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冬鳥の代表であるツグミ、柏市内では初認の後、ぐっと個体数が増えると思いきや単独でしか見かけない状況が続いています。今年の初認は11月20日(昨年は11月18日)後、再び姿を見かけなくなっています。しかし、近郊の印旛沼沿岸で先月20日73羽ものツグミが塒入りしている光景を見かけ、11月27日に宮城県登米市内でカリガネを観察していた際にはツグミ15羽以上が地面で採餌している姿を目撃しました。都市ではツグミが生きづらいのかしらと痛切に思いました。さて、ツグミは、飛来後年明け1月頃には行動を樹木の上層部から下層部に変化させ、2月移行春先まで林床や草地を利用するようになっている印象があります。この点について、文献を調べてみると、佐藤ほか(2012)が埼玉県、都内での調査結果を整理し報告していました。報告によると、ツグミの利用位置は1~ 2月を境に樹林の上層部から下層部へシフトする傾向がみられた」「関東平野で越冬するツグミに関しては、越冬後期(2~3 月)には主に林床や草地、裸地を利用することが確認された」と述べています。柏市内で見かけるツグミ、都市域以外で見かけるツグミの行動が、疎林や林縁といった比較的明るい環境なのか、それ以外の環境で見かけたのか、人の立ち入りの少ない環境で見かけたのか、多い環境だったのか等に注目してみる必要があります。私にとって今シーズンの宿題です。(引用)佐藤伸彦・藤田旭美・曾根恵海.2012.関東地方の平野部で越冬するツグミの垂直的な利用位置の季節変化.自然教育園報告.第43号.p57-64.(写真)2023年12月20日柏市内で撮影
2025.12.03
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柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を訪ねました。東口にある調整池からスタートし、オカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ハクセキレイの姿を観察しました。その後、西口調整池に移動しましたが、沿岸の土手の整備工事中で池のそばまで車両が侵入しているため、鳥影は少ない結果でした。(2つのタイプのオカヨシガモ)今日オカヨシガモ雄の頭部の模様の違いが2タイプいるのを目にしました。写真一枚目、二枚目のように頭部が全体に灰色でコントラストの弱い個体と頭部上半分が暗色でその他の淡色部分とのコントラストが強いタイプの2つ(*)が存在していることに気がつきました。なお、6枚目の写真は2023年12月に観察した個体で、頭上と喉から側頚が茶色、額から後頚がグレーの模様となっていたオカヨシガモです。(*)頭部の模様について氏原(2015)が頭部が、全体に灰色でコントラストの弱い個体はヨーロッパに多い、頭部上半分が暗色でその他の淡色部分とのコントラストが強いものはアメリカ大陸に多いと報告しています。家畜改良センター(2021)が報告しているように、カモ類の日本への飛来は3つのルートがあると考えられています。内訳は、極東ロシアを出発しカラフト方面から南下して北海道を経由し本州に至るルート、日本海を飛び越えてくるルート、および朝鮮半島を経由し九州・山陰に至るルートです。この報告を考えると、ヨーロッパからカラフトを経由して日本、北米で繁殖したものがカラフトを経由して日本とのルートの可能性が考えられます。(真冬でもハクセキレイ雄は夏羽のまま)ハクセキレイ雄夏羽は頭頂から上面が黒く、雄冬羽の上面は灰色があるが黒味があると多くの図鑑には解説が記載されています。ところが、湿地帯で餌を物色している個体は、冬羽ではなく夏羽。近くにいた雌と思われる個体は頭から上面は灰色の冬羽でした。ハクセキレイは秋に換羽し、冬羽になると聞いたことがあります。どんな要因で換羽していないのか、興味のあるところです。(観察できた鳥類)オカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシビロガモ、キジバト、ダイサギ、コサギ、アオサギ、バン、オオバン、ハシボソカラス、ハクセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ(写真)2025年12月2日撮影(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p51.文一総合出版.家畜改良センター.2021.カモ類の飛来について.pp64.
2025.12.02
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市川市内の自然公園を訪ねました。細長い谷間に緑豊かな空間を探索していくと、一角のモミジの実がなっているエリアでアトリ科亜種アカウソが実をついばむ姿を目撃しました。亜種ウソと比べると頬の橙赤色が淡く、胸から腹にかけて赤灰色を帯びています。ころっとした体型と口笛のようにフィフィと鳴き交わしているペアを観察し、楽しい時間を過ごしました。(写真)2025年12月1日撮影5枚目の写真は亜種ウソで2013年2月に筑波山で観察した個体です。(備考アトリ科ウソの亜種)亜種ウソ、亜種アカウソ、亜種ベニバラウソの3亜種が生息しています。・亜種ウソ:雄は喉以下が赤く、頸部以下の灰色部の境目がはっきりしています。外側尾羽の羽軸は白色ですが、斑ではありません。・亜種アカウソ:雄の頬の赤色は亜種ウソに比べて淡く、境界線は不明瞭です。今日観察した個体は翼帯が灰色、下腹も赤い個体でした。外側尾羽下面に白い軸斑があります。・亜種ベニバラウソ:雄の下面は一様に赤色で下腹から下尾筒が白色です。
2025.12.01
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