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今年は大変な一年だった。毎日しんどかった。来年はもうちょっと楽をしたい。楽をしよう。娯楽も必要。楽しいことをしよう。筋トレも再開しよう。アカデミックなことも。そんなことを思っていたら少しだけ前向きな気持ちになってきたような気がする。2023年はとっととさよなら。2024年も大した一年にならないと思うがとにかく楽しよう。総合司会:上岡龍太郎白組キャプテン:若山富三郎紅組キャプテン:ジュディ・オング審査員:貴家貴子 畑正憲 松本零士 キラー・カーン 坂田利夫 財津一郎 三谷昇 谷村新司応援ゲスト:斉藤清六 萬田久子審査委員長:安孫子里香特別ゲスト:KAN ☆紅組☆香西かおり『好き』高田みづえ『純愛さがし』伊藤さやか『恋の呪文はスキトキメキトキス』西崎みどり『旅愁』小比類巻かほる『Hold On Me』原田知世『早春物語』森口博子『水の星へ愛をこめて』 ☆白組☆うなずきトリオ『うなずきマーチ』石原裕次郎『不思議な夢』若山富三郎『流れ者』小林旭『 思いやり』特撮『パティサワディー』沢田研二『LUCKY/一生懸命 』水木一郎『レーサーブルース』今年はダブル大トリです。本当に疲れた一年だったので癒し系の曲で一年を締めくくりたいですよ。まずは森口博子さん。この人えらいよなあ。やはり地道に同じことを続けていくことが大切なのです。そしてもう御一方。石原裕次郎さんです。以下ビッグすぎて解説省略。見習いたいものです。では森口博子さんに歌っていただきます。曲は俺たち世代の名曲『水の星へ愛をこめて』。続いて石原裕次郎さん『不思議な夢』。張り切ってどうぞ。『水の星へ愛をこめて』作詞:売野雅勇 作曲:ニール・セダカ 編曲:馬飼野康二蒼く眠る水の星にそっとくちづけして生命(いのち)の火を灯す人よ時間(とき)という金色のさざ波は宇宙(おおぞら)の唇に生まれた吐息ね心にうずもれたやさしさの星たちが炎あげ呼び合う波間さすらう難破船のようにもう泣かないでいまあなたを探している人がいるからお前に遭いたいよと愛はたぶん誰かのためそっと捧げられた永遠(とお)い祈りなのね人はひとりではいられない淋しさの星座からこぼれた花片だからねあなたが祈るたび宇宙(おおぞら)に帆があがる優しさにひかれて蒼い眠りを解かれた美しい星よもう泣かないでいまあなたを探している人がいるからお前に遭いたいよともう泣かないでいまあなたを探している人がいるからお前に遭いたいよと『不思議な夢』作詞:なかにし礼 作曲:村井邦彦昨日不思議な 夢を見た夢見て泣いて 目が覚めた青い空に 白い雲風にゆれてる 赤い花暗い暗いと 思っていたが結構この世も明るいじゃないかそれがうれしくてそれがうれしくて涙がひとつぶ ながれちゃったんだよ夢がおしえて くれたのさ季節 季節の 花の色枝をはなれて散る落ち葉人の命の はかなさをつらいつらいと つぶやきながら生きてる姿が 本当じゃないかそれがせつなくてそれがせつなくて何故か他人に やさしくなるんだよ
2023年12月31日
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集中力が落ちた。ウィリアム・H・ダビドウ『つながりすぎた社会 インターネットが広がる「思考感染」にどう立ち向かうか』ダイヤモンド社タイトルそのまんまでだからどうした?本。考察が無い。高鳥都『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』立東舎本来ならアカデミズムがこういう仕事をするべき。時代劇はホントにヤバい。島崎今日子『ジュリーがいた 沢田研二、56年目の光芒』文藝春秋社冷やかし半分で読み始めたが力作だった。ただし90年代以降の記述が薄くなるのは仕方がないか。よく書けていると思うが。神谷美恵子『生きがいについて』みすず書房あることがきっかけで読み始めた。今年のナンバーワンかも。さらさらした文章だがずっしり来る。アンド・ナウの会編『僕らを育てた特撮監督のすごい人 満田かずほ編』読み応えあったが、核心部分はサラッと交わすなあ。立岩真也『良い死/唯の生』筑摩書房嫌な予感がして購入した7月に逝去。早すぎる。八木毅編『実相寺昭雄の冒険 創造と美学』立東舎タイトルが変だがまあまあ面白かった。京都映画のスタッフにインタビューしたのは素晴らしい。白石雅彦『ウルトラマンタロウの青春』双葉社労作だがシリーズ追うごとにページが薄くなっている。目新しい発見も少ない。『タロウ』には謎がまだ山のようにあるのだが。篠原匠『誰も断らない こちに神奈川県座間市生活援護課』朝日新聞出版冷やかし半分で読み始めたが意外と勉強になった。本の性質上、きれいな話に偏重するのはやむを得ないが実際には大変だと思う。東畑開人『ふつうの相談』金剛出版冷やかし半分で読み始めたが納得するポイントが多かった。全く同じ。そこを博士論文で書けばよかったが時間と体力の限界で言及できず。ナンシー・フレイザー『資本主義はなぜ私たちを幸せにしないのか』筑摩書房読みたい本ではなかった。期待外れ。立花隆『中核VS革マル(上・下)』講談社延々とテロエピソードが綴られる。途中で気持ち悪くなるぐらい。オチはそこか・・・よく出来た映画みたいだが現実の話。斉藤孝訳『現代語訳 学問のすすめ』筑摩書房今でいうタレント本みたいな内容だった。明治維新から3年ぐらいしか経っていないのに規制緩和を主張。すげーな。日本が。広瀬義徳・桜井啓太編『自立へ追い立てられる社会』インパクト出版あらゆる「自立」を批判。執筆者によってトーンが著しく異なるため、統一感ゼロだが興味深く読むことができた。阿部志郎・土肥隆一・河幹夫『新しい社会福祉と理念 社会福祉基礎構造改革とは何か』中央法規冷やかし半分で読み始めたが面白かった。社会福祉基礎構造改革の目的と理念もよく理解できた。なるほど。やはり内閣府によってめちゃくちゃにされたのか。鈴木美咲『まんがでわかる!介護のお仕事シリーズ ケアマネ一年生の教科書 新人ケアマネ・咲良ゆかりの場合』ユーキャン面白半分で読み始めたが良くまとまっていて感心した。あるある失敗エピソードもしっかり押さえられていた。読めば読むほど障害の相談支援は介護保険の簡易版だと分かる。
2023年12月31日
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観たい映画がなくなってきた。伊丹十三監督『マルサの女』これはヒットするわ。おもしろい。全然古くない。伊丹十三監督『マルサの女2』これエグイな。三国連太郎の教祖。モデルがいたのでは?別の意味で恐くなる。伊丹十三監督『マルタイの女』伊丹十三がどんどんエスカレートして怖い。クライマックスが怖い。工藤栄一監督『町奉行日記』テレフィーチャ―。いかりや長介が『ばか兄弟』で明日ロケで朝早くから滋賀へ行かないといけないとボヤいていたのが印象的。石原興監督『かあちゃん』2000年頃製作。テレフィーチャ―か教材用映画なのか謎。人情長屋物なのに必殺シリーズのスタッフが作っているので緒形拳とか山崎努が出てきそう。狩山俊輔監督『メタモルフォーゼの縁側』面白かった。芦田愛菜ちゃん大きくなったなあ。宮本信子いい歳の取り方してるなあ。土屋啓之助監督『肉体の野獣』『スペクトルマン』など早撮りで重宝された伝説の監督の劇場映画デビュー作。チープな感じはこの人の作風なんだな。西冬彦監督『GREAT JOURNEY OF KALATE 沖縄編』空手のドキュメンタリー映画。なんかすごい。一つひとつの技に意味があるのね。沢田幸弘監督『反逆の報酬』石原プロの映画。ハードな作風だが何かが足りない。池広一夫監督『座頭市 海を渡る』市あんがなぜか四国入り。疲れていたのか印象に残らない。小谷承靖監督『ゴキブリ刑事』30年ぶりぐらいに観た。渡哲也の刑事物。『大都会』『西部警察』のプロトタイプか。石原プロ版『ダーティハリー』。小谷承靖監督『ザ・ゴキブリ』30年ぶりぐらいに観た。渡哲也の刑事物。前作同様何かが物足りない。渡哲也と沖雅也の足が長い!山下耕作監督『あゝ航空決戦隊』3時間の戦争大作映画だか、東映が実録路線でノリノリの時に作ったのでやくざ映画のように見えます。松田春翠監督『阪妻 阪東妻三郎の生涯』面白かった。80年製作で公開が93年だったのか。山田達雄監督『地獄の蟲』面白かった。稲垣浩監督・阪妻主演の同作を田村高廣でリメイク。迫力がすごかった。すぎやまこういちの音楽が実に印象的。実相寺昭雄監督『屋根裏の散歩者』こんな映画によくTBSが出資したなあ。試写が荒れたと思う。実相寺昭雄監督『D坂の殺人事件』これも変な映画。狂ってます。松原龍弥監督『遊撃 映画監督中島貞夫』ドキュメンタリー。中島貞夫の人となりがよく分かった。倉本聰は東大の同級生。アダム・ウィンガード監督『ゴジラVSコング』ゴジラはゲスト扱い。ハリウッド版で一番まともに観れたが微妙ですな。羽仁進監督『ブワナ・トシの歌』渥美清主演のオールアフリカロケ映画。寅次郎が見た夢みたいにみえてしまう。野村芳太郎監督『八つ墓村』渥美清が金田一耕助を熱演。寅次郎が見た夢みたいにみえてしまう。マキノ雅弘監督『仇討』どんな映画だったか忘れた。阪本順二監督『顔』面白かった。上手くぼやかしているがやってしまったなあ。確信犯だろうな。分かる人には分かる。小沼勝監督『NAGISA なぎさ』ロマンポルノばかり手掛ける小沼勝が撮った傑作児童映画。面白かった。海外でも評価が高いらしい。内藤誠監督『ルパン三世 風魔一族の陰謀』超意欲作。しかしストーリーは平凡で物足りなかった。