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本当にあった話 昭和42年、東京銀座。 クラブホステスバラバラ殺人事件 銀座の女王と言われた山崎美智代さん。 (北海道江別市出生) 美人で頭の回転も良い彼女。 昭和35年上京後、銀座、赤坂の一流クラブで 働いていた。 彼女の美貌、聡明な会話、接客、立ち振る舞いが評判となり、 政財界、重鎮、芸能界、大企業社長等が指名するようになった。 そんな彼女が上京7年後、バラバラ死体で発見。 犯人 男性 動機 金銭のもつれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・さりげに香乙より・・・・・・・・・・・・・・・・・ 作品講評 文芸社 出版企画部 A氏 平成18年 8月17日 ネット上にブログ小説の形で掲載された作品を拝見した。リアリティのある会話や感情描写から等身大の作者自身の姿が浮かび上がる。・・・・・挫折を味わいながらそれを糧に未来へ向かって歩んでいこうとする主人公たちは、身近なヒロイン像として多くの読者の共感を呼ぶだろう。・・・・前向きな人生観が心地良い読後感を誘う作品群であった。「天使のはしご」 今まで築き上げてきた仕事と家庭両方がもろくも崩れて・・略・・・レストラン「街路樹」で出会った自分自身に素直に生きる若者達との出会いを通して、見失いかけていた自分というものを取り戻し、新たな人生のスタートをきった40代の女性の姿を描いた作品である。 ・・・物語の背景が実にリアルであり、様々な人生経験を重ね社会や自分が見えてきた世代が実に生き生きと描かれている。 街路樹で新しいチーフを迎え、店の空気が変わる様を「厨房が気持ちを着替えた 」と表現する独特の比喩表現が目を引く。さらに「普通という言葉の基準が微妙でも、ある時には都合が良い言葉である」といった言葉の持つ重みや含蓄を無意識のうちに的確に把握している作者ならではの文が作品に上質な趣を醸し出している。レストラン「街路樹」の若いスタッフとバンドを組み、クリスマスライブの成功を果す裕子から心地よい刺激とパワーを喚起される同世代(40~50代)の女性読者も多いに違いない。 ただ、ひとつ申し上げたいのは、登場人物や出来事を丹念に描こうとするあまり、メリハリがなくなる危険性があるということである。枝葉末節を整理して、焦点を絞った展開を期待したい。 「奏でる時に」 結末を知りながらも愛さずにはいられない一途な愛の形を丹念に追った作品である。互いに心の隅で意識しているにもかかわらず、恋まで発展しない男女は意外と多い。そこに運命の悪戯とも言えるきっかけが必要となるのだが、作者は実に上手く演出し、セーブの利かないままに切ない恋に身を焦がす加奈子の姿を・・・・略・・・・。妻子ある高倉を ”あいつ”として登場させた上手さも見逃す事はできない。誕生日をあいつに祝ってもらい店を出ると、そのまま彼の部屋に向かいたい衝動と理性が交差しながらも、あいつの出方を待つことしかできない奥ゆかしさ。持って行き場のない想いに踏ん切りを付ける為、彼のマンションの玄関に突然立つという賭けに出る大胆さ。 両方を潜ませた女性の複雑さまでも描出した本作品は、年代を問わず、多くの女性から支示と共感を得られることだろう。男女の一線を越えてしまったばかりに・・・・・・・・ならなくなった加奈子を「自分で作った水槽の中で,孤独な魚と化した 」と表現する独特の比喩が光る。 あいつの・・・・・・を知らぬまま別れを切り出し、自ら恋に・・・・・・・・しまうラストも、結局は運命に・・・・・それを受けいれるしかない我々のちっぽけな人生を表しているとも言えよう。 いずれも全国出版のレベルをクリアしているといえる。好きになってはいけない相手への気持ちに必死にブレーキをかける加奈子の心情が繊細に描出されていた「奏でる時に」を編集者の視点を交えながら、より良い形に仕上げていきたい。 本作の上梓が、作者のあらたなフィールドへの第一歩に繋がることを願う。 来春,3月出版予定 (未だ青くで才能などとは程遠い、そしてドジで天然の私が少し成長できたのは、今これを読んでいて下さる皆様のお陰だと思っております。 感謝を込めて「 ありがとう! 」 ) 恵 香乙 次回土曜日夜「紅つけ指」第2章 紫音香...「再会」 「消えた客席」 「誘惑 狙った獲物」 「小悪魔の条件」 ~予定~ 「あの人....」 「紅を指す時」 「後ろから抱きしめて」 彩色豊かで?未だ掴めぬ美月。2章では(初挑戦)美月のラブシーンも・・(汗)
