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冬の小鳥と水鳥を探索しに高崎自然の森と乙戸沼を訪ねました。昨シーズンは11月30日に訪ねた際にルリビタキと遭遇できのでその動向を楽しみに探索。シロハラが地面を掘りおこしている姿、木のてっぺんに飛来したばかりのツグミ、林縁にジョウビタキ雌、上空にノスリが飛翔する姿とひらひらと飛翔するハイタカの姿を観察できました。しかし、ルリビタキの姿は見つからず次回のお楽しみとなりました。高崎自然の森の次に土浦市の乙戸沼を訪ねました。公設市場のとなりに沼はあり、冬のカモたちが羽をやすめていました。ヒドリガモの姿があちこちにあり、中にオナガガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリが水面を移動する姿を観察しました。岸辺のヒドリガモを一羽ずつ観察していった折、一羽違う個体を発見。ずんぐりとした体形で頭部に目の周囲から後頭にかけて緑色の帯のあり、胸はぶどう色の個体を発見しました。しかし、アメリカヒドリであれば、目の周囲から後頭にかけて緑色の帯は後頚まで伸びているはずですが途中で切れていること、胸から脇がぶどう色なはずが胸に赤味があるなどヒドリガモとアメリカヒドリの交雑個体の可能性が高い個体でした。乙戸沼に例年飛来するコハクチョウの姿はまだなく、次の機会のお楽しみとなりました。(写真)2025年12月4日撮影
2025.12.04
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冬鳥の代表であるツグミ、柏市内では初認の後、ぐっと個体数が増えると思いきや単独でしか見かけない状況が続いています。今年の初認は11月20日(昨年は11月18日)後、再び姿を見かけなくなっています。しかし、近郊の印旛沼沿岸で先月20日73羽ものツグミが塒入りしている光景を見かけ、11月27日に宮城県登米市内でカリガネを観察していた際にはツグミ15羽以上が地面で採餌している姿を目撃しました。都市ではツグミが生きづらいのかしらと痛切に思いました。さて、ツグミは、飛来後年明け1月頃には行動を樹木の上層部から下層部に変化させ、2月移行春先まで林床や草地を利用するようになっている印象があります。この点について、文献を調べてみると、佐藤ほか(2012)が埼玉県、都内での調査結果を整理し報告していました。報告によると、ツグミの利用位置は1~ 2月を境に樹林の上層部から下層部へシフトする傾向がみられた」「関東平野で越冬するツグミに関しては、越冬後期(2~3 月)には主に林床や草地、裸地を利用することが確認された」と述べています。柏市内で見かけるツグミ、都市域以外で見かけるツグミの行動が、疎林や林縁といった比較的明るい環境なのか、それ以外の環境で見かけたのか、人の立ち入りの少ない環境で見かけたのか、多い環境だったのか等に注目してみる必要があります。私にとって今シーズンの宿題です。(引用)佐藤伸彦・藤田旭美・曾根恵海.2012.関東地方の平野部で越冬するツグミの垂直的な利用位置の季節変化.自然教育園報告.第43号.p57-64.(写真)2023年12月20日柏市内で撮影
2025.12.03
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市川市内の自然公園を訪ねました。細長い谷間に緑豊かな空間を探索していくと、一角のモミジの実がなっているエリアでアトリ科亜種アカウソが実をついばむ姿を目撃しました。亜種ウソと比べると頬の橙赤色が淡く、胸から腹にかけて赤灰色を帯びています。ころっとした体型と口笛のようにフィフィと鳴き交わしているペアを観察し、楽しい時間を過ごしました。(写真)2025年12月1日撮影5枚目の写真は亜種ウソで2013年2月に筑波山で観察した個体です。(備考アトリ科ウソの亜種)亜種ウソ、亜種アカウソ、亜種ベニバラウソの3亜種が生息しています。・亜種ウソ:雄は喉以下が赤く、頸部以下の灰色部の境目がはっきりしています。外側尾羽の羽軸は白色ですが、斑ではありません。・亜種アカウソ:雄の頬の赤色は亜種ウソに比べて淡く、境界線は不明瞭です。今日観察した個体は翼帯が灰色、下腹も赤い個体でした。外側尾羽下面に白い軸斑があります。・亜種ベニバラウソ:雄の下面は一様に赤色で下腹から下尾筒が白色です。
2025.12.01
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この時期、あちこちで渋柿の実が柔らかくなり、ヒヨドリやメジロ、ヤマガラが次から次に飛来してついばんでいます。柿は、熟すまでは渋みのあるタンニンで鳥たちから食べられるのを防いでいますが、タンニンが不溶性に変わると渋さが抜け鳥たちが大好きな甘い柿に変化します。調査のきっかけは、サルが熟した柿を食べ、野鳥が赤色の木の実を食べていた光景を目撃したことにあったと記されています。さて、調査は2018年に6種類の木の実を対象とし、その色と糖度を調査しサルや野鳥が食べたかどうかを報告しています。調査結果では、野鳥もサルも柿は赤に近い色のもの、糖度の高いものを食べたとしています。(引用)早川小学校.2018.鳥は木の実を色で選ぶのか味で選ぶのか.BEANSレポート.pp11.(BEANSレポートは、早川北小学校で取り組んでいるBEcome A Nature Scientists「自然科学者になろう」の野外自然観察活動で学んだ内容を報告しているものです)(写真)2023年11月30日、2022年11月9日、2021年12月5日いずれも柏市内の谷津田で撮影
2023.11.30
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鳥友nankashibirdさんから手賀沼沿岸の公園にウソが飛来していると情報をもらいましたので、一緒に現地に足を運びました。到着したばかりの昼すぎには姿がなかったものの、近くに飛来しているルリビタキやカワセミを観察してまたポイントに戻ると、桜の花芽をついばむ姿を目撃できました。花芽をほおばる光景、しっかりと観察できました。その後、手賀沼を探索していくと、コハクチョウ4羽(成鳥2、若鳥2)、そのそばにタシギ、カンムリカイツブリ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、バンの姿がありました。なお、コハクチョウ成鳥は浅瀬で足を上下させて土壌の中にいる虫を浮き上がらせているような動きをみせていました。(写真)2020年2月9日撮影
2020.02.09
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久しぶりに茨城県神栖市にある神之池を訪ねました。しかし、例年と違いカモの個体数は例年の十分の一程度。現地に向かう途中、利根川の水面に1万羽前後のオナガガモ、コガモなどの群れが休んでいましたので、その影響かと思われます。それでも、水面にはアメリカコガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ススガモ、ミコアイサが羽を休めていました。ヨシガモは、鎌状に下垂した三列風切が目立つ個体が大半を占めており素敵でした。アメリカコガモは、最外三列風切の黒条がコガモよりも短いのが特徴です。アメリカコガモ単独の写真、アメリカコガモとコガモが並んだところ、過日手賀沼で記録したコガモの写真をアップします。黒条の出方に注目していただけたら幸いです。(写真)2022年1月8日撮影
2022.01.08
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今冬、茨城県波崎港でオオホシハジロが渡来しているがホシハジロとの識別はどんなことを留意したらよいかと鳥友から質問をもらいました。(オオホシハジロの特徴)嘴基部が分厚くがっしりとした印象があるのに対し、先端部は扁平で細長く伸びているので低いアングルで観察した場合は嘴全体の印象は三角形で先端が細くて尖っているように見えます。一枚目と二枚目は2016年2月に埼玉県彩湖に飛来した個体です。また、三枚目と四枚目は2016年2月に都内浮間公園で観察した個体です。上面が灰色で褐色の羽がまじり、体下面は白っぽく褐色の部分も見受けられたことから成鳥雌と思われました。なお、彩湖と浮間公園の観察個体は同一のものが往来していたものと思います。(ホシハジロで嘴が黒一色の個体)五枚目と六枚目の写真は2021年11月23日都内水元公園で観察した個体です。嘴が黒一色なのでオオホシハジロではないかとされる可能性がありますが、嘴先端部が細くなく尖っては見えませんでした。このことからホシハジロです。(ホシハジロ)七枚目の写真は2021年11月23日都内水元公園で観察したホシハジロです。嘴に青灰色の帯、脇に褐色の幼羽が見えたので雌第一回冬羽と思われました。
2023.02.10
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アオバトというと群れで海水を吸飲するイメージを持つ方も多いものと思います。神奈川県大磯町、静岡県浜名湖やいくつかの温泉地で温泉水、鉱泉水も吸飲する行動を見かけることがあります。ところが、秋から冬にかけては、主食が変化し、水分をほとんど含まないシラカシやアラアシなどのドングリ(堅果)を食べることが観察されています。鳥友から秋から冬は、海水とは縁遠い環境で姿を見かけると質問をもらいました。(繁殖期になぜ海水を吸飲するか)加藤(2019)は、アオバトの生態についての知見を整理し報告しています。その中で海水を飲む要因について「繁殖期にあたる春から夏にかけてヤマザクラ、ミヤマザクラ、ミズキ、ノブドウといった水分の多い木の実(液果)を主食とします」と述べ、「液果に含まれる水分や栄養分を吸収するのに必要なナトリウムを得るために海水を飲んでいる」と報告しています。(秋から冬にかけてはドングリを食べる)加藤(2019)は、繁殖期とは違い冬期には「水分をほとんど含まないシラカシやアラアシなどのドングリ」を食していることを述べています。トウモロコシ、エンドウ豆、麻の実を配合した市販の餌を同一個体に与える実験を実施したところ、塩水よりも水道水を好んで飲み、糞の水分量も少ない傾向が見られたと記しています。一昨年10月に千葉県松戸市内で姿を見かけた折には、地面に落ちているドングリの実を食べてました。時折姿を消しますが、その後、枝に止まり休む姿を観察しました。近くのあるのは淡水の池のみでしたので、その水を飲んでいた可能性が高いと思われます。海水でなくてもナトリウムを含んでいれば、淡水でもかまわないということを示しているものと考えられます。ドングリの実を食べる光景が今秋も見られるか注目してみます。(写真)1枚目:2024年12月20日千葉県松戸市内、2枚目:2016年10月23日松戸市内で撮影(引用)加藤ゆき.2019.アオバトのふしぎ.自然科学のとびら.第25巻第2号.p10-11.神奈川県立生命の星・地球博物館.
