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COQさん、タムラさん、いたるさん、私の4人で。このメンバーにしては珍しく、新作の中で高評価の定まったものばかりプレイした。そんな集まるたびにクソゲーばっかやってられないからね! おかげで大した解説もいらないし、突っ込むポイントもそんなないので手短に。●プロスペリティ 詳しくはこちら。 まず私持ち込みのこれ。大国の指導者となり、自国を発展させるためにさまざまな技術・設備を獲得していくが、同時に環境対策もしないといけない。 とにかくエネルギーと環境がマイナスエリアに入らないようにして、極力ペナルティを受けないようにしてみたが、たぶんこれはあまりうまくない。最終的にはそうした方がいいだろうけど、序盤はどちらか一方はぐっと減らしてでも他のシンボル集めた方がいいかな。両方マイナスにすると復活できないだろうけど、片方ならいったん減らして後半巻き返した方が効率いいかも。 私が資本、COQさんがエネルギーからお金を得る一方で、いたるさんとタムラさんはやや資金繰りに窮していたようだが、タムラさんはいち早く繁栄シンボルの獲得に乗り出し、いたるさんは研究特化でゲーム終了後の得点を狙っていた。勝ったのはタムラさん。 最終的な我が国家。繁栄点を取りに行くのが遅かったなー。あと中盤までは研究シンボルも多めだったんだけど、それを切り捨てていたるさんに抜かれたのも痛かった。最終ボーナスがあればもうちょっといい勝負になったかな。 最終得点。私は赤でドベ。うん、研究であと6点取っても勝ってないなw まあしかしこの得点トラックはないわ……史上最高に使いにくいわw なかなか面白いが、インスト時に注意点が1つ。「各時代ごとに各種類の得点シンボルは1回ずつしか出てこない(最後の時代だけ繁栄シンボルが2回出てくる)」これを決して忘れずに説明すること。これを踏まえて「少なくとも次の手番までエネルギーの決算は発生しないから、ここはエネルギーを減らしてもいいな……」とか考えてプレイするゲームだからね。この情報がないと運ゲー感バリバリだからねw 予想通り他プレイヤーとの絡みはほとんどなく、状況に応じていかにうまく自分のパラメータを管理するかというゲームだ。そういうのが嫌いじゃなければ充分面白い。繁栄点シンボルが思ったより少ないので、事前に全プレイヤーがざっとタイルリストを見ておいた方がいいかもね。●アメリゴ 詳しくはこちら。 続いてCOQさん持ち込みのこれ。アメリカを探検したアメリゴ・ベスプッチにあやかって、アメリカではない無名の多島海を探検する。じゃあそれこそタイトルは「アーキペラゴ」でよかったんじゃないかなw 初期配置の綾で、大きな島はボード中央に1つだけしかできなかった。これがまたほんとに大きな島になったw 漠然と「大きな島に絡んだ方がいいのかなー」と思い、船を1個接岸させて入植を開始したが、別にそんな必要はなかった。むしろ小さい島を埋め尽くす方がずっと高得点だったw 島の完成による得点は早いラウンドほど高いので、そりゃ小さい方から埋めた方がいいわな。 COQさんが1ラウンド目に「海賊+2」の発展トークンを取ったので、私は「海賊のダメージ半減」を取って海賊を軽視してみた。この日は海賊のルールを間違っており、「払った大砲と海賊の強さの差分だけ失点」としたため、私が取ったタイルの価値は相当低かったかな。「大砲が足りないときは海賊の強さ分満額失点」が正しいルールだが、それだとどうなるだろう。序盤はともかく、3や4の海賊マーカーが出たあとは常に全力で大砲を用意することになるのかな。そうなると「海賊+2」を取ったプレイヤーは少し大砲が余り気味になり、「ダメージ半減」の効果は相対的に強くなるのか……? 実際プレイしてみないとよく分からんね。 私とタムラさんが大きな島でお互いの足を引っ張り合う中、COQさんは経験者力をふんだんに発揮し、小さい島1つに交易所2個置いて一気に埋め尽くしたり、資源トークンと生産トークンをきっちりがめたりして、2位以下を大きく引き離して勝利した。いたるさんも「赤駒=緑駒」トークンを利用してかなりうまいことやってたが、最終ラウンドにやることがない状態になったのが響いてトップには届かなかった。充分な数の交易所をばらまいておかないと難しいね。 最終形。中央の大きな島で足を引っ張り合った……というか一方的に足を引っ張られてひどい目にあったw これも面白い。多くのフェルトゲーにある負のジレンマや莫大なテキストを期待すると肩すかしを食らうかもしれないが、フェルトだってそんなゲームばっか作ってるわけじゃないしなw 序盤の動きをミスすると巻き返しが困難っぽいとことか、終盤は交易所を置く場所がなくなるので「船の移動」アクションが空気になるとことか(逆に序盤は非常に重要なので、これに関連した発展トークンが早めに出たなら取ってもいいかも)、いくつか気になるところはあるが、駒を塔に放り込んで実行できるアクションの種類とアクションポイントが決まるルールは素晴らしい。これで箱が小さければ国内流通も見込めるんだろうけど、現状ではたぶん無理だなw●ロシアンレールロード 詳しくはこちら。 続いてタムラさん持ち込み(たぶん)のこれ。全然鉄道敷設してる気分にはなれないけど、まあとにかくロシアで3本の鉄道を発展させていくゲーム。 いろんな勝ち筋があるけど、工場特化は勝てないと聞いてたので、脇目も振らず工場特化に。負けたとき言い訳できるからねw しかし、ちょっとプレイしただけで妙なことに気づいた。工場育てた私だけでなく、経験者がちっとも機関車を購入しないのだ。考えてみれば当たり前で、序盤の機関車は大して役に立たないのよね。どうもサンクトペテルブルク鉄道で?トークンを取ることができる4番の機関車を1番手で取るのが重要だったようだ。 しばらくにらみ合いが続いたが、うまいこと自分が1番手になれるタイミングで私が洗面器から顔を上げてゲット。