庵野秀明監督『シン・ゴジラ オルソ』モノクロバージョン。カラーよりこっちのほうがいいかも。中島貞夫監督『多十郎殉愛記』中島貞夫の遺作。時代劇の復興を目指した意欲作だったが、緊急事態宣言の影響を受けて興行的に惨敗したらしい。めちゃくちゃ気合は伝わってくるが何かが足りない。時代劇を作るのって本当に難しくなっているのかも。橋本幸治監督『ゴジラ』意欲作であればあるほど空振りするのは映画の法則なのかも。面白かったけど小林桂樹の涙は今も謎。理解不能の演出。福田純監督『ゴジラ対メガロ』疲れた時に酒を飲みながら観ると癒される。中島貞夫監督『脱獄広島殺人囚』松方弘樹のチャレンジ映画。何度も脱獄を繰り返してはフリーダムを求める男を松方弘樹が熱演。ばか&ドリームがいっぱい詰まってます。深作欣二監督『いつかギラギラする日』当時話題になったなあ。あれから約30年。騙されてました(笑)。函館を舞台にした時点で負けてますよ。監督不明『ウルトラセブン・レジェンド』途中で寝てしまった。チョット持ち上げすぎでは?深作欣二監督『柳生一族の陰謀』面白かったけどこれはやくざ映画と同じ構造ですな。深作欣二監督『道頓堀川』フカキンが文芸映画にチャレンジして見事に失敗。どうしたかったんだ?真田広之が悲惨です。深作欣二監督『忠臣蔵外伝 四谷怪談』めちゃくちゃ面白い。終盤訳が分からなくなりそうになるが勢いで見せまくり。こういう映画をもっと観たい。山崎貴監督『ゴジラ-1.0』恐かった。面白かった。そして主人公たちのその後を考えると涙が止まらなかった。北野武監督『その男、凶暴につき』世界の名作映画。何べん観ても飽きない。北野武監督『3-4X10月』北野映画これが一番好き。惨敗したらしいがそりゃ惨敗するわ(笑)チャン・イーモウ監督『単騎、千里を走る。』良い話だが、何故かものすごくつまらない映画。高倉健が脱糞する中国人少年をデジカメで撮影するシーンが印象的。このシーンいるか?しかも健さん何となく楽しそう。ジャック・スマイト監督『エアポート75』なかなか怖かった。実際にありそうで。ゴールデン洋画劇場で観たことあったかも。ジェリー・ジェームソン監督『エアポート77 バミューダからの脱出』ちょっと無理があるのでは?ジャンボジェットの割に乗客も少なかったし。前作より明らかにショボくなってきた。デヴィッド・ローウェル・リッチ監督『エアポート80』機長がアラン・ドロン。スチュワーデスがシルビア・クリステル。乗ってみたいような乗りたくないような。
2023年12月31日
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今年はしんどい一年だった。新・座頭市 第2シリーズ 第19話「めの字の置きみやげ」脚本 勝新太郎・村尾昭 監督 小林正雄市がとぼとぼ歩いていると馬喰のちびっ子・三太が馬に乗れと誘う。つうことで馬に揺られてとある村にやって来ましたよ。三太は村のクソガキ共から「野良犬!」「捨て子!」と罵られるが、市をほったらかしにしてガチンコファイトで逆襲する。そんなこんなで市は親から捨てられた子どもたちが共同生活をしているちびっ子ハウスに案内される。おはるは少女だが子どもたちから「お母ちゃん」と慕われ、母親代わりになってちびっ子ハウスを運営していた。その日、おはるは三太の件でクソガキ共の保護者から非難浴びまくり、謝ろうとしない三太に代わって土下座する。市は子どもたちから年齢を教えてもらい、「お母ちゃん」の年齢がまだ十六と聞いて「ずいぶん若いお母ちゃんだなあー」と頭を抱える。計算が合いません。おはるには定八(渡辺篤史)という彼氏がいた。いつか定八と一緒になれたらいいなあ。その夜、市はおはるの身の上話を聞く。おはるも両親をしらないが、いつでも心の中にいると話す。「おばあちゃんがよくこう言いました。人間はこの世に生まれたら自分が得意なことをして世の中に返さなきゃいけない。あたしが得意なことは子どもたちと遊ぶことなんです。うちの子たちは皆親無しっ子です。でもあの子たち喧嘩したり、泣いたり笑ったりしているのを見るとあたしとっても幸せなんです。だからおばあちゃんに教えてもらったことをあの子たちに教えてあげようと思ってるんです」。市は感動しておばあちゃの位牌に向かってご挨拶する。「ホントに・・・よくお育てなさいましたね。おはるさんは幸せになりますよ」。つうことで子どもたちとすっかり仲良し、皆と遊んでイエーイ。おはるは市に感謝し、市も子どもたちと遊んで元気いっぱい。「子どもたちと一緒にいるとホントお天道様と一緒にいるのと同じだなー」。皆でおにぎりガツ食いイエーイ。ある日、子どもの一人が熱を出す。おはるは治療代を稼ぐため見知らぬ男を相手に身体を売る。市も町に出て正業に精を出す。地元の親分相手にマッサージ。ところが親分は料金未払いで市を叩き出す。そんなこんなで市はちびっ子ハウスの運営に誠心誠意で協力(掃除・巻き割り)、子どもが回復したことを見届けると旅に出る。しばらくしておはるは身体を売った男を見かけ、男に居所を突き止められる。男は親分に情報提供。上玉だぜ。金になるぜ。止めに入った定八をボコボコにするとちびっ子ハウスへ向かう。偶然その場に居合わせた市はがっつり聞き耳を立てていた。つうことで親分たちがおはるを極悪スカウトして連れ出そうとしたところに市がぶらりやって来る。「えへへ、どちらへ?」「なんだ手前エは?」。市は親分たちに唾吐き攻撃を開始、袋叩きにされるがおはるに向かって「子どもたちにちょっと目を瞑らせて下さいよ」とご案内。子どもたちが目を瞑っている間に全員皆殺しにする。子どもたちには刺激が強すぎますからね。死体も片づけました。目を開けると市の姿はない。「市さーん!」「おじちゃーん!」。代わりに両方の鼻の穴から血を流した定八が現れ、おはるに街道で身体を売ったことを確かめる。おはるは否定しない。定八はおはるを抱きしめる。二人を温かく見守る子どもたち。その後、ちびっ子ハウスに市が習字の時間に書き残した「め」の字の書が見つかる。達筆な書に子どもたちは「うめえなあ・・・」と言葉を失う。市は吹雪が舞う中、旅を続ける。お・わ・りこの放送の三日後に勝新がアヘンを不法所持で書類送検されてしまいます。たぶん当局と打ち合わせ済み。つうことで『新・座頭市 第2シリーズ』は打ち切り。エライ置きみやげをぶっこんでくれましたね。
2023年12月31日
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何も考えない。新・座頭市 第2シリーズ 第18話「こやし道」脚本 犬塚稔 監督 太田昭和座頭市ソックリの男・龍文徳の徳之助(サッポロ一番)登場。たまたま通りかかった市を呼び止めると「座頭市」に間違われて迷惑していると訴える。もう少しでやくざ軍団に斬られるところだった。「こりゃどーも酷い目に遭いましたね」。市の素っ気ないレスにブチ切れ。市は足を踏み外しそうになったところをお梅に助けられる。周囲はもうもうと煙が立ち込めている。「火事ですか?」「畦を焼いてるんです。悪い虫を焼いてるんです」「へー悪い虫を」「毎年この頃に焼いてるんです」。焼いた灰は肥やしになる。「悪い虫でも肥やしになるんですか?」「はい・・・肥やしになります」。徳之助は女衒の清次(また村上チーフ)と旅を続けている。本当は目明きだが盲目のふりをしている。清次はまともな宿に泊まりたい徳之助をあれこれ説得してお寺にご案内。その寺では市がエロ住職の信海(また殿山泰司)にマッサージ中。女房のお兼(また中村せん)が市ソックリの男を清次が連れてきたと告げる。信海夫婦と清次は女で丸儲けの極悪ビジネスパートナー、検校になるつもりか金を持っている徳之助をぶっ殺すつもりでいた。その夜、新しい金になる少女が十五両で売られてくる。お梅だ。女衒は常に三、四人の女を抱えなければ割に合わない。そのためどうしてもまとまった金が必要だ。清次が徳之助にビジネスの極意と苦労を解説しているとろれつが回らなくなる。清次が毒を仕込んだ酒と自分の酒をすり替えていたのだ。そして毒針でとどめを刺すと金を強奪する。さらに信海に手を組もうと誘いながらお兼とセットで毒殺する。その頃、市は町方に徳之助に間違われてえらい目に遭っていた。そしてお梅を売ったお絹ばあちゃん(田中筆子!)を見つける。こめかみには毒針が刺さっていた。そんなこんなで市を追うやくざ軍団が村に押しかけてくる。一方、徳之助は信海が床下に隠した三十両を探すが一文も無くブチ切れ。その時、頭上から市の声が聞こえる。「とんでもねえ野郎にはとんでもねえ野郎がついて回るものさ」。徳之助は殺る気満々。「居合が勝つか針が勝つか、ひとつ勝負をしてみるか」。しかし市は仕込み刀で毒針攻撃を跳ね返すと徳之助の首のツボに毒針をブッ刺す。「そのツボは勘弁してくれ・・・!野郎・・・手前エのツラ・・・極楽へ行っても忘れねえ・・・!」「やっぱり手前エは目明きだったな」。そしてお梅を救出すると「これはお前さんの肥やしにするんだぜ」と言って徳之助の有り金二百七十両を渡す。お梅はやくざ軍団を瞬殺する市にすがりつくと「私、一生懸命働いて按摩さんの杖の代わりになりますから・・・一緒に連れて行って下さい」と懇願する。「俺の杖の代わりなんざしたら地獄へ落ちる。お前さんは極楽へ行く人だヨ」「どこにあるんですか?」「そりゃ自分で探すのさ」。涙を浮かべながら市の後ろ姿をいつまでも見つめるお梅。次回感動の最終回(打ち切り)。
2023年12月31日