2025.09.14
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春・秋の渡りの時期、行動を共にするオオメダイチドリとメダイチドリは、ゴカイ類、貝類、甲殻類、昆虫類などを捕食する食性もよく似ています。メダイチドリの群れにオオメダイチドリが混じっていることが多い印象があり、干潟では一羽ずつ嘴の長さ、足の長さ、足の色を確かめていくしかありません。8月から9月に出会うことが多い個体について復習してみました。(1)幼鳥について一枚目の写真は2016年8月7日に三番瀬で観察したオオメダイチドリ幼鳥です。羽先は尖り気味で、メダイチドリの羽先が丸いのとは違いがあります。また、羽縁は太いのが特徴です。なお、幼鳥の羽縁は太く淡い茶褐色ですが、それは見当たらず幼鳥から若鳥に換羽している個体の可能性があります。二枚目の写真は2020年9月5日三番瀬で観察したメダイチドリ幼鳥です。上面各羽に淡色の羽縁があり、わかりにくさがありますが、羽縁の内側に褐色のサブターミナルバンドがありました。(a)体の大きさで識別できるか図鑑によってはメダイチドリはオオメダイチドリより体が小さいと解説しているものも見受けますが、メダイチドリは数亜種が飛来していると言われており、オオメダイチドリより体の大きいものに遭遇することがあります。(b)嘴の長さについてオオメダイチドリの嘴は長く(嘴基部から眼の後端までの長さと同長かそれ以上)で、メダイチドリは嘴が短く(嘴基部から眼の後端までの長さと同等かそれ以下)点との違いがあると解説している図鑑類が多いのですが、真横からでないと長さの把握は難しいので注意が必要です。(c)足の色についてオオメダイチドリの足の色は黄緑色のものが多いですが黒っぽい個体も存在します。メダイチドリの足は淡色から黒っぽいものまで存在します。(2)若鳥について三枚目の写真は2016年8月7日三番瀬、四枚目は2013年8月24日三番瀬で観察したオオメダイチドリ若鳥です。翼の羽縁が白いのが特徴です。(3)第一回冬羽について五枚目の写真は2016年7月31日に谷津干潟で観察した第一回冬羽です。体がほっそりした印象で上面の羽縁が白いのが特徴です。なお、若鳥のほうが羽縁の白さが目立ちます。(4)夏羽が冬羽に換羽中六枚目の写真は2020年8月21日に三番瀬で観察した夏羽が冬羽に換羽中の個体です。胸の橙色が残っており、背や頭に赤褐色味があり換羽中の個体と思われました。
2024.08.12
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昨年12月から埼玉県と東京都の境にある公園に滞在しているニシオジロビタキを観察しに出かけました。公園内にはケヤキ・クスノキ・コナラ・エゴノキ・ウツギ・ヤマハギなどの樹木とクマザサや各種の野草が植えられ、武蔵野の雑木林が再現されています。湿地帯や池があり、水鳥、小鳥たちとの出会いが楽しめます。昼前に到着した時点では、ニシオジロビタキの姿はみつからず、湿地帯と池の遊歩道を探索し、マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、クイナ、バンといった水鳥、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、メジロなどの小鳥たちとの出会いを楽しみました。お目当てのニシオジロビタキの登場は、午後1時すぎでした。キリリと鳴き声が聞こえたと思ったら、近くの枝に止まる姿を発見しました。下嘴が肉色で嘴先端だけ黒色で、基部から先端にかけて細くなるな印象がありました。(オジロビタキは嘴は黒色で基部から先端はほぼ同じ太さで先端が細い)(写真)2025年2月3日撮影
2025.02.03
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昨日、渡良瀬遊水池周辺のアオバズクの飛来地に立ち寄りました。出会う楽しみはもちろんですが、プレゼント品を探すのも密かな楽しみです。親鳥がじっと巣の方向を見守っている木や暗くなって餌を捕獲する街灯のまわりを探すとその羽毛を発見できるからです。昨日は、長4センチ程度の小翼羽を発見しました。(写真左側)拙宅の亭主によると、第一指骨に生えている羽毛でもともとは初列風切と同じような役割をしていて滑空するときの安定さに貢献しているのだそうです。写真右側の2枚は、初列風切で内弁な丸い黄白色の斑点が見られます。もう一枚の画像は、裏雨覆羽と思われるもので下からアオバズクを仰ぎ見るとちらっと見えるのだそうです。(こちらは2018年7月に千葉県で撮影)
2021.07.25
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とがった頭とずんぐりした体型のヤマシギが東葛地区の公園に滞在しており、出会えたらと思い現地に出かけました。到着したばかりは姿がなかったものの、しばらくして林縁に出現してくれました。頭と頬が灰褐色、頭頂から後頭にかけて黒褐色の横斑、目先と目の下にある黒っぽい線は目に近いほうで間隔が広く、上面は褐色ベースに黒と淡色の模様が独特の成鳥でした。このほか、同地にアトリ、アオジの姿もあり、出会いを堪能しました。その後、手賀沼沿岸の公園まで移動し、トラツグミとの出会いを楽しみました。到着直後は地面で葉っぱをひっくり返して餌を探していましたが、その後近くの木の枝に移動し、小一時間日光浴をしていたのか姿を現さず、行動範囲はほぼ把握できているのでひたすら待機しました。一時間程度経過して日が陰った時に地面を歩きながら登場。ピンク色の足、黄色と黒の虎縞模様が素敵でした。(写真)2022年2月28日撮影
2022.02.28
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千葉県野田市と江戸川を挟んで隣接している松伏町の公園にニシオジロビタキが飛来していると耳にしていたので現地に出かけました。26.5ヘクタールの広大な敷地内には里山ゾーン、水辺ゾーン、広場ゾーンと3つのゾーンにわかれ市民の方がそれぞれの時間を過ごすスペースです。その一角にニシオジロビタキの姿がありました。これまで出会ったニシオジロビタキの中でもとびっきり行動範囲が広く、木の枝にとまり地面に降り立ち活発に餌をとったと思ったら少し離れた水浴び場所に移動したり、市民の方が広場にセットしているテントのそばの木に飛来したりを繰り返していました。下嘴の山吹色、上尾筒の灰褐色、翼をやや下げてまっすぐ伸ばした尾羽を上に振り上げてゆっくりと下げる仕草などをたっぷりと観察できました。このほか、池の小島の木の枝に虹彩が黄色のオオタカ雌の姿を見つけたり、池の水面を移動するホシハジロ、ミコアイサ、湿地帯で餌を物色していたクイナ、木の枝にとまったふっくりとした体型のモズ雌の姿を観察したり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2023年1月7日撮影
2023.01.07
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昨日三番瀬でスグロカモメと出会うことができました。羽色(成鳥夏羽、成鳥冬羽、第一回冬羽)、鳴き声、採餌などについても復習。A.羽色について(1)成鳥夏羽成鳥夏羽は、上面が青灰色で、初列風切外側3枚の外弁は白く羽先が黒く、5枚程度あるものと思います。(2)成鳥冬羽成鳥冬羽は頭部は白く、眼先、頭頂、頬がわずかに黒く、脚は暗赤色で、尾は白色でした。黒い初列風切に白い斑があるのが目立ちました。(3)第一回冬羽から第二回冬羽に移行中の個体第一回冬羽で、翼に褐色斑(幼羽)は見とれず、初列風切先端の白がず少し見えているので第二回目冬羽に移行している個体と思われました。(第一回冬羽:静止時では初列風切先端の白斑は見られません。第一回冬羽の脚は暗褐色、雨覆や三列風切に暗褐色斑が見られます)B,鳴き声について成鳥夏羽が餌を捕獲するときに、第一回冬羽から第二回目移行している個体に合図なのかコアジサシに似たキィキィと声を出していました。この声を出すと眼下の水たまりに降り立っていました。C.頭が黒くなるタイミング和田(2016)が2014年3月3日に兵庫県加古川河口でズグロカモメ成鳥13羽のうち、7羽の頭が真っ黒だったとし、ユリカモメよりも一か月近く夏羽になる印象と報告しています。ユリカモメの頭部が黒くなっていく様子を観察した結果から4月に入って急速に黒くなり、4月終わりに成鳥の大部分は黒い頭になっていると述べています。D.採餌の様子昨日の三番瀬では、歩きながら干潟表面をつつき回して嘴の触感で餌を探している様子と干潟にできた水たまりに上空から舞い降りてカニを捕獲していました。(写真)2023年3月11日撮影(引用)和田 岳.2016.身近な鳥類学.ユリカモメの頭はいつ黒くなる.むくどり通信.第242号.p10-11.日本野鳥の会大阪支部.
