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「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。シエルは自分の上に覆い被さっている男の側頭部を、寝台の近くに置いてあった燭台で殴った。男は呻き声を上げ、床に蹲った。「一体何の騒ぎです?」騒ぎを聞きつけたセバスチャン達がセバスチャンの部屋に入ると、そこには無様に床に伸びた己の義兄と、燭台を握り締めたまま寝台の上で震えているシエルの姿があった。「シエル、一体何があったのです?」「この人が、急に襲ってきて・・」「何なんだ、この娘は!?急に人を殴るなんて、今までどんな躾をされて来たんだ!?」「お言葉を返すようですが、わたしの妻を襲うとは、礼儀知らずにも程がありますよ、義兄さん。」「黙れ、妾の子の分際で、俺に説教するな!」氷嚢を頭に当てたセバスチャンの義兄・リチャードは、そう言って彼を睨んだ。「シエル、怪我はありませんか?」「はい・・」「義兄さん、シエルに謝って下さい。」「うるさい、俺に指図するな!」「シエル、明日の朝に帰りましょう。」セバスチャンはそう言ってシエルの肩を抱き自室に入ると、ステファニーとリチャードの鼻先でドアを閉めた。「旦那様・・」自室に入るなり、荷物を纏め始めたセバスチャンにシエルは声を掛けたが、セバスチャンの怒りを感じて、何も言えなくなってしまった。「シエル、あなたも荷物をまとめなさい。」「はい・・」「あなたをこんな事に巻き込んでしまって、申し訳ないと思っています。」「そんな・・」「もうここには居られません。明日は朝が早いので、今夜は早く寝ましょう。」「はい・・」翌朝早く、セバスチャンとシエルはミカエリス邸を出た。汽車に揺られている間、二人の間には気まずい空気が流れた。「お帰りなさいませ。お早いお帰りでしたね。」二人が帰宅すると、玄関先で静が静かに出迎えてくれた。「只今戻りました。静さん、お茶を淹れてください。」「はい、今お淹れ致しますね。」静が厨(キッチン)へと消えた後、セバスチャンは深い溜息を吐きながら、居間のソファの上に腰を下ろした。「旦那様・・」「シエル、暫くわたしを一人にして頂けませんか?」「はい・・」これ以上シエルはセバスチャンに何も言えず、二階にある自室へと入った。天蓋付きの寝台の中に着替えもせずに入ったシエルは疲れの所為か、泥のように眠ってしまった。「シエル様、ご朝食の時間です。」「はい、わかりました。」シエルが寝台から起き上がると、シエルは急に眩暈に襲われ、絨毯の上に倒れ込んだ。「静さん、シエルは?」「先程、お呼びしたのですが・・少し、様子を見て参ります。」静がシエルの部屋のドアを軽くノックすると、中から苦しそうな呻き声が聞こえて来たので慌てて彼女が部屋に入ると、シエルが絨毯の上で胸を押さえて蹲っていた。「セバスチャン様、お医者様を呼んで下さい、早く!」「わかりました!」シエルは医師の診察を受け、ストレスで肺が弱っているので、暫く自宅療養する事になった。「旦那様、迷惑をかけてしまって、申し訳ございません・・」「謝らないで下さい、シエル。今は無理をしないで、ゆっくり身体を休めて下さいね。」「はい・・」セバスチャンはそっとシエルの額に唇を落とすと、彼女の部屋から出た。「シエル様、大丈夫でしょうか?」「暫く休めばよくなると思いますよ。あの人達と、もう二度と会わないでしょうし。」「やはり、あの方達と会った所為でシエル様が・・」「それもありますが、シエルは今まで酷い扱いを受けていたので、そのストレスが蓄積されていったのでしょう。今わたし達に出来る事は、シエルに休む時間を与える事です。」「わかりました。」セバスチャンは、シエルが病で臥せっている間、静と共に家事全般をこなした。「シエル、今部屋に入ってもいいですか?」「どうぞ。」「失礼します。」セバスチャンがシエルの部屋に入ると、そこには机の前に座って勉強しているシエルの姿があった。「起き上がっても大丈夫なのですか?」「はい。じっと横になっていると色々と不安になってしまうので、机に向かって勉強している方が、気が紛れます。それに、休んでいる間の勉強の遅れを取り戻したいので・・」「そうですか。無理は禁物ですよ。何かあったら、寝台の近くに備え付けられてあるベルを鳴らして下さいね。」「はい。」「あと、勉強でわからない事があれば、わたしがあなたに勉強を教えましょう。」「え、いいのですか?」「いいに決まっているでしょう。」わたしは、あなたの伴侶なのですから。「行ってらっしゃいませ。」「今日は帰りが遅くなりますので、シエルの事をどうかよろしくお願いしますね。」「はい、かしこまりました。」出勤するセバスチャンを玄関先で見送った静は、厨に戻り、シエルの為に粥を作った。「おはようございます。」「おはようございます、ミカエリスさん。」「おはようございます!」「今日も素敵ですね!」セバスチャンが職場に出勤すると、女子社員達が黄色い悲鳴を上げながら彼に駆け寄って来た。「ミカエリスさん、この度はご愁傷様でした。」「ありがとうございます。」「最近、ご結婚されたとお聞きしましたが、本当なのですか?」「いいえ、結婚はしていませんが婚約はしていますよ。」「そうですか。」「話はそれだけですか?仕事が忙しいので失礼致します。」「あ、はい・・」―何だ、あれ?―折角話しかけてやったのに、感じが悪いな。―仕事が出来る癖に、愛想が悪い。自席に着いて仕事をしながらも、セバスチャンはシエルの事ばかり考えていた。「お疲れ様です。」「お疲れ様です。」仕事が終わり、自席で荷物を纏めていたセバスチャンの元に、彼の上司である須田がやって来た。「部長、お疲れ様です。」「ミカエリス君、今夜は一杯やらないか?」「申し訳ありません、家に病身の婚約者を残しておりますので、お断り致します。」「そ、そうか・・」「偶には部長にも付き合ってやれ、セバスチャン。」「は、はぁ・・」結局、半ば須田と同僚の堺に押し切られるような形になり、セバスチャンは二人と共に須田が行きつけの小料理屋へと向かった。「いらっしゃいませ。」暖簾をくぐった三人を出迎えたのは、たおやかな雰囲気を纏った美しい女性だった。にほんブログ村二次小説ランキング
2026年01月27日
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発達障害を抱える裁判官が主人公のドラマ。実際にこういった法曹界関係者に居るのかな?と思ってしまうのだけれど、途中から観た。マルチタスクが出来ずに忘れ物をする、というのがね・・まるで自分を見ているような気がしてなりませんでした。最初の当事者の会に出て来る人達は、発達障害を抱えている俳優さんたちが出演していると・・だから、あんなにリアルだったのか。感覚過敏やワーキングメモリー低下によるマルチタスクが出来ず、ミスを繰り返す・・わざとじゃないのに、脳の先天的機能障害によるもので本人の意思とは関係なくそうなってしまう。わたしは発達障害と診断され、就職活動の際に発達障害をオープンにして障碍者採用枠としてパートで働いていますが、発達障害であることを隠して働いている人たちは辛いんだろうなと・・全8話の内、3話から観始めたのでまだ間に合うかもしれませんね。原作は、ドラマが終わってから読もうかなと思っています。