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面倒だなあ。新・座頭市 第2シリーズ 第17話「霜夜の女郎花」脚本 村尾昭・中村努 監督 太田昭和予算の関係かほぼセットで撮影。冒頭やくざ軍団がメシをガツ食い中の市をぶっ殺すが人違いだった。えらい迷惑です。冬の田んぼ道を爆走するおはつ(音無美紀子の妹)。追いかけるおっさん(犬飼一郎)。おはつはお地蔵さんに何やらお願い事をしてます。通りかかった市は気にかかります。その後おはつは女郎屋へ行き看板女郎のおいね(音無美紀子)をご指名。しかも四日間。何だか変な客だねー。オーナーの藤兵衛(エバやん)は総額三両と吹っ掛けるがあっさりお支払い。おはつはおいねの妹、病気を患っているおいねを休ませるために四日間買い切ったのだ。久しぶりの再会に涙を流す二人。そんなこんなで市も同じ宿場町にご到着、悪徳十手持ち・まむしの弥三(清水紘治)にいきなり肩を揉めとか暴言ブッ込まれたりするが、仕事を斡旋される。案内されたのは藤兵衛の女郎屋。ここにいれば按摩の仕事に困ることはない。つうことで強引に藤兵衛の肩を揉ませる。しかもぼったくり価格の三十文。自分からマッサージを頼んだ覚えはないと藤兵衛は嫌がるが、無理やり市にお支払い。その後「半分よこせ」と市からピンハネ。市に仕事を紹介したのは小銭稼ぎが目的だったつう話。さらに弥三はおいね・おはつ姉妹の話を聞いて「俺はこういう話には弱いんだヨ」とじーんと来ました。藤兵衛に話をつけるので二人で湯治場へ行くことを勧めるが、実はおはつに目を付けていた。おはつはおいねに一つだけ残っていた田んぼを売って金を作ったと話すが、本当はおっさんから盗んだ金だった。翌朝おっさん登場。おはつに「金返せよー!」と迫るが、弥三も登場。おっさんは全国指名手配犯だった。弥三はおっさんを見逃し、おいねをピンチから救う。おはつのために金を盗んだとはいえ「しかしーそいつは不味いなー」と揺さぶり&明日二人とも宿場町から出してやると提案。「俺に任せろヨ」と言って証文を取り消す代わりにおはつの身体を奪う。その頃おいねは井戸に身を投げようとしたところを市に止められる。おいねは市に女郎花について話し始める。「女郎の花って書くんですって。日陰の目立たない所に咲いて、誰も知らないうちに枯れちまうんですって。五年前あたしが初めてここで働くようになった時、おはるさんて姉さんが教えてくれたんです」。おはるは井戸に身を投げて死んだ。「ちょうどあの花が枯れる頃。あたしおはつには幸せになってもらいたいんです。おはつさえ幸せになってくれれば、あたしの夢もくっついて幸せになれるんですから」。そんなこんなで明日には出発のはずだったが、おいねには薬代など五両の借金が残っていたと弥三が悪の説明。「それを聞いて弱っちまったなー。どうしたらいいもんかなー」。そこでおはつに悪の就活、借金帳消しのため女郎として働くことを勧める&かっぱらいの件で強請攻撃。そこへ冒頭のやくざ軍団が合流。親分はおはつの初仕事のご祝儀に五両を差し出す。ところがおはつを抱いた後、弥三に「こいつが俺の五両を懐に入れたんだ」。それを聞いて「手前~生まれつきの手癖悪だな」と小芝居開始。おはつぼろぼろ。市はおはつに「世の中なんてなあこうしたもんだよ。だからといって何もかも真っ暗闇になったわけじゃねえ。お前さんにはお地蔵さんがついてる。こういう思いを元手にして強くならなくちゃいけねえ」とカウンセリング。優しく肩をなでる。そんなこんなで市が「座頭市」だと気づいた親分と弥三は酒宴に市を呼ぶが、全員滅多斬りの皆殺し。市は藤兵衛からおいねの証文を奪う。翌日おいねとおはつは故郷へ帰り、市はおいねの証文を焚火にくべると旅に出る。お・わ・り
2023年12月31日
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もうちょっとぐらい上昇志向でもいいのかも。新・座頭市 第2シリーズ 第16話「裸の泣き虫役人」脚本 勝新太郎・東条正年 監督 井上昭山本周五郎っぽいほのぼの人情話。これを最終回に持ってきたらよかったのに。花嫁さん一行が通って来ましたよ。市はご祝儀にお餅を一つもらう。もぐもぐ餅を食いながら「末永く・・・長持ちして下さいましよ」としみじみ。市は百姓相手に博打場を開いているチンピラを懲らしめ、百姓たちにこんなことしちゃダメと諭してお金を返金。お金が入ったざるには二朱だけ残っていた。「世の中ってのはまだ何もかも悪くなっちゃいねーなー」とほのぼの。その夜、市がマッサージに訪れた屋敷に盗賊が押し入るが、市の活躍で全員捕らえられる。勘定方の役人・山田吉次郎(川浜高校ラグビー部・内田勝の父親)はおどおどするが、現場に立ち会うだけで良いと言われて屋敷へ向かう。市が同じ宿に泊まっていると知って酒を振る舞い、市はお返しにマッサージ。二人はすっかりお友達になる。山田は我孫子へ向かう市にリクエスト。我孫子には祝言相手のゆき(吉田日出子)が松乃屋という宿で働いている。今夜の一件で到着が二、三日遅れると伝えてほしいとお願いする。その後、山田は上司の代官(スガカン)に今回の仕事を報告、不正がないか徹底的に調べ、賄賂を差し出されても受け取り拒否しましたと生真面目ぶりを発揮。しばらくして代官は数日前「座頭市」が盗賊を捕らえ、山田が現場にいたことを知ると山田を公事方手代頭に任命、「座頭市」を捕らえるよう命令する。宿でなかよく酒を飲んだ男が「座頭市」だった。つうことでこのままだといずれ山田が自分の不正に気付きかねない。そこで山田に「座頭市」を追討させ、どさくさに紛れて殺されてもらう作戦。市の行く先々は死体ごろごろですからね。そうとは知らず山田はえらいことになっちゃったとブルー。一方、市は我孫子に到着、ゆきに会って山田のことを伝える。ゆきにはたー坊という男の子がいた。そして山田も我孫子入り、ゆきから市の言付を預かったと聞き、ゆきは山田の出世を喜ぶ。二階から市とじゃれ合うたー坊の楽しそうな声が聞こえる。そんなこんなで山田は市と再会、世話になったと礼を言い、市は山田の出世を祝う。そして「あなたは座頭の市と呼ばれてるんですか?」と単刀直入に聞き取り開始。「夜道なんかは・・・大丈夫ですかね?」「おかげさまで昼も夜もありゃあしません」。それなら今すぐにここを発つよう市に懇願する。市を逃がした後、何とかうそをついて誤魔化すつもりだ。そして「私も飲みます・・・今夜は飲みます!」と市と酒を酌み交わす。「私は今まで中途半端な嘘ばかりついてきました。他の役人は出世するために恐ろしい噓を平気でつきます。それを民百姓は信じるんです。私は間違っている。本当のことを私が言うと嘘になるんです。嘘をつき始めるとその嘘を隠すためにまたひとつ嘘を言う。そしてまた嘘を言う。どんどん雪だるまになって十年、二十年。このたー坊が大きくなった頃には嘘ばっかりの世の中になりますねー」。そして市にゆきへ酒を注がせ、山田も市も酒を飲む。「今夜の酒はうめえ。おいちょっとやるか?」とたー坊にも酒を勧めて四人ほのぼの。ところが代官軍団が松乃屋に向かってくる。「おゆきさん、私は今から本当の嘘をつきますからね。こんなもの着てるから嘘ばかりつくんですよ。裸一貫になったら嘘をつけます!」と言って裸になると二階から代官に向かってシャウト。「よく聞け―!皆帰れー!ここに座頭市はいない!おわり!」。さらに「こんなものはお返しします!」と言って十手と代官から渡された金を放り投げる。「座頭市はいないと何べん言わせるのか!私は噓を言っていない!本当のことを言ってるんだ!おわり!」「山田ー気でも違ったか?」「気が違っているのは貴様たちのほうだ!私ゃねーもう役人なんか辞めて百姓に戻るんだ!裸一貫でやり直すんだよ!お前たちは百姓がどれだけ汗を流して畑を耕しているのか・・・考えたことがあるのか!それで役人が務まると思うのか!どうして市さんを捕まえなきゃならないんだ!私は絶対ゆるさーん!」。山田のシャウトにじーんとした市は山田に扮して代官軍団の前に姿を現すと皆殺しにする。山田がふと気づくともう市の姿はない。「市さん・・・市さーん!」。お・わ・り
2023年12月30日
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将来スナックを経営したいです。名前はもう決めました。『スナック愛 ni 恋』。新・座頭市 第2シリーズ 第15話「女の鈴が哭いた」脚本 山田隆之 監督 井上昭世にも悲惨なエピソード。監督は井上昭だが部分的に勝新が演出したのでは?市のドアップでスタート。実相寺昭雄もびっくり。ドアップ過ぎて度肝を抜かれます。耳の穴とかあごひげとか。これは何の意図?夫婦の大道芸にやんややんや。夫の菊次が胡弓を演奏、妻のおりん(桜中学の平野先生・担当は数学)が鈴を鳴らして踊りを披露。そして菊次が鈴の音を頼りにおりんへ出刃包丁をぶん投げる。絶妙に外れる壮絶パフォーマンス。菊次は盲目だ。お客さんsatisfactionで投げ銭ぶっこみ、中には一両を出す者も。二人はメロメロの超ラブラブカップル。その仲の良さにほっこりしちゃう市。そんなこんなで三人は同じ宿でご宿泊。菊次の手を握りしめながら甲斐甲斐しく入浴介助するおりんの幸せそうな表情。風呂のお湯より熱いラブラブぶりに「私もう出ますから・・・」と市もたじたじ。火事に見舞われたおりんを菊次が助け出したが、その時に目を焼いてしまったことがきっかけで二人は夫婦になった。おりんが菊次に惚れました。「あるとこにはあるんだなあ・・・幸せってのが」。感心しながらも二人の所かまわずイチャラブっぷりに市はどうしていいやら。そんなピュアボーイの市と菊次&おりんをジトっとガン見する男・寅吉(円盤生物ブニョ)。