2023.03.12
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高野(1980)が述べているように、1972年5月に青森県小川湖でシベリアオオハシシギ夏羽が飛来したのが国内初の飛来記録で、その後大阪湾、熊本県、愛知県、東京湾、長崎県、兵庫県、鹿児島県、北海道で記録されたシギ科の鳥類です。東京近郊では1991年8月31日に谷津干潟(幼鳥冬羽)、1996年8月25日多摩川河口(幼鳥冬羽)、2013年7月7日葛西臨海公園(成鳥夏羽)に飛来した際に出会えました。多くの図鑑類には、ごく少数が渡来するのみと記されているものがほとんどですが、愛知県(2020)を閲覧すると、1975年以降23例の観察記録があると記され、大半が秋の幼鳥とあります。ただし、沿岸部の汽水や淡水の湿地環境が激減しており、2013年7月26日以降は渡来していない模様です。2013年7月に葛西臨海公園に飛来した個体の特徴と写真、類似種のオオハシシギとの比較をしてみました。どこかで再会できるとよいのですが。(シベリアオオハシシギの特徴)葛西に飛来した折は足の長い鳥との第一印象でした。足は黒く、嘴がまっすぐで長く、頭長の2倍より長い感じがしました。頭から胸が赤褐色、上面は黒く白い羽縁があり肩羽と雨覆の一部は軸斑が黒い。(オオハシシギとの違い)類似するオオハシシギは、足の色は黄色または黄緑色で、眉斑は頬、頸の赤みはありません。上面に黒班がありますが、シベリアオオハシシギの形状とは違いがあります。(シベリアオオハシシギは背と肩羽の軸斑は黒いのですが、形状はオオハシシギよりも複雑ではありません.オオハシシギ写真:2013年4月28日、同年5月3日いずれも茨城県稲敷市で撮影(引用)高野伸二.1980,野鳥識別ハンドブック.p151.愛知県レッドデータブック.2020.鳥類.p102.シベリアオオハシシギ.愛知県環境調査センター.
2023.07.19
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印旛沼沿岸、さいたま市にカリガネ幼鳥が飛来し、滞在しています。鳥友からその動向について質問をもらいました。(1900年代前半に手賀沼で採取された記録)我孫子市(1995)は、千葉県手賀沼における鳥類の記録を整理し報告しています。その中でカリガネについて1903年12月23日および1923年12月3日に1羽が手賀沼で採取された記録があると述べています。あわせて、第二次大戦後に行われた乱獲と環境の変化で生息は認められなくなったと指摘しています。(2010年以降の越冬個体の増加)山階(2021)をはじめとして、複数の研究者が2010年以降、主要越冬地である中国長江流域の生息地が劣化した影響で宮城県の越冬地で増加傾向になったことを記しています。山階(2021)は、増加しているカリガネの繁殖地、渡りルートを明らかにし保全をすすめるために、2020年12月宮城県に飛来した1羽に発信機を装着し調査を実施しました。(1)春の渡り2021年2月27日に越冬していた宮城県を出発し、青森県弘前平野、北海道石狩平野を経由し、4月5日に北海道サロベツに到着。5月11日にサロベツからさらにサハリン西海岸を北上した後オホーツク海を横断しカムチャツカ半島西海岸を北上したと述べています。その後、5月28日にロシアチャウン湾の東側に到着し、6月26日まで1 か月ほど滞在した後、7 月8日~8月13日までロシアコリマ低地、8月23日~9月19日までロシアチャウン湾西側の湿地に滞在したと記しています。(2)秋の渡り秋の渡りは、繁殖地のロシアチャウン湾西側の湿地を9月19日に出発し、シベリア内陸部をほぼ休息なしに南下し、9月23日には中国ハンカ湖の手前で方向を変え、日本海に出た後日本海を横断し9月24日に秋田県八郎潟に到着、数時間滞在後に出発し24日朝8時に宮城県伊豆沼に移動したと報告しています。(春と秋の渡りルート)春の渡りでは異なるルートを通っているが、秋の渡りでは中国ハンカ湖の手前までは非常によく似たルートを通っていたと述べています。このルート沿いのどこかで繁殖した若鳥が日本に飛来した可能性が考えられます。太田(2021)は、84例の迷鳥の飛来元とその気象要因を調査した結果を報告しています。その結果、鳥の渡りに影響を与えそうな気象現象(台風、低気圧、寒冷前線、梅雨前線などの停滞前線、寒気、偏東風)が起きていたものが83%を占めていたと記しています。カリガネの渡りルートは、2021年にデータを得たのが日本初でしたので、同様の影響を受けたのかは想像の域を出ませんが、今後の解明が期待されます。(引用)太田佳似.2021.流跡線解析による鳥の飛行経路推定の検証.バードリサーチニュース.2021年1月レポート.https://db3.bird-research.jp/new s/202101-no2/山階鳥類研究所.2021.絶滅危惧種のガン類、カリガネの渡りルート追跡に日本で初めて成功しました.2021年11月4日プレスリリース.pp3.(写真)2025年11月6日、7日さいたま市で撮影
2025.11.15
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2025年3月31日で運営終了となった川村記念美術館内の池に飛来しているオシドリ、越冬するカモで水面が埋め尽くされている印旛沼を訪ねました。(川村記念美術館庭園のオシドリ)今日昼過ぎに訪ねた際には、オシドリ21羽が羽を休めていました。飛来しているのは雄が大半で雌は7-8羽でした。雄は雌を取り囲むように行動し、雌は雄に号令をかけているように見えました。オシドリの越冬地は雌が主導権を握っているのもしれません。このほか、従来見かけなかったハシビロガモの姿を観察しました。(印旛沼はトモエガモで埋め尽くされていた)佐倉市からの帰り道、印旛沼に立ち寄り、水面を埋め尽くすトモエガモの大群、ヨシガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、モモイロペリカンのがーくん、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、チュウヒ、ハイイロチュウヒを観察しました。トモエガモは、約6万羽を数え、漁船が通過する時やチュウヒが飛翔すると一斉に飛び立ち黒く空を埋め尽くしていました。(写真)2025年11月19日撮影
2025.11.19
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柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を訪ねました。東口にある調整池からスタートし、オカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ハクセキレイの姿を観察しました。その後、西口調整池に移動しましたが、沿岸の土手の整備工事中で池のそばまで車両が侵入しているため、鳥影は少ない結果でした。(2つのタイプのオカヨシガモ)今日オカヨシガモ雄の頭部の模様の違いが2タイプいるのを目にしました。写真一枚目、二枚目のように頭部が全体に灰色でコントラストの弱い個体と頭部上半分が暗色でその他の淡色部分とのコントラストが強いタイプの2つ(*)が存在していることに気がつきました。なお、6枚目の写真は2023年12月に観察した個体で、頭上と喉から側頚が茶色、額から後頚がグレーの模様となっていたオカヨシガモです。(*)頭部の模様について氏原(2015)が頭部が、全体に灰色でコントラストの弱い個体はヨーロッパに多い、頭部上半分が暗色でその他の淡色部分とのコントラストが強いものはアメリカ大陸に多いと報告しています。家畜改良センター(2021)が報告しているように、カモ類の日本への飛来は3つのルートがあると考えられています。内訳は、極東ロシアを出発しカラフト方面から南下して北海道を経由し本州に至るルート、日本海を飛び越えてくるルート、および朝鮮半島を経由し九州・山陰に至るルートです。この報告を考えると、ヨーロッパからカラフトを経由して日本、北米で繁殖したものがカラフトを経由して日本とのルートの可能性が考えられます。(真冬でもハクセキレイ雄は夏羽のまま)ハクセキレイ雄夏羽は頭頂から上面が黒く、雄冬羽の上面は灰色があるが黒味があると多くの図鑑には解説が記載されています。ところが、湿地帯で餌を物色している個体は、冬羽ではなく夏羽。近くにいた雌と思われる個体は頭から上面は灰色の冬羽でした。ハクセキレイは秋に換羽し、冬羽になると聞いたことがあります。どんな要因で換羽していないのか、興味のあるところです。(観察できた鳥類)オカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシビロガモ、キジバト、ダイサギ、コサギ、アオサギ、バン、オオバン、ハシボソカラス、ハクセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ(写真)2025年12月2日撮影(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p51.文一総合出版.家畜改良センター.2021.カモ類の飛来について.pp64.
