ラッコの映画生活

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2007.01.12
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カテゴリ: 日本映画
クロエ
利重剛

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利重剛監督の作品を初めて見ました。ボリス・ヴィアンの小説の翻案・映画化。なかなか良い映画だと感じました。ただ見ながらこの監督、どこか完全にはシックリ来ないところがあって、今のところちょっと「?」としておきます。『BeRLiN』とか他の作品も見てみないとまだ何とも言えません。

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ボリス・ヴィアンの小説はシュールレアリスティックなもので、そのまま全体を映画化っていうのはかなり難しいと思いますが、コランとクロエ(高太郎と黒枝 )の物語を中心に、小説全体もある程度映画化されています。シュールな表現はほとんどなく、肺の中で蓮の花が育つことと、家が段々小さくなっていくこと、この2つ程度でしょうか。ジャン=ソール・パルトルとしてヴィアンが皮肉ったジャン=ポール・サルトルは、KITANOというカリスマ・アーティストとして登場させていますが、これは誰か特定の人物を皮肉っているのでしょうか。名前からは連想する人物は実在しますし、印象としてはオ○○の麻○○○にどこか似てますね。

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(以下ネタバレ)
基本的物語は、児童科学館でプラネタリウムの解説なんかをしている高太郎(永瀬正敏)が叔母さんの絵の個展の会場で、義理で来ていた黒枝 [クロエ](ともさかりえ)と運命的な出会いをして、めでたく結婚。ところがある日クロエが奇病になる。肺の中に蓮のつぼみがあって肺の機能を阻害している。手術で摘出するんですが、そしたら今度はもう一方の肺にも同じ蓮のつぼみが。手術した方の肺は機能しておらず、もう手術はできない。ある日高太郎は他の花がクロエの肺の中の蓮のつぼみの成長を遅らせることに気付き、買ってきた花で室内をいっぱいにする。しかし些細なことで職場を解雇されてしまう。蓮が肺の中で開花して死んでしまうまでの時間を高太郎となるべく多く過ごしたいと思うクロエ、その時間を犠牲にしても働いて花を買って少しでもクロエの延命に努力する高太郎。2人で居られる時間はどんどん減っていく。そしてある日運命のときが。葬儀を終えると池に蓮の花が一輪美しく咲いていた。

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KITANOなるカリスマ芸術家にうつつをぬかし、借金までしてその著書の収集に耽り、最後は金を借りている友人に殺されてしまう英助、英助を捨て切れず、彼が殺されたことも知らずに苦しみの元であるKITANOを殺害する日出美、奇病を取り巻く世間の冷酷さ、大衆に根ざしたキリストを語る牧師、その他色々なこととがこの基本的ストーリーに織りまぜて語られる。

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この映画は2時間以上あり、長い方だ。テンポがゆっくりとしていて、そのこと自体はいいのだけれど、すこし内容的に欲張って色々なものを入れ過ぎているのではないかと感じた。その一方で特に後半ではクロエと高太郎の場面が簡単過ぎるのではないか?。部屋が段々と小さくなっていくことにしても、その効果が十分には描かれていない。ただヴィアンの原作にあったから描いたというだけに留まっている感じ。なるほどクロエを取り巻く光と花の画面は美しいけれど、それならばもっと美しくもできたはずだ。そうすればクロエ以外の世界との対比がもっと鮮明になる。最初の方で利重監督についてボクはとりあえずの「?」を付した。その疑問とは、最初の2人の出会いから結婚に至るまでの描写、クロエの性格設定、花と光線に囲まれたクロエの部屋の美しさ、こうしたものが利重監督の内なるものなのか、それとも単なる既成概念の利用なのか、その辺のことだ。異論もあるようだが2人の主人公の演技も十分だし、この映画自体はこれとして十分良いものになっている。しかしクロエという美しい娘の体内にあるのが蕾で、咲こうとしているのが美しい蓮の花だという、この互いに一致&矛盾している美の感覚もそうだが、こういう感覚を監督自身の感性で捉えて、それを表現しているかというと、どうも疑問を感じてしまう。

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ちなみにボリス・ヴィアンの原作『日々の泡』(or うたかたの日々)は、1968年にフランスでシャルル・ベルモン監督が映画化している。しかしちょうど五月革命の混乱の中で忘れられてしまったようだ。DVD化などはもちろんされていないが、こちらも見てみたいものだ。利重監督はこの作品を見たのだろうか?。





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Last updated  2007.01.12 20:35:39
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