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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.04.22
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カテゴリ: 文芸

 期待以上に、とても面白かった。
 災害三部作として先に刊行された 『M8』 『TSUNAMI 津波』 を凌ぐ出来映え。
 そして、「あり得ない度」も、先行2作品を遙かに超越している。

 時間設定としては、『M8』の後、『TSUNAMI 津波』の前の出来事。
 なので、遠山先生は、日本防災研究センター長として、現役バリバリで活躍中。
 松浦真一郎も、施設大隊の一等陸尉として、カッコよく大活躍。


さらに、漆原さんは、衆議院に籍を置きながら、現職の金森都知事に忠告をする立場。
ただし、河本亜紀子は、このお話では登場せず(私が見逃したのでなければ)。
と言うことで、『TSUNAMI 津波』終了時に、最もモヤッと感が残ってしまった
瀬戸口と亜紀子との関係は、時間設定としては当然のことながら、全く進展せず一安心。

こういったお馴染みのキャラが、続々登場するものの、今回は全て脇役。
主役は、日本防災研究センターの気象観測シミュレーション研究室・リーダー玉城孝彦。
そして、玉城の妻・大手建設会社に勤務する恵子と、小学4年の長男・大輔、
幼稚園年長組の長女・由香里、玉城の母・秀代と弟・伸男らが重要な役割を果たす。

先行二作との最も大きな違いは、玉城家の人間模様が、物語の中核の一部を為していること。
玉城とバリバリのキャリアウーマンである妻・恵子との冷めた関係。
そして、恵子の上司・土浦の存在。


想像を絶する超大型台風に立ち向かう中で、この人間関係が刻々と変化していく様が、
先行二作にはなかった、作品としての面白さを醸し出している。
ただし、最後の落ちは、ちょっと拍子抜け。
じゃぁ、これ以外に、どう落とし所を見つけるんだと聞かれると、困るのは確かだけど、
伸男については、もうちょっと納得いくキャラにしてから、成仏させてやって欲しかった。


その倒壊を防ぐために尽力した、内山さんを始め、避難住民たちの活躍を、
もう少しページを割いて、丁寧に描いてくれれば、
「さすが災害三部作を締めくくるに相応しい作品!!」と、拍手喝采できたのに、残念に思う。

ただし、そこまで、超大型台風による災害の方を克明に描き切ってしまうと、
災害を軸にしながらも、実は、玉城家の人間模様を描き出すという本作の焦点が、
かなりぼやけてしまうという恐れはあるのだか……。
どちらが良かったのかは、人により、判断が分かれるところだろう。





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Last updated  2009.04.22 22:36:59 コメントを書く


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