2006/08/31
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photo by kitakitune05さん ライバル店「帆影」・・・西の紫音か東の帆影か。二つの店を一晩に楽しむ客もいる。 行き来の男達はネオン揺れる繁華街を通り抜け満ち足りた自分に酔い、華を彷徨う。 夕方「風雅」に立ち寄る美月。 週に一度の贅沢、そして夜の蝶に変身する味を少し嘗めたくなる。 渚と明海、数人のホステスがいつもの席でピラフやトーストを食べている。対角線上にいるクラブ「帆影」の華たち。 時折どちらからともなく観察の視線を送る。 美月を見つけて僅かに反応した渚。 気付かぬ振りをして、となりの明海に大きなアクションで話し掛ける。 すべてがわかる。 あの晩以来、初めて買ったドレスに口紅をつけたり、純子に返したクリーニングあがりのドレスを隠したり・・・。そうしながら、美月の出方を待っているのか・・去るのを待っているのか・・「甘い!!・・・」 美月はふつふつと湧いてくる何かと、もう一つの美月自身とが融合して、余計な力を溜め込む。 余計な力が紫音に反響する日がきっと来る。「あなた、紫音の方かしら? 」後ろから声をかけられ、振り向く美月。 帆影の華の一人らしい。「はい・・・」「もしかして、美月さん? そうでしょう? 噂通りの人だもの・・・」「噂?..(どこで誰かが通じてる? 風雅を拠点に広まる噂?)」帆影の大輪、歌はプロ並み、彼女はけっして美しい造作を持ってはいなかった。さっぱりとした言葉使い、屈託のない笑顔、ごく普通である事がこんなに素敵なこと?美月はそう思いながら、千春の目を見た。「随分と威勢がいいらしいわね。 いつかサパーで一杯やりましょ?!」「・・はい。 ありがとうございます」 千春はにっこり微笑んで店を出て行った。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4月2日 土曜日の日記 大穴を当てた突然客。 指名がない・・運良くヘルプについた。純子、渚の気まずいコンビに加わり、意図的に美月をそこに座らせた日暮。場数を踏め! あらゆる客層に触れろ! とでも言うように、あるいは二人の火花を中和するチャンスを作ったかのように・・・日暮の神経の糸は今夜もフロアーを走っているのか? 昼間、普通の会社の2年間、、全く違う世界にいながら、私は思う。どんな職業も、立場も、楽なことなど一つもない。 だから偏見は消えて去れ!・・と。「何かいいことあったんですか?」第一声を待っていたかのように、客は作業着のポケットからシワになった当たり馬券を得意げに出したんだ。 それを私がテーブルで丁寧に伸ばすと、二人の華が見下す。「凄い! 凄い! 当たったことも、走った馬も・・ですよね!?」「そうなんだー! 凄かったんだ。 滅多にない穴が来た。 最高の日だ!」そんなふうに喜んでいたと思う。渚と純子はまるで「こういう客はこの夜かぎり・・・二度と店には来ないのよ・・」と冷たい笑顔で私を突き刺したんだ。 「馬鹿じゃないの!? あんた等・・・」 泡が見守るビールを、テーブルの真ん中でカチン!と合わせ「乾杯ー!」と言って笑ったとたん、日に焼けた男は、汗の匂いをさせながら目を細め、シワになった万札を私達に配った。 チップの予感を心得ていた渚の声が高くなった。 わかりやすい女。「もったいない・・ですよ、」と言いたかった。 あぶく銭・・・なんだか切なかった。他席からの視線も、男のはしゃぎも、少し悲しい。 ただ彼がとてもいい顔してビールの泡を唇に付けて話していた。 だから、きっと私はつい言ってしまったんだ。「このお金で、ドレスを買います。 クレジットカード、Mデパートの・・」「そうですか! ドレスを買ってくれるの? 嬉しいな・・」 だって! 軽蔑の眼差しの中、私はにっこり微笑み返しをしたんだ。 二度と来なくても大事な人。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ キッチンで二人の男が静寂に添うように囁く。「なんで♪世界は二人の為に♪ なんだ? 」「それしか知らないんじゃない? 色気ない歌! ピアノの三田さんのハモリで形になったな・・」「変わってる子だー。 気になるよ! これ、見て!」「なんだ? キビ団子か・・」「今、更衣室で華連ちゃんと食べてるよ。 おにぎりだって・・可笑しい子だろ? な?