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kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2015.01.12
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 なぜなら、「うつ」や「不安障害」について書かれた本はたくさんあるのに、
 「適応障害」についての著作は、本当に少ないからだ。
 私も「適応障害」と題したものを読むのは、本著が初めてである。

 著者も本著の「はじめに」で、次のように書いている。
   実際、適応障害についての専門書は、ほとんどないといってもいいくらいである。
   適応障害についての理解は、専門家でさえも驚くほどお粗末なのである。(p.9)
 私が困るのも、「適応障害」と「うつ病」の区別が曖昧な著作が結構多いことである。

  適応障害は、小さな子どもから若者、大人、老人まで、

  その人その人の状況やストレスの種類によって、
  まるで別物であるかのように思われていたり、別の病名がついていたりする。(中略)
  適応障害では、これまで普通にできていたことが苦痛でたまらなくなったり、
  できなくなるということがよくみられる。(中略)
  こうした場合、「うつ病」と診断されることも多いわけだが、
  本来のうつ病は、体重が減少したり、体の動きがゆっくりになったり、
  表情が仮面のように乏しくなったりといった身体的な症状をともなう。
  ところが最近増えてきているのは、会社には行けないが、
  それ以外のことなら、割合元気にできてしまうというもので、
  「新型うつ病」とよばれたりする。
  しかし、その実態は「うつ病」というよりも、「適応障害」だということが多い。

  うつ病の場合には、きっかけとなった出来事があるにせよ、
  そのことが解決してストレスがなくなっても、すぐには元に戻らない。
  回復にある程度の時間がかかる。
  年齢が高くなると、回復に要する時間も長くなる。(p.5)

著者によると、本著の目的は、ストレスや適応障害について分かりやすく解説し、

ストレスや試練、逆境を乗り越えていくための技術のエッセンスを伝えることだという。
愛着障害 」についても、かなり触れられている。

そのうち、第4章「パーソナリティ・タイプと適応障害」では、
回避性、依存性、強迫性、自己愛性の各パーソナリティと、
演技性、境界性の各パーソナリティ障害について、
「特徴と陥りやすい落とし穴」「適応を改善するポイント」が示されている。

私自身は、「強迫性パーソナリティと適応戦略」を読んで、愕然とさせられた。
要するに、身に覚えがあるということだ。

また、第7章「職場で起きやすい適応障害」では、
容量オーバーや主体性を奪われることで適応障害となることや、
「管理職ストレスとうまくつき合う方法」が示されている。
後者については、記述されていることが少ない内容であり、参考になる。

  だが、もう一つタイプがある。
  それは人並み以上に適応力や体力にも恵まれ、
  精神的にも肉体的にもタフだと見られていた人がと、
  うつになってしまうという場合である。
  周囲はまさかあの人がと、予期していなかったということが多い。
  だが、誰よりも予期していなかったのは、本人である。
  自分がまさか、うつ病になろうとは夢にも思っていなかったはずだ。
  それだけに思うように体も頭も動かないという状況に直面しても、
  自分に何が起きているのかさえ、分からないということが多い。
  それゆえ、とことん症状が強くなって、周囲が異変に気づくまでじっと我慢して、
  どうもないふりをしているということにもなりがちだ。
  その分、追い詰められやすい。(中略)
  一、二週間であれば、ストレス・ホルモンが放出されることによって、
  脳や体の活動性を高め、負荷が増大した状態を乗り越えることができる。
  しかし、さらに長期間同じ状況が続くと、
  ストレス・ホルモンが今度は脳の神経細胞を障害する方向に働き始める。
  神経細胞は萎縮したり、死滅したりし始める。
  また、神経伝達物質の枯渇も起きてくる。
  いくら鞭打っても、伝達物質自体が尽きてしまっては、
  脳も体も思うように動かなくなってしまう。(中略)
  ほんの少しずつ無理が重なっていくことで、結局うつに追い込まれていくことになる。
  うつになって脳の萎縮まで起き、回復に何年もかかる状態になったところで、
  誰も面倒をみてくれるわけではない。(p.179)

この部分は、読んでいて、苦笑いするしかなかった……。





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Last updated  2015.01.12 11:40:24 コメントを書く


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