2025.12.02
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今季まだミコアイサに会えていないのでホームグランド手賀沼にでかけました。先週、ツルシギが羽を休めていたポイントからスタートし、水面で休んでいるカモの一羽ずつ観察し、ミコアイサを探しました。蓮の群生地(現在は往年の蓮田が消失)の東端の水面に三羽の姿がありました。目先の黒色部がなく、三列風切から雨覆に白色部がある雌個体でした。(茨城県神栖市で撮影した雄のエクリプスの画像を参考としてアップします)このほか、ミコアイサを観察していた頭上に登場したミサゴ、水面を移動していたオカヨシガモ、カンムリカイツブリ、沼の東端で見かけたユリカモメ、ゴイサギ、水田地帯で獲物をねらっていたノスリの写真をアップしました。(写真)2020年11月22日撮影(ミコアイサ雄のエクリプスは2013年12月撮影)
2020.11.22
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今週に入って三番瀬にオバシギの姿を観察したと鳥友から情報をもらいました。例年ですと、8月に入ってから飛来することが多いのでが、少し早い時期の渡来です。そろそろ、干潟でコオバシギとオバシギの姿を見かける時期となります。コオバシギの羽色のいろいろを復習し、オバシギの羽色との復習をしてみました。皆さんの参考となれば幸いです。一枚目は2019年8月に出会ったコオバシギ夏羽です。夏羽は頭部から胸にかけて赤褐色ですが、8月は胸から腹のみ赤褐色です。二枚目は2015年9月に出会った幼羽です。白い羽縁が目立ち黒くて細かいサブターミナルバンドがありました。三枚目は2013年9月に出会った幼羽ですが、二枚目と比べると大雨覆が黒く変化しています。四枚目と五枚目はオバシギです。四枚目は2020年8月に観察した成鳥夏羽で肩羽に赤褐色の羽があり、胸の黒班がはっきりしています。足は黄色味がかった褐色に見えました。(図鑑によって足は淡い黒と記載されているものがありますが、三番瀬で出会った個体ではそうは見えません)五枚目は、2019年8月に観察した幼羽です。胸が黒褐色の模様が密で上面の羽は黒い軸斑が目立ちます。
2021.07.30
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千葉県市川市中国分にあるじゅんさい池公園は、中心部に池があり、いろいろなカモや水鳥が羽を休める大好きなフィールドです。2年ぶりに現地に立ち寄りました。池の周囲はすっかり秋色となり、散策だけでもリッチな気分になりました。水生植物園よりの水面を鳴きながら飛翔するカワセミを発見。その行方を注目していたら待機している場所の近くの枝に飛来しました。カワセミの紅葉、餌を狙うのにとまる枝とカワセミ、素敵でした。このほか、ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、カイツブリの姿が水面にありました。カモ類の個体数はおおよそ200羽前後。アップした画像は、白い斑が目立つ肩羽のあるオナガガモ雄幼羽が第一回生殖羽の換羽している個体、オナガガモ雌幼羽、全体に暗色なハシビロガモ雄のエクリプス羽、白い雨覆が印象的なヒドリガモ雄のエクリプス、キンクロハジロ、カイツブリ、池周囲の景色です。(写真)2021年11月2日撮影
2021.11.02
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茨城県つくば市高崎自然の森に出かけ、紅葉を背景にした冬鳥たちの登場を待ちました。待機していると上空をミサゴが北方向から方向に飛翔する姿、アカゲラが鳴きながら林の中を移動する姿、ジョウビタキが茂みの中を移動する姿、シロハラが地面を掘り起こして餌を物色する姿を観察しました。お目当てのルリビタキの登場は、到着して30分ほど経過した時でした。ヒッヒッと鳴き声が聞こえてきたと思ったら、枝に移動し姿を披露してくれました。眉斑とお腹までの下面が白く、脇羽は明るいオレンジ色、嘴と脚は黒く、風切外縁は濃い青色で雄成鳥でした。この個体とは別に鳴き声がしていましたので計2羽が飛来しているものと思いますが、縄張り争いの兆候はなかったことから姿を現さなかった個体は撮影できた個体より若い個体と思われます。(異なる色同士が争う際には直接闘争に至るのは稀)(写真)2024年11月30日撮影(現地へのアクセス)園内に駐車場は整備されていますが、JR牛久駅からTXみどりの駅行き路線バスがあり、 高崎入口停留所下車徒歩5分(所要時間約20分)です。なお、日中は一時間に一本程度なので調べてからお出かけになることをおすすめします。
2024.11.30
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(城址公園内にツツドリの姿)猿島郡にある戦国時代の城址公園と隣接する水田地帯、常総市菅生沼を訪ねました。城址公園では体上面が灰色で下面に太い帯のあるツツドリ、稲刈がスタートした水田では、農家の機械が入るたびに飛び出てくる昆虫類を待ちわびていたダイサギ、チュウサギもコサギが小躍りするような仕草をみせながら集合する光景を目撃しました。秋の小鳥(ヒタキ類)の姿は見つからず、次月の宿題となりました。(菅生沼のシギ・チドリ)猿島郡を探索後、常総市の菅生沼に移動し、浅瀬で羽を休めているシギ・チドリの姿を観察しました。コチドリに比べて長い嘴、上面が淡色の若鳥と思われる個体、コチドリ、雨覆の内側に黒帯のあるイソシギ幼鳥と思われる個体、上面は軸斑が目立たず雨覆、風切は一様な印象のあるトウネン幼羽を観察しました。沼沿岸の草が繁茂し、草丈が高く証拠写真の域を出ませんが、画像をアップしました。なお、まだカモの姿は見かけませんでした。(写真)2025年9月15日撮影
2025.09.15
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一昨日、茨城県神栖市神之池でアメリカコガモと遭遇しました。アメリカコガモの最外三列風切の黒条は、コガモより短い特徴があります。胸と脇の境にある太い白線、眼帯のように見える緑色帯の淡色線がコガモより不明瞭な点の特徴とあわせて識別に役立ちます。(写真)2021年2月7日神之池、2019年1月20日都内水元公園で撮影また、コガモは2021年2月8日松戸市千駄堀で撮影
2021.02.09
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昨日、柏の葉近郊の調整池で観察したタヒバリについて鳥友から3年前に同地で顔から胸がバフ色の個体を観察し別種ではと質問をもらいました。(昨日観察したタヒバリ)短い眉斑が眼の後方にあり、嘴基部には黄色味がありました。上面は暗色で縦斑は目立ちませんでした。本日柏市内で観察したタヒバリでは、目の下に黒褐色の細い線がありました。(顔から胸がバフ色のタヒバリ)タヒバリの夏羽は、顔から下面がバフ色で下面の縦斑は少ない印象があり、別種のような印象を受けることがあります。この点についての質問だと思われました。タヒバリ夏羽と近似しているのはムネアカタヒバリですが、こちらは眉斑は不明瞭で、夏羽は頭部から胸が赤みを帯びている点、冬羽は頬に赤みがあり嘴と足は肉色、背に淡色の縦斑があり、三列風切が長く初列風切を覆います。(ビンズイとの比較)ビンズイ冬羽は上面が緑色がかっていて、頬に小さな白斑と黒班があります。上面の色を確認するのがタヒバリとの見分けのポイントだと思います。(写真)一枚目2022年2月26日柏市柏の葉近郊、二枚目2022年2月27日柏市内顔から胸がバフ色のタヒバリ:2019年4月柏市柏の葉近郊で撮影。ビンズイ:2008年12月松戸市内で撮影
2022.02.27
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2日の夜から3日にかけて宮城県伊豆沼・蕪栗沼を訪ねました。3日の朝から日没までの間、ひたすら水田と沼を見て回りました。お目当ては今シーズン200羽程度、姿が見られているシジュウカラガン、そして少数目撃されているカリガネです。伊豆沼の北側に広がる伊豆沼2区と呼ばれるエリアからスタートし、JR新田駅前の水田、蕪栗沼とその周辺の水田、JR瀬峰駅の南西側に広がる水田を見て回りました。(なお、現在、伊豆沼、蕪栗沼周辺の田んぼでは稲わらロールづくりの作業が行われおり、伊豆沼2区、蕪栗沼西側の野谷地地区の水田にはガンの姿はほとんどありません)お目当てのシジュウカラガンの姿は、瀬峰地区の水田に12羽見つけました。距離がかなりありましたが何とか証拠写真を撮影できました。また、カリガネは上畑岡地区の水田で羽を休めるマガンの群れの中に1羽発見。黄色のアイリングを見つけたのですが、その後は寝入ってしまい記録はできず。(写真)2022年11月3日撮影写真は、瀬峰地区のシジュウカラガン、伊豆沼二区のヒシクイ、蕪栗沼のヒシクイ、マガン、オオハクチョウ、獅子ヶ鼻地区の景色、オオハクチョウ、志波姫地区のマガンの成鳥と若鳥の順です。(観察ポイントメモ)・昨シーズン、ハクガンの姿を見つけた伊豆沼二区では稲わらロールが相当数あるのでガンの姿はなく、畑岡小学校前から光明寺前の水田に5000羽程度のマガンの群れを見かけたのみでした。しかし、この中にカリガネを目撃しました。・蕪栗沼本体の水面では、オオヒシクイ200羽、オオハクチョウ、コハクチョウの群れが100羽程度、タゲリの25羽程度の群れを見かけました。沼近くの野谷地地区の水田では、夜明けの沼を飛び立ったマガン、ヒシクイたちが再び帰還する10時頃、上空を真っ黒に埋め尽くす群れが移動・旋回を繰り返していました。この中にシジュウカラガンの多くがいた可能性が高いと思われます。・瀬峰地区でも稲わらロールがあちこちにあり、マガン、ヒシクイが羽を休める場所が限られますが、マガン1600羽前後の姿があり、その中にシジュウカラガンの姿がありました。・かつて伊豆沼の観察ポイントとして多数の方が訪ねた獅子ヶ鼻地区では、14時すぎにはマガン、ヒシクイ、オオハクチヨウ、コハクチョウの群れ2000羽程度が羽を休めていました。15時すぎには20羽程度で飛び立ち、近郊の田んぼで餌を補給し、再び沼の降り立ちます。・新幹線くりこく高原駅地区は、17時前後をピークにおもにマガンの大群が新幹線高架上空を鳴きながら通過していきます。群れの通過は真っ暗になってからも続き、19時頃まで目撃できます。この地区では小さい家族を目撃することが多く、成鳥と若鳥を一緒に観察できます。