2026年01月24日
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あぁ、遂にこの時がやって来てしまったのね・・と、思いながら観ました。26年間、全300話という長編人気シリーズ、とても面白くていいドラマでした。「ドクターX」や「緊急取調室」も完結しちゃって寂しいですし、「科捜研の女」も完結してしまうと、もうね・・出来る事なら、昼枠で再放送して欲しいですね。
2026年01月24日
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相棒劇場版の中で、一番好きな作品です。長いシーズンの中で、わたしはミッチーこと神戸尊のシーズン8〜10が好きです。國村隼の影の管理官役が本当にハマっていて良かった。何度観ても憎たらしい程に。小野田官房長落命シーンは何度観てもBGMとともにズッシリと胸にきます。しかし、なんと言ってもラムネさんと神戸くんのシャワーシーンが最高すぎました!(腐女子なのでw)
2026年01月24日
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サムが真の主人公だなあと確信した第三部。ゴラムが最後までキモかった。20年以上ぶりに再読しましたが、指輪物語は不朽の名作ですね。
2026年01月23日
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第三部。セオデン王とエオウィンのシーンが、悲しくも美しかったす。
2026年01月23日
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サムがカッコいいです。映画を観ても思い出しましたが、真の主人公はサムかもしれませんね。
2026年01月23日
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第二部。 いよいよ、闇の勢力が動き出しましたね。
2026年01月23日
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第一部終了。なんというか、怒涛の展開が続き、漸く物語が動き始めたような気がします。
2026年01月22日
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20年以上前に映画化されたのをきっかけに読んだ作品です。1巻目はまだプロローグ的なものが多かったので、設定の説明が長過ぎましたね。
2026年01月22日
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表紙素材は、黒獅様からお借りしました。「陰陽師」・「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。「主上、疫病の勢いはすさまじく、死者が日に日に増えています。」「どうか、民に食糧をお与えになっては・・」「なりませぬ。」民に食糧を与えようとした帝を止めたのは、彼の乳母だった。「母上・・」「疫病が治まった後に、民に食糧を与えればいいではありませんか?」「しかし・・」「わたくしの言う事を、主上は聞いていればいいのです。」「はい・・」乳母の言葉に、帝は虚ろな目を宿しながら頷いた。「主上の様子がおかしいとは・・」「弘徽殿の付け火騒ぎから、主上が何処か物思いに耽るような事があってな。もしや、何者にでも取り憑かれておるのではないか?」「生き霊、でしょうか?」「そうかもしれんな。晴明、引き続き彰子を守ってくれ、頼むぞ?」「はぁ・・」晴明は、檜扇で口元を隠し、溜息を吐いた。「晴子様、少し元気がないわね。」「まだ病み上がりだから・・」晴明が精神を集中して一連の騒動の犯人の気配を探ろうとしている姿を、同僚の女房達はそんな風にヒソヒソと囁き合いながらも、決して彼に話しかけようとしなかった。そんな中、一人だけ晴明にしつこく絡む者が居た。「晴子様、何を鏡でご自分の顔をご覧になっているの?」神経を逆撫でするかのような甲高い声で話しかけて来たのは、最近入内して来た玲子だった。玲子は女房達の中で一番若く、時折年嵩の女房達と言い合いをしている彼女の姿を晴明は何度か見た事があった。「ええ、それがどうかして?」「いいえ、何でも。」玲子はそう言った後、薄笑いを浮かべながら取り巻き達の元へと戻っていった。「晴子、あなた身体は大丈夫なの?」「はい、定子様。」「後で大切な話があるの。」定子は、そう言ってそっと晴明の肩を叩いた。「元気そうで良かったわ、晴子さん。」「少納言様・・」衣擦れの音と共に晴子の元へとやって来たのは、清少納言だった。「わたくしに、何かご用でしょうか?」「新しい随筆を書いてみたのよ、どう?」「拝見致します。」晴子が、清少納言が書いた新しい随筆を読んでいる頃、藤壺では火月が針仕事をしながら猫と戯れていた。「火月、遊んでいないで仕事なさい。」「はい、姉上。」「それにしても、弘徽殿の付け火の下手人は見つかったのかしら?」「さぁね。」「それよりも最近、主上がこちらにお渡りになられる日が少なくない?」「う~ん、確かに。お渡りになられても、朝までお酒ばかり召し上がられているし・・」「何か思う事がおありなのでしょう・・」「あら、皆さん何をお話しされているの?」―あの方、確か最近入内された・・―何故、このようば場所に?―あの方、わたくし苦手なのよね・・「あら玲子様、このような場所においでになるなんてお珍しいこと。わたくし達に何かご用かしら?」「いいえ、何も。有子様、晴子様とはご親戚でいらっしゃるの?」「親戚といっても、入内した時に初めて顔を合わせただけの間柄ですわ。」「まぁ、そうですの。」玲子は突然有匡に興味を失ったかのように、藤壺から出て行った。「あの人、一体何しに来たんですかね?」「さぁな。恐らく晴明様の事を色々と聞こうとして、あてが外れたと思ったのだろう。」「一体、何の為に?」「火月さん、他人の悪意をそのまま感じ取らない方がいいのよ。ああいう方はね、他人を貶めると自分が偉大な存在になったと勘違いしているのよ。相手にしないのが一番よ。」「そうかもしれませんね。紫式部様、“物語”の続きは書けましたか?」「それが、中々書けないのよ。書きたい気はあるのだけれど、筆が進まないのよ、ごめんなさいね。」「あ、こちらこそごめんなさい、紫式部様のお気持ちもわからないで・・」「謝らないで。」紫式部はそう言って、火月に優しく微笑んだ。「それにしても、最近暑いわね。夜も暑くて、中々寝つけないの。」「わかります。」「それでね、わたしが最近見つけた水浴び場へ皆さんで行ってみない?」「いいですね、それ!」こうして、ひょんな事から有匡達は紫式部達と共に、水浴び場へと向かった。そこは、御所から少し離れた所にあり、余り人気がなくて静かな所だった。「まぁ、良い所だこと。」そう言った晴明は、頭に被っていた市女笠を脱ぐと、徐に纏っていた衣を脱ぎ始めた。「きゃぁ~、晴子様、はしたないわ~!」紫式部はそう言って両手で顔を覆ったが、少し嬉しそうだった。「はぁ~、冷たくて気持ちが良いわぁ。」