左手首を切断された記憶が何度もフラッシュバックする。翌朝おりんと市が洗濯をしている間に寅吉が薬売りと称して菊次に近づく。昨日の芸を絶賛、ご祝儀の一両もスゴイよね。菊次は一両は偽物でよくあるイタズラだと否定するが「こんなこと言っちゃあなんですが、ひょっとしておかみさんお前さんの目が見えないんで隠してるんじゃないですか?うふふ」とぶっこみ。「いや今もねこの下の洗濯場で薄汚ねえ按摩がおかみさんにごちょごちょ言ってたんで・・・。あんなべっぴんなおかみさんに一両小判持たせといたら危ないんじゃないかなーと思って・・・それで言ったんですけど」とガセネタを吹き込む。「変なこと言ってごめんなさい。気にしないでおくんなさい」と言われるが、菊次は一気に疑い深くなる。巾着に一両が入っていない。おりんは紙で作った偽物だったので捨てたと話す。続いて菊次を酒に誘って心理作戦第二弾。「何が酷いって女房に裏切られることぐらい酷いことはないネー」。嫁さんに浮気された時の悔しかったエピソードを披露。「つまんない話しちゃってごめんね。でもお前さんしあわせだなー。あんなべっぴんなおかみさんがいて・・・」「お前さんのおかみさんはあんな薄汚い按摩に引っかかるような人じゃーないよネ」などぶっこみまくり。あっという間に菊次は被害妄想ビンビン。市に部屋から出て行けと迫り、おりんを平手打ちする。寅吉はとどめの心理作戦第三弾、狂った菊次に何やら耳打ちをする。市がおりんに「今までが幸せ過ぎた・・・」とカウンセリングしているところに菊次が出刃包丁をぶん投げてくる。その後、寅吉は赤牛の八右衛門(魔風雷丸)の賭場へ乱入、目こぼしする代わりに座頭市をぶっ殺せと命令する。寅吉は十手持ちで市を猛烈に恨んでいた。そこへ市が客としてぶらり登場、偽物の一両を投げ込んだ男を捕まえる。男は全然悪気が無かったが、シャレにならないことになっていると聞いて偽物と説明するため菊次を訪ねる。しかし寅吉がぶっ殺して口封じ、すっかり冷え切った菊次とおりんにしめしめ。菊次は被害妄想大爆発、鈴の音を聴いただけで発狂寸前、二人をつないでいた鈴を叩き割ってしまう。誰か裏で糸を引いているに違いない。市がおりんをなだめているところに出刃包丁を手にした菊次が半笑いで登場。おりんは涙を流しながら鈴を鳴らして自分を伝える。出刃包丁を投げまくる菊次を市が止める。同時に殴り込んできた八右衛門軍団をブッタ斬りまくり。手持ちカメラで撮影、勝新の殺陣が凄すぎる。全員皆殺しにした後、床下に隠れていた寅吉を仕込み刀でずぶずぶブッ刺し、全てでっち上げだったと白状させる。「何の恨みがあって手前エそんなことした?」「手前エが俺の手首斬って・・・どっかへ持って行っちまったからだ!」。市は菊次とおりんに向かって土下座させる。「この度は・・・とんでもねえ出鱈目を言って・・・お二人に飛んだ迷惑をおかけして・・・すいませんでした!」と言いながら市に斬りかかるが瞬殺。菊次は泣きながらおりんに詫びる。おりんは抜け殻のように俯いている。二人の仲は元には戻りそうにない。お・わ・り
2023年12月30日
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このまま15年ぐらい休みたいね。新・座頭市 第2シリーズ 第14話「夢に追われて阿波踊り」脚本 田口耕三・安田公義・岩元南 監督 小林正雄いつも北関東をぐるぐる旅している市が何と徳島県にやってきましたよ。しかも先週雪山登山していたのに今週は夏。船に乗っていい旅夢気分。船には父親の位牌を持ったちびっ子・新吉と謎の女・おれん(江波杏子)も乗っていた。阿波の国こと徳島県に上陸。さっそくちくわをガツ食い。新吉は父親の位牌を祖父・徳島屋(浜村純)へ届けに行くところだった。徳島屋の屋敷はビッグ。藍玉の製造を一気に請け負っているが、これ以上儲けるつもりはない。そこに目を付けたのが反社系の廻船問屋・逆潮の平六(小松方正)。そんなこんなで徳島屋は新吉と初めてのご対面。息子の卯之吉が死んだこと、嫁のお絹も死んだと聞いてびっくりするが、新吉を追い返してしまう。新吉も「くそジジイ!」とシャウト。一方、市はおれんと亡き亭主の弟・駒吉に命を狙われるがしれっとスルー。おれんの亭主は市に殺されていた。その恨みを晴らすため平六と極悪連合を結成する。そこへマッサージに呼ばれた市がやって来て平六の腰を揉み揉み。そこには何故か捕まっていた新吉がいた。さらにそこへ顔を出したおれんは市がいることにびっくり。偶然が重なりすぎですね。市は新吉を連れ出すが、新吉の怒りはまだ収まらない。青少年の健全育成にも造詣の深い市は体当たりで新吉と向き合う。新吉は江戸に帰ると言って、市に位牌を徳島屋へ届けてほしいと頼む。子どもの涙には弱いよ。つうことで新吉を連れて徳島屋を訪ねる。取り次いだお志乃(吉沢京子)は15年前に嫁いできたが、その日に卯之吉は使用人のお絹と駆け落ちしたのだ。以来ずっと卯之吉が帰ってくることを待ち続けていたと話す。「夢だったんですね・・・。卯之吉さんはもう・・・帰ってこない」。泣き崩れるお志乃にさすがの市もカウンセリングできません。お志乃はこれから新吉の母親になると言う。そんなこんなでおれんは市と接触、ストレートに復讐を宣言する。壺振り師だった亭主は市にイカサマを見破られ片腕切断、そのことが原因で死んだと説明されるが市は「そんな奴いたっけ?」みたいな表情を浮かべる。でも大人なので口に出しては言いません。そんなこんなでお志乃は徳島屋に新吉を受け入れるよう説得、ホントは徳島屋もそのつもりだが卯之吉が許せねーよ。そこへ平六登場、新吉を人質に取り藍玉製造の権利を寄こせと迫る。孫の命には代えられねーよと契約書にサインをしようとした時、市が現れ平六たちを叩き返す。こうして徳島屋、新吉、お志乃は一緒に仲良く暮らすことになりました。市も思わずにっこり。その夜、徳島県のビッグカーニバル・阿波踊り祭りが開催。徳島市観光協会の全面協力でものすごい人たちが踊ってますよ。市と新吉も狂ったように踊りまくって華麗なステップを披露。勝新の愛弟子・松平健もびっくり。熱狂の最中、おれんも踊りながら市を狙う。しかし失敗。続いて平六軍団が踊りながら接近、市を物陰に誘導するが皆殺し。市はそのまま新吉の前から姿を消す。お・わ・り
2023年12月29日
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いろいろ。新・座頭市 第2シリーズ 第13話「忠治を売った女」脚本 佐藤繁子 監督 黒田義之雪山を歩くおまき(二宮さよ子)。その足跡を頼りに市も雪山を歩いている。こないだスイカをガツ食いしていたのに季節と時系列がむちゃくちゃです。おまきは追われる身だった。そのおまきを夫で国定忠治一家のやくざ・庄八(岸田森)が跡をつけていた。ひょんなことで三人は合流。おまきは市が「座頭市」だと気づいていた。親分の国定忠治と座頭市はフレンドリーだと聞いていた庄八はびっくり。しかし忠治は一年前、身内に売られ磔獄門になっていた(『座頭市物語』第16話参照)。おまきは忠治を売ったのは庄八だと言う。「市あん、この人はね自分の女房を親分に取り上げられちまってね・・・忠治だって男は男、やくざはやくざ。この人そりゃ恨んでたからね。おかげであたしまで巻き添いくっちまって追われ旅さ」。翌日おまきは土地のやくざたちに捕まる。やくざたちは国定一家とは何の関係もない。「俺のせいじゃねー」と酒をかっくらっている庄八に市が熱燗を飲みながらさりげなく傾聴。「市あんよ、あの女は酷え女なんだぜ」。おまきが忠治の妾になって三年。おまきは忠治に復讐するチャンスを狙いつづけ、病身の忠治を売ったのだ。「恐ろしーよなー女って」。とか言いながら庄八は土地のやくざ・勘蔵におまきを売っていた。勘蔵はおまきを国定忠治を売った女として晒し者にして儲けようと企んでいた。三日も晒せば三百両の買値がつく。その夜、庄八は市にカウンセリングを依頼(カウンセリング料はかけそば二人前。但し支払いは市)。おまきがあまりにも自分のことをバカにし、腹が立ったため勘蔵に売り飛ばしたと告白する。「ざまあみやがれ。晒し者になって。俺はよすーっと近づいてくとお前さん、何とかしてくれ、何とかして助けておくれ後生だから・・・そう言うと思うじゃねえか?ふん・・・ふん・・・鼻で笑いやがった。恐ろしい女だよ・・・」。庄八は一日だけでいいから男として扱ってもらいたかったと話す。「ばかにしやがってよ・・・」。なるほど。市は切ない男心を分析。「お前さんホントにおまきさんに惚れてるんなら・・・命賭けるこったネ」。しかし命を無くしたらどうしようもない。「だから!命を懸けられるかどうか・・・よーく考えてみな。そうすりゃきっとお前さんを頼りにするだろ。女なんてそんなもんさ」。勝新と岸田森の演技合戦。しかも延々ワンカット。そんなこんなで庄八が勘蔵の屋敷を訪れた時、おまきが簪で勘蔵の目を突き刺していた。咄嗟におまきを連れ出して逃走、男気を発揮する。市もおまきをサポート、勘蔵軍団に捕まった庄八を救出する。市は命懸けでおまきを助けようとした庄八を見直す。一方、おまきは「あたしも忠治の獄門首を見に行ったんだよ。ざまあみやがれと笑ってそう言うつもりでね・・・でも笑えなかった」。自分を手籠めにした憎い男だったのに。「その時初めて分かったんだ。あたしは忠治に惚れてたんだ。惚れた男を獄門台に送っちまって・・・後の祭りだよね」。忠治を憎み、庄八を恨み、市にまで迷惑をかけてしまった。そんなこんなで三人は吹雪の中、逃走を続けるが、庄八はこっそり抜け出し勘蔵軍団と対峙する。しかしあっさり斬り捨てられ、追いかけて来た市が勘蔵軍団を皆殺しにする。庄八はおまきの腕の中で「おまき、見ててくれたかい?ちったあ俺のこと見直してくれ・・・おい・・・」と言って絶命する。翌朝、市は一人で旅を続ける。お・わ・り
