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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.09.03
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カテゴリ: 文芸

1冊目 では、最初、有川さんの文体に苦労した私だったが、
 2冊目ともなると、流石に慣れてきて、
 苦痛を感じることなく、楽しみながら読み進めることが出来た。

 この物語では、さまざまな人間関係が描かれ、それぞれに興味深い。
 それは、笠原郁と堂上篤、手塚光、柴崎麻子らとの関係であり、
 手塚光と兄・手塚慧、柴崎麻子と朝比奈光流との関係であり、
 小牧と毬江、玄田竜助と折口マキとの関係等々である。


冒頭の「両親攪乱作戦」のドタバタは、とてもスリリングで読み応え十分だったが、
母親の郁に対する視線には、ちょっと尋常でないものを感じてしまった。
逆に、父・克宏は、娘の現状を把握し、その心を思いやっていることが垣間見えた。

   ***

ところで、本著の中で、私が最も印象に残ったのは、本編のお話しではなく、
巻末の有川さんと児玉清さんとの対談における、次のやりとりである。

  有川 世間がものすごく狭量になってきている、と思うんです。
     もうちょっと寛容な社会であってほしいな、と。
  児玉 寛容さ。僕も今それを申し上げようと思っていたんですよ。
     僕らが若い頃はね、社会がとても寛容だったんですよ。
     だからね、無銭旅行なんかができたんです、世知辛くないから。

     それはあまりに些末な例だけれども、社会ってものが寛容だったんですよ。
     ところがね、どんどんどんどん、厳正であろうとしてきた。
     実に生きにくい社会です。
     だって人間っていうのは、間違いを犯す動物ですよ。
     しかし、今の社会は、人間は間違いを犯さないものである、

  有川 間違わない生き物であることを前提にしたルールっていうのは、
     人を絞め殺していますよね。(p.408)

世間で情報化が進むなか、「0」か「1」かのデジタル化も促進され、
そこに生きる人間にも、デジタルを求めようとする弊害が出てしまている。
全ての事柄を、「白」か「黒」かに厳格に分類せねば安心できず、
当然あってしかるべき「グレー」な部分を、一切認めようとしない風潮には疑問を感じる。





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Last updated  2011.09.03 20:16:05 コメントを書く


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