「疲れが取れるような気がするわ~」そんな事を晴明達が話していると、向こうから賑やかな笑い声が聞こえて来た。「おい、ここか?“天女の水浴び場”というのは?」「何やら、そう言われているらしいですよ。」「へぇ、そうか。」声の主は数人の若者達のもののようで、徐々に自分達の方へと近づいて来ている事を有匡は感じた。「先生、どうかしたんですか?」「火月、紫式部様達に事情を話して、あそこの岩陰へ隠れろ。」「は、はい・・」火月は有匡の言葉を聞くと、晴明達の方へと向かった。「皆さん、変質者が来たみたいなので、あちらの岩陰に隠れましょう。」「はい・・」(先生、どうするんだろう?)「おい、誰も居ないぞ?」「何だ、あの噂は嘘か。」「騙したな!」「いえ、あの・・」水浴び場へとやって来たのは、狩衣姿の、まだ元服を済ませたばかりの若者達だった。四人の中で一番立場が低そうな若者は、他の三人の若者達から責められ、泣きそうな顔をしていた。そんな彼の姿を見た有匡は、三人の若者達を懲らしめる為に、ひと芝居打つ事にした。「あ、あそこに女が・・」「あれは・・」「天女か?」三人の若者達が自分の方へと近づいて来た事を確認した有匡は、素早く祭文を唱え、鬼と蛇の式神を彼らに放った。「うわぁ~、何だこれは!?」「ひぃぃ~!」―助けは、来ない。有匡は三人の若者達の背後に回り込み、低い声で囁いた。―お前達を、末代まで呪うてやる。有匡の芝居に騙された三人の若者達は、蜘蛛の子を散らすかのように逃げていった。(ふぅ、疲れた・・)有匡は溜息を吐くと、火月達が居る岩陰へと向かった。「大丈夫でしたか?」「あぁ。」“水浴び場で鬼女が出た”という噂が宮中に広まったのは、有匡達が水浴びに行った数日後の事だった。「まぁ、怖いわねぇ。」「ええ、本当に。」周りの女房達がそんな事を話しているのを聞いた火月は、笑いを堪えていた。「こら、笑うな。」「すいません・・」「皆さん、“物語”が出来ましたわ。」「まぁ、読ませて頂いてもよろしいのかしら?」「えぇ。」紫式部が書いた新しい“物語”に、火月達が夢中になっている頃、“御息所様”は主を失った娘を己の屋敷に呼び寄せた。「あの陰陽師達が憎くて堪りませぬ!」「落ち着きなさい、焦りは禁物ですよ。」「ですが・・」「これを、あの方に。あの方なら、力になって下さるわ。」「ありがとうございます!」(安い駒を手に入れたわ。さてと、この子には色々と“働いて”貰わなければね。)「不味いな・・」「え?」「陰の気が、何処からか迫って来ている。」「呪詛は、まだ続いているって事ですか?」「あぁ。」「どうすればいいんですか?」「こちらから罠を仕掛けるしかあるまい。」「罠?」「まぁ、みていろ、余り悪い事にはならんさ。」「はぁ・・」その日の夜、皆が寝静まった後、有匡は一人桐壺へと向かった。「“御息所様”、陰陽師の一人が動き出しました!」「そう。」(ふふ、来たわね。)彼女はほくそ笑みながら、桐壺へと向かった。そして彼女は、“ある物”を見つけた。「これで、わたくしが・・ぎゃぁぁ~!」断末魔の彼女の叫びが、夜の静寂を切り裂いた。「一体、何が・・」「桐壺の方に、炎が見えます!」「誰か、来てくれ!」桐壺に身元不明の焼死体が発見され、その掌の中には焼け焦げた勾玉が握られていた。「そんな・・“御息所”様が・・」「さぁ、そなたが新しい“御息所”になるのだ。わかったな、きよ?」「はい・・」娘―きよはその日から、新しい“御息所”様となった。「先生、桐壺で火事がまたあったとか・・」「あぁ、それはきっと、向こうが罠に掛かっただけだ。暫く向こうは大人しくするだろう。」「そうですか・・」(まぁ、暫くは向こうも大人しくしているだろう。)夏の訪れと共に、日に日に疫病による死者が増えてゆき、更に干ばつが起きて作物が収穫できず、民達は飢えていった。「晴明よ、干ばつを何とかせい!」「何とか、とは?」「雨乞いでも何でもよい、とにかく雨を降らせろ!」(無茶な事を言うお方だ・・)その日から、晴明は七日間、飲まず食わずで雨乞いをした。雨は降ったが、晴明は倒れ、数日間寝込んだ。(陰の気の向きが、変わった・・)「おのれぇ~、安倍晴明!」にほんブログ村二次小説ランキング
2026年01月22日
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今日はダイソーとSeriaで文房具を衝動買いしました。ダイソーのペンケースは、YouTubeで紹介されていた動画を観て興味を持ち、買いました。330円商品で、色は水色と紫の2色がありました。わたしは水色が好きなので、水色のものにしました。人気商品なのか、それぞれ2個しかありませんでした。ハムスターのカラー付箋。買うつもりはなかったのですが、付箋コーナーをチラッと見ていたら可愛かったので衝動買いしちゃいました。ダイソーで買ったペンケースに、ハチワレとセリアで買ったキラキラストーンのカラビナをつけてデコりました。表のポケットには消しゴム、付箋、シャーペンの替芯とウカンムリクリップぷちを入れ、裏面にはダイソーで買ったメモ帳を入れてみました。ギリギリ入りました。シマエナガのキーホルダーとハチワレを繋げてみました。母が近所のイオンで買ってきてくれた、StandardProductsのノート。左のTHREEPPYのノートは、128枚入りで、右のStandardProductsのノートは、148枚入りでした。どちらも大切に使います。 母がスポーツクラブの人から貰ったお菓子缶。モロゾフのチョコレートが中に入っていました。チョコレートが中に入っており、美味しかったです。追記(1.24)Seriaで買った、平成レトロキーホルダー。リュックにつけてみました。派手すぎるかなw追記(1.29)近所にあるCanDoで、たまたま見つけたハチワレのクリアファイル。衝動買いしちゃいました。裏面も可愛いです。追記(1.30)ダイソーで見かけたペンギンちゃん、衝動買いしちゃいました♪ペンケースにつけてみました。シマエナガがペンギンちゃんとハチワレに圧迫されていたので、スッキリさせてみました。追記(2.9)ダイソーで前から気になっていた下敷きを衝動買いしちゃいました♪イラストが可愛くて、キラキラしているので気に入りました、大切に使います。
2026年01月19日
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戊西編、なんというかほろ苦い結末でしたね。これからどうなるのか…
2026年01月16日