2023年12月27日
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寒い。新・座頭市 第2シリーズ 第12話「雨あがり」脚本 星川清司 監督 太田昭和大雨&どしゃぶり。とある宿場町。河村屋の女将・おとき(AYUこといしだあゆみ)が六文屋(花沢徳衛)にひっそりご宿泊。おときは町のマッドバイオレンス・今朝次(夏八木勲)を番所に突き出し、島送りにした張本人。今朝次が帰ってきたらおときを追ってくるに違いない。やべーことになるよと震え上がる六文屋とめし屋の九八(高品格)。翌日、おときに会うため市がぶらりやって来るが町は超厳戒態。五年ぶりの再会にハイテンションの市とは対照的におときは関り拒否。「今の私は昔を忘れたいんだよ。だからその一両で私んとこ来ないどくれよ。お前さんとの因縁を切りたいんだよ」。すっかり変わってしまったおときにしょんぼり。町は今朝次がパワーアップして島から帰って来るニュースでビビりまくり。そのことを耳にした市は町に滞在、再びおときの許を訪れる。六文屋&九八たちはおときに町から逃げるよう説得するが、おときにそのつもりはない。その後、市が「座頭市」だと知ると事態の収拾に協力を求める。そんなこんなで市はやけ酒するおときにカウンセリング。「あたしの死んだ亭主って本当に良い人だった。仏様みたいな人だったんだよ。お金を貰わずに男に抱かれたのはあの人が初めてさ。この人のためならどんな苦労もしようって矢先に・・・」。今朝次が現れたのだ。「市さん、時々自分が分からなくなるんだよ。きっと嫌な女なんだろうね。あんな仏様みたいな男に抱かれてる最中でも・・・あんな奴にこの暮らしを壊されてたまるかって。だから番所に訴えてやったんだよ。そしたら縄を掛けられて引っ張られて行きながらこの宿場の人たちを叩き殺すって。大きな声で喚いてさ」。九八はおときを助けるため今朝次を斬ってほしいと市に再度交渉開始。おもてなし作戦としてどんぶりめし(おかわり四杯)&山盛りのめざし&ノーカットたくあんのグルメ攻撃。市はワイルドすぎるぐらいガツ食いしながら来るべき決戦に備える。今回の名シーン。ところが事態は急展開。市が今朝次を斬らない限り平和は戻らない。そこで六文屋はおときを町から追い出す。巻き添え喰らうのはごめんだヨ。つうことで今朝次到着、おときと再会する。「俺は・・・手前えをぶっ殺すために帰ってきた・・・殺してやるー」。興奮のあまりはーはー言いながら何故か抱擁。おときも懐に忍ばせた出刃包丁で背中をブッ刺そうとするがぽろりと落とす。「変わっちゃいねー!」と絶叫する今朝次。男と女は分かりません。そこに市が現れローカルやくざたちを瞬殺すると今朝次と対峙。「おときさん、大きな目玉を開けてよく見てるんだぜ。どっちの誇りが生き残るか・・・」。今朝次は吹き矢を市の顔面に突き刺すが、あっさり斬り殺される。市はおときに一両を握らせると町を後にする。お・わ・り
2023年12月26日
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風邪は気合と葛根湯とベンザブロックでぶっ飛ばす。新・座頭市 第2シリーズ 第11話「子別れ街道」脚本 新藤兼人 監督 太田昭和箸休めエピソード。市は旅籠からチェックアウトの準備をしていると三吉という男の子に手紙を渡される。読めねーつうの。そこで仲居さんが代読。三吉を印旛沼に住むじいさんとこへ送り届けてちょ。何だかよく分かんねーけど子ども好きなんで引き受けます。手紙を書いたのは三吉の父親・印旛の佐吉(村上チーフ)。佐吉はやくざの親分・熊ン蜂の多助(金田金男の父親)の愛人・お品(范文雀)とビッグラブ&逃走。多助の子分・疾風の銀太、丹子母鬼馬二たちに追われていた。そこへなんとなく市&三吉と合流するが、二人の前で滅多斬りにされる。すかさず市がやくざたちを追い払うが、佐吉はお品に三吉のことを頼むと息を引きる。つうことで市は三吉&お品を連れて印旛沼へ向かうことになる。お品は借金のかたに多助に女中奉公として預けられ、無理やり女にさせられてしまった。毎日こんな暮らしが続くならいっそ死んだほうがましだと思っていたが、佐吉が親切にしてくれたことで手に手を取って逃亡。ただし誘ったのはお品。佐吉の故郷・印旛沼には漁師をしている佐吉の父親がいる。父親を頼って三吉も含め三人で生活するつもりだった。お品の話を無言で傾聴する市。その後、三人のアウトドアの旅が続く。焼きおにぎりまいうー。そうとは知らず銀太、丹子母鬼馬二たちも後を追って印旛沼に向かっている。実は銀太もお品に「ホ」の字ダネ。しかし惚れていたのは銀太だけでなく他の子分たちも同じだった。そんなこんなで印旛沼に到着。佐吉の父親であり三吉の祖父・七右衛門(ナーンチャッテおじさん)に佐吉が書いた手紙を渡す。急にちびっ子や美女、みすぼらしいおっさんが現れて七右衛門びっくり。堅気の生活を捨ててやくざになった佐吉は茶店の女と印旛沼から出て行ったのだ。お品は自分のために佐吉が死んだことを伝える。三吉も七右衛門に話しかける。「ちゃんはいっつもおじいちゃんのことを自慢してたんだ。元は侍で槍を使えば名人だってね」。七右衛門しみじみ。一人で酒を飲む七右衛門に「一緒に住んでやってもいいぜ」とフランクな孫・三吉。七右衛門は三吉に佐吉の最期を聞く。「壮烈な討ち死にだったんだな・・・」「うん、壮烈な討ち死にだった」。しかし三吉が語った話は市の活躍を大幅にアレンジしたものだった。そんなこんなで銀太も追いつき、お品と接触する。お品は銀太のことを慕っていた。銀太もそのことを分かっていたが、お品はあくまで多助のものだ。そのうえ佐吉と駆け落ちをした。お品にとって男を作って駆け落ちすることが多助に対する復讐だと話すが、銀太にはもはやどうでも良くお品を斬ろうとする。その瞬間、お品は銀太に抱き着いて愛の告白。予想外の展開に銀太のハートはドキドキ。そこへ「そいつはどうかなー」と市がひょっこり登場。「渡世の掟で佐吉さんを斬ったとかなんとか言ってるがへへへ・・・随分きれいな口きくねー」。しばらくして七右衛門が三吉とお品を受け入れる気なったところへ多助が大勢の子分を引き連れてご当地入り、小屋を取り囲まれてしまう。お品は銀太が連れてきたと勘違い。銀太は否定する間もなくお品の目の前で多助と丹子母鬼馬二に殺される。三吉と七右衛門もブチ切れ。しかし市の活躍で多助軍団皆殺し。三吉と七右衛門が小屋に避難している間に市は旅に出る。お・わ・り
2023年12月25日
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ほよよ。新・座頭市 第2シリーズ 第10話「冬の海」脚本 勝新太郎・中村努 監督 勝新太郎勝新によるアート映画。やりたいことブッ込み全開フルスロットル。劇場公開を想定して作ったのでは?こんなのをゴールデンタイムに放送したフジテレビもすごいー。今回だけ音楽は勝プロのファンタジー映画『無宿』から流用。とぼとぼ旅を続ける市をやくざたちが襲撃&瞬殺。ただし見習いやくざの甚太(ロボコンの中の人・勝新の側近)だけ怪我を負わせただけで見逃す。その後、療養所に連れて行き治療代まで渡す。市は幌馬車で移動中、同乗していた少女・てん(原田美枝子)と知り合う。二人がおにぎりをガツ食いしていると突然、幌馬車が崖から転落。市を狙う四ツ谷の清兵衛率いるやくざたちの仕業だ。市はさっさと瞬殺して旅を続けるが、てんがついてくる。「ついてっていいですか?わたし絵を描いてるんです」「え?」「絵を描きたいんです。按摩さんの・・・」。てんは持っていたスケッチブックに早速市の姿を描き始める。その頃、清兵衛は子分たちの失敗に激怒、新たに子分の権太に市抹殺の指令を下す。市とてんは意気投合して海に到着、無人の掘立小屋を見つけしばらく滞在することにする。「市さん」「夕焼けがきれいだろ?」「どうしてわかるの?」「いや、ま、まあふとそんな気がして」。めしをガツ食いする二人。「市さん夢を見る?」「見えるってこたねえけど音をね、音がこう近づいてきてまたスーッと向こうへ行っちまうんだ。それから匂い。天女様には分からねーだろうな。てんちゃん夢を見るかい?」「うん」「へーどんな夢だい?」「海で泳いでる夢とか。それから・・・あんまり見ない」「がはは、よっぽど海が好きなんだな」。アウトドアライフを満喫する二人の前に甚太がやって来る。甚太は市に礼が言いたくて方々探し回っていたという。市は甚太を歓迎、てんは甚太が療養所から来たと聞くとそっと表に出ると海を見つめながら涙を浮かべる。山育ちの甚太は海を見て大はしゃぎ。てんに気づくと「あー!あんた療養所から逃げ出した人だろ?皆探してたぞ。何で逃げ出したんだよ」「寝てるの嫌いなの。死んだらずっと寝てられるもん」「ひと月しか命が持たないんだってー?」。その一言にてんは無言で怒る。「うそだよな。ごめん・・・ごめんね。元気だもんな。皆うそ言ってんだよ。ごめんね」。てんは笑顔で首を振るが「今の話、市さんには黙ってて」と約束させる。そんなこんなで三人の生活が続くが、権太チームが市の居場所を突き止める。そんなことも知らず市はてんにせがまれててんの顔を描くことになる。てんの顔に触れながら筆を取る。完成したてんの似顔絵に爆笑する三人。そんな中、甚太は市に故郷の田舎で一緒に暮らそうと誘う。二人のやり取りを見たてんは「さよなら」と言って小屋を出て行くが、市に「忘れ物だよ」とスケッチブックを渡されると再び小屋に引き返す。その夜、三人は祭りに出かけるが、てんはふざけてかくれんぼする。心配して探し回る市と甚太を驚かせるが突然倒れこむ。市と甚太は必死に介抱するが、村の連中はのぞき込むだけで誰一人助けようとしない。その後てんは一気に衰弱する。市にはてんの顔色の悪さが分からない。てんは裸の絵が描きたいと言って市が半裸になってモデルを務める。その間、甚太は漁師が魚をくれると聞いて出かけるが、漁師に扮したやくざたちに殺される。てんは意識が朦朧としているが市を描き続ける。表は権太チームが取り囲んでいる。てんは描き終えると姿勢を崩す。「描けたかい?」「描けた・・・」。権太チームが小屋を壊し始める。「市さん・・・蓮のね、葉の上にいるの」「蓮の葉の上に?」「光る杖持って・・・」。市はようやくてんの異変に気がつくとてんが差し出した絵を「見させてもらうぜ」と言って手に取る。「はあーよく描けてる・・・よく見える。目が・・・てんちゃん?」。てんは息を引き取っていた。市は涙を浮かべながらやくざたちを瞬殺するとてんを小舟に乗せて海に送り出す。涙を堪える市。お・わ・り
