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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.05.05
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カテゴリ: 社会・政治・時事

 北尾さんの裁判傍聴も、もはやプロの域に達し、
 その観察眼の鋭さには、感心するばかり。
 目の前に、法廷の情景が、鮮やかに浮かんできます。

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』 の記事で、
 私自身の唯一の傍聴経験が、不法滞在の裁判だったことを書きましたが、
 本著第12幕によると、やっぱり多いようですね、外国人の裁判。
 しかも、その展開も、私が傍聴した時と似たり寄ったりのよう。


やっぱり、第9幕「世界の端っこで人情を叫ぶ」。
最後に北尾さんが書いているように、
まさに「何年も傍聴してきた甲斐があった」と言わせる一大ドラマ。

  手に手を取って駆け落ちしてきた夫婦と子ども。
  貧困にあえぎ、出来心で犯した罪。
  夫のやっていることを知りながら、目先の生活に追われて目をつぶってしまう妻。
  だが、悪事はバレ、夫は逮捕。
  そこへ、私の出番とばかり駆けつけ、何とか助けようと一肌脱ぐおばさん。
  世知辛い世の中、こんな人情噺のようなことは、とうに過去のもの、
  テレビやスクリーンだけのものになったと思っていたが、現実に存在するのだ。
  いや、ぼくが知らないだけで、この国のあちこちで、

  まだまだ、世の中捨てたもんじゃないと思う。(p.104)

一方、信じられないような世界が展開するのも、法廷という場。
第20幕「悪魔がささやく」は、読みながら、笑いをこらえるのが大変だった。

  「あなたの体の中に盗聴器があることに気づいたのはいつ頃ですか?」
  きたきたきた!傍聴暦4年目にして初の、本格的な《電波系》。

  (中略)
  「18か19のときです。予備校に入ったら、
   自分が思っていることが周囲の人にわかられてしまうので気がつきました」
  「あなたの家にもあるんですか」
  「(逮捕された)10月の時点では、悪い盗聴器、いい盗聴器を合わせると、
   うーん、1千万個ぐらいありました」(p.231)

この部分、夜中に読んでいたため、声を出すわけにはいかなかったけれど、
心の中では、涙を流しながらの大爆笑。
さらに、

  「体の中には何個あるんですか」
   家の中とか拘置所という広いところで1千万個だから、体内には100万個くらいか。
  「1億か2億だと思います」

もう、気絶するほどに笑ってしまった(もちろん、声は出さないで)。
こんなシュールな世界を、お笑いタレントではなく、
裁判官という、ガチガチに固そうな職業の人たちが、
真剣な眼差しで創造しているところ、それが法廷です。





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Last updated  2009.05.05 10:53:24 コメントを書く
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