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2015.11.12
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カテゴリ: 文芸

 本著は、 『図書館内乱』 で、小牧が毬江に勧めた一冊ですが、
 小説の中の架空の一冊だったものが、こうして現実の一冊となり、
 今、こうして私の手元にあるのは、本当に凄いことですね。

 それにまつわるエピソードは、
 巻末の有川さん自身の「あとがき」や、
 山本さんの「解説」で紹介されていますが、
 これが、なかなか面白いです。


有川さん定番の、イチャイチャ・カップルが織りなすラブ・ロマンスですが、
女性の主人公・ひとみに聴覚障害があるという設定のため、
やはり、考えさせられるとことも多かったです。

  これだけ差があって、「気にすることないよ」なんて言えますか?
  伸さんは気にしないかもしれないけど、私は気にするんです。
  気にするしかない人に、そんなこと気にするなよというのはむごいです。
  ハンデなんか気にするなって言えるのは、ハンデがない人だけなんです。
  私に迷惑かけないならあなたにハンデがあっても気にしないよって人が
  ほとんどだと私は思います。
  自分に迷惑がかかったら、途端にうるさそうな顔になる人はいっぱいいるんです。
  それが現実なんです。(p.99)


実際、それが現実です。
でも本当は、少しでも自分のこの気持ちを推し量ってほしい。
全てを分かってもらえることは、決してないとは分かっていても。

  だって、障害のことは「そんなの健聴者の伸さんには分からない!」で終わりやし。
  ちょっと卑怯やでそれ。

  最初から分かるはずないもん。
  「分からんから言うても無駄や」で逃げられたら話をしたい俺は置いてけぼりや。(p.104)

伸さんは、さらにこの後、怒涛の攻撃でひとみを罵倒します。
「卑怯」ですか……こう返されたら、それこそ、もう終わりです。
このお話では、ここで終わらずに、二人の仲は回復していくのですが、
この部分に関しては、正直、伸さん側にいる人が書いた作品だなと思いました。

ここまで言われたら、もう本当に、とても無理です……
障害を持ち、そのことでたくさん傷つき、心が弱っている人にとっては、
二度と立ち直れないほどの衝撃でしょう。
そうでない人の側から見れば、それが至極真っ当な正論だとしても。

本当は、伸さんには、もっと好ましいアプローチがあったと思います。
ひとみが「こうして欲しい」ということを、上手く伝えることが出来ればいいのですが、
それを、経験したことがない人に、言葉で上手く伝えることは本当に難しいことで、
そのことが、本人にとっては、一番辛いところなのですから。

グチャグチャと書きましたが、
それでも、ページを捲る手を止めてしまわずに、
最後まで読ませて、ほんわか気分にしてしまうところは、
さすがに有川さんです。

読み終えてから知ったのですが、 映画化 もされたんですね。
あのシーンは、どんな風に描かれているんでしょうか?





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Last updated  2015.11.12 22:41:41 コメントを書く


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