2023年12月14日
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カットモデルにでもなるか。新・座頭市 第2シリーズ 第9話「まわり灯籠」脚本 小倉洋二 監督 森一生大親分・美濃の儀介(富田圭子の本当の父親・名村謙三)は賞金稼ぎに狙われていた。頼りになるのは凄腕の子分・小サブ(千葉辰巳参謀)だけ。市は茶店で渡世人気取りの三次(静弦太郎)と知り合う。三次は市に肩を揉めと命令、金を持っているが払おうとしない。態度デカいが、隣にやくざが座るとそそくさと席を離れる。その後、めし屋で市と再会。めし屋の娘・ゆき(アルマ)に言いがかりをつけてきたやくざたちに飛び掛かるが袋叩きにされる。やくざたちは儀助を狙った賞金稼ぎ・石和の猫又だった。ゆきは静弦太郎みたいにけんかっ早いけど男気ある三次に惹かれる。そこへまたしても賞金稼ぎ・よしきり源太がやって来る。続々やって来る賞金稼ぎたちは全員儀助を狙っていた。儀助の首に掛かった賞金は百両。儀助と小サブは狩場の音蔵(おやっさん)の厄介になるが、音蔵はぶっちゃけ迷惑に思っていた。一方、儀助はマッサージに呼んだ市を「座頭市」と見破るとぶっちゃけトーク。世のため人のためと代官所を襲撃したが、主だった百姓たちは処分され、年貢は以前よりも高くなってしまった。そして今は追われる身である。しかし市は伝説の大親分の肩を揉ませてもらえて光栄に思う。ある夜、三次はよしきり源太の襲撃に成功する。小サブの仕業だと噂が立ち音蔵もぷりぷりするが、小サブはあっさり否定。めしを食ってる市に明日出発すると報告するが、斬っても斬っても賞金稼ぎたちに追われる毎日だと愚痴を言う。「本当言うと俺一人じゃもういつ殺られるか・・・」。しかしよしきり源太が斬られたことで追手が一人減った。「ありがとよ」。市は儀助の肩を揉んだだけでそれ以上のことはしていない。ある夜、小サブは音蔵に「疲れた」と打ち明ける。そこで賞金稼ぎに儀助を斬らせ、二人でその賞金稼ぎをぶっ殺す計画を持ち掛ける。「美濃のとっつあんの仇を討ったと言えば街道の親分衆にも顔が立つ」。悪のおやっさんこと音蔵がギラギラし出す。そんなこんなで三次がよしきり源太を斬ったと知った石和の猫又は三次と対決、またしても三次の勝利。嫌な予感がした市は儀助を訪ねるが気持ちだけで十分、儀助は小サブを信じ切っていた。翌朝、儀助と小サブは音蔵宅を出発。計画通り賞金稼ぎが現れるが、そこに三次が割り込んで賞金稼ぎを斬ってしまう。「余計なことを・・・」と小サブぶち切れ。ぶるぶる震える三次に「恐ろしいか小僧。腕はいいがまだまだ俺には敵わねえな。もっと汚ねえ・・・もっと恐ろしい本当の人斬りを見せてやる!」と言って儀助を斬る&音蔵も後ろから切り付ける。必死に逃げ戻った三次は市に報告、表は小サブと音蔵軍団が取り囲んでいる。小サブは三次に市を斬れと迫る。「あいつは座頭市だ。座頭市を斬りゃお前の名も上がる」。三次は市に斬りかかるが、さくっと切られあっという間に大乱闘、音蔵軍団と小サブは瞬殺される。その後、三次は刀を処分する。市に斬られた時「目を覚ませ」と言われたような気がしたとゆきに話す。お・わ・り
2023年12月10日
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読者モデルにでもなるか。新・座頭市 第2シリーズ 第8話「そこのけ そこのけ あんまが通る」脚本 棚田吾郎・中村努 監督 島田開ハードなお話が毎週続いてお茶の間どんより。今回はほのぼのしてますよ。座頭市版『ローマの休日』。琴姫(斎藤こずえ)を乗せた籠を先頭に行列大行進。でも飼い犬のウシワカを見失って御付きの侍たち大慌て。見つけ出さないと琴姫のご機嫌を損ねちゃう。今日はぽかぽか陽気。市がおにぎりをガツ食いしようとした時、殺気を感じて警戒するが叢から出てきたのはウシワカ。どうぶつ大好きッ子の市はウシワカとすっかり仲良し。一緒におにぎりをガツ食いします。そんなこんなでウシワカは無事に保護されて琴姫と再会。琴姫は青柳藩へお興入りする道中だった。そして青柳藩から迎えに来た侍・遠藤幸之助(ダイナマイトジョー)と琴姫の御付き・浅尾(三田村邦彦の初代嫁)は元ビッグラブ。その夜、琴姫はお化けが出る悪夢にうなされる。しかも江戸屋敷を出発してからずっと。心因反応ですね。「お嫁に行くのは嫌じゃ!」と訴えるが却下。つうことで早朝ウシワカを連れてわんぱく大脱走。「ウシワカ、外は広いのー」。道に転がっていた綺麗な小石を二つ拾って感動。村の女の子と柿をガツ食いしてまいうー。着ている物を互いに交換した後、何となく市と合流。「ウシワカは余程そちが好きとみえるな」「えー?そち?市、市てんだよ」と小ボケ合戦をかましながら自己紹介。続いて村の子どもたちと長縄跳びに参戦。そして夕方。夕焼けの河原でほのぼのトークを交わすシーンが情感たっぷり。前回までの鬱展開が嘘のようです。「市、そちの屋敷はどこじゃ?」「屋敷?へへへ、今夜の御屋敷はどこにするか・・・」「そんなに屋敷があるのか!?」。つうことでアウトドア。「広い屋敷じゃのー」。市の手作りアウトドア料理に舌鼓。その頃、琴姫がまだ見つからず爺の大沢(マロン製菓の社長)はやべーよ。遠藤はからの駕籠でも良いので出立するよう提案する。琴姫はお興入りを嫌がっているが、青柳藩から一万両の結納金が入る。そのことで藩は財政危機から逃れることができる。お家のため何としてでもお興入りを成立させないと不味い。一方、青柳藩では反対派が動いていた。そんなこんなで翌朝、からの駕籠が出立。浅尾は爺の命令で単独で捜査開始。一方、ほのぼの逃避行を続ける琴姫&ウシワカと市。そして市にインチキ賭博を見破られたことを根に持つ常松親分(ヤプール)一味が市を追いかけていた。琴姫は市に「お嫁になってやろうか?」と衝撃のプロポーズ。一緒にいると夢にお化けが出ないと言う。そんなほのぼのした二人を浅尾は見つけるが、浅尾もほのぼのしちゃう。そしていよいよ明日は青柳藩の領内。いつまでから駕籠で騙しとおせるか。遠藤は反対派のメンバーだった。国境を越える前に琴姫を始末しようと浪人を雇う。つうことで浪人と常松チーム連合が市を襲撃するが瞬殺。そこに遠藤が琴姫を迎えに現れるが、突然琴姫に斬りかかる。琴姫を庇う浅尾。そして世界のトミタ作曲『恐怖劇場アンバランス』風劇伴をバックに市は遠藤を斬り捨てる。琴姫は市に初めてのアウトドア料理を披露する。「熱いうちに食べろ。うめえか?」「うめえ・・・うめえよ」「うめえなあ」「うめえなあ・・・うめえ」。琴姫は姫として生きていくことを選ぶ。「市、琴はどこにいても・・・市のことを・・・忘れぬ」。そして大切にしていた小石を一つ渡すと駕籠に乗って去って行く。市は駕籠とは反対の方向に向かって歩き出す。お・わ・り
2023年12月10日
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そうじでもするか。新・座頭市 第2シリーズ 第7話「遠い昔の日に」脚本 中村努 監督 勝新太郎市の暗黒初恋エピソード。霧の中を歩いているのは少年時代の市。少女が市に菊の花を渡す。「何色?」「むらさき色」「帰ってくる・・・偉くなって」「きっとね。待ってる」。菊の花を手にした市少年は霧の中に消えていく。そして霧の中からもっさりしたおっさんになった市がやってくる。市は上州屋という染物屋を探していたが十年前に潰れ、店の人たちもどこへ行ったやら。何もかも変わったけど菊の花の色だけは変わってないヨ。そんなこんなでとぼとぼ歩いていると黒づくめの集団が走り去る。うち二人が市を襲撃するが咄嗟に瞬殺。盗賊チームのリーダー・浅次郎(石橋レンジ)は仇を討つため市の抹殺を宣言する。つうことで女房のお艶(李礼仙)に市を誘き出すよう命令。お艶は赤ん坊を連れて宿に潜入すると市の隣りに座る。市は赤ん坊の名前が「きく」と聞いて「あたしゃね花の中で一番好きなのが菊なんですよー」とおにぎりガツ食いしながらゴキゲン&ほのぼのトーク。大切に持ち歩いているむらさき色の菊を見せる。お艶は子どもの頃に交わした約束を思い出し驚愕する。「帰ってくる・・・偉くなって」「きっとね。待ってる」。翌朝お艶は姿を消していた。お艶は浅次郎に「逃げられた」と嘘を報告するが、市は浅次郎が放ったヒットマンの攻撃を着実にクリアして目的地の相馬に到着。