サンクトペテルブルクの?トークンから「?カードと終了ボーナスを得る」を選び、「工場1つ建設してマーカー2スペース前進」と「工場タイル1枚4点」を取った。当然他プレイヤーも続々と4機関車を買って?カードと終了ボーナスカードを取っていったが、ここでタムラさんが9機関車をゲット。それをキエフに置き、数手番でサンクトペテルブルクからもう1枚?トークン取って「キエフ勲章」。すでに灰色駒を進めるなどの準備は整っていたので、以降は毎ラウンド30点(黒駒をスペース8まで進めたあとは40点)。当然それだけでぼーっとしてるわけもないので、他の路線や工場からも得点してぶっちぎった。 なるほど、確かに面白い。面白いが、一見たくさんありそうな勝ち筋は、「こことこことここは最低限押さえてないと勝負にならない。その上でいろんな勝ち筋がありますよ」ってことじゃないかな。どうもそんなにたくさんはない気がする。シベリア横断鉄道で100点以上はいると言っても、そりゃごく終盤だけだし、キエフの速さはとても無視できないんじゃないの。 あと、ラウンドごとの最初の数手番の動きもほぼ固定な気もする。1番手は何であれ技師取った方がいいし、2番手以降は手番順取らないと次の手番も同じプレイヤーに技師買われちゃうし。最悪黒線路進めれば損することはないから、ルーブルと臨時労働者スペースが空いてたら先に押さえた方がいいし。もちろん終盤には「どうしても今このアクションが必要だ!」ってこともあるだろうけど、中盤まではこのあたりを順番に取った方がいいかなあ。 1回だけじゃ何とも言えないくらいの情報量があるゲームだけど、出てきた(そして取ることができた)技師に合わせて、最低限の得点源を踏まえた上で方向性を選ぶゲームかね。面白いのは確かだけど、ちょっと私好みじゃないかな。 さいごに「5本のキュウリ」やって解散。1ディール目に2倍ダメージが決まっていたるさんが即死したのが本日のハイライトw 締めにいいゲームだね、これは。
2014.01.26
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ルール表紙 当然いつも通り。 毎年恒例、BGGランキング堂々8位(2014年2月現在)の傑作ゲーム「電力会社」の拡張マップが去年のエッセンシュピールでも発表された。舞台はインドとオーストラリア。どちらにもひねりのきいた追加ルールがあり、マップも初期配置から唸らされる出来となっている。 まずはオーストラリア(クリックで拡大)。もうマップを見るだけで、これまでとは違うゲームになることが一目瞭然だ。何しろつながってない都市グループが3つあるからねw これまでもイギリス&アイルランドマップで都市グループが2つに分かれていることはあったが、3つは初めてで、その使い方も多少異なっている。 イギリス&アイルランドでは、送電網を2つ(2つの島に1つずつ)持つことができるということになっており、2つ目の送電網を開始する場合には追加の20エレクトロを支払う必要があった。この最初の配置だけが特別で、あとは通常ルールに従って送電網を拡大していくことになる。しかしオーストラリアマップでは、すべての都市はコスト20エレクトロの“仮想の”接続でつながっていると見なされる。このため、まだ自分の家駒を1個も置いていない都市グループに家駒を置く場合、他の都市グループ内で自分の家駒を置いている都市から“仮想の”接続を経由し、20エレクトロを支払って家駒を置くことになる。 この仮想接続はすでに自分の家駒がある都市グループ内でも使うことができる。オーストラリアマップでは都市間の接続コストがかなり高く、ほとんどの場合はあいだに1都市挟むだけで20エレクトロを超えてしまうのだが、そんな場合でも仮想接続を使って20エレクトロを支払うだけですむ。つまり、オーストラリアマップではどんな都市に家駒を置いたとしても、接続コストとして21エレクトロ以上を支払う必要はないのだ。このため、各ステップの終盤には、常に配置コスト+20エレクトロを支払うことになるだろう。支払額が平坦になるので、ステップ序盤で少しでも接続コストの安い都市をどれだけ確保できるかが重要になるのかもしれない。 もう1つの特徴的なルールが「ウランの売却」だ。オーストラリアではウランが採掘されているが、自国では原発を使っていないので、原子力発電所カードは「ウラン鉱山」となる。他の発電所とまったく同じように競りで獲得できるが、なにせ発電所ではないので、発電所の所有制限に含まれない。このため1人でウラン鉱山を何枚でも持つことができるが、「落札できるのはラウンドごとに1枚だけ」というルールは変わらないので、ウラン鉱山を得たプレイヤーは、そのラウンドは発電所を得ることができない。 ウラン鉱山を持っているプレイヤーは、フェイズ5中にウランを売却してお金を得ることができる。各カードは、他のマップで発電所として送電できる都市数分のウラン駒を生産する。これをマップ右側にあるウラン市場に示されている価格で売却し、そのあと価格を(売却したウラン駒数ではなく)ウラン鉱山の数だけ下げる。当然先手(最下位プレイヤーから)が有利だ。建設コストが平坦になる=所持金が平坦になるであろうこのマップでは、このウラン売却が所持金の差に直結し、ひいては競りでの勝敗に関わってくるかもしれない。 最後に「二酸化炭素税」。フェイズ3開始時、オーストラリア政府は二酸化炭素税を導入し、すべての資源の価格が2エレクトロ上がる。発電所を落札したあと、資源を購入する前に値上がりする可能性もあるので、それを見越して余分にお金を残しておかないとひどい目にあうかもしれないw もう一面はインド亜大陸(クリックで拡大)。マップとしては初期配置場所として使えそうなエリアがいくつかあり、接続コストも控えめなので初心者向けに見える。だがそれは罠っぽいw まず資源が絶望的に少ない。