まった~り行こうぜ!

まった~り行こうぜ!

2005.09.03
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カテゴリ: 仕事
もう完全に解決したようだ。



会社をやっているといろんなことが起こる。



数ヶ月前、とある大問題が発覚した。


それは会社の機密事項漏洩。

ね~さん事件ですよ!状態。


恐喝事件と言ってもいい。
社員がやくざにおどされていた。
恐喝というより、恫喝されていた。




その繋がりをひっぱってしまっていた。


発覚したきっかけは
その彼が以前、前職時代の知人関係で持ってこようとした仕事。
僕が「断ろう!」と言った案件をこっそりしていたことだった。


仕事の内容は健全だし利益率もいいものの、客の質がよくない。
僕は断るよう言った。


しかし、ある日
僕はたまたまその彼が電話で仕事を頼まれているであろう
やり取りを聞いてしまった。



「あれ?なんでそこの仕事やっているの?断ったんじゃないの?」

「え、いや、その・・・これだけなんで」



「これだけやって、断ってはだめですか?それで済むんで・・・」


これだけと思って少しでもやると、尾ひれがついてくる。

「ダメだ。今すぐこの場で断れ!ほら電話しろよ!」

僕はかなり怒っていた。
かなり腹がたっていた。




この時点で僕はそうも思ってもいた。


でも、状況は僕の想像を越えていた。



「・・・も、もう俺だめです」

そう言うと、その場にガクガク震えながらふさぎ込んでしまった。


内心『根性ね~なぁ、そんなに怖いかなぁ』と思った。
その彼は、ちょっとダークな世界にいたわりには
その実かなりの小心者でもある。


僕とのやり取りを聞いていた他のスタッフが、
「私がしっかり断ります!」と志願してきた。




その声を聞いて
「・・・本当にこれだけなんで、やったらだめですか!?」

「ダメだ」

「・・・ああぁぁ、俺もうだめです」
顔も真っ青で手も震えている。
脂汗も出ていて様子がおかしい。


尋常じゃないな・・・。


「私が断ります」と言ってくれたスタッフに
その気持ちと勇気に感謝しながらも、
「僕がやるよ。ありがとう」と伝えた。


もう完全にスタッフに任せるレベルを通り越している。





「おい!何かあるだろう?全部話せ!何があった?」

「はい・・・」

「ぜんぶ話せよ!話せ!!!」


「は、はい!」

それから2時間以上に渡り尋問がはじまった。


聞いてみると、命までおどされ呼び出されたりもして
かなりの恐喝をうけていたようだった。






ことのはじまりは、一旦断ったはいいが、
その後も彼はいろいろ情報を得ようと詮索していたらしい。

その筋の人たちがやっている商売の粗利とか、
コストとか売上とか嗅ぎまわったらしい。


それがその筋の上の人の耳入った。

「お前俺の部下から何をかぎまわっているんだ?おい!」
と、恐喝モードに突入したらしい。

はじめに踏絵を踏まされ、
でっち上げの犯罪者にされ、言うこと聞かないと
警察に言うぞ!とはじまったらしい。
やり方が汚すぎる。


その日を境に、その恐喝はエスカレートしていったようだった。



いろいろ使い倒されたり、会社のことも根掘り葉掘り聞かれて
会社の状況を知っている限り話してしまったということだった。


相手は、このことを誰かに言ったら「殺す」とまで言っていたらしい。


僕はすべての話しを聞いた。
話の整合性、合理性、心理状態、それらを総合的に判断し
すべて吐いたと判断した。

交渉の材料も揃った。



「よし、今から電話を入れる。連絡先を教えてくれ」

「えっ!電話するんですか?なんて言うんですか?」

「任せろ。解決する。俺がケツ拭いてやる」


僕はいつもその彼が連絡用に使っていた会社の携帯を持ち、
別室へ行って恫喝をしていたその中ボス級のヤツに電話を入れた。


別室に行ったのはギリギリの会話をするため。


着信を見て電話に出たのだろう。
相手の第一声は
「おぅ!○○か!」

もうかなり慣れた感じだった。
こんな風に使われていたのか・・・可哀想に・・・と思った。


「いいえ、○○社の代表でLRと申します」


「はぁ~何の用だよ」


「私が電話した意味がおわかりだと思うのですが」

と、これしか言ってないのに

「警察でもなんでも言えよ!証拠はないんだよ!」

と食って掛かってきた。

でも次の瞬間、
「いやいや、すみません、紳士的に話し合いましょう」
と抜かしてきた。


「そうですね。紳士的に話し合いましょう」


「で、何の話ですか?」


「少しだけ、私の話を聞いてくれますか?」
と言って、僕はギリギリの会話をはじめた。


言うべきことはいい、相手の逃げ道も作る。

僕はこういうタイプの交渉も得意だ。
っていうか、こんな程度の交渉は簡単な部類に入る。

レベルの高いビジネスの交渉の方が何倍、何十倍も難易度もレベルも高い。


もう言っていることは、何の論理性もないし、強引だし、勝手。
何しろ自己防衛中。自分の正当性やいかにごまかすかの会話ばかりしてくる。
おまけに「お前の会社はクソ」だの「お前の会社は汚い」と抜かしたりもしてくる。
「汚いのはお前だろ」と思いつつも
でも、そこはいじらない。