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「火宵の月」二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。「おはようございます、副社長。」「おはようございます。」翌朝、有匡が出勤すると、彼は周囲の視線を感じた。(なんだ?)「殿、失礼致します。」「入れ。」「コーヒーをお持ち致しました。」「そこに置いておいてくれ。」「はい。」種香は、有匡の方を横目でチラリと見た後、こう彼に尋ねた。「昨夜は、火月ちゃんとお楽しみだったのでしょう?」彼女の言葉を聞いた有匡は、思わずコーヒーを噴き出しそうになったが、寸での所で堪えた。「何の話だ?」「嫌ですわ、昨夜の事をお忘れで?」「酒に酔っていた所為で余り憶えていない。」「あら、そうでしたの。それは残念。」「それは、どういう意味だ?」「あらヤダ、もうこんな時間。」種香はそう言った後、そそくさと副社長室から出て行った。「どうだった?」「別にぃ~?」「その感じだと、脈なしって感じね。」種香はそう言って溜息を吐き、秘書室にある自席の前に置いてある椅子の上に腰を下ろした。「火月ちゃん、今日はお休みなの?」「そうみたい。まぁ、慣れない環境で必死になって働いたから、疲れが溜まったんでしょうね。」「ゆっくり休んで欲しいわ。」「そうね。」種香と小里が会社でそんな事を話している頃、火月が自宅があるマンションの部屋でゆっくりと休日を過ごしていた。(秘書の仕事って、結構ハードだなぁ・・)何か資格を取ろうと思い、駅前にある大型書店で秘書検定とビジネスマナーの本を買い、秘書検定一級を猛勉強の末受験し合格したが、秘書の実務経験は皆無に等しかった。だが、就職活動中はそんな事を言っていられなかったので、只管なりふり構わずに足を棒にして様々な業種の会社の面接を受けた。アパレルや飲食などの接客業、事務職・・とにもかくにも火月は安定した生活を送りたい為に必死だった。だから、事務から秘書課、しかも副社長専属秘書になるなんて、思いもしなかった。(まぁ、無理しないように頑張るしかないか。その為には、ゆっくり休もうっと。)火月は大きなあくびをした後、ベッドに入って朝まで眠った。「あ~、よく寝た!」洗面台の前で髪を梳かした火月は、髪を簡単に纏めてジーンズとトレーナーというラフな服装で近くの大型スーパーへ買い物へと向かった。「あった、これこれ!」火月は買い物カゴに好きなキャラクターのボールチェーンを見つけ、カゴの中に入れた。この大型スーパーは、専門店としてバラエティ雑貨店が入っているので、学生時代からよく通っていた。「あら、久し振り。元気にしていた?」顔見知りの店員からそう声を掛けられた火月は、暫く雑談で盛り上がった。「また来てね~」「うん、またね~」大型スーパーから出て帰宅した火月は、テレビドラマの再放送を観ながらソファに寝転がって寛いでいた。そんな中、突然インターフォンの呼び出し音が鳴った。(こんな時間に、誰だろう?)火月がインターフォンの画面を見ると、そこには見知らぬ男が立っていた。暫く彼女が外の様子を見ると、男はそのままマンションのエントランスから去っていった。「え、そんな事があったの?」「はい・・」休み明けに出勤した火月がその事を種香に話すと、彼女は火月と共に会議室へと向かった。「その人、知り合いなの?」「いいえ。」「火月ちゃん、独り暮らしでしょ?暫く友達とかに泊まって貰ったら?」「そうですね。」種香のアドバイス通りに、火月はその日から施設仲間の禍蛇と一緒に住む事になった。「狭いけど、大丈夫?」「大丈夫!いやぁ~、今までずっとネットカフェで暮らしていたからさぁ、助かったよ~!」全財産を入れたリュックを背負い、大きなキャリーケースをひきながら、禍蛇は火月の部屋に入った。「良かった。」火月は、禍蛇が少しやつれている事に気づいた。「ねぇ禍蛇、ちゃんとご飯食べてるの?」「うん、まぁね。」「そうだ、今日は何処か食べに行こうよ。まぁ、ファミレスしかないけど。」「それでもいいよ。コンビニ弁当よりもマシだもん!」その日の夜、火月と禍蛇は学生時代に行きつけだったファミレスに食事へ行った。「ここのお店、変わってないね~」「確かに。注文がタッチパネルになったけどね。」長い間離れ離れになっていたからか、火月と禍蛇はお互いの近況を長時間話し込んでしまった。「え、火月、有匡の会社で働いているの?」「うん。まぁ、先生は、僕の事を憶えていないかもしれない。」「まぁ、普通そうだろ。でも秘書って凄いよねぇ~。」「禍蛇は、何をしているの?」「う~ん、色々。派遣で働いていたんだけど、今月末で契約切られちゃってさ。社員寮からも追い出されちゃった。」「酷くない、それ?」「抗議したんだけどさぁ、会社側は、“悔しかったら正社員になれ”の一点張りでさぁ。ま、あの会社は前から悪い噂があるから、俺が何もしなくても何かあるって。」禍蛇はそう言うと、コーヒーを飲んだ。「あ~、今日は楽しかった。明日から職探し、頑張ろうっと!」禍蛇とルームシェアを始めて一週間が経った。「はぁ~、今日も面接落ちちゃった。やっぱ火月みたいに資格持ってないと駄目かなぁ~」「そんな事ないよ。余り焦らない方がいいって。」「そうだね。火月、最近帰りが遅いけど、どうしたの?」「もうすぐイベントがあって、その準備に追われているんだ。」「そうなの。最近日が落ちるのが早くなっているから、暗くなる前に帰った方がいいよ。」「うん、わかった。」禍蛇に玄関先で見送られ、火月がマンションから外へと出て駅へと向かっていた時、不意に視線を感じて彼女は立ち止まり背後を振り向いたが、そこには誰も居なかった。「おはようございます。」「おはよう、火月ちゃん。例の件、どうなった?」「もう大丈夫です。同じ施設出身の友達とルームシェアをしているので。」「そうなの。火月ちゃん、電車で通勤しているわよね?最近忙しいからね、残業する事になったら、あたし達が家まで送ってあげようか?」「え、いいんですか?」「いいのよ。部下の安全を守るのも、上司のあたし達の仕事よ。」「ありがとうございます。」「それにしても、大殿様(社長)が、最近殿に色々と話しているみたいよ。」「まぁ、殿もいい年だし、ハイスペック男を周りの女が放っておかないからね~」「あ、そういえば、この前のお見合い相手とはどうなったの?」「先方からお断りの返事が来たわよ。まぁ、最初から縁がなかったのよ。」「そうね。」「そうだ、話変わるけどさぁ、今週末のクリスマスパーティー、出席する?」「う~ん、やめとく。その日は予定があるのよね。小里は?」「あたしもやめておくわ。火月ちゃんは?」「僕も行きません。パーティーって、苦手なんですよね。」「そう。殿と大殿にはあたし達の方から言っておくわ。」同じ頃、副社長室では有匡が咳込みながらラップトップのキーボードを叩いていると、軽いノックの音と共に有仁が部屋の中に入って来た。「父上、どうされたのです?こんな時間にいらっしゃるなんて・・」「最近、近くにケーキが美味しいカフェが出来たんだって、行ってみない?」「今から、ですか?」「丁度お昼だし、行こうよ、ね?」「わかりました・・」有匡は半ば有仁に押し切られるような形で、会社の近くに新しくオープンしたカフェへと向かった。その店はケーキが美味しいという評判からなのか、店内は女性客で溢れていた。「無茶苦茶浮いていますね。」「うわぁ~、このケーキセットにしようっと!」「父上・・」「美味しい物を食べたら、そのしかめっ面がなくなるかもしれないぞ。」「は、はぁ・・」有匡は、このカフェで一番人気のミルクレープを頼んだ。「最近、お前に色々と縁談を持ってくる親戚連中が多いが、あいつらは無視しなさい。」「父上は、わたしに身を固めて欲しくないのですか?」「結婚するもしないも、お前の自由だよ。」有仁はそう言いながら、アールグレイを飲んだ。「今週末のクリスマスパーティーは、無理に出なくてもいい。まぁ、クリスマスパーティーといっても、ただの名刺交換会だからね。」「父上・・」「また、眉間に皺を寄せているな?色々と考えすぎると、上手くいかなくなるぞ。」「それもそうですね。」「ケーキを食べ終わったら、もう出ようか。」