なんとステップ1では1~3エレクトロのスペースしか使えないのだ。石炭と石油は最大8個、廃棄物は最大6個(ゲーム開始時には3個)しかない。そしてゲーム中を通して、ウランは最大で8個しか出てこないw ステップ2に入ると4、5エレクトロスペースが解放され、ステップ3でようやく全スペースが使えるようになる。 さすがに通常のルールで資源を購入すると先手有利すぎる(というか後手は何も買えない)ので、プレイヤーは購入手番ごとに資源を1個しか買えず、パスするまで購入手番を繰り返す形式となる。まあこれでも充分つらいけどね……4人以上でプレイした場合、ステップ1中に同じ資源を3個以上使うのは相当難しいんじゃないのw さらに、廃棄物発電所の効率が悪化する。インドの廃棄物発電所は動物の糞を燃料としており、効率が悪いんだそうだ(現実にそうなのかどうかは不明)。このため、各廃棄物発電所は発電のために追加の廃棄物を1個必要とする。序盤の発電所ほど効率が悪くなるので、ほとんど無視されることになるだろう。6番の発電所なんか廃棄物2個で1都市だからね。そんなの誰も買わねーw 買うとしたら30番(4個で6都市)か38番(4個で7都市)からかなあ。 まだまだインドの(というかプレイヤーの)受難は続く。インフラが整備されていないので、急速に送電網を拡大すると停電が起こってしまうのだ。各プレイヤーは建設中に家駒を横向きで置き、全員が置いたら横向きになってる家駒の合計を数える。これが「プレイ人数×2」より多い場合、停電が起こったことになる。停電が起こると、フェイズ5中に得られる収入が「自分の送電網内の都市数×10」エレクトロ減る。10都市持ってるプレイヤーが8都市に送電した場合、90-30で60エレクトロしか得られないのだ。このため、一気に多くの都市を置いてステップ2に入る(またはゲームを終わらせる)戦術は取りにくいだろう(最終ラウンドで停電が起きた場合、タイブレイク判定のために特例として収入が発生する)。もちろん、他プレイヤーの方が大きな被害を受けるのなら、故意に停電を発生させるのもありだ。 他の拡張マップも大なり小なり熟練者向けではあるが、このオーストラリア/インド亜大陸マップはその中でもトップクラスの難易度のようだ。インドは停電の管理が難しそうだし、オーストラリアはウラン鉱山というまったく新しい要素が追加されるので、これまでの経験だけでうまくプレイするのは大変そうだ。我こそは「電力会社」マスターなり、という人向けだねwBGGの和訳ルール基本ゲームオーストラリア/インド亜大陸マップ
2014.01.22
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ボックスアート 以前紹介した「魔術師戦争」の拡張。基本セットのデザイナーはTom JollyとKevin Wilsonだが、この拡張のデザイナーは「スターウォーズ:Xウィング」や「ブラッドボウル:チームマネージャー」のJay Little。パブリッシャーは変わらずFantasy Flight Games。 若手魔術師たちがギルド長の座を賭けて迷宮内でドンパチやってるところに、数百年前の魔術師戦争で敗北した死霊術師が復活して乱入してくるという設定。これだけで心躍るなw この死霊術師を表すフィギュアのほか、フロアタイルやポータルも追加され、最大5人プレイができるようになる。 5人用マップ。バトルロイヤルゲーだから、マップが広くなって人数増えた方がずっと面白くなるだろう。 この拡張のメインは、もちろん追加カード。新たに「呪術魔法」「混沌魔法」「死霊魔法」の3つの魔術学派が追加され、それぞれに個性的な特徴がある。 呪術魔法は相手を呪ったり、魔法の罠を張ったりする。左の呪文は相手に1D4+1ダメージを与え、持続している限り追加の1ダメージを与え続ける。右の呪文はマスに魔法の罠を張り、そこに入った魔術師は手札を1D4枚捨てなければならない。 混沌魔法は何しろ混沌なので、術者にも何が起こるか分からないものがあるw 左の呪文は術者が受けたダメージを1D4減らす。右の呪文は自分の拳にかける持続呪文で、他の魔術師を殴るたびに、通常のダメージではなく1D4して表を参照した結果が発生する。4ダメ与えたり手札を2枚盗んだりと、相当強力だ。 死霊魔法は生死を司る。左の呪文は攻撃のダメージを増やし、相手が1点でも負傷すれば自分の負傷を回復することができる。右の呪文は頭蓋骨の下僕と呼ばれるゴーレムを作り出し、そのゴーレムを起点として視線が通る標的に呪文をかけることができる。 また、死霊魔法と呪術魔法には、魔力値が大きいが移動力増加には使えない(呪文の効果を高めるためにしか使えない)「激しい魔力」カードがあり、混沌魔法には供給される魔力値が「1D4+X」となる「ランダムな魔力」カードがある。基本ゲームでは移動力増加が非常に強力で、あまり派手な魔法合戦にならないこともあったので、この拡張を使う場合は死霊/呪術魔法を使わない場合でも「激しい魔力」カードだけ入れた方が面白くなるだろう(そのための選択ルールもある)。 基本ゲームを大きく変えるタイプの拡張ではなく、その枠内で選択肢を増やすタイプだ。なので「『魔術師戦争』が大好きなんだけど、さすがにヘビロテしすぎてちょっと飽きてきた……」というゲーマーなら迷わず買いだ。そんな人が日本にどれだけいるかは知らないがwBGGの和訳ルール:基本ゲーム拡張
2014.01.21
