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隠居人はせじぃさん
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『手紙を書く女』。
【画中の若い女性は、羽ペンを持って手紙を書く手を止めて鑑賞者の方へ
視線を向けている。白い毛皮の縁のついた黄色い上着、テーブルの上の
宝石箱とリボンのついた真珠のネックレスなどのモチーフは他の作品にも
使われているものである。】

『絵画芸術』。
【こちらに背を向け、イーゼルに向かう画家とモデルの少女とが表されている。
この作品は単なるアトリエ風景の描写ではなく、「絵画芸術」そのものをテーマとした
寓意画と見なされている。青のローブと黄色のスカートをまとったモデルの少女は
月桂冠をかぶり、名声を象徴するトランペットと歴史を象徴する分厚い本を手にしている。
背景の壁にかかる地図は、カルヴァン派(新教)の北部諸州(オランダ)とカトリックの
信仰を守った南部諸州(後のベルギー)に分かれる以前のネーデルラントの地図。】

『赤い帽子の女』。
【他のフェルメール作品に比べて例外的にサイズが小さいこと、カンヴァスでなく板に
描かれていることなど異色の作品であり、フェルメールの真作であるかどうか疑問視する
意見もある。絵の前面には、フェルメールの絵にしばしば登場する、背もたれに獅子頭の
飾りの付いた椅子の飾りの部分のみが見えている。絵の各所に見られる、フォーカスが
ぼけたような表現や点描風の描き方は、カメラ・オブスクーラを利用して作画したため
ではないかと言われている。エックス線写真によって、この作品は男性の肖像を描いた
別の絵を塗りつぶして描かれたことがわかっている。】

『フルートを持つ女』。
【この作品は保存状態が悪い上に出来映えも他のフェルメール作品に比べて劣ると
評価され、フェルメールの真作とは見なさない研究者が多い。
所蔵先の美術館でも「伝・フェルメール作」と表示。
フェルメールの描いた未完成作を彼の死後に他の画家が補筆したものだという説もある。
フェルメール作とされる絵画のうち、板に描かれているのは本作品と『赤い帽子の女』のみである。】

『少女』。
【『真珠の耳飾の少女』と同様、無地の暗い背景に少女の上半身のみが描かれている。
しかし、『真珠の耳飾の少女』ほど評価は高くなく、絵全体の印象もかなり異なっている。
『真珠の耳飾の少女』同様、実在のモデルを描いたものかどうかは定かではない。】

『女と召使い』。
【女主人と女中、そして手紙というモチーフは他の作品(『恋文』『手紙を書く婦人と召使』)にも
共通するものだが、本作品では背景を黒で塗りつぶしている点が他と異なっている。
女性が着ている、毛皮の縁のついた黄色の上着は他のいくつかの作品にも登場するものである。】

『天文学者』。
【フェルメールの現存作のうち、作者のサインとともに制作年が記された
数少ない絵の1つである(他に制作年が記載されているのは『地理学者』、
『聖プラクセディス』、『取り持ち女』のみ)。本作品は『地理学者』とサイズが
ほぼ等しく、両者は一対の作品として構想されたとするのが通説である。
天文学者は天球儀に向かっている。その手前にあるのはアストロラープという、
天体の角度を測る器械である。】

『地理学者』。
【『天文学者』と対をなす作品とされる。フェルメールの作品のうち、男性単独像は
本作と『天文学者』の2点のみである。モデルは長髪や鼻の形が『天文学者』の男性と似ており、
同一人物のように見える。地理学者は日本の綿入はんてんのようなローブを着、
手にはコンパス(またはディバイダ)を持っている。背後のたんすの上の地球儀は、
『天文学者』に描かれている天球儀とともにヨドクス・ホンディウス(1563年 - 1612年)の
作になるものである。】

『恋文』。
【手紙を読み、書き、受け取る女性の像は、フェルメールの得意としたものである。
本作品では、手紙を受け取って当惑顔の女主人と、訳知り顔の女中が描かれ、
物語の細部は鑑賞者の想像にゆだねられている。女主人が手にしている楽器
(シターン)は恋愛と関係の深いモチーフである。また、背後の壁に掛かる
海景を表した絵は、女性の揺れ動く心を象徴している。洗濯物の入った籠や
画面手前に見える箒は、恋に落ちた女性が(17世紀当時の価値観では女性の義務であった)
家事をおろそかにしていることを暗示している。】

『レースを編む女』。
【本作は『赤い帽子の女』『フルートを持つ女』とともにサイズの小さい作品の1つであり、
(板でなく)カンヴァスに描かれた作品の中ではもっとも小さい。手紙のやりとり、楽器の演奏、
飲酒といったテーマから離れ、生産的活動に努める女性を単独で表している点で、
他のフェルメール作品とは異なっている。】

『手紙を書く女と召使い』。
【女主人と女中を描いた作品は他に『恋文』と『婦人と召使』があるが、
これら2作品が女中が女主人に手紙(おそらくは男性の愛人からのもの)を
渡す場面を描いているのに対し、本作品では女性が手紙を書き、女中は
その手紙が書き終わるのを待っているという構図である。】

『信仰の寓意』。
【片足を地球儀の上に乗せ、片手を胸に当てる女性は信仰の寓意像であり、
手前の床に転がるリンゴと血を吐く蛇は原罪の象徴である。女性の視線は
天井から下がるガラスの球体に向けられているが、この球体は信仰を
受け入れる人間の理性の象徴とされている。】

『ギターを弾く女』。
【フェルメールの晩年(と言っても30代後半から40代前半であるが)の
1670年代の作品には、明らかな画力の低下が見られ、この時期の作品は
一般にあまり高く評価されていない。本作品も1660年代の最盛期の作品に
比較すると表現が平板で単調になっている点は否めない。】

『ヴァージナルの前に立つ女』。
【似た主題の『ヴァージナルの前に座る女』とともに晩年の作品と見なされている。
左方の窓から光の入る室内という設定はおなじみのものだが、この作品では、
室内全体が明るく照らされていることと、女性が光に背を向けて立っている点が
他の作品と異なっている。背景の画中画はトランプの「1」のカードを持つキューピッド像で、
女性の愛がただ一人の人にのみ向けられるべきものであることを意味している。】

『ヴァージナルの前に座る女』。
【本作品は『ヴァージナルの前に立つ女』に比べても一段と画力の衰えが見られ、
フェルメールが43歳で没する直前の最晩年の作と考えられている。
画力の衰えは、背景の画中画の額縁の簡略な描き方や、ヴァージナルの側面の
大理石模様の描写などに端的に見られる。】

ヴァージナルの前に座る若い女 』。
【長年模作または贋作と見なされていた。専門家による鑑定の結果、キャンバスと絵具が
17世紀のものであることが明らかとなり、フェルメールの真作と見なされるように
なったのは2004年のこと。
本作品にはフェルメール特有の画材である、高価なラピスラズリが使用されている
ことなど、作風、技法の両面から、本作をフェルメールの真作と断定している。】

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