「そうですね。」二人がカフェから出て会社に戻った直後、土砂降りの雨が降り始めた。「ラッキーだったね。」「はい。」雨は、夕方になっても止まなかった。(あ~、今日も遅くなっちゃった・・)残業を終え、火月が会社から外へと出ると、土砂降りの雨が降っていた。火月は鞄の中を探ったが、折り畳み傘を持ってくるのを忘れてしまった事に気づいた。(駅まで走れば、電車に間に合うかなぁ・・)「どうした?」「あ、副社長・・」あのパーティーの日以来、火月は気まずさ故に有匡を一方的に避けていた。「傘、持って来てないのか?」「はい、家に忘れて来てしまって・・」「家は何処だ?家まで送ってやろう。」「え、いいんですか?」「下心はないから安心しろ。」「はい・・」有匡の車の助手席に座った火月の姿を、何者かが隠し撮りをしていた。「おはようございます。」翌朝、火月が出勤すると、自分へ向けられる冷たい視線に気づいた。「火月ちゃん、ちょっと来て。」「え、はい・・」種香と共に会議室に入った火月は、種香から一冊の週刊誌を手渡された。その記事の見出しには、有匡と火月のツーショット写真が載っていた。にほんブログ村二次小説ランキング
2026年01月13日
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平井摩利先生「火宵の月」の赤安パラレルです。作者様·出版社様とは一切関係ありません。※安室さんが両性具有設定です、苦手な方はご注意ください。※捏造設定、死ネタあり、オリジナルキャラ多めです。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。「そうか。」 秀一はそう言ってふっと笑うと、零の額に札を貼りつけた。「え、これは・・」「魔除けの札だ。」「ひ、酷い~!」 零は札を額から剥そうと暴れていたが、暫く経つと大人しくなった。(朝からうるさい奴だな・・) 秀一がそんな事を思いながら湯殿で身体を清めていると、外から大きな物音と零の悲鳴が聞こえて来た。(今度は何だ!?) 秀一が湯殿から出ると、屋敷の中庭では何故かカラスと格闘している零の姿があった。「やめろ、僕から離れろ、この・・」「どうした、一体何をしている?」「秀一様、こいつらが木の実を荒らすから、止めようとして・・」「馬鹿な事を。こいつらは光る物が好き・・」 途中で何とか堪えていたが、秀一は我慢できなくなって噴き出してしまった。「な・・何で笑うんですか、酷い!」「い、いや・・余りにもお前が間抜け過ぎて・・」「そ、そんな~!」 朝食後、秀一が出仕すると、彼はすぐさま執権に呼び出された。「また野猫族を取り逃がしただと!?一体どうなっているのだ、秀一!」「申し訳ございません・・」 昨夜は野猫族を誘き出したはいいものの、捕まえる事は出来なかった。(一体、何がいけなかった?) いつも自分の一歩先を何者かに読まれているような気がして、秀一は少し苛立っていた。(これ以上、奴らの好き勝手にはさせておけん!) 朝は晴れていたが、昼過ぎになると空が曇り出し、夕方には土砂降りの雨が降り出した。(雨、か・・) 零はそんな事を思いながら、秀一の帰りを待っていた。「どうしたの、零ちゃん?」「ううん、何でもない・・」「もうすぐ殿、帰って来るわよ。」「えっ、本当!?」「あたし達が嘘吐く訳ないでしょう。」 秀一の式神達と零がそんな話をしていると、零は秀一の‟気“を感じ、邸の正門へと向かった。 そこには、渋面を浮かべた秀一の姿があった。「先生、お帰りなさい!」 零はそう叫んで秀一に駆け寄ろうとしたが、彼に睨まれ、その場から動けなくなった。「俺を騙したな、零。」「一体、何の話・・」「とぼけるな!」 秀一の怒声が、空気をビリビリと震わせた。「俺の情報を野猫族に与え、奴らの手助けをしていたんだろう?」「違います、そんな・・」「現に仲間と合流するお前の姿を見たものが居る。」「それは・・」「大方、俺の懐に入り込み、俺が油断した時に寝首を掻こうとしたのだろう?」「僕は・・」「お前、俺の子を産みたいと言っていたな?俺の血を継いだ子を産み、やがては一族を牛耳ろうと思っているのか?馬鹿にするな!」 激昂した秀一はそう叫び、零の頬を打った。 その拍子に、零がつけていた紅玉の耳飾りが外れ、床に転がった。 零は何も言わず、雨の中秀一に背を向けて去っていった。 それから数日が経ったが、零の消息は杳として知れなかった。「ねぇ、また黄昏れているわよ、殿。」「零ちゃんに言い過ぎたって思っているのよ、あれは。」「だったら早く捜しに行けばいいのに~」「うるさいぞ、お前達。」 式神達を睨んだ後、秀一は溜息を吐きながら零が落とした紅玉の耳飾りを見つめていた。「あら殿、どちらへ?」「少し、出掛けて来る。」 秀一は零を捜しに、鎌倉の町へとおりた。「金髪碧眼の子?見かけないねぇ・・」「そうか。」 市で道行く人達に零の事を秀一は尋ねて回ったが、零の情報は何も得られなかった。 彼が諦めようと秀一が市を後にしようとした時、川の方からざわめきが聞こえて来た。「昨夜の雨で流されて来たのかねぇ・・」「可哀想に・・」「何だってこんな所に、豹が・・」「退いてくれ!」 秀一が野次馬を押し退けて川岸まで行くと、そこには一頭の黒豹の死体があった。(良かった、違ったか・・) 秀一が安堵の溜息を吐いていると、一人の女が彼に近づいて来た。「あんた、これ落としたよ。」「済まない、ありがとう。」「綺麗な紅玉だね、大事におしよ。」 女に礼を言った秀一は、掌の上に載った紅玉の耳飾りを見つめた。 不意に、彼の脳裏にある光景が浮かんで来た。 それは、幼い頃に秀一が黒猫と出会った日の事だった。 その頃、秀一は妖狐と人間の混血児として周囲から疎まれ、蔑まれていた。 深い孤独を抱える中、彼は一匹の黒猫が池の中で溺れているのを見かけ、その黒猫を助けた。「暴れるな、人が折角助けてやったのに!」 池の中から秀一が助けても、その黒猫は彼の腕の中で暴れていた。「噛みたければ、噛んでもいいよ。」 秀一がそう言って黒猫を暫く抱いていると、黒猫は大人しくなった。 早くに親を亡くし、仲間から馬鹿にされて生きて来た幼い黒猫と、周囲から疎まれて来た秀一。 その日から、一人と一匹はまるで互いの孤独を分け合うかのように、共に楽しい時間を過ごした。「お前が人間だったらいいのに。」 楽しい時は、長くは続かなかった。 秀一は遠縁の叔父に京へ連れて行かれ、黒猫―紅玉とはそれきりになり、彼は鎌倉に戻って来るその日まで紅玉の事を思い出そうとしなかった。 だが、零と出会った時、秀一は彼の耳を飾る紅玉を見た時、彼があの‟紅玉“だと気づいたのだった。(まだ、あいつは近くに居る筈だ・・) 秀一がそんな事を思っていると、突然紅玉の耳飾りが光り始めた。(何だ?) 秀一が驚きながら耳飾りを見つめると、水面に黒豹に取り囲まれている零の姿が浮かんで来た。(あそこは、鶴岡八幡宮だ!) 秀一は零を救う為、鶴岡八幡宮へと向かった。 そこでは、零が野猫族と対峙していた。「どうした零、終わりか?」「俺達に話があると言って誘って来た癖に、仲間を抜けるだと?ふざけるんじゃねぇ!」 激昂した野猫族の一人に突き飛ばされ、零は低く呻いた。「もう、嫌なんだ・・お前らに協力するのは!」「協力ぅ?てめぇ、自分の立場が俺達と対等だと思っていやがるのか?