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もう何回目か分からないワレス会に久しぶりに参加。最後に参加したのが第4回なので、実に2年ぶりとなった。イエサブ戸田美女木店にて、ぽちょさん、かろくさん、ふうかさん、A葉某さん、いたるさん、私の6人で。●ルネッサンスの君主たち 詳しいルールは「ルネッサンスの君主」でググると出てきます。 まずは2003年にWarfrog Gamesから出たこれ。ルネッサンス期のイタリアが舞台で、プレイヤーは著名な一家を率い、軍事/経済/政治的影響力を及ぼすことでいくつかの都市に肩入れし、その都市を発展させようとする。 やることはだいたい競り。お金と影響力の2種類のリソースがあり、競るものによってどっちを使うか決まってる。都市タイルを獲得するとその都市に肩入れしたことになり、タイルに示されている収入(お金や影響力)と特殊能力が得られ、ゲーム終了時には「その都市の価値×持っているその都市のタイルの数」分の勝利点が得られる。都市タイルは合計6枚まで持つことができるが、5都市中3都市のタイルしか持つことができない。ある都市のタイルを単独でがめると狙われるので、他プレイヤーとある程度持ち合うことが重要だ。 イベントタイルを落札したら、そのタイルに示されている指示に従う。勝利点を得たり、任意の都市の価値を上げ下げしたりできる。ラウンドごとに4枚公開され、これが全部落札されるまでラウンドは終わらない。つまりラウンドの長さをコントロールすることにもなるので、他プレイヤーにやりたいことをさせないために、さっさとイベントタイルを競りにかけるといったプレイもできる。 軍隊タイルと陰謀タイルはコストを支払えば買えるが、戦争を選んだプレイヤーは戦争する2都市を選び、そのどちらに援軍を送るかを(影響力で)競る。援軍を送った都市が勝てばその価値が上がり、負けると下がる。戦闘ルールは攻撃側が有利になっているが、なぜか援軍を送りさえすれば勝っても負けてもその都市の価値分のお金をもらえるので、弱い軍隊タイルしかもってなくても、安い影響力で競り落とせそうなら参加する意味はある。また、勝つと勝利点が得られるのだが、これが1勝目は1点、2勝目は2点……というように増えていくので、強大な兵力を持っているなら積極的に攻撃側として参加するべきだ。 最初にどの家を担当するかを手番順に選ぶのだが、この家の能力に強弱があるのがいただけない。私が取ったのは「陰謀タイルの手札上限+1」というもの(通常は2枚しか持てない)。プレイ前は強そうな気がしていたのでもともとこれを選ぶつもりだったのだが、私がそう思った=間違いに決まってるわけでw 陰謀タイルを取るにも1アクションかかり、貴重な影響力とお金もかかるので、通常2枚持てれば充分。3枚持てる必要などまるでなかった。さらに陰謀タイルの効果にも強弱があり、使えるのが引けるとは限らない。競りのコストが下がったり、戦力を上げたりできる家がある中で、わざわざこんな家を選ぶ理由は何もないw 都市タイルの「商人」の効果を向上させるイベントタイルを狙っていたが、1ラウンド目にはふうかさんに競り負けて取れず。同じものが2ラウンド目にも出てくるのは分かってたので、それを競り落とした。その後はなるべく多くの他プレイヤーと同じ都市のタイルを持つようにしつつ、各都市の「商人」を集めて行った。戦争では1軍事力しかないのを逆手に取り、「俺が落札したらこの都市は絶対負けるぜ? おたくそれでもいいのかい?」と脅迫して競り上げさせることにのみ注力したw 3ラウンド目終了時まではそこそこ悪くないように進められた気がするが、狙っていたイベントタイル(勝利点が得られるもの)を競りにかけたとき、A葉某さんに落札されたのが痛かった。これで1手番損。さらに、4ラウンド目が実に大味だった。最終ラウンドは都市の価値を上げ下げするイベントタイルがずらりと並ぶのだが、このうち価値-2という「フランスの侵略」を敵対プレイヤーに落札され、ぽちょさん、かろくさん、私の3人が2枚ずつタイルを分け合っていたナポリの価値が暴落。逆に価値が上がったヴェネツィアのタイルを後追いで買ってみたが、やはりナポリの価値低下が響いて敗北。勝ったのはA葉某さん。 私が取ったタイル群。100年以上に渡って逆恐喝外交に貢献した軽装歩兵がこの日のMVPw どうかねー。さすがに古いかな。やることはほぼ競りなんだから、そりゃ入札額を節約できる家が強いに決まってるわなw 自分で競りにかけて他プレイヤーに落札されると単純に1手損なのも心理的につらい。 毎ラウンド戦争がフルで発生するというぬるめのプレイで、戦争重視のぽちょさん、かろくさんは相当稼いでたが、それでも都市の価値下落のせいで勝てなかった。熟練者がプレイすると戦争軽視派がイベントタイルの競りを繰り返し、あっという間に終わるので戦争では点が得られなくなるそうだが、そうなるともっと点差が開いただろう。しかし、その展開面白いかね? どうも6人プレイがよくなかった気がするな。BGGじゃ5人推奨となってるが、4人で戦争重視派と軽視派が2:2になればバランス取れるかもね。何か評価高いらしいけど、今やるゲームとしてはいまいち。●リベルテ 前回のプレイ記録はこちら。 ここでA派某さんといたるさんがそれぞれ都合で早上がり。残った4人でこれ……をやったはいいが、全員超久しぶりor未プレイで、ルールの確認から。添付されていた和訳ルールの品質も正直いまいちだったこともあり、「駒を1個しか置けないカードをプレイしたときに限り、もう1枚駒を1個置くカードをプレイできる」および「カード補充の際、駒を1個しか置けないカードを取ったなら、もう1枚駒を1個しか置けないカードを取れる」というルールを完全に忘れるというとんでもない事態にw そうだよなあ……「単純に1のカードより3のカードの方が強いし、このゲーム引きゲーじゃね?」と思ったんだよw(確認したところによると、再販されたValley Games版で新たに追加されたルールだそうだ。間違いなくあった方がいいだろう) そういうことで参考記録にすらならないが、ゲームは2ラウンド目と3ラウンド目に急進派が勝ちそうになるけどぎりぎり勝たない展開となり、4ラウンド目に1~3番手のかろくさん、ふうかさん、私が全員手札を補充し、4番手のぽちょさんが王党派をばらまいてサドンデス勝ちするというどうしようもない結果にw 1~3番手が全員ボーンヘッドとかね、これはもう恥の連帯責任ですよw ルールミスが大きかったとはいえ、やはりこれもちょっと肌に合わない。あまり選挙してる気にならないんだよなー。駒が平たい四角形ではなく、「タマニー・ホール」みたいに人型だったならもうちょっと評価上がるかも。なんだかんだいってもコンポーネントは大事だね。あとカードの色が極めて見にくいので、今から入手しようという奇特な人は決してWarfrog版は買わないように。 メンツがいいので何やったって楽しい時間は過ごせるんだけど、重いワレスゲーが何でもかんでも出来がいいわけじゃないというのもまた事実だった。ワレスに限らず、ノーシンキングでのデザイナー買いは控えましょうw