2022.11.04
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今朝、オフィスの近郊の公園に散策にでかけた時、ムクドリ60羽前後の群れが芝生の上に飛来したと思ったら、何羽かが座りこむもの、横たわるもの、翼や尾を広げて太陽の光に当てている光景を目撃しました。一般的には暖まることによって体温を調節する、太陽光線の働きでビタミンDを作る、羽毛を暖め脂を行き渡りやすくする、皮膚の健康に役立つと言われています。本当のところは?(写真)2023年8月23日撮影
2023.08.23
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先週25日に葛西臨海公園でカラシラサギと出会うことができました。葛西では2008年9月14日に観察して以来、16年ぶりの再会でした。雨降りでフィールドに出かけられないので、特徴を復習していました。(アップした画像のうち、コメントがないものは葛西で撮影)(1)観察した個体について観察した個体は夏羽で、コサギと違ってふさふさした冠羽、嘴のベースが黄色で基部から真ん中あたりまで赤っぽく、眼先は青緑色の婚姻色個体でした。なお、足は黒色、趾は黒っぽく見えていますが本来は黄色です(泥で汚れていた可能性あり)(2)夏羽と冬羽について前回の個体は嘴が黒味がかって基部近くが黄色で冬羽にかわりつつあり、後頭の冠羽は短いものが残っているだけでした。完全な冬羽の冠羽はなくなります。一枚目の画像:夏羽、2024年6月25日撮影、二枚目の画像:冬羽に換羽中、2008年9月14日撮影(3)嘴の長さ嘴先端から後頭までを100とすると、カラシラサギでは嘴が35%、コサギが54%を占めています。第一印象ではカラシラサギの嘴が長く感じましたが、嘴の割合を調べてみると逆でした。三枚目の画像:2024年6月25日撮影(左カラシラサギ、右コサギ)(4)後頭の冠羽画像では14本まで数えることができました。コサギより冠羽の本数が多いのがわかります。なお、コサギの冠羽は2本と記している図鑑類がほとんどですが、その長さは個体差があります。四枚目の画像:後方からの姿、2024年6月25日撮影五枚目の画像:コサギ、2022年3月5日谷津干潟で撮影(5)餌の取り方の違いカラシラサギは、魚の動きを見て、バスケットボールでいうピボットターンのような動作をしているのを観察しました。足を軸にして90度近く回るような動きをしていました。それに対して、コサギは魚を狙う時、浅瀬を直線的に羽を広げて移動し小躍りするようにステップを踏んで水中の魚を驚かせているように見える動きをしていました。同じサギなのにずいぶん違いがあるものだと思いました。六枚目、七枚目の画像、2024年6月25日(最初左側を向いていたものがくるりと回転)八枚目の画像:コサギ、2020年9月20日撮影
2024.07.01
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朝から晴れとなったものの北北西の風が5m以上で、鳥見には不適でした。しかし、風が避けられてカモの仲間を観察できるフィールドの中から成田市坂田ヶ池総合公園に出かけることにしました。到着して池にいる水鳥を見ていくと、マガモ、カルガモ、トモエガモ、コガモ、ホシハジロ、ミコアイサ、オオバンが羽を休めていました。今季まだ姿を観察できていなかったミコアイサは、成鳥雄、目先が黒くない雄エクリプス、目先が黒い雌恋を観察できました。トモエガモは頭部が暗色に見えて目の下に黒条痕があり長い肩羽が目立った雌個体でした。頬を膨らませる光景も披露してくれました。このほか、ハシビロガモはエクリプス個体が生殖羽に換羽中の個体、雄生殖羽個体、オオバンは白い顔板の大きい成鳥、小さい若鳥を見つけました。また、帰り際にヒッヒッと鳴き声がしてその方向を注目すると、後頭部が白いジョウビタキ雄の姿を見つけました。(写真)2024年12月12日撮影
2024.12.12
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10日ぶりに松戸市千駄堀にある21世紀の森と広場を訪ねました。池でオカヨシガモ、マガモ、カルガモ、コガモ、キンクロハジロ、カイツブリ、バン、カワセミ、水面をカワセミが鳴きながら飛翔していき、林エリアでメジロ、エナガの混群が林の中を移動する姿と遭遇しました。くわえて、帰り道、上空をひらひらと軽快に飛翔し移動していったハイタカの姿(翼下面に黒い斑)を観察しました。(マガモ生殖羽と非生殖羽)写真一枚目と二枚目、三枚目がマガモです。一枚目の個体は黄色の嘴、全体的に明るい羽衣で雌生殖羽と思われ、二枚目の個体は橙色の嘴で黒色部がある雌幼羽と思われました。三枚目は、嘴が橙色で雌幼羽と思われる個体がカルガモと行動をともにしており、異なる種類で番のような行動をとっていました。(キンクロハジロ雌の頭部の形状)キンクロハジロ雌雄が各1羽、水面で羽を休めていました。雌は冠羽が短めで嘴基部周辺が白くなっている個体で幼羽と思われました。この個体を後方から観察するチャンスがあり、後方から頭部の形状を見ると頭頂のふさふさした羽毛があるのにそれ以外は刈り上げたような形状をしていました。(写真)2025年10月27日撮影
2025.10.27
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今秋はじめて市川市大町自然公園を探索しました。市川霊園側から公園内に入り、南側から細長い谷間を探索しました。葦原の中から複数のウグイスが笹鳴きし、アオジが移動する姿、林の中からはキョキョと連続し鳴き声を披露しているアカゲラ、ヒーフィフィと複数のウソの鳴き声が聞こえいていよいよ冬鳥のシーズンの入ったのを実感しました。しかし、撮影は林の中からの鳴き声だったり、林縁だったりして思うようにかなわず。このため、アップした画像は過去のものを使用しました。(写真)アカゲラ:2023年10月松戸市、ジヨウビタキ:2022年2月大町、アオジ:2025年2月大町で撮影
2025.11.17
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26日から27日は、宮城県から岩手県かけてを冬鳥を求めて探索しました。しかし,午後1時頃まで小雨がふったりやんだり。加えて例年マガンの大群が羽を休めている田んぼで群れはむ小さめでした。そこで蕪栗沼に移動して見はじめました。オオヒシクイ、オオハクチョウ、カモ類の中に首を左右に振って小動物を探していたヘラサギを発見。嘴のしゃもじ型で長く、いかせんべいのようにプレスしたような扁平で先が膨らんでいる模様をしっかり観察できました。(写真)2025年11月26日撮影
2025.11.26
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鳥友からコサギの飾り羽について質問を受けました。コサギの羽毛について整理しました。参考となれば幸いです。繁殖期のコサギには頭部に2本程度の飾り羽と胸や背に飾り羽がのびています。独身の雄が背と胸につけている蓑毛(繁殖羽)をディスプレーのときに広げてのダンスお見事です。なお、非繁殖期で灰黄色だった嘴基部が赤色に変化し婚姻色と呼ばれます。(飾り羽について)飾り羽は正羽と呼ばれるもので、1本の軸を中心に膜のように広がる羽毛です。これに対してダウンのような軸がない羽毛は綿羽と呼ばれます。(羽毛の種類)コサギの羽毛は正羽、綿羽、半綿羽(半正羽)、粉綿羽、糸状羽、剛毛羽の6種類から構成されています。正羽は,羽弁,羽軸,羽軸根(羽柄)で構成され、羽には分岐構造がある点で動物の毛髪と異なります。(写真)一枚目:飾り羽が長いコサギ、2022年3月21日谷津干潟二枚目:蓑毛と嘴基部がピンク色の婚姻色となったコサギ、2015年5月31日越谷市三枚目:上から見た蓑毛、2021年5月23日土浦市四枚目:後方から見た蓑毛、2021年5月23日土浦市五枚目:正面から見た蓑毛、2022年2月19日柏市六枚目:横方向から見たコサギ、2016年7月12日葛西臨海公園