笑わせるぜ!」「お前は所詮、俺達の子を産ませる為の道具よ!それとも何か?あの半妖野郎ともうデキちまったのか?」「えっ・・」「俺達が気づいてないとでも思ったのか?お前があの半妖野郎にベタ惚れだった事にはとっくに気づいていたさ。」「お前があいつの近くに居たお陰で、あいつの動きを把握できたしな!」(そんな・・)「まぁ、あの半妖野郎を始末したら、お前を・・」「先生を馬鹿にするな!」 零はそう叫ぶと、野猫の顔を爪で引っ掻いた。「畜生、目が・・」「先生のかたきだよ!」「この野郎!」 他の野猫に噛まれ、体勢を崩した零は、そのまま冷たい池の中へと沈んでしまった。(どうしよう・・僕、泳げないのに・・) 零は、薄れゆく意識の中で、秀一の事を想った。(先生、ごめんなさい・・) 暫くすると、池の水が徐々に蒸発してゆく事に零は気づいた。 そして、息が苦しくない事も。「な、何だ!?」「てめぇ、何で俺達がここに居るとわかったんだ!?」「紅玉がお前の居場所を教えてくれたのさ。」 秀一はそう言った後、野猫族を睨みつけた。「随分と舐めた真似をしてくれたな。」「相手は独りだ、取り囲んで殺しちまえばこっちのもんだ!」 野猫族達は秀一を取り囲んだが、彼は宙を舞った。「なっ・・」「半妖が・・」「俺の母は只の野狐ではなく、齢二千年の魔妖狐だ。紅い月に魅せられ、‟力“を解放したくなるだろう?」 秀一は、内に秘めた‟力“を、野猫達に向かって放った。「何故、零だけ・・」「こいつは、唯一無二の、俺の宝だからだ。」 秀一は、そう言って零を抱き締めた。(え、今のは・・)「あの、先生・・」「何だ?」「さっきのは・・」「うるさい、二度まで言わせるな!」 そう言った秀一の顔は、少し赤かった。 こうして、零は秀一と暮らす事になった。「では、行って来る。」「行ってらっしゃいませ。」 いつものように秀一を仕事へ送り出した後、零は秀一の式神達の、‟着せ替え人形“にされた。「あらぁ~、あの子消えたわよっ!」「何処に消えちゃったの?」 零は、彼女達から逃れる為に、屋敷から外へと抜け出し、裏山に来ていた。「もう、ヤダ・・」 零は溜息を吐いて木の下から周囲の景色を見渡すと、そこからは鎌倉の街を見渡せた。(先生、まだかなぁ・・) 零がそんな事を思っていると、遠くから馬に乗って帰宅する秀一の姿が見えた。「先生、お帰りなさい!」「零、危ない!」 秀一は木から体勢を崩して落ちる零を見て慌てて彼を受け止めようとしたが、その前に一頭の金色の豹が現れ、零の命を救った。(何だ、あの豹は?)「ったく、お前は昔からそそっかしいなぁ、零。」「え、もしかして・・竜生!?」「よっ、半世紀振りだな。」 秀一と零の前に突然現れた謎の金髪紅眼の男、もとい零の幼馴染の竜生は、まるで秀一を挑発するかのように、零を抱き締めた。「何しに来たの、竜生?」「決まってんだろ、お前を迎えに来たんだよ。」 にほんブログ村二次小説ランキング
2026年01月07日
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平井摩利先生「火宵の月」の赤安パラレルです。作者様·出版社様とは一切関係ありません。※安室さんが両性具有設定です、苦手な方はご注意ください。※捏造設定、死ネタあり、オリジナルキャラ多めです。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。「チッ、遅かったか。」京から故郷・鎌倉へとやって来た陰陽師・赤井秀一は、夜毎人を襲う野猫族を退治する為、野猫族がよく出没している鶴岡八幡宮へと向かうと、そこには奴らの餌食となった人々の遺体が転がっていた。(今日も式神にこの近辺を探らせていたが、噂よりも野猫族は神出鬼没のようだな。)秀一がそんな事を思っていると、妖気を近くに感じた。「何者だっ!」妖気がする方へと秀一が筮竹を投げつけると、それは近くの大銀杏の木に突き刺さった。「すいません、別に驚かすつもりは・・」そう言って木陰から出て来たのは、金髪碧眼の少年だった。「何だ、お前?」「あの・・僕、秀一先生にお願いがあって・・」「ほぉ、俺にか?」「あの・・僕、あなたの子供を産みたいんです。」秀一は、謎の少年の言葉を聞き、少し苛立った。「俺は、男に子を生ませる術は心得ていないが?」「僕は男じゃ・・女でもありません。」「ほぉ?」秀一の眦が上がるのを見た少年は、慌てた様子で彼にこう言った。「僕達一族は、60年に一度の変化期を迎えると、雌雄どちらにもなれる両性体なんです。だから・・」「人を化かしに来たのなら、運が悪かったな。今、俺は機嫌が悪いんだ。式神、行け!」「や、止めて下さい、僕は、うわぁ~!」青龍に脅され、怯えた少年は石段を踏み外し、そこから転げ落ちてしまった。(何だ、随分と呆気ないな・・)そう思いながら秀一が少年が倒れている方へと向かうと、そこには金色の豹が転がっていた。(金色の、豹?)その豹の左耳を飾っている紅玉の耳飾りを見た秀一の脳裏に、幼い頃を共に過ごした黒猫の姿が浮かんだ。「お前、野猫族か?」「野猫族?」「何だ、知らんのか?紅い月の晩になると、人の生き血を啜る妖だ。お前、さっき豹になっていただろう?」「確かに、僕は野猫族ですけど・・出来損ないで、いつも仲間から虐められていて・・」「その耳飾りは?」「これは、昔大切な人が僕の涙で作ってくれたんです。」『秀一様、野猫族の行方は杳として知れません。意図的に気配を隠しているようです。』「そうか。護法童子、引き続き野猫族の捜索を頼む。」『はい。』「な、なんですか!?」「あれは俺の式神だ。俺の命令無しに、お前に危害を加える事は無い。だから、いい加減俺から離れろ。」「す、すいません・・」「お前、名を何という?」「零・・何者にも染まらないという意味で、零といいます。」「では零、お前は何故、俺の子を産みたいと?」「だってあなた、狐の子なんでしょう?半人半狐で、凄腕の陰陽師として、秀一先生は妖の世界でも有名です。」「下らん。俺はお前の気持ちには応えられん。俺にとって異類婚など忌むべきものだからな。まぁ、怪我が治るまで俺を“その気”にさせるのなら話は別だが。」「え・・」こうして、少年―零と秀一の、奇妙な同居生活が始まった。「秀一様、今日も帰りが遅いわね。」「そりゃぁね。野猫族絡みで色々と忙しいし・・」「それにしても、あいつらあの秀一様の手を手こずらせるなんて、やるわねぇ。」「ちょっと、褒めてどうすんのよ。」秀一は、焦っていた。執権には野猫族を早く始末しろとせっつかれたものの、その尻尾が中々掴めなかった。「え、今何て?」「俺が、囮になってあいつらをひきつける。今夜のような新月には、魔物が人を襲うにはいいからな。」秀一は女装して、野猫族を誘い出した。「助けて下さいまし、そこの方!化猫が、化猫が大勢向こうに!」(女・・何故こんな時間に?)突然現れた女に抱きつかれ、秀一が戸惑っていると、彼女から微かな妖気を感じ取った。「かかったな、秀一。」「クソッ!」秀一が野猫族を筮竹で攻撃すると、女は秀一の顔に毒を含んだ爪を立てた。「式神、追え!」「先生!」零は、血だらけの秀一の顔を見て、蒼褪めた。「どうした?」「血が苦手で・・」「不甲斐ない奴だ。クソ、毒で身体が痺れてきた。」「動かないで下さい、今、中和しますから。」零はそう言うと、秀一の顔に唇を落とした。その唇の感触が心地良くて、秀一は思わず目を閉じてしまった。(何だ・・これは・・一体・・)その夜、秀一は疲労の所為か帰宅すると泥のように眠ってしまった。すると、何者かが部屋に入って来る気配がした。「何者だ!?」「す、すいません・・」零はそう言うと、秀一を見て苦笑いを浮かべた。「まさかと思うが・・夜這いに来たのか?」「ええ、まぁ・・」にほんブログ村二次小説ランキング