2014.01.19
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タムラさんから「最近とみに都市建設したいので一緒にいかがですか」とお誘いを受けたので、一も二もなく参加してきた。メンツはつなきさん、タムラさん、私の3人。●キャピタルズ 詳しくはこちら。 早速この日の目玉から。まず大量のアイコンを理解するのに時間を要する。「●●を得る」「○○を失う」まではすっと頭に入るが、「持っている●●1ごとに○○を1得る」とか「周辺のタイルを発動させるたびに○○を得る」になってくるとなかなか覚えられない。特に「周辺に建設するたび」と「周辺のタイルを発動させるたび」がかなりの難物だったw このゲームの場合はスペースの都合があるので総アイコン化は避けられないが、大量のアイコン並べるよりは英文書いてあった方が分かりやすいよねw 最初から繁栄タイル入りでやったが、これは最初はない方がいいかも……と言うか、現行ルールなら上級者でもなしでやった方がいいかもなー。ランダムに配られた建設条件の厳しいタイル6枚のうち5枚を建設しなきゃならないので、ほぼずっとこれらの建設条件を満たすことに注力することになる。自都市の成長方向を強烈に縛られるので、自分で戦略を立てて発展させている気にはなれないね。 それ以外のルールはどれもきちんと機能してた。ルール読んだ時点では、売れなかったタイルが値上がりする理由が分からなかったが、やってみると納得できる。ラウンド終了時に追加されるタイルが少なめな上、建設ルールによって欲しいタイルが制限されるので、常に0$スペースから買えるわけではないのだ。逆に言うと、2$や4$支払う価値があるならそのタイルを買うべきで、その見極めが重要だった。これに関連して手番順も重要になり、そのユニークな決め方もなかなか悩ましかった。 この日はタムラさんが序盤に文化トラックで先行し、それを生かすために進歩トラックでも常に一歩先を行って最高の動力施設を取っていく展開。私は何となく「永続能力多い方が強いだろ」程度に考え、それを持つタイルを多めに取っていった……が、これがあかんかったw 建設能力ならともかく、永続能力だと「周辺で他のタイルを発動させるたびに」というものが多い。なので発動能力を持つタイルを隣接させて建設しなければならないが、ルール上同じタイルを数回発動させるのは極めて難しい(コストが跳ね上がるのだ)。このため、永続能力を何度も発動させたければ、その周辺に発動能力を持つタイルを数枚置く必要があったのだ。これに気づくのが遅れ、各時代終了付近では何もできない事案が発生w 繁栄タイルの建設条件も5枚中2枚満たせず、湖にw タムラさんが建物のシナジーで、つなきさんが金満プレイで振りきった経済トラックから勝利点を蓄えるのを指をくわえて眺めるだけとなった。都市をバランスよく成長させてあらゆる要素から勝利点を獲得し、繁栄タイルからもごっそり稼いだタムラさんがぶっちぎりで勝利した。 最終的な私の都市。湖の多い風光明媚な町だよorz 都市建設ゲー好きなら間違いなく楽しめるだろう。方向性は「サバービア」と同じだが、こちらは建設時以外のさまざまなタイミングで発動する能力が多々あるので、その分相当時間がかかる。繁栄タイルの建設条件以外で他プレイヤーの都市とは絡まないのに、自都市内のシナジーを把握するだけで手一杯になるくらいだw だがそれがいいという人も多いだろう。2回目はもっとうまくやれると思わせるゲームはいいゲームだよw●5本のキュウリ ここで脳内糖分がスッカラカンになったので、箸休めにこれ。なんでもどこかの国の伝統ゲームをフリーゼがブラッシュアップしたものらしい。 トリックテイクゲームで、手札7枚、スートなし、切り札なし。リードプレイヤーが出したカードの数字に対して、それ以上の数字か、または手札で一番小さな数字でフォローする。数字が一番大きなプレイヤー(同値は後出し勝ち)がトリックを取るが、途中のトリックに意味はない。最後のトリックを取ったプレイヤーが“負け”で、自分が出したカードに示されている本数のキュウリ駒を得る(誰かが1のカードを出してたら2倍取らされる)。これを繰り返し、5本取ったプレイヤーは負け抜け。最後の1人になったプレイヤーが勝ち。 ルールは非常に簡単だが、やってみると非常に面白い。個人的には「ボトルインプ」「ポテトマン」に並ぶトリックテイク3大傑作。最後のトリックを取ったらダメなので、最後に小さいカードを残したい。だからといってでかい数字から順に切っていけば、いずれ誰かが出したカード以上のカードを出せなくなり、一番小さなカードを出さざるを得なくなる。すると真ん中当たりのカードが残ってしまい、最後のトリックを取らされる可能性が上がるわけだ。 最初はどうするべきか分からないが、何回かやっていくと「こういうセオリーがあるんじゃないか?」といった気がしてくる。トリックテイクはこの「何となく分かった感」が面白いんじゃないかと思ってるので、それがすぐに湧いてくるこのゲームはやはりいいゲームだ。もちろん手札運も多分にあるので、ダメだと思ったら被害を減らすプレイも必要だろう。 