優しい相馬の人たちは市の手を引いて道案内。幼馴染の留(草野大悟)と再会する。久々の再会に二人とも大喜びですよ。市は故郷の笠間がすっかり変わっていたことを報告、上州屋の娘で初恋の少女・お艶がどうしているか気になっていた。「それがさー酷いことになっちゃったんだヨ」。お艶は嫁入りが決まっていたが拒否、自分の頬に焼きごてを当てたという。「それじゃ・・・誰か好きな人でもいたのかな?」「え?」「誰か好きな男でもいたんだろ?」「いねーだろ。あんな家はさ何か祟りでもあんじゃねえかな」。笠間を離れ、ハートフルな町・相馬がすっかり気に入った留は市に一緒に腰を据えようと誘う。その時、寺子屋の鐘が鳴り響くが、いつもと違って異様な音に町中がざわつく。つうことで相馬の人たちが寺子屋に集結すると寺小屋の先生(やいとや又右衛門)に嫁&子どもたち丸ごと賊に人質に取られたと恐怖のアナウンスを告げられる。市を連れてこないと皆殺しにされてしまう。そこでフーリガン化した相馬の人たちは留に市を引き渡すよう団体交渉。先生夫婦や子どもたちが殺されるぐらいなら市一人を叩き殺したほうが良いべ?など人間性丸出し剥き出し状態。怒りの矛先は市に向けられる。マッドシティ・相馬に嫌気がさした留は市に出て行こうとぶちまけるが、事情を知った市は子どもたちを救出するため寺子屋へ向う。その間、浅次郎たちは血だらけになるまで子どもをぶん殴りまくり。先生は浅次郎を諭そうとするが所詮きれいごと。人を助けるような人間を育てることが自分の務めだと言うが、恐ろしさのあまり目の前にいる子どもたちを助けようとはしない。しかし嫁に手を出されそうになった瞬間、咄嗟に立ち上がる。「手前え・・・女房なら助けるってえのか!」。こちらも人間性丸出し剥き出し状態。子どもたちの前で先生ぶっ殺し。冷酷な浅次郎にお艶は「お前さん・・・座頭市が怖いんだろ?だったらあたしが斬ってきてあげようか?」とブチ切れる。翌朝、狂った相馬の連中は市を寺子屋に連行すると浅次郎の命令を受け、必死に止める留を無視して棒きれで殴りまくり。浅次郎は子どもたちを解放するが一人につき十両よこせとオプションプランを請求。ぐったりした市にとどめを刺そうとした瞬間お艶に刺され浅次郎はお艶を斬り殺すが、同時に市は浅次郎たちを瞬殺する。子どもたち解放、浅次郎たちの死体に相馬の連中の声が被る。「市さんどうもありがとうごぜーました」「何とお礼を言っていいだか」「ずっとこの宿場にいてくだせーまし」「そーだそーだ」など。市は残された赤ん坊を育ててほしいと頼む。赤ん坊に罪はない。「俺が」「いや俺が」とダチョウ倶楽部状態で名乗り出る連中に留がブチ切れ。「この子は・・・俺と市あんの子だ。俺が育てるよ」。死んだお艶は涙を浮かべていた。市を見送る留と赤ん坊。お・わ・り
2023年12月10日
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肉食いたい。新・座頭市 第2シリーズ 第6話「五本の長脇差」脚本 久保田圭司・岩元南 監督 太田昭和壮絶にクオリティの高いテレビ版『座頭市』にしては珍しい凡作。撮影は『仁義なき戦い』の吉田貞次、照明は『羅生門』の中岡源権。東映と大映の両ベテランによるスーパータッグ。それなのにパッとしない。市はスイカを盗んだ少年と出会い、二人でスイカをガツ食い。スイカ代を払おうとするが、少年は渡世人なので金は受け取れないと言って拒否する。少年は四人の仲間と共にやくざに憧れて田舎から出てきた。渡世人を名乗っているがイキったチーマーみたいなもんです。少年たちは市にいかさま博打を吹っ掛けるが、インチキを見破られ金と長脇差を一本取り上げられる。市は長脇差を川にポイ捨て。その夜、見届け人を買って出てくれたミステリアスな女・お駒(春日ひとみ)と一杯ひっかけるが、お駒は市が「座頭市」だと知っていた。この辺でやくざ同士の縄張り争いがあると告げると用心棒の口を紹介するが、市はあっさりお断り。少年たちは縄張り争いの当事者・黒谷の二七親分(やまりん)にチーム入りを志願するが「ガキはいらねーんだよ」と断られる。そんなことより二七はお駒から凄腕の用心棒候補がいると聞いてドキドキ。ある日、二七はヒットマンに狙われたところを市に助けられる。その凄腕にドキドキ、その場に居合わせた少年たちも度肝を抜かれる。二七は市をおもてなし&十五両でスカウトするがあっさりお断り。黒谷組入りを諦め切れない少年たちはマジなハートを二七に伝えるため指を詰めようとするが、青少年の健全育成に熱心な市に止められる。お駒は市に断られて反省会中の二七を訪ねると市をゲットするアイディアを提案。まず長脇差を五本用意すること。翌日、二七は少年たちを呼び出すと身内にしてやると言って一人ずつ長脇差を与える。つうことで調子に乗って威張りまくり。ただし縁日で食べ物をタダ食いするスケールの小ささ。その最中、敵対やくざと衝突、ビギナーズラックで一人仕留めたことで先輩やくざたちから褒められていい塩梅。その様子を窺っていた市は二七に少年たちを故郷へ返すよう願い出る。代わりに二七は用心棒になることを条件に契約成立。お駒も二七から仲介手数料をゲットする。その夜、お駒は市に少年たちを利用したことを詫びる。女手ひとつでは生きてくのは大変、少年たちも故郷に戻っても飯が食えるわけでもないなど、あれこれ言い訳めいたことを言うお駒に市は「でもねー村に帰りゃあの子たちは長生きできるヨ。命を落とすことはありゃしねえ。そうでしょ?あんな若い子どもたちに早死にだけはさせたくねーと思ってね」とだけ告げる。そんなこんなで全面抗争勃発。お駒は自分の役目は終わったとトンズラぶっこく。ところが二七の許に手打ちの使いが向かっているとの情報が入る。市が用心棒になったことを知って勝ち目がないと判断したのだ。しかしこのタイミングで相手の縄張りをゲットしたい二七は少年たちに使いを襲撃するよう命令する。少年たちからその話を聞いたお駒は流石に超やべーと思い、市へ知らせに戻る。つうことでブルブルしながら使いの四人を襲撃するが、年少の少年が斬られて絶体絶命。市が駆け付けてピンチを逃れるが年少の少年は息を引き取る。市は線香を手にして二七の組事務所を訪れると年少の少年の供養だと言って全員皆殺しにする。その後、川で仕込み刀を洗っていると頭上の橋を荷車を引いた少年たちがやって来る。荷車には年少の少年が乗っている。少年たちは持っていた五本の長脇差を川に投げ捨てる。少年たちを見送るお駒。橋の下にいた市に「村へ帰るんだねえ、あの子たち。市っ・・・」と声を掛けるが市は無言でどこへともなく去って行く。お・わ・り
2023年12月08日
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しれっと300万アクセス突破。継続は力なり。コロッケ食べたいナリ。新・座頭市 第2シリーズ 第5話「歌声が市を斬った」脚本 新藤兼人 監督 勝新太郎勝新監督の映像美がスパーク。冒頭から浪人と対決。浪人は金欲しさのため市を襲うが返り討ちに遭い、さらに小銭を与えられてガッデム。続いて渡し舟に乗っていい旅夢気分。そんな中、小悪党・仙太(拓ボン)が婆さんや市の懐から財布を抜き取る。その夜、市と再会、財布を掏られたと聞いて酒に誘う。市は酒代を気にするが「銭は天下の回り物って言ってよ、お前さんの銭でも俺の銭でも変りねーんだからよ」「?」「お前さんの銭で飲んでるって思えねえか?そうすりゃ同じ酒でもうめえだろ?」と謎の説得を受ける。勝新と拓ボンがミニコントを披露している一方、隣の部屋ではおたみ・お菊(中野良子)の母娘がやくざ(円盤生物ブニョ)から借金の取り立てに迫られていた。おたみはお色気むんむん作戦を開始するが、やくざは年増に興味なし。利子の代わりにお菊に手を出そうとするが、おたみが出刃包丁でやくざを滅多突き、やくざもおたみをドスで滅多斬りで両者リングアウト。お菊から事情を聞いた市と仙太は三人で三味線の門づけ道中の旅を開始。ボーカルはお菊、演奏は市、仙太はMCを担当。土地の親分・かわうその権八はお菊に目をつけ屋敷に招くが、市が助けに現れ権八の手下をちょろっとお片付け。その凄腕っぷりに「座頭市」だと気づいて超ビビまくる。その夜、三人はアウトドア。「今日は楽しかったねえー」と仙太にこにこ。「お菊ちゃん大船に乗ったつもりでいなよ。俺よーお菊ちゃんに指一本でも触れるって奴がいたら命賭けちゃうんだから」。仙太はお菊にメロメロ。「市あんはお菊ちゃんのどこが好き?目かい?口?おでこ?」「・・・我慢強いところかな」。お菊はうれし泣きする。「初めてなの・・・こんなに良くしていただいたの。生まれて初めて。楽しくて、怖くて」「怖い?俺がか?やらなけりゃやられてたんだ。命を取られてたかもしれないだヨ。そりゃお前さん殴ったり切ったりするの怖いかもしれないけど・・・生きてくんだからしょうがねえや」「逃げれば」「逃げたってどうにもならねえことはお前さんがよく知ってるじゃねえか」。お菊は俯いたままだが「逃げたって幸せにはなれないってことですよね」と顔を上げる。「借金返してこうやって三人仲良く暮らせたらいいのに・・・」「自分を守るは自分しかいないんだヨ。神様や仏様なんて言ったところで・・・助けてくれやしねえよ」。翌朝お菊は姿を消していた。仙太は市に財布を抜き取ったことを詫びると金輪際スリはやらないと約束して別れを告げる。「どこかの空の下で見かけたら声かけておくれよ」「うん・・・声かけられるようになったらな」。お菊は借金を返すため超大地主で僧侶の亀屋常右衛門の許へ出向くと借金のかたに自分の身体を差し出す。亀屋にはお菊と同じような娘たちが何人もいただけでなく、言うことを聞かない娘はなぶり殺しされていた。ある日、伊勢屋が娘を買い付けるために亀屋を訪れる。よりどりみどりでキャッホー。そこに三味線の演奏が聞こえる。伊勢屋が途中で知り合った按摩芸人を連れてきたのだ。それが市だと分かるとお菊は泣きながら駆け寄る。「やっぱりここに来てたんだね。借金は払ったのかい?」。権八から話を聞いていた亀屋は面白いことになってきたと満足。市には五百両とも言われる千両とも賞金が掛かっている。市が即席ライブを開始すると浪人が姿を見せる。その後、亀屋に雇われたようだ。浪人は市の三味線の太棹を斬るが、市は折れた三味線でライブを続行。そして「ちょっとのあいだ目を瞑ってるんだぜ」とお菊に告げると浪人&権八軍団皆殺し。逃げる亀屋の胸に折れた太棹を投げつけて串刺し。「痛いよおー・・・痛い~」。自由の身になったお菊は涙を浮かべながら市の後ろ姿を見送る。市は馬子になった仙太とすれ違う。仙太は市に気がつくが、市は仙太に気づかない。仙太は市に声を掛けられなかった。お・わ・り