相手を論破するのが目的ではない。
あくまでも問題を解決するのが目的。


「そうですね。でもご理解頂きたいのは」と一旦同調し、切り返していく。

どんなに相手が声を荒げられても、僕はペースも声のトーンも乱れない。乱さない。
そういうことが通用しない相手というのを雰囲気でも伝えていく。



警察へ行っても根本的に解決しない。
問題がこじれる可能性も高い。

スッキリしない面もあるけど、任意で話をつけたほうがいい。
よく言えば大人の解決。

そういう世界、場合もある。



それより僕は確信があった。
相手は彼に絶対に手を出して来ない。


だって割に合わないから。
これが、数億や数十億以上も係わってくるなら何かしてくるだろう。

でも、手を出して多くのデメリットはあっても相手に何のメリットもない。




約束も守る。
そのほうが利口だし、そういう交渉をするから。


僕は中学生のとき、恐喝マガイのことをしていたこともある。

中学生とやくざではぜんぜん違うけど恐喝するほうの心理も分かる。




その日、その電話をもって金輪際、
電話一本、その他ありとあらゆるコンタント、接触をせず
自社、自社の社員、その家族、関係先に直接、間接を問わず係わらない。
この電話をもって、二度と近寄らない。

その代わり、僕もすべてを水に流す。

そう話し、約束を取り付けた。

もし約束を破れば、お互いがエネルギーを使うことになる。


途中、相手はいろいろ声を荒げたり、紳士的になったり、
強弱のはっきりした抑揚を効かせたりしてきた。


しかし、最後は
「分かりました。Lさんとお約束しましょう!私の名に掛けて二度と電話一本もしませんし、させません」

という結論に落ち着いた。





僕はスタッフがいる部屋へ戻り、
「もう二度と指一本触れてもこないし、電話も掛かってこない。安心してくれ」

「え!本当ですか?」

「本当だ。話はついた。あのタイプなら男気あるから約束を守ると思う。もう掛かってこないと思うけど、もし電話が掛かってきても出るな。俺に教えろ」


「はい・・・・・・・・・あとは私の進退問題ですね」

「そうだね。それは後で話そう」


緊迫していた他のスタッフ全員にも言った。
もし○○から電話が掛かってきてもすべて僕に回してください。
「私では分かりかねるのでLRに代わります」とそれ以上の会話はしないでください。



「分かりました」

それからだいぶ経つが、一切のコンタクトはない。
約束は守られている。
これでもう本当に解決しただろう。



その日の終わり僕は恫喝されていた彼と別室でさらに3時間話した。

「君はどうしたい?」

「許されるのなら、この会社でがんばって行きたいです」


自ら進んで情報を売ったりしていたら、僕は解雇したと思う。
でも今回は若い男の子がおどされてのことだったから、
大目に見ることにした。

幸い、顧客の情報もリークしていなかったし、
僕がやっている重要な仕事の情報を彼は知らなかったので漏れていなかった。

でも言った。
「次はないぞ」

「はい」


この経験を糧にすること、今後は何かあったら即相談すること、どんなことがあっても会社を売らないこと、仲間を裏切らないこと、変な関係は断ち切ることを条件に
引き続きがんばってもらうことにした。


その後、数日経っていつもマイペースな他のスタッフが言ってきた。
「なんで○○さん解雇にしないんですか?」

彼はもともと大きな企業にいた。
普通の企業なら解雇ものだろう。
なんで?と思ったらしい。


これもリーダーとして試されている。
僕には説明義務がある。
考えを説明し理解を得た。





これは僕にとって、会社にとっていい試練と教えが来たのだと思う。


今、この段階で、このレベルのうちに
こういう問題が起こったことはよかった。
僕はそう思った。


この教えはいろいろある。
まずは会社の情報の取り扱い。
小さい会社だから平気、なんて思っていてはダメだ。ということ。

そろそろそういうことも意識しなさい。という教えのような気もした。

情報の取り扱い、パソコンのアクセスレベル、意識の向上など
すぐに具体的対応もはじめた。



次にそういう筋と係わり合いになると、
会社にとってどういう事態、ストレスを生むか。ということ。
絶対に係わってはいけない。

大きくなってから総会屋に漬け込まれたり、機関紙買わされて恐喝されたりされぬよう。
本当に任侠道の心を持っていれば人と人で付き合うのもいいと思う。
でも、そういう人はほとんどいないんじゃないかなぁ。




とにかく社員が増えていくと、いろんな人間が会社に出入りするということであり、
いつまでもなぁなぁでやっていてはいけないということ。

この一件で会社がステップを登っているのも感じれて、嬉しくもあったけど、
こういうことが起こったショック、交渉、スタッフへのアナウンスなど憔悴もしたのも事実。





ま、会社が本当に大きくなると、何が起こるか分からない。
自社は、自社の社員は絶対に大丈夫なんて思ったら妄想になってしまう。
犯罪に巻き込まれたり、被害に遭うだけでなく、犯罪を犯す側かもしれないし。
だからこそ、リーダーとして、トップとして規範にもならなくてはならない。
会社を大きくするということはいろんなころを覚悟しなくてはならない。



いろいろ僕を試す試練だったかもしれない。
こういうとき狼狽する上司もいるだろう。

でも、僕は何に対しても逃げない。


「すばらしいリーダーだと思いました」
そう言ってきたスタッフもいた。

良くも悪くもスタッフの信頼感も高まった感もあった。
怪我の功名かもしれない。

でも、すぐに僕に相談に来ず、問題が悪化していたのは、
僕が頼りなく見えたのだろう。


まだ入ったばかりのスタッフも多かったから
おかげで信頼関係は深まったのはよかったけど。


「気が付いてあげられなくてごめんね。辛かったでしょ」
と言って泣いていた女性スタッフもいた。



会社が成長し、大きくなっていくともっといろいろあるんだろうなぁ。
なんてことを思いつつも、僕は会社を大きくしていく。

って今度警官が自社へ入社するかもしれない。

入社したら今度はその彼に任せよう。

って警官は潰し効かないってよくいうけど、使いものになるのかなぁ。





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Last updated  2005.09.03 02:23:04
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