2026年01月07日
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スティーヴン·キングの新作。とてもファンタジー色が濃くて、読み応えがありましたし、ハッピーエンドで良かったです。
2026年01月07日
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素材表紙は、mabotofu様からお借りしました。「相棒」二次小説です。公式様とは一切関係ありません。男性妊娠設定です、苦手な方はご注意ください。二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。噎せ返るかのような、ナパームの臭いが充満する熱帯雨林の中で、尊は只管走っていた。動くものは、全て斬り伏せ、やがて彼は川の近くへと来た。―来たのね。己と瓜二つの顔をした誰かが、そう言って笑った。―お前だけは、許さない!尊はそう叫ぶと、誰かに向かって刃を振り下ろした。「何だ、夢か・・」荒い呼吸を繰り返しながら、尊は手の甲で額の汗を拭うと、自室から出て浴室でシャワーを浴びた。(あの夢は一体、何だったんだろう?)頭から冷水を浴びながら、尊は昨夜見た夢の事を考えていた。(あの人は・・僕にキスをしたあの人は、一体誰なの?)大河内とは初対面の筈なのに、何故か彼とは何処かで会ったような気がしてならなかった。それに、亘から大河内が自分の事を狙っているのではないかと言われた時、何故か胸が高鳴ってしまった。自分はゲイではないのだが、何故かわからなかった。(あ~、もう、変な事を考えるのはやめよう!)モヤモヤとした思いを断ち切るかのように、尊は再び頭から冷水を浴びた。その結果、彼は風邪をひいてしまった。「尊ちゃん、ママこれから出かけるから、戸締りはしっかりしておくのよ、いい?」「行ってらっしゃい。」出勤する母親を玄関先で見送った尊は、ドアの内側からしっかり鍵を掛けた。「神戸が、欠席?」「あ~、今朝親御さんの方から連絡があって、風邪をひいたので休むと。」「そうですか。」職員室で春樹は同僚からその話を聞き、溜息を吐いた。「あれ、尊今日休み?」「風邪だってさ。」「ふぅん。」「それよりも亘、今日の放課後、空いているか?」「空いているけど、何かあるの?」「合コンがあるんだよ、S女との!」「わかった。何時にあるの?」「15時。歌舞伎町の東映シネマ前で待ち合わせな!」「わかった!」(もう、お昼か・・熱が下がって来たし、何か電子レンジで温めて食べよう。)尊はそう思いながら、自室のベッドから起き上がった。リビングに入り、キッチンの冷蔵庫の中を開けると、そこにはラップを掛けられた蕎麦が入ったお椀があった。電子レンジで尊が蕎麦を温めていると、玄関のチャイム音が鳴った。(誰だろう、こんな時間に?)「はい・・」『大河内だ、見舞いに来た。』「え、え?」(何で、大河内先生が?)寝癖で乱れた髪を慌てて手櫛で整えながら、尊は玄関のドアロックを解除した。「あ、どうぞ・・」「お邪魔、します・・」尊と春樹の間に、気まずい空気が流れた。「すいません、お茶もお出ししないで・・」「いや、気にしないでくれ。こっちこそ、急に来てしまって済まない。」春樹は、そう言うとコンビニのレジ袋の中身を尊に見せた。そこには、ゼリー飲料が入っていた。「少しでも消化が良くなるものをと思って、買って来た。」「ありがとう・・ございます。」「キッチン、借りてもいいか?」「はい、どうぞ。」春樹がキッチンへと向かったのを見た尊は、少し熱が上がったので、リビングのソファに横になった。―起きて下さい。誰かが自分の肩を揺さぶる感覚がして尊が目を開けると、そこには燕尾服姿の春樹が立っていた。―お茶の時間ですよ。(え?)春樹、もと彼に似た“誰か”は、そう言って尊の髪を優しく梳いた。「ん・・」「起きたのか?お粥、出来たぞ。」「ありがとうございます・・」春樹が作ってくれた卵粥は、美味しかった。「お粥、どうだった?」「美味しかったです。あの、先生、どうしてわざわざお見舞いに来てくれたんですか?」「昨夜の事で、お前がショックを受けて寝込んでいるんじゃないかと思ってな。心配してたんだ。」「そ、そうなんですか・・」「じゃぁ、俺はもう失礼する。見送りは結構。」「はい・・ありがとうございました。その、お粥まで作って下さって・・」「早く風邪、治せよ。」そう言って、春樹は尊の額に唇を落とし、彼に優しく微笑んだ後、神戸家から去っていった。(何だったんだろう、あの人・・)春樹は神戸家から去った後、駅前のカフェに入った。「いらっしゃいませ。」「コーヒーをひとつ。」店員が去った後、春樹は鞄から一冊の文庫本を取り出し、それを読み始めた。その時、店のドアベルが鳴り、一人の男が入って来た。濃紺のスーツ姿のその男は、金縁眼鏡を光らせ、席に案内しようとした店員を制し、まっすぐに春樹の元へとやって来た。「ここ、よろしいですか?」「どうぞ。」「ありがとうございます。」金縁眼鏡の男はそう言った後、春樹の前に置かれている椅子に座った。春樹はそんな彼の事を気にかけずに文庫本を読み始めた。しかし、不意に視線を感じた彼は、文庫本から顔を上げた。「わたしに、何か?」「失礼を承知でお尋ねしたいのですが、あなたは神戸尊さんとどんなお知り合いなのですか?」「え?」「すいません、わたし、こういう者です。」男は一枚の名刺を取り出し、それを春樹に手渡した。そこには、『赤い盾極東支部・ジョゼフ=ホフマン』と印刷されていた。「“赤い盾”・・」「改めてお尋ね致します、あなたは、神戸尊さんとどんなお知り合いなのですか?」そう言ったジョゼフの金縁眼鏡越しに光る金色の瞳は、獲物を仕留めようとする肉食獣のそれだった。「俺は、尊の“騎士”だ。」「“騎士”、ね・・」「ここへは、一体何をしに来た?」「あの方は、まだ覚醒めていないようですね。」ジョゼフはそう言うと、運ばれて来たコーヒーを一口飲んだ。「あぁ。」「まぁ無理もないでしょう、あの方―いや、あの方達とわたし達とは生きている時間、流れている時間が余りにも違う。」「あなたは、一体彼に何をしようとしている?」「それは、企業秘密なのでお教えできません。」ジョゼフは、自分のコーヒーの代金を払う為にレジへと向かった。(食えない奴だな・・)「もしもし、僕です。」『あの方とは、接触出来たか?』「いいえ。彼の“騎士”とは接触出来ました。まだ、あの方は覚醒めていないようです。」『そうか。では引き続き、あの方を観察してくれ。』「わかりました。」ジョゼフはスマートフォンの通話ボタンをタップし、それを鞄の中にしまうと、溜息を吐いて雑踏の中を歩き出した。同じ頃、亘は歌舞伎町のカラオケボックスの前でクラスメイト達と別れ、一人帰路に着こうとしていた。その時、駅の改札口の前で一組の男女が口論をしていた。「何よ、わたしの事なんてどうでもいいんでしょう!?」