2023年12月08日
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寒い。新・座頭市 第2シリーズ 第4話「蛍」脚本 安部徹郎 監督 太田昭和市は旅先で宿場女郎(伊佐山ひろ子)から目が不自由な妹・おたよ(大竹しのぶ)に渡してほしいと五両を預かる。翌朝、渡し船に乗っていると熱血ドクター・土田素玄(春日光二)に目を治してやると声を掛けられる。市は手術と聞いて「切られるのは苦手なほうで・・・」と辞退するが、素玄はノリノリ。そんなこんなで現地に到着。おたよは居酒屋で酔客たちを相手に芸を披露、僅かな銭を投げ与えられるが、音を頼りに地面を這うおたよをからかう酔客たち。そこに市が現れ酔客たちをボコボコにする。おたよは姉から預かってきた五両を市から手渡され、感激のあまり泣き出す。「あたしは悲しい目にはしょっちゅう遭ってます。あたしはね生まれた時からずっといつでも人の笑いものにされてたんです。だからどんな目に遭ったってあたしは平気です。でも今日みたいにこんなに親切にされると・・・あたし」。市とおたよがしみじみ心を通わせていると鬼母(中村せん)が乱入、おたよを連れ戻す。市は鬼父(世界教育販売社長)と鬼母におたよに目の治療を受けさせたいと申し出る。治るか治らないかは分からないが、医者に診てもらうだけでおたよの心が休まるのではないか。鬼父と鬼母はおたよの目が治れば金になるかもしれないと考え快諾する。こうして市とおたよは目が見えない者同士、熱血ドクター・素玄のいる佐倉を目指す。道中、市はおたよから家族とは誰一人血が繋がっていないこと、妹たちも全員孤児と聞かされる。そんなこんなで素玄と再会、素玄は市を歓迎し診療所に戻るなりおたよを診察する。その夜おたよは市に姉と同じように自分を抱いてほしいと言い出す。「おじさんにこんなに親切にしてもらっても・・・あたしがしてあげられることは何にもないんです。だから・・・だからお姉ちゃんと同じことをして下さい」。そんなことを言ってはいけないと市は話を逸らそうとするが、目が治っても治らなくてもおたよは売られることが決まっていた。鬼父と鬼母は役所から与えられる手当て欲しさに孤児を育て、女きょうだいは十歳になると芸を仕込まれ売り飛ばされていた。「だからあたしはいいんです。おじさんの好きなようにして下さい」。市はいたたまれなくなりそっと部屋を出る。翌朝、手術が行われる。包帯が取れるのは三日後。その間、市は甲斐甲斐しくおたよの面倒を見る。「おじさん、あたしね目が見えなくても平気。生まれた時からそうだったんだもん。見えないのが当たり前なんだもの。がっかりしません」。市はおたよにずっとここにいるのかと聞かれ「そうだな・・・おたよさんの目が開いたらそうするかな」と答え、おたよは大喜びする。「良かったあ・・・あたしね手術が失敗してもがっかりしません。でもあたしおじさんに会えたんだもの、それだけでいい」。そして三日が経ち、包帯を取って目を開けたおたよが初めて見たものは素玄が手にした蛍の光だった。大粒の涙をぽろぽろ流しながら思わず「怖い・・・」と呟く。手術は成功した。表で様子を窺っていた市も涙を流す。その夜、市と素玄は祝杯を挙げる。今度は市を治す番だと素玄は目を見せるよう迫る。市もその気になって応じるが素玄の表情が硬くなる。「どんなもんでございますか?」「ん?・・・医者はすぐに治るとか治らんとか言うもんじゃない。酒飲もう」。その後、鬼父と鬼母はおたよの目が見えるようになったと聞いて大喜び。おたよを土地のやくざ・十兵衛に売ることになっていたのでこれで高く売れるに違いない。ところが十兵衛はおたよの目が見えないから二十五両で手を打ったのに、目が見えるようになればやれ着物だ芝居見物だと金が掛かって仕方がない、十両の価値しかないと怒りまくり。その頃、市は治療費を稼ぐため荷物運びのバイトに精を出していたが、その間に鬼父と鬼母はおたよを連れ戻していた。市は胸騒ぎを覚える。素玄によると十日もすれば完治する。おたよは必死に抵抗するが、鬼父と鬼母に無理矢理包帯を引きはがされる。一瞬だけ緑の木々が視界に映るが再び視力を失う。十兵衛は「それでいい。おたよはそれでいい」と満足し、おたよも「親分さん・・・ありがとうございました」と頭を下げる。ひょんなことでおたよの「その後」を知った市は鬼父と鬼母は急襲「何でおたよさんの目を潰した・・・?おたよさんの目を何故潰した?」。二人を半殺しにすると十兵衛の許へ乗り込み全員皆殺しにする。おたよは両手で市の顔を確かめると市に抱き着いて泣きじゃくる。その夜、雨の中、市は旅に出る。市の足元には蛍が舞っている。お・わ・り
2023年12月04日
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「ほぼほぼ」ってウザいな。新・座頭市 第2シリーズ 第3話「天保元年駕籠戦争」脚本 尾中洋一 監督 勝新太郎舞台はとある街道筋。甚公(根津甚八)&八公コンビの駕籠かきと丸源(犬飼一郎)率いる新興駕籠かき軍団が対立、ついに直接バトルが勃発する。そんな最中、丸源チームのメンバー・仙吉(風間杜夫)だけもじもじ。ある日、市は天ぷらの食あたりでひっくり返っていたところを甚公&八公コンビに助けられ、男気溢れる甚公のおうちで厄介になりますよ。甚公は代々続く老舗の駕籠屋だったが一人辞め二人辞め、今では八公と二人だけで営業。そのうち妹のおりんを八公の嫁にと考えていた。ある夜、八公が丸源チームに拉致&リンチされる。その横で仙吉もじもじ。仙吉は甚公を裏切って丸源チームに移籍していた。その頃、甚公は市を相手に酒飲みまくり。八公と苦労してきたことを語るが、酔っぱらって何を言っているのか分からない。勝新監督のリアル演出で根津甚八に酒をがぶがぶ飲ませて芝居させた可能性が高いですね。本当に何を言っているのか分かりません。八公は丸源チームに寝返らなかったが、甚公たちの許に戻ると息を引き取ってしまう。つうことで今日から丸源チームが業務独占ですよ。そこに甚公&市の新コンビ登場。「目が見えない市に駕籠かきやらせたら面白いんじゃね?」と勝新監督が閃きました。市に先棒を担がせて甚公が後ろから指示を出すが前後左右めちゃくちゃ。「あたくしじゃー役に立ちませんね」と流石の市もしょんぼり。しかし甚公はナイスガイなので「そんなことねーよ。大したもんだヨ」と男気フォロー。「俺はようれしーんだヨ。たった一宿一飯の恩義に市あんが駕籠を担いでくれた。そこだよな、それがあるから人間信じられるんダヨ。八の野郎が市あんの心意気知ったらどんなに喜ぶか・・・土の中でよ」。つうことで気を取り直してトレーニング開始。何となくさまになってきたところに丸源チームの用心棒(山本昌平)が現れて市を挑発する。市の正体が「座頭市」だと知った丸源は助っ人やくざを大量動員する。そんな中、仙吉はおりんと密会、二人はデキていた。ついでに子どもまでデキていた。でも皆にはナイショ。仙吉はおりんに村を出ようと誘うが、八が殺された現場に仙吉がいたことを知ったおりんは拒否、子どもを堕ろそうとする。しかし市のカウンセリングを受けて思いとどまる。その夜、市は甚公・おりんをややこしいことに巻き込んでしまったことをお詫びする。甚公は逃げればいいと提案するが、どこへ逃げればいいのか戸惑うおりん。実は表に仙吉が迎えに来ていた。丸源チームとの全面抗争にやる気満々の甚公に市は「お前さん確かに強い男だけどもこんなケンカ買っちゃいけねえ。これはあっしらやくざ同士のケンカだ」と語り掛ける。おっさん二人がしみじみしている間に仙吉とおりんは夜逃げぶっこいていたが、丸源チームにあっさり見つかってしまう。のちに仙吉はドジでのろまな亀の面倒を見ることになるが、仙吉本人がドジでのろまな亀だった。翌朝、甚公はおりんが姿を消したことに心配するが、事情を知っている市は甚公をなだめて一緒にスイカを食いまくり。しかしおりんは仙吉と共に丸源チームの人質にされていた。丸源は市と交換すれば解放すると言うと仕込杖を振り回す市のどてっ腹に竹槍をブッ込む。あの座頭市のぶっ殺しに成功して丸源笑いが止まりませんが、市は食べかけのスイカを防弾チョッキのように仕込んでいた。つうことでスイカを抱えながら丸源チーム皆殺し。その後、甚公が村祭りで太鼓を叩く中、仙吉とおりんは村を出ていく。市も旅を続ける。お・わ・り
2023年12月03日
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