この日はうまいこといって勝った気がするが、そこを差し引いてもいいゲーム。小箱だから比較的安価で手に入りそうだし、是非国内で流通して欲しい。●サバービア+サバービア・インク 前回のプレイ記録(基本セットのみ)はこちら。 最後に鉄板のこれを拡張全部入りで。新しい建物タイルとゴールタイルに加えて、ボーナス/チャレンジタイルとボーダータイルが新要素として追加された。 ボーナスタイルはBタイルの一番上に、チャレンジタイルはCタイルの一番上に置かれる。それぞれに「2つ以上湖を持っている」とか「45金以上持っている」とか書かれており、それぞれの山からタイルを補充する必要が出た時点でその条件を満たしていると、そのタイルに示されている利益を得ることができる。全員に公開されている中間目標と言えるだろう。結構大きな利益が得られるので、まずはこれを視野に入れて発展を進めることになる。序盤に何していいか分からない初心者にも目標ができていいし、上級者にとっても「ボーナス/チャレンジを達成するか、それを置いても欲しい建物タイルを取るか」の選択を迫られることになるのでいいアクセントになるだろう。 ボーダータイルは、本質的には非常に特殊な形をした建物タイルだ。なにせ特殊な形なので置きにくいし、いったん置いたあとも他の建物タイルの配置を制限することになるが、条件を満たしているすべての隣接建物タイルから利益を得ることができるので、うまく配置すればデメリットを補うメリットがある。ヘクスタイルのみだった基本ゲームに比べ、視覚的にも変化がつくので「地形に合わせてグニャグニャと発展した結果、交通の便が悪そうな町」とか「山と海に挟まれた細長い平地にへばりついた寒村」といったイメージもしやすいんじゃないかな。多少なりともテーマが乗ってるゲームなら、そのイメージのしやすさは重要な要素だ。 この日の公開ゴールは「ブリーフケースが最多」「灰色タイルが最小」「収入が最小」の3つ。ボーナスは「湖2つ以上」、チャレンジは「ボーダー2つ以上」だったかな。私の個人ゴールは「最多湖」。当然湖をぽんぽんと置いていき、ボーナスをゲット。中盤から常に最多になるように動いたので見え見えだっただろうけど、わざわざブロックする余裕は他の2人にもなかったので、これは悠々と達成。湖と相性がいい「砂漠」ボーダーを取り(湖だけは隣接させてもペナルティを受けない)、収入を増やす。もう1枚「山岳」ボーダーを取ってチャレンジの条件を満たしたが、配置場所の選択の余地がなく、その後の発展方向が非常に制限されることになった。結局ボーダーで得た利益を食いつぶして人口を増やすことになり、終盤はほぼ停滞。トラック上でタムラさんに抜かれて負けたかと思ったが、タムラさんは個人ゴールを達成できておらず、その差でかろうじて勝利できた。 最終的な私の都市。砂漠と山に囲まれ、住宅地とビジネス街のあいだに空港があって交通の便が悪いが、工業で発展している裕福な町(だった)。 基本的には良拡張で、未プレイでも全部入りでまったく問題ないだろう。ただ、これは「キーフラワー」でも発生した問題だが、建物タイルの数が増えるのに使う枚数は(ほとんど)変わらないので、抜かれたタイルによってはシナジーが発生しづらくなってダイナミックさに欠ける展開になることがある。現状では解決策はないので(勝手に使うタイルを増やせばいいかもしれないが)、最初は追加建物タイルだけはなしでプレイした方がいいかもしれない。
2014.01.17
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ボックスアートゲームボード(上級者用B面) デザイナーは2012年にREBEL.plから「メルクリウス」を出した、ポーランドのŁukasz Woźniak。2013年にはこのゲームと「7 Days of Westerplatte」を発表している。パブリッシャーは先日紹介した「メタルム」と同じGalakta。このゲームも2人専用だが、「メタルム」のテーマがSFであるのに対し、こちらは対極とも言える中世もの。さらに、「メタルム」が同じ土俵で勝利点を競う形式であるのに対し、こちらは担当する陣営によって実行できるアクションも勝利条件も異なる非対称ゲームとなっている。 舞台は中世ヨーロッパ風のどこかの城下町。お出かけしていた君主が護衛を引き連れて帰ってきたが、こいつが暴君で、市民に蛇蝎のごとく嫌われている。にもかかわらず、町の大広場を悠々と歩いて横断しようと言い出した。護衛の騎士にとってはいい迷惑だw 市民はこれを千載一遇のチャンスと捉え、殺ってしまうことにした。暗殺者プレイヤーは大勢の市民の中に暗殺者を潜ませ、国王に2ダメージ与えて暗殺することを目指す。国王プレイヤーは国王を騎士で守りつつ、城門をくぐって安全な城内に到達することを目指す。 ボード上の初期配置マスに国王、騎士、市民マーカーを置く。暗殺者プレイヤーは12枚ある市民カードから3枚を秘密裏に選び、裏向きで手元に置く。これがそのゲームで正体を隠している暗殺者となる。正体を明かすまで、暗殺者マーカーはボード外に置いておく。 騎士(左)、暗殺者(中央)、国王(右)、市民たち(奥)を表すマーカー。これをボード上で移動させることになる。暗殺者はゲーム開始時点では市民に紛れているので、まだボード上には置かれない。 市民カード。こんなのが12枚あるので、そのうち3枚を暗殺者として選ぶ。皆さん相当怒っていらっしゃるw 準備ができたらゲーム開始。まず最初にラウンドカードを山札から1枚めくり、各プレイヤーがそのラウンド中に使用できるアクションポイントを決める。 ラウンドカード。左端のカードでは、暗殺者プレイヤーは市民や暗殺者のために5APを使うことができ、国王プレイヤーは国王のために1AP、騎士のために6APを使うことができる。国王側の一番下に足枷アイコンがある場合、国王プレイヤーは市民を捕縛することができる(後述)。 ラウンドごとに、常に国王プレイヤーが先に全APを使ってアクションを実行する(余らせたAPは失われる)。そのあと暗殺者プレイヤーが全APを使ってアクションを実行する。APの使用順や、どの騎士/市民/暗殺者に対して使うかは任意。 国王は「移動」しかできない。ただひたすらに城門目指して移動するだけ。しかし国王のAPは全体的に少なめで、斜めには移動できず、屋根に登ることも、他のマーカーがあるマスに入ることもできない。初期配置マスから城門までは最短で13マス(B面の場合)あり、ラウンドカード(A面プレイ時には15枚、B面プレイ時には14枚)が尽きた時点で城内に入っていない場合にも国王側の負けとなるので、じりじりとした移動が国王プレイヤーの胃を痛めることになるだろうw 対して騎士はさまざまなことができる。「移動」の他、通りマスから屋根マスに「よじ登り」したり(大変なので2APかかる)、逆に屋根マスから通りマスに「降下」したりできる。移動先に市民/暗殺者マーカーがあれば、それを同じ方向に押し出すこともできる(複数のマーカーが連鎖して押し出されることもある)。市民が国王の行く手を阻んで入城の邪魔をしている場合、騎士が道を切り拓くことになるだろう。 そして「暗殺者の抹殺」と「市民の捕縛」。正体を明かしている暗殺者がいる場合、そのマーカーに隣接して斬り捨てることができる。正体を明かしていなくても怪しげな動きをする市民がいる場合、そのマーカーに隣接して捕縛することもできる。いずれにせよそのマーカーはボードから取り除かれるので、まあ市民を斬り捨ててると見なしてもいいw さすがに証拠もろくにない市民をばっさばっさと斬り捨てていくわけにもいかないので、「市民の捕縛」はそのラウンドのアクションカード上に足枷アイコンがあるときに限り、ラウンドごとに1人だけ実行することができる。暗殺者として正体を明かす前に市民が捕まることもあるが、それが最後の暗殺者でない限り、暗殺者プレイヤーはその事実を公開する必要はない。国王プレイヤーはゲームが終わるまでドキドキし続けるということだw 国王プレイヤーが全アクションを実行したら暗殺者プレイヤーの手番。市民にできることは「移動」「よじ登り」「降下」の3アクションだけで、騎士とは違って押し出しを行うことはできないので、移動先が空きマスでなければならない。 暗殺者プレイヤーは手番中の任意の時点で暗殺者の正体を好きなだけ明かし、対応する市民マーカーを暗殺者マーカーに置き換えることができる。正体を明かした暗殺者は市民としてのアクションに加え、隣接している騎士を抹殺したり、隣接している国王を攻撃したりすることができる。国王への攻撃には2APかかるが、国王は2点負傷すると死亡するので、4AP残ってる状態で市民が国王に隣接する状態は絶対に避けなければならないだろう。そいつが暗殺者だった場合即死だからなw こうしていずれかのプレイヤーが勝利条件を満たすまでプレイを繰り返す。3人の暗殺者を(正体を明かしているかどうかにかかわらず)全滅させるか、国王マーカーを城門マスから城内に移動させたら国王プレイヤーの勝ち。国王を2点負傷させて暗殺するか、規定ラウンドプレイして国王の入城を阻止したら暗殺者プレイヤーの勝ち。 非対称2人ゲー、しかも勝利条件まで大きく異なるものはウォーゲームではありふれているが、ユーロゲーだとそんなにはないんじゃないかな。最近だと「アンドロイド:ネットランナー」とか「ドラコ」くらいか? 多人数なら「スコットランドヤード」系や「呪いのミイラ」とかあるな。 このゲームには正体隠蔽要素があり、これこそが肝になっている。国王プレイヤーは市民を何人捕縛しても、それが暗殺者かどうか分からないので最後まで気を抜けない。かといっていつまでも正体を隠していては、暗殺者プレイヤーは国王を攻撃することができない。今近寄ってきた市民が暗殺者じゃないか? 捕縛するか? しかし捕縛は1人しかできない。もしこっちじゃなくてあっちが暗殺者だったら……。ここで2人の暗殺者の正体を明かして、騎士を1人倒して道を開けば国王に1ダメージ与えられる。しかし次ラウンドの騎士のAPが多めだったら2人とも返り討ちだ。あと1人でもう1ダメージ与えられるか……? 「指輪戦争」でも感じたが、勝利条件が2つずつあるのもいい。片方だけに注力すると、相手がそれを阻止するのは比較的容易だろう。両者とも両方の勝利条件をにらみつつプレイしなければ勝利は難しいんじゃないか。 バランス調整が大変なうえ、どっちかが明白に有利だとゲームにならないので、非対称ゲームをうまく作るのは難しいんじゃないかと思う。その点は「メタルム」より不安だが、まあこれはやってみないと分からない。プレイする機会があったら、両陣営を最低1回ずつは担当したいところだ。BGGの和訳ルール
2014.01.10
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ボックスアートプレイ風景 デザイナーはポーランドのWojtek KrupnikとWojtek Wojcik。このペアでポーランド語のゲームをいくつか作っており、英語ルール付きで広く発売するのは今作が初めてのようだ。パブリッシャーはポーランドのGalakta。ファンタジーフライトのゲームを数多く取り扱っているディストリビューターだが、自社オリジナルゲームもいくつか作っている。なお社名のGalaktaは日本語のガラクタとは無関係の模様w 「メタルム」は2人専用ゲームで、テーマはSF。ワープ理論が確立されたので、人類はそれを利用して太陽系外に進出しようとしたのだが、何と「有機生命体を転送すると100%分解する」というとんでもない問題が発生w 仕方ないのでロボットだけを送りこみ、ワープゲートのこちら側から遠隔操作で資源採掘だけを行うことにした。