、その一例だろう。

そして、「作業場であるインターネット世界」で、必要な作業を、オープンソースを使ってこなし、
インターネット上に、そこでの情報を蓄積するようになるのかもしれない。
さらに、「作業場であるインターネット世界」への扉となる「こちら側」のPC等のスペックは、
さほど大きな問題でなくなってしまう日も、近い将来にやって来るかもしれない。

もちろん、その時には、「あちら側」の情報管理体制は、大きく問われることになる。

アマゾンや楽天に接続するやいなや、「最近チェックした商品」が表示されるのは、
正直言って、かなり気持ちの悪いものだと、私自身は思っている。
「知る権利」と「プライバシーの権利」の問題は、今後益々大きな問題となっていくだろう。

  2004年秋にロングテール論が脚光を浴びたのは、
  ネット書店がこの構造を根本から変えてしまったという問題提起があったからだ。

  米国のリアル書店チェーンの「バーンズ・アンド・ノーブル」が
  持っている在庫は13万タイトル(ランキング上位の13万いまでに入る本)だが、
  アマゾン・コムは全売り上げの半分以上を
  13万位以降の本からあげていると発表したのである。(中略)
  リアル書店では在庫を持てない「売れない本」でも、
  インターネット上にリスティングする追加コストはほぼゼロだから、
  アマゾンは230万点もの書籍を扱うことが出来る。(p.100)

買い物に関しては、ネットの発展で本当に便利になった。
以前であれば、余程のコネがない限り、決して手に入らなかったようなコアな商品でも、
検索すれば、書籍でも、音源でも、たいてい手に入るようになった。
しかも、そんなにとんでもないお金を払わなくても。
本当に有り難い時代になったと思う。

  メディアの権威側や、権威に認められた表現者としての
  既得権を持った人たちの危機感は鋭敏である。
  ブログの世界を垣間見て「次の10年」に思いを馳せれば、
  この権威の構造が崩れる予感に満ちている。
  敏感な人にはそれがすぐわかる。
  基盤を脅かされる側の新しい現象に対する反応はまちまちである。
  しかし総じてウェブ社会のネガティブな面ばかりをメディアが取り上げがちなのは、
  こうした危機感が形をかえて表出しているという面が少なくない。(p.146)

なかなか鋭い指摘である。
こういう切り口に、これまで、私は出会ったことがなかったので、
まさに「目から鱗が落ちる」といった気分。
玉石混合でも、参加母体数が膨大であり、その石を篩い分けるシステムが向上すれば、
これまで知られることのなかった玉が発掘されるのは、当然の成り行きであろう。

  コレラは19世紀の病気という印象が強いが、発展途上国ではシリアスな問題だ。
  処方にカネがかかるか高いスキルが必要か、そのいずれかの治療法しかなく、
  貧しくて医療スキルも低い国では、相変わらずコレラに苦しめられているところが多かった。
  従来の組織的手法ではこの問題が解決されなかったのだが、
  ネット上にこの課題が提示されたとたん、わずか数カ月の間に、
  関連分野のさまざまな領域の見ず知らずのプロフェッショナルたちがネット上で協力しあい、
  低コストでしかも訓練なしに使える新システムが開発され、
  その課題は解決されてしまったのである。(p.176)

まさに、インターネット世界ならではの、素晴らしい出来事。
こういった「オープンソース現象」「マスコラボレーション」が、
さらに広い分野で展開されることが望まれる。
インターネット世界の将来は明るい、と感じさせられるお話しだった。





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Last updated  2008.11.16 13:44:07 コメントを書く
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