2022.04.10
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一週間ぶりに八柱霊園内を探索して歩きました。お目当てのエゾビタキは2羽の姿があり、木々のてっぺんにとまり移動していました。上面の黒褐色、下嘴が黒色で下面にはっきりと縦斑があり、成鳥と思われました。このほか、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、コゲラが20羽ほどの混群となり、木々を鳴きながら動き、餌を物色していました。また、エゾビタキ、カラ類の混群が移動していた林から離れたエリアで、ツツドリの姿を発見。黄色のアイリング、黒褐色の嘴、お腹には太めで間隔の広い横斑、頭部から上面にかけて黒っぽさがあり、ツツドリ幼鳥と思われました。(写真)2023年10月3日撮影
2023.10.03
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先週読書会を開催した後、山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書(以下、山階2023)に所蔵されていたオナガの件で質問をもらいました。内容は、柏市の鳥がオナガと選ばれた経緯についてでした。ホームグランド手賀沼沿岸の千葉県柏市の鳥は、1994年11月に市制施行四十周年を記念して市民から募集し身近に見られる鳥であるなどの理由で市の鳥に制定されました。(オナガの世界的分布)茂田(2023)は、オナガが東アジアとイベリア半島のスペイン、ポルトガルに隔離分布している件を紹介しています。東西に分かれた分布は、人間によって持ち込まれた人為的なものと元々ユーラシア大陸に広く分布していたが両端を残して消滅してしまった自然分布なものという二つの説が存在していた件を記しています。その後、1997年にイベリア半島南端のジブラルタル付近の三ヶ所から約4万4000年前のオナガ4個体の化石が出土し自然分布であることが判明したと報告されしています。さらに、DNA解析によると100万年から120万年前にはユーラシア大陸東西の端に分布するようになったと推定され、イベリア半島に分布しているオナガは亜種ではなく独立種として扱われるようになっていると述べています。(国内の分布)原田(2009)は、オナガの分布、生態などの知見について整理し報告しています。分布については、「日本、朝鮮半島、中国北東部、アムール川流域の極東アジアとヨーロッパ西端のイベリア半島に隔離分布する。日本では、福井県、岐阜県、愛知県以東、青森県までの東日本に分布する」とし、「九州北部では1960年代まで生息し、島根県、兵庫県、和歌山県、愛媛県でも記録がある」とも報告しています。西日本に分布しなくなった理由については、言及されていないがカササギと競合していたことで消滅したなどの説をしていますが、定かではありません。(引用)原田俊司.2009.オナガ.Bird Research News Vol.6 No.6.p2-3.茂田良光.2023.山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書.p243-244.ヤマケイ文庫.(写真)私のライブラリーより
2023.10.29
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松戸駅から一番近い江戸川沿いに川の一里塚があります。このエリアは、毎年ベニマシコ、アオジなどの小鳥たちと出会えるので楽しみにしています。午前中訪ねたら、鳥影が少なかったので一旦矢切の渡しに移動し、ヒドリガモ、キンクロハジロ、ホシハジロなどの水鳥、ハクセキレイやモズなどの小鳥たちを観察。その後、再び川の一里塚周辺に戻り、ベニマシコの登場を待ちました。ピッポと鳴き声がしたのでセイタカアワダチソウが分布しているあたりで静止していると葦原の一角に姿を現してくれました。また、すぐ足元にキジの雌が現れ、こちらの存在は無視して地面をつつきながら移動していきました。(写真)2023年12月21日撮影
2023.12.21
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渡りの途中に立ち寄る小鳥たちとの出会いを期待して松戸市八柱霊園を訪ねました。広大な園内を探索して歩き、シジュウカラ20羽前後、ヤマガラ、エナガ、コゲラが混群となり移動している姿を目撃しました。その直後に枝に横姿勢で止まり、胸に褐色味がなく喉の白い、キビタキ雌ではないかと思われる個体を1羽観察できましたが、上面の色を確認できず種類の同定には至りませんてした。(キビタキは上面にオリーブ色味、オオルリの上面は赤褐色なのでこの点を確認できませんでした。)(写真)2024年9月29日撮影(シジュウカラ、ヤマガラ)キビタキ2枚は2018年10月14日柏市内、オオルリは2016年10月2日さいたま市で撮影
2024.09.29
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ツミのペアが抱卵している林を訪ねました。5月10日に雌が巣で座り込み時間が長くなってきた光景を観察して以来、28日目。今週はじめに巣に姿のある成鳥雌の目の周りが黒っぽく変化していました。くわえて、雌の下腹部周辺に白い羽毛が動いているように見えました。なお、目の周りが黒く変化しているのは、性ホルモンの働きではないかと思われます。5月12日に撮影した成鳥雌の写真を参考までにアップしました。一方、成鳥雄の動きですが、朝一番で獲物を捕獲し巣にいる雌にプレゼントしたようで、巣とは別の林の枝にとまり、カラス、オナガが巣に近づかないか四方を見渡している姿を観察しました。今朝、観察した白い羽毛が動くように見えたのが雛だとすれば、1日3回程度だった獲物の運搬が雛の成長とと共に飛躍的に増加していきます。これからの楽しみでもあり、巣に接近するカメラマンがいないかなどの見守りを強めていかなくてはいけない時期となります。(写真)2025年6月7日撮影(三枚目は5月12日撮影)
2025.06.07
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今日から10月、秋に見られる鳥たちの齢を識別するには、どんなところを観察したらよいかと質問をもらいました。(秋に見られる第一回冬羽と成鳥冬羽)当年生まれの第一回冬羽と成鳥冬羽が秋には見られます。近年、冬鳥が少ないととりあけげられることが多くなりました。冬鳥の中にどの程度の当年生まれの鳥が含まれるのかを把握することで、繁殖の成否、渡りの成否が成鳥と当年生まれでどのように違うのかが解明されることにつながります。(身近な環境でじっくり観察可能なシロハラの第一回冬羽と成鳥冬羽)比較的身近な環境で出会うことの多いシロハラは、吉井(1988)が述べているようにアムール川下流域やウスリー地方で繁殖し、中国南部、日本で越冬するヒタキ科の鳥類です。(1)第一回冬羽の特徴大雨覆の外側数枚に幼羽が残り先端に白く見える斑(淡色斑)があります。一方、成鳥冬羽にはこの白く見える斑はありません。(2)成鳥冬羽前記で述べたように大雨覆の外側数枚に幼羽が残り先端に白く見える斑はありません。尾と翼の黒味が強い印象があります。さらに、雄成鳥冬羽で背の褐色味が強い個体と背が褐色の個体と2タイプ見かけます。前者は夏羽、後者は冬羽です。(シロハラと同様に大雨覆先端に白斑がある種類)マミチャジナイ第一回夏羽、アカハラ第一回冬羽、ノビタキも同様に大雨覆先端に白斑があります。(そもそも第一回冬羽と成鳥冬羽をフローにしてみると)孵化→幼綿羽→幼羽→幼羽後換羽→第一回冬羽→春の渡り→第一回夏羽→繁殖→繁殖後換羽→秋の渡り→成鳥冬羽→繁殖前換羽→春の渡り→成鳥夏羽→繁殖→繁殖後換羽→秋の渡り→成鳥冬羽 と整理することができます。・幼羽後換羽が始まり、生え揃った段階が第1回冬羽と呼ばれます。・換羽は多くの場合、頭や体は換羽しますが、翼や尾羽の一部、あるいは全部に幼羽を残しているので部分換羽と呼ばれます。・渡る前に換羽を終え第二回目冬羽となりますが、スズメ目では幼羽の全てが脱落し、換羽する完全換羽となります。第二回冬羽、第三回冬羽は区別がつかないので成鳥冬羽と表現されます。(引用)吉井正.1988.コンサイス鳥名事典.p280.三省堂.(写真)1枚目:2020年12月23日さいたま市、2枚目:2017年12月18日柏市、3枚目:2013年1月28日柏市、4枚目:2023年12月18日都内水元、5枚目:2022年1月12日市川市で撮影
2025.10.01