なにせ開発できる恒星系は事実上無限にあるので、最初のうちは大した喧嘩も起こらなかったが、未知の鉱物「メタルム」が見つかったことで事態は激変。こいつを利用すると、ついに有機生命体の転送が可能になるのだ。どう考えてもこれを独占した企業が宇宙の覇者である。プレイヤーは企業のエースパイロットとなり、メタルムがある恒星系に派遣した工作船を遠隔操作で操り、この星系の支配をもくろむことになる。 ゲームは9ラウンドに渡ってプレイされ、各ラウンドは主に「プログラミング」フェイズと「アクション」フェイズからなる。工作船の遠隔操作はリアルタイムでは行えないので、事前にプログラムを組み、工作船はそれに従って行動することになる。 プログラムにはさまざまなサブルーチンタイルを使う。各プレイヤーは同じ内容のサブルーチンタイルを12枚ずつ持ち、そのうち1~4枚を使ってプログラムを組む。このとき「移動」サブルーチンは必ず1枚(だけ)使わなければならず、他の「配置」「特別アクション」強化」サブルーチンは1枚ずつ使うことができる(使わなくてもいいし、使えないこともある)。各タイルにはコネクターが1つか2つあり、この色を合わせて他のタイルと組み合わせなければならない。強力なタイルはコネクターが少ないので、そのようなタイルを使ったラウンドでは使えるタイルの総数が減ることになる。また、一度使ったタイルはしばらくは再利用できないので、だんだん選択肢が狭まっていく。 サブルーチンタイル。左上の3枚が「移動」タイル。一番左のタイルを使うと工作船を3惑星分移動させることができるが、下向きの赤いコネクターがないので、そこにつながる「特別アクション」サブルーチンタイルを使うことができない。 組み上がったプログラムの例。次の「アクション」フェイズで、これに従って工作船を移動させたり、さまざまなアクションを実行したりする。 互いに秘密裏にプログラムを組んだら同時公開。使っているタイルの複雑度(各タイル上の数値。上図では5になる)を合計し、低い方が先手か後手を自由に選ぶ。惑星上で優勢争いをするので、その点では後手が有利だが、先手が有利な要素もあるので常に後手を選ぶのがいいとは限らない。 手番が来たら、プレイヤーは自分のプログラムに組み込んだサブルーチンを任意の順番で実行する。「移動」は必ず実行しなければならず、タイルに示されている分だけ必ず移動しなければならない(2惑星移動するタイルでは必ず2惑星分移動しなければならず、1惑星だけで移動をやめることはできない)ので、同じ惑星にとどまることはできない。他のサブルーチンの実行は任意。また、自分の工作船がある惑星の特殊能力を発動させることもできる。 「配置」サブルーチンでは、自分の工作船がある惑星上にエクストラクター駒(現地作業ロボット)を示されている数だけ置く。あとでこの駒数によって優勢を比較することになる。 「特別アクション」では惑星の価値を高めたり低めたり、追加移動/追加配置を行ったり、自分だけ得点計算したりする。 「強化」ではモジュールカードを市場から購入したり、追加で惑星の能力を使ったりできる。モジュールカードには惑星の横に置いて利用する軌道モジュールカードと、使い捨てのアクションモジュールカードがあり、それぞれさまざまな能力を持っており、適切なタイミングで使うことができる。 モジュールカードの例。銀色のが軌道モジュールカードで、茶色っぽいのがアクションモジュールカード。中央上の「工場」を購入したプレイヤーは、プログラミングフェイズ開始時にその惑星にエクストラクター駒を1個置く(必須)。中央下の「封鎖」は購入直後かラウンド開始時にプレイでき、そのラウンド中、相手は惑星の能力を使うたびに2ドルを支払わなければならなくなる。お金=勝利点なので結構厳しいペナルティだ。 惑星は優勢プレイヤーにお金をもたらすだけでなく、特殊能力も持っている。プレイヤーは自分の工作船がある惑星の能力をラウンドごとに1回だけ(特定の「強化」サブルーチンを組み込んだ場合は2回)使うことができる。 惑星イータ。任意の惑星上にエクストラクター駒を1個置くことができる。他の惑星の能力ではエクストラクター駒を移動/除去/交換したり、工作船を移動させたりできる。 両プレイヤーがアクションし終わったら、各惑星ごとに優勢判定を行い、より多くのエクストラクター駒を置いているプレイヤーは多めの、その相手は少なめのお金を得る。エクストラクター駒を置いていない惑星からは、当然利益を得ることはできない。 3ラウンドごとに使用済みのサブルーチンをすべて回収し、再利用できるようにする。9ラウンドプレイしたあと、より多くのお金を持ってるプレイヤーが勝者となる。 いやー、どうだろうね、これ。「移動」サブルーチンは3枚しかなく、毎ラウンド必ず1枚使わなければならず、使ったタイルは3ラウンドに1回しか返ってこない。つまり「移動」サブルーチンに関しては使う順番が変わるだけで、3枚を3回ずつ必ず使うことになる。そうとうままならないことになるだろう。すでに優勢を取っている惑星にしか移動できない状態というのが一番問題になりそうなので、そうならないよう先を見据えてプログラムを組む必要があるんじゃないかな。当然、惑星能力や軌道/アクションモジュールの利用/選択も重要だろう。モジュールについては全部が公開されてはいないので不明だが、やはり手番外に工作船を移動させたり、エクストラクター駒を配置/移動/排除できるものがあるといい気がする。 2人専用ゲーをプレイした経験があまりないので、ルールを読んだだけでは正確な評価を下せそうにない。だがテーマとアートワークは好みだし、プログラムシステムは(面白いかどうかはともかく)独創的で、その他機能していないルールもなさそうに見える。こういうゲームは一度試してみたいところだ。BGGの和訳ルール
2014.01.05
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