一つ置いていったよ」「なんで華連さん?」「隠れホステス・・事情を知って気を効かせたんだろ? おっ! 噂をすれば・・」 美月はカウンターに近づき、思い出したように立ち止まった。「ねえ、食べた? 美味しかった? ねえ? 海苔が付いてなくてごめんね! 海苔は高いから買わなかった。 今度は海苔を巻いてくるから」手付かずの「いびつ」を隠した男。 「慌て笑顔」をつくる男。 「マネージャーに言われた! 悔しい! あのね、紫音のレベルを落とすな!だってさ。 ねえ、ホステスのレベルって何? ねえ・・・」「期待されてるんだな、美月ちゃんは」「そうなの? でも嫌な言い方! 拾われっぱなしじゃ嫌だし、ちょっと頑張らないと生きていけないから。 このままじゃ終わらないよ私・・見返してやるんだ!」「誰を? 美月ちゃんは美月ちゃんのままでいいのに。 なあ?・・・」「私のままだから、おかしな事は許せない! レベルかラベルか知らないけれど、入ったからには中途半端じゃ嫌だから。 ただ、、、タクシー乗ってもおつりは貰う。一万円の価値が千円になるのは怖いよ! あれ、、怖い。 そうなったらお終いだ!」 男達は何時の間にか、ちょこんと座ってカウンターに頬杖をついて話し込む美月に頷き始めた。 そして変わっても尚崩れない月の「まん丸」に癒されていた。 あくる日、眩し過ぎる太陽の下を歩く美月がいた。いくつかの偏見の紫外線を浴びながら、街を歩いた。空も変わり、ビルも変わり、人も変わり、匂いも変わっていた。 この街に降りた日、同じ場所を歩いたはずなのに、すべての景色が変わっていた。 そして美月は・・・。 第一章 終 (明日 未来線=銀河線 さりげなく・・香乙より)
2006/08/30
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photo by kitakitune05さん 夜の不思議な光に誘われ、月が降りてくる。いつか紫音の扉を開けた夕暮れ、とらえ難い姿、何かに噛り付きたかったのか・・今は透き通った月と一緒に、僅かに軽い足取りで階段を降りることができる。 3月15日日暮が売上げ順に名前を呼ぶ。純子、明海、日向、華連、揺香、渚、胡美、美月・・・・・・・NO.1には給料とは別にピンクの封筒が渡される。 「純子さん、今月もご苦労様!」 冷ややかな拍手、毎月繰り返される光景に燃えたぎる意識とは裏腹の拍手が切ない。美月は「わー!」と声を出したばかりに、なぜだか言い知れぬ空気の真ん中でしぼむ。「支配人! 」 そう言って事務所に入る美月をいつもの笑顔で嘗め尽くす。未だ薄い袋から17万8千円を取り出すと、10万を抜き、用意した白い封筒に入れて言った。「これ、お部屋代です。 お世話になりました」「美月ちゃん! いいのに、、あの部屋は寮だと思ってくれて・・」「来月には自分で部屋を探して出て行けると思います。 本当にお二人には感謝してます」「・・・頑固だなあ。 生真面目だな、君はさ! ま、ご苦労さん!」 事務室から出ると、静まり返ったフロアーの真ん中を更衣室に向かって歩き出す。四方のミラーから別の自分が数人、変わりつつある美月を眺めていた。 更衣室に入った。何やら可笑しな空気が漂い、痛い視線が宙で交差して美月に刺さった。「何なのよ! で、どうする気!」明海と渚、純子と胡美、二つに割れた破片を何も感じていなかったわけではない。それは早々に去った日向や華連、揺香が既に知るところ。 付随したヘルプが数人派閥を大きくしている。 母国の家族の為、暮らしを支える為に働く華たちは、もめごとから上手に逃げることを身につけ、賢さと芯の強さを魅力に加える。 「あなた! 何つったってるのよ! さっさと帰りなー!」「・・・着替えないと。 これ純子さんのドレス・・」 美月は渚の後ろをそうっと通り、ハンガーの列を探った。「ドン!!」 テーブルを叩く音で振り向いた美月は今度は胡美の言葉にびくついた。「いい根性してるじゃない! 同伴のルール知らなわけないよねえ、えっ!?純子さんの客とぬけぬけと同伴でやって来る? あんたさあ、何なの? 寝たの?・・」美月はドレスのファスナーを降ろす微かな音でさえ、この熱くなった空気に聞こえはしないかと焦る。 だから汗が出て上手く脱げない。 ヒールにドレスを引っ掛けた。「あんた、目障りなんだよ! 何やってんの! さっさと脱いだら・・?」渚が傍にやってきた。 「何このドレス、ナンバーワンに借りれば映えるとでも? いっぺん位指名とったからって少しいい気になってる? 支配人に気に入られて、、そのうち食われるよ!」