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9月に入ると、公園などにヒタキの仲間が次から次に飛来します。再会を楽しみにしながら、キビタキ、エゾビタキ、コサメビタキの画像を復習してみました。一枚目から三枚目はキビタキです。一枚目は2013年10月に柏市内で撮影した個体で上面にオリーブ色があり、翼帯にバフ色がなく一様で成鳥雌と思われます。二枚目は2018年10月に柏市で撮影した個体です。一枚目と同様に上面にオリーブ色があり成鳥雌と思われました。三枚目は、2018年10月に柏市で撮影した個体です。頭から上面は黄緑褐色、喉は黄色っぽくバフ色の翼帯があるなどから若鳥が冬羽に換羽している途中ではと思われました。四枚目は、2018年9月に柏市で撮影したエゾビタキです。肩羽や雨覆先端に白斑があり若鳥と思われました。五枚目は、2018年9月に柏市で撮影したコサメビタキです。雨覆先端と三列風切の羽縁に白色の帯があり第一回冬羽と思われました。
2019.08.27
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一昨日、宮城県栗原市伊豆沼二工区でブルーのF33の首輪を装着していたマガンを観察しました。ガン・カモ・ハクチョウの国内装着DBを確認すると2022/12/12宮城県登米市迫町で首輪発信器を装着されたマガンと判明しました。(ガン・カモ・ハクチョウの国内装着DB)https://miyajimanuma.wixsite.com/anatidaetoolbox/post/colormarking(首輪の色からロシア共和国チュコトカで装着された個体)確認してみると、首輪の緑・赤(ロシア共和国チュコトカ)、青・黄(サハ共和国ヤクーツカ)と判明しました。チュコトカは、ユーラシア大陸の最北東部にある巨大な半島、サハ共和国ヤクーツカは、極東ロシア北部に位置する南北2000km、東西2100kmで国土のほぼ全域が永久凍土と国とわかりました。(国内最長寿のマガン)少し前ですが、2019/11/25宮城県栗原市上畑岡でF2YZY 緑の首輪装着のマガンを観察しています。こちらは、2004年の首輪が装着されたマガンで、2019年1月に朝日新聞が「宮城県栗原市の伊豆沼周辺で2018年12月、04年に首輪標識をつけたマガンが確認された。放鳥から14年間が経過したことになり、山階鳥類研究所によると、観察報告を受けたマガンの中では国内での最長寿記録になるという」と報じた個体です。2019年11月以降は観察していないのでアップした画像の個体は放鳥から15年が経過した個体となります。観察したものを報告していませんでしたが、関係機関に報告をさせてもらいました。
2023.12.09
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新春はじめて茨城県つくば市高崎自然の森に出かけました。お目当ては、もちろんルリビタキ。現地には少なくても2羽以上の雄がいてヒッヒッ、カッカッと短い声に続き、蒲谷(1996)が述べているようにギギッと怒ったような声を出していました。この声がジョウビタキにはない声なのだそうです。近くには。どんぐりを嘴にくわえて貯食場所に運んでいたカケス、何度も運んで飽きると土の中の虫を捕獲し食していました。このほか、木の幹の樹液を水に何度も飛来していたメジロ、跳ね歩いて餌を探すシロハラ、木のてっぺんに群れで止まり、何度も水田に降り立ち種子を探していた亜種オオカワラヒワの姿を観察しました。帰り際、びっくりしたのが、亜種サンショウクイ2羽が鳴きながら移動していったことです。3日に水元公園で目撃した種類むがここでも観察できたのにびっくり。(写真)2024年1月5日撮影(現地へのアクセス)園内に駐車場は整備されていますが、JR牛久駅からTXみどりの駅行き路線バスがあり、 高崎入口停留所下車徒歩5分(所要時間約20分)です。なお、日中は一時間に一本程度なので調べてからお出かけになることをおすすめします。(引用)蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑.下巻.p43.小学館.
2024.01.05
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成田市坂田ヶ池から栄町房総のむらのエリアを冬鳥を探索しました。林では大きな波状飛行をしながらキョッと鳴きながら枝に止まったアカゲラ、林の中からヒッヒッと鳴きながら植え込みに登場したルリビタキ(尾だけ青く雄第一回冬羽と思われました)と遭遇したエリアからスタートとなりました。坂田ヶ池に移動すると水面には、ハシビロガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、マガモが羽を休めていました。このうち、トモエガモとコガモは地面を移動して落ちているドングリの実をついばむ光景を目撃しました。その後、池の縁で枝に止まって水面を移動する魚を狙ってカワセミが何度もダイビングする光景や地面で餌探しに余念のないシロハラを観察しました。トモエガモ雄生殖羽の華麗な羽衣、肩羽の先端が尖っている雌の特徴などをじっくり観察できました。(写真)2025年1月20日撮影
2025.01.20
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先週、宮城県伊豆沼でヒシクイ、マガン、カリガネ、ハクガンを観察してきました。鳥友からハクガンがどんなルートで日本に渡ってくるのか、戦前に関東地方でハクガンが観察されたと聞くがその状況について教えてほしいと質問をもらいました。(ハクガンの渡りルート)柳川・武藤(1991)が北海道におけるハクガンの観察記録と北日本での観察記録を整理し、移動ルートを考察しています。報告では、「ハクガンの北海道への飛来は2つのルートに大別される.ひとつはマガンの群れに混ざり,宮城県伊豆沼,秋田県八郎潟を経由して道央の宮島沼,ウトナイ湖に至るルート」と述べ、もうひとつは、オオハクチョウとともに2羽が移動し、1羽がオホーツクー太平洋ルートを南下し風蓮湖、その後南下を続け宮城県仙台市と松山町の間、もう1羽が新潟県瓢湖で確認され,新潟県福島潟に移動したと記しています。(戦前のハクガンについて)(1)文献で報告されている記録清棲(1952)は、ハクガンの国内分布について報告しています。報告によると、年記載なし北海道函館市、1884年1月、1896年4月千葉県手賀沼、年月記載なし千葉県松戸市、東京都江東区砂町1886年4月、1882年、1899年神奈川県横浜市、年月記載なし静岡県、同愛知県、年月記載なし長崎県長崎市などに渡来すると記しています。(2)Web上に報告されている記録雁の里親友の会が文献を整理した結果を上に報告しています。報告では、17世紀に図巻にハクガンが登場し、普通に見られた鳥であったことがうかがえ、江戸時代の正史『徳川実記』に記されている将軍の狩猟に関する記述にも初代家康から10代家治の間に1500羽以上の鳥が捕獲され、その3割強をガンが占め、468羽のガン類のうち、ハクガンは58羽でヒシクイに次いで多いとあると述べています。また、ハクガンは関東から盛岡周辺の東北地方と日本海側に多く飛来していたことがうかがわれ、江戸(東京)湾が最大の越冬地で、雪が降り積もったようにハクガンが一面を埋め尽くしていた光景も見られたと記しています。また、20世紀の初頭の確実な記録は、1936年にヒシクイに混じって埼玉の越谷に飛来した1羽と記しています。(引用)清棲幸保.1952.日本鳥類大図鑑.p542.大日本雄弁会講談社.柳川久・武藤満雄.1991.北海道におけるハクガンの記録と十勝における初観察例.Strix第lO巻p268-271.日本野鳥の会雁の里親友の会.詳しく読むシリーズ2 ハクガン.https://shibalabo.eco.coocan.jp/goose/2-1/2-1-2/ac.htm(写真:1枚目から4枚目は伊豆沼沿岸、5枚目、6枚目は都内で観察・撮影)1枚目:2025年11月27日成鳥、2枚目:2020年12月5日若鳥、3枚目:2020年12月5日若鳥、4枚目:2021年11月26日若鳥、5枚目、6枚目:2015年11月8日若鳥ハクガン成鳥は、全身白色で初列風切先端は黒色、嘴と足はピンク色です。若鳥は嘴と足のピンク色が不鮮明で羽に汚れたような斑があります。若鳥の初期では嘴が黒いのですが、その後ピンク色に変化します。
2025.11.30
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6月30日にさいたま市彩湖で高原モズを見かけました。その羽色をいくつかのフィールドで見かけたものと比較してみました。参考になれば幸いです。一枚目は、6月30日に彩湖で見かけた高原モズです。頭部はグレー、黒い過眼線、背は灰色、風切は黒色、胸の一部に橙色が残っていました。二枚目は2015年7月に戦場ヶ原で見かけた高原モズです。頭部が橙色、背は灰色、黒い過眼線、風切の黒い部分が少し見えていました。三枚目は2019年6月に戦場ヶ原赤沼近くで見かけた高原モズです。頭部は橙色、黒い過眼線、黒色の風切が目立ちました。四枚目は、2021年4月手賀沼沿岸で見かけた高原モズです。頭部の橙色を除くと、彩湖で見かけた個体とほぼ同様です。5枚目は、2018年2月に手賀沼沿岸で見かけたモズです。頭部は橙色、黒い過眼線、黒い嘴、初列風切基部に白斑、胸から腹が橙色、下尾筒が白い雄成鳥冬羽です。なお、観察記録を振り返ってみると、春以降は標高の高いところで高原モズを見かけることが多い傾向にあります。皆さんのところではいかがでしょうか?
2021.07.03
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昨日21日、谷津干潟でズグロカモメを観察してきました。鳥友からその違いについて再度質問をもらいましたので、識別のポイントを整理しました。(ズグロカモメの特徴について)昨日谷津干潟で観察できたのは、セグロカモメ繁殖羽でした。頭が黒く、眼の下に白い縁取りが目立ち、嘴が黒くて短いのが特徴です。頭の黒い部分は、首まで黒く真っ黒な頭巾を被っている印象がありました。(頭の黒い部分について)一枚目から四枚目の写真は、昨日の谷津干潟で観察したズグロカモメ、五枚目は2014年4月に都内葛西臨海公園で観察したユリカモメ繁殖羽、六枚目は2017年3月に都内水元公園で観察したユリカモメ夏冬中間的な個体です。頭の黒い部分を比較すると、首まですっぽり黒いのがズグロカモメ、黒い部分が浅いのがユリカモメの繁殖羽です。(嘴の比較)ズグロカモメでは嘴が黒くて短いです。これに対してユリカモメ繁殖羽では嘴は少し赤みがある黒い色です。(2014年4月の葛西の写真を参照)ただし、2017年3月に水元で観察した夏冬中間的では、頭が真っ黒ですが、嘴は冬羽の赤い色が残っています。(初列風切について)四枚目の写真などでわかるように、ズグロカモメの初列風切は白と黒が交互に入って見えます。黒が少なく、大きな白斑が目立つと言い換えてもよいと思います。飛翔時は初列風切の先端が黒いですが、ユリカモメのように黒い線には見えません。(その他)ズグロカモメでは、上空に出現した後、旋回して餌のカニを探し、発見すると急降下して捕獲します。谷津干潟で観察した個体は、干潟に降りてからカニを食べていました。昨日は5回ほど繰り返した後、一番長くて20分以上干潟で休む光景を目撃しました。そして、渡去する前は、干潟中央部で一時間前後休んでいました。ズグロカモメの食性を考慮すると、干潮となる時間と潮位が最も低くする時間帯を把握してフィールドで注視しているとより確実に観察できるものと思います。
2022.03.22
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鳥友から柏の葉公園でトモエガモの雌と思われる個体を観察したが、シマアジ、コガモの雌と識別するにはどんなところをポイントにしたらよいかと問い合わせをもらいました。(トモエガモ)1枚目の写真は、2020年11月印西市で観察した個体です。過眼線と眉斑は不明瞭で眼先には及びません。嘴付け根に白い丸斑が目立ちます。肩羽の先端が尖っており、コガモとの識別のポイントです。二枚目の写真は2018年1月に手賀沼で観察した個体です。奥がトモエガモ、手前がコガモです。(シマアジ)三枚目の写真は、2019年10月に都内水元公園で観察した個体です。過眼線と眉斑が明瞭で眉斑はコガモと比べると白っぽい印象です。四枚目の写真は、2000年4月に我孫子市北新田で観察したペアです。右側の個体の雨覆に淡灰色は認められず、雄のエクリプスではないと思います。(コガモ)五枚目の写真は2019年11月に手賀沼が観察した雌個体です。嘴は黒色で嘴基部側面は黒です。(秋に渡来したばかりは黄色味があります)眉斑、過眼線はシマアジと比べると目立ちません。六枚目の写真は、2016年9月に手賀沼で観察した雌個体です。嘴は黒色で、嘴基部側面に黄色味があります。
2022.10.02
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9月14日前後から水元公園で姿が観察されているヤマガラの濃色化個体を何度か見かけていますが、その動きが早くてなかなか思うように記録できずついに師走に突入となりました。ヤマガラとどのように違いがあるか画像に記録して比較してみたいと水元公園に出かけました。その姿は、公園自慢の林を抜けたエリアにありました。亜種ヤマガラでは頭上と喉が黒いのですが、グレーを帯び、頬・額・耳羽が茶褐色でした。三列風切と雨覆は青灰色で、亜種オーストンヤマガラの青灰色の少ないものとは相違していました。その後、少し移動すると今度はウソ雌雄各1羽が登場。頬と喉が赤い雄、喉と頬が黒褐色で後頭の灰色の雌でした。ウソとの出会いを堪能した後、水元大橋方向に戻るとモミジバフウの木にカワラヒワの群れの中にアトリを発見しました。モミジバフウの実をついばんでいました。このほか、小合溜の水面にはヒドリガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ユリカモメの群れが羽を休めていました。(写真)2023年12月18日撮影
2023.12.18
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2021年冬以来、4年ぶりに水元公園にマヒワが飛来していると鳥友に教えられ現地に出かけました。再会は、アキニレとハンノキの実がなっているエリアにありました。マヒワがついばんでいたアキニレは、花が9月に咲いて若い実がつき11月に入ると熟すと聞いています。しかし、25羽ほどの群れがついばんでいる光景を見ていると熟していないようですが、にもかかわらず一心不乱についばんでいました。このほか、近くのハンノキの実も多くのマヒワ(約75羽)がついばんでいました。実につかまって逆さまになり種子をつまみ出していました。これら2種の実を食べた後は、小合溜の水面の水草に移動し水を何度も飲んでいました。(マヒワの羽衣)・マヒワ雄成鳥:喉と頭がキャップ状に黒く、胸から体下面が黄色です。・マヒワ雌成鳥:背と脇に縦斑があり目立ちます。体の黄色味は淡い点が特徴です。・マヒワ若鳥:頭から背の黄色味が淡い、下面の縦斑が目立ち、雨覆外側や羽先に白っぽさがあります。写真12枚目、13枚目は北よりの冷たい風が吹いていたので木の中で休んでいた個体が複数いたうちの1羽です。頭上が褐色で黒褐色の斑があり、背に縦斑があったことから雌と思われました。普段はなかなか見られない後ろから見たマヒワの羽根のいろいろを堪能。(マヒワ以外に観察できた鳥たち)ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、バン、オオバン、ユリカモメ、カワセミ、シジュウカラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ムクドリ、スズメ(写真)2025年10月30日撮影
2025.10.30
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茨城県南部に位置する牛久沼を探索しました。牛久沼水辺公園は龍ケ崎市にあり、周囲25.5キロの沼を見渡せる場所にあります。晩秋から翌年春先までカモ科の鳥たちを中心に観察することができます。(近距離で観察したいヒドリガモ)ヒドリガモはカモ科の中では普通種とされますが、羽衣には4つのタイプがあります。羽色では茶褐色(よく見かける羽衣)て灰褐色(茶褐色が少なく灰色味が強い)個体を見かけます。模様に着目すると、模様は上面に現れて上背と肩羽に見られます。羽根に横縞や斑点の模様がある個体と模様がほとんどない個体に区分されます。今日見かけたヒドリガモでは、写真一枚目のような頭部が赤褐色で額から頭頂がクリーム色、胸は赤味を帯び、背、肩羽、脇が細かい横斑に覆われて灰色味の個体と写真二枚目のように頭、脇の赤味の強く、白い雨覆が見られる雄エクリプス、頭に赤褐色がなく灰色味があり白い雨覆のある個体(雌非生殖羽と思われますが、嘴の色と模様が確認できず)とじつにさまざまでした。(カンムリカイツブリの泳ぐスピードにびっくり)沼の水面でゆったり移動している個体もいれば、7枚目の写真のように低い姿勢で猛スピードで移動してい個体とじつにいろいろでした。カイツブリ科の鳥には各指に扇状の弁足があるので水をかくのが得意です。くわえて、足が体の後ろに位置しているので足を蹴りだし推進力を得られるので猛スピードで移動することが可能です。このシーンを観察できるのも魅力です。(ミコアイサの目先と、頭部、胸側、肩羽に注目)ミコアイサ雄エクリプスは眼先の黒色部がなく上背が黒いのが特徴です。今日撮影できた個体(五枚目、六枚目の写真)は、頭部、胸側、肩羽に白い羽がないので雄1年目冬の個体とは違うことがわかります。(沿岸の電線には次々ツグミが降り立つ)昨シーズンは、各地にツグミが飛来するのが遅いのが特徴でしたが、牛久沼沿岸の電線には20羽前後が止まっている姿を見かけました。牛久沼水辺公園近くの電線には22羽もの姿がありました。(今日観察できた鳥)コブハクチョウ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、コガモ、ミコアイサ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カワウ、ダイサギ、オオバン、ユリカモメ、セグロカモメ、トビ、カワセミ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトガラス、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、アオジ(写真)2025年11月23日撮影
2025.11.23
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