「そんな事ないって~」(知和喧嘩か?)興味本位で亘が男女の方を見ると、男の方はいかにもホスト風で、女の方は学生のようだ。「じゃぁなんで、他の女と浮気したの!?」「だからぁ~、お前とは遊びだって言ってんの!」ホスト風の男は苛立った口調でそう叫ぶと、女を軽く突き飛ばした。「大丈夫ですか?」「は、はい・・ありがとうございます・・」ホスト風の男は、舌打ちして何処かへと行ってしまった。「今の、君の彼氏?」「いいえ、もう別れましたから。」女性はそう言うと、改札口の中へと入っていった。平日の、通勤・通学ラッシュより早い時間帯の車内は、ガラガラだった。あと数駅で目的地に着こうという時に、亘は電車に乗って来た春樹の姿に気づいた。春樹に気づかれぬように、亘は通学用のリュックから偶々入れていた文庫本を取り出してそれを読んでいると、車両の端から何かが割れるような音がした。(何だ?)亘が文庫本から顔を上げると、車両の端に座っていた男が意味不明な言葉を喚き散らしながら、何かを振り回していた。亘が文庫本越しにおとこの手元を見ると、男は割れたビール瓶を握り締めていた。周囲の乗客達は、関わり合いたくないのか、スマートフォンを弄り、皆下を向いていた。亘は他の乗客達と同じように、男を“見ない振り”をしないようとしたが、何故か出来なかった。「あの、そんな危ない物を振り回すのは他の人達に迷惑ですよ。」「うるせぇ、クソガキ!」(うわぁ、ヤバイ奴だ・・)「昼間からそんな物を振り回して何があったのかは知りませんが、危ないからやめた方がいいですよ。」「うるせぇ~!」亘の言葉に激昂した男は、割れたビール瓶の切っ先を彼に向け、それを振り下ろそうとした。その時、誰かが男の腕を掴み、それを捻り上げた。男はカエルが潰れた断末魔のような声を出し、床に転がった。「次の駅で、降りましょうか。」呻く男を無理矢理起こした春樹は、彼の首ねっこを掴んで電車から降りた。(先生、カッコいい!)同性だというのに、亘は一瞬、春樹にときめいてしまった。同じ頃、都内の一等地にあるホテル内のティールームでは、ジョゼフが紅茶を飲みながら誰かを待っていた。『やぁ、待たせたかい?』ジョゼフの前に現れたのは、銀髪をなびかせた一人の老人だった。『いいえ、今来たところです。』『そうか。それで、“あの方”とは会えたのか?』『いいえ、ですが、“あの方”の騎士とは会えました。』『そうか。』老人がコーヒーを一口飲んでそう言った時、老人のスマートフォンが着信を告げた。『すまない。』『いいえ、お構いなく。』『今日は会えて嬉しかったよ、また会おう。』『はい、わたしもです。』ジョゼフと抱擁を交わし、ホテルのティールーム前で彼と別れた老人は、ジョゼフに背を向けた直後、険しい顔をしてホテルから外へと出て行った。(状況は圧倒的に不利、か・・)タクシーで空港へと向かう中、ジョゼフと話していた老人―アレンは、ホテルのティールームで受けた報告の事を思い出した。“あの方”の片割れが、ベトナムで発見されたというものだった。(ベトナムか・・)アレンの脳裏に、紅蓮の炎に包まれたジャングルで微笑む、“あの方”の姿が浮かんだ。『もしもし、わたしだ。今空港に着いた。詳しい話は後で聞こう。』アレンは、タクシーから降りるとすぐに国際線出発ロビーへと向かった。彼を乗せていたハノイ行きの飛行機は、瞬く間に大空へと旅立った。「ねぇ、“あの方”の片割れが日本に居るって本当なの?」「あぁ、そのようだ。」「ふぅん、一度は会ってみたいわね。」「奴らが既に、日本に潜伏している事は把握している。下手な動きをするのは止せ。」「わかっているわよぉ、本当に頭が固いんだから。」ハノイ市内にある屋台で、柄物のシャツを着た金髪の男は、徐にサングラスを掛け、雑踏の中へと消えていった。(さぁて、これから面白くなりそうね。)ベトナムの夜は、静かに更けていった。一方、東京では風邪が治った尊が登校すると、何やら旧校舎の前に人だかりが出来ていた。(何だろう?)「おはよう、尊!」「亘、おはよう。旧校舎の方で何かあったの?」「あ~、それは後で話してもいいか?」「う、うん・・」亘の言葉に尊は少し違和感を抱いたが、すぐに忘れてしまった。昼休み、尊は教室から出て喧騒から少し離れたある場所へと向かった。そこは旧校舎の中にある音楽室で、年代物のグランドピアノが中央に置かれていた。「頂きます。」尊がそう言って自宅で作った弁当を食べていると、廊下の方から音がした。(何だろう?)空耳かと思ったら、また廊下の方で音がした。(早く食べて教室に戻ろう・・)尊がそう思いながら弁当を食べ終え、弁当箱をランチバッグに入れると、音楽室から出ようとしたのだが、誰かの足音が音楽室の方へと近づいて来る気配がして、恐怖で身体を強張らせた。「誰、そこにいるのは?」「漸く見つけたぞ、“闇の姫君”。」音楽室の扉が開き、全身黒ずくめの男が中に入って来た。「あなたは、誰なんですか?」「それは、今から死ぬ貴様には関係のないことだ!」男はそう叫ぶと、隠し持っていた短剣を尊の首筋に押し当てた。(誰か、助けて・・)「尊、何処に居る!?」「声を出すな。出したら殺す。」男は尊の首筋に短剣を押し当て、そう彼の耳元で囁いたが、尊は怯える振りをして、男の足の甲を思い切り踏みつけた。「この・・」「誰か、助けて~!」「尊、無事か!?」音楽室の扉が開き、亘が尊と男との間に割って入った。「うん・・それよりも亘、あいつを・・」尊がそう言って男の方を指した時、男の姿は何処かに消えていた。「どうした?」「亘、どうして僕がここに居るってわかったの?」「大河内先生が教えてくれた。」「大河内先生が?」「まぁ、尊が無事で良かった。早くここから出よう。」「う、うん・・」二人が旧校舎から出ると、旧校舎の校門の前に春樹が立っていた。「大河内先生・・」「二人共、無事だったか?」「そうか。」「尊、俺はこれから部活があるから、じゃぁなっ!」「わかった、じゃぁねっ!」旧校舎の前で亘と別れた尊は、春樹と共に校舎の中へと戻った。「あの・・」「何だ?」「どうして、僕が旧校舎に居るってわかったんですか?」「それは、俺の勘だ。」「勘?」「まぁ、上手くは言えないが・・お前が旧校舎に居るって俺は感じたんだ。」「そうなんですか・・」「尊・・、尊と呼んでもいいか?」「い、いいですよ。」「そ、そうか・・」春樹はそう言うと、少し伏目がちに歩いた。その耳が、少し赤くなっている事に、尊は気づいた。(もしかして、先生は・・)「今日は遅いから、帰れ。」「はい、わかりました・・先生、また明日!」「あぁ。」尊と別れた春樹が校舎の中に戻ろうとした時、上着のポケットに入れていたスマートフォンが鳴った。「はい、わたしです。」『ジェームズだ。今から俺が言う場所に来い。』「わかりました・・」スマートフォンの画面をタップした春樹は、深い溜息を吐きながら校舎の中へと入っていった。「大河内先生、もうお帰りですか?」「はい、急用が出来たので、これで失礼致します。」「お疲れ様です。」にほんブログ村二次小説ランキング
2026年01月04日
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。2026年元日 千菊丸
2026年01月01日
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