ヘルプの数人が一斉に美月を睨んだ。「何のことでしょう? 黒の一行様ですか? 日向さんの席に呼ばれて座っただけです」「やめときな! 」 明海がアルコールに沈殿した渚の赤い顔めがけて言うと、風向きが戻った。 純子が煙草の煙をふうーっと宙にむかって吐き出した。「同伴のプロさん・・・ルール違反は今夜限りにしてね」「あんたの指図は受けないよ。 客の気がこっちに向いただけよ。 なにか文句ある?悔しかったら取り戻してみれば? ナンバーワンさん・・」 渚や胡美と違う感情の嵐が静かにうごめく中、美月はどうやってドアまで行こうか迷う。慎ましやかに見える華の正体が今ここにあるとすれば、それは許しがたい。 純子は黒川が明海と腕を組んで店にやってきた光景を想い出しながら席を立った。「帰るわよ、胡美ちゃん」「だってー!」「ほっときなさい。 客の一人二人どうにでもなるわ。 どうせ一時の気まぐれでしょ」明海はウエーブがかかった長い髪を掻き揚げ上げながら、余裕の華を見上げた。「なんて女! マネージャーと出来てる強みね。 いいわね、女としては何かと都合が・・」「!・・・」「何言うの! 純子さん、黙って帰るんですか?」胡美が渚に向かっていった。 渚は明海を守り、胡美は可愛がられてきた純子を守る。「あのう・・・すみません。 私、」美月がおそるおそる7人の殺気に息を吹きかける。「お客様って、紫音にくる人は、誰の物でもないと思いますが・・」「何、あなた! 新米が口挟むんじゃないよ! えー! なんだって? もう一度いいな!」「はい、今日のお給料はお客様からもらったものです! 違いますか!? 新米でもベテランでも、紫音のドアをあけるお客様は私達の所有物ではないってことよ!・・」予期せぬ言葉、それは言ってる美月も困りながら、それでも止まらぬ口を塞ぎにきた渚。渚は香水の匂いをさせながら、鋭く赤い爪で美月の顎を持ち上げた。「今、なんて言ったの? ひよこちゃん!!」すると、渚の敵だったはずの胡美がすたすたと近づいてきて大声で言った。「月夜の晩に、外歩くんじゃないよ! 暗い夜道もね!」 興奮する胡美。「・・・? いいわ!・・歩かない! 走ってやるよ、ならいいでしょ!」華のとげが一瞬降りてきた月に刺ささり、刺さったとげを手裏剣のようにばら撒いた美月。「あのさあ、、月には月の事情があんのさ! 出ようが出まいが夜がないと、あんたら映えないんじゃないの!? え! 客にも客の事情があるのよね。誰と呑もうとその夜の気分よ! 勘違いしてんじゃねえよ! 姉ちゃん達よー! 紫音のベテランの姿がこれかよ!情けねえな、お前ら!! 」 美月は胡美の手を振り払ってテーブルに両手を置き、首を少し傾け、大きな目を細めて言った。 蕾が突然開いた様を、ドアの向こうで日暮が見ていた。「なんかいう事ないの! んじゃ、新米は帰るよ! 月眺めながらさ!」 沈黙の後、純子の咳払いと明海の青く燃え尽きた目が、しずしずと闇に埋もれていった。 続く( 明後日「このままじゃ終わらない」)
2006/08/27
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酒バトンmakobassさんより1.好きなお酒はなんですか? 霧つくば(茨城、日本酒 冷で飲むと最高)。ナイアガラ (長野、ワイン 癖になる味発見した夏) 基本的にはビール好き(エビス)2.きらい(苦手な)お酒は? 3杯以降の日本酒、ビール、すべてかな? 3.誰と飲みますか? 飲みたい人と飲むかな。 飲もう!って言ってくれる人と飲む。4.泣き上戸?笑い上戸? 昔は泣き・・今は、どうだろう? そこまで飲まないし。5.酔いが顔に出る方ですか? 自分では出てないと思っているけど、どうも「瞬き」が・・スローになるっぽい。6.記憶を無くしたことは? 昔、あった。自転車置き場で寝てた私を3人の弟達が見つけて、家に運び込んだらしい。 なんで家の玄関を開けなかったんだろ?・7.今まで一番楽しかったお酒は? 秘密・・なーんて!その店、相手、自分の気持ち、比較は無理8.逆に一番思い出したくないお酒? んー、町内会とかお祭りの役員(受付)の後、義理、お付き合いで飲んだお酒。 もうその類には不参加 9.彼氏(または彼女)とお酒を飲むのは好きですか? 今もしシングルだったら、彼氏と飲むのは好きくない~。 彼氏の前の段階の人と飲みたい。 「微妙」が好き! ちょっと「どきどき、何かがありそうで無い」そんな微妙10.お酒を飲んだ勢いで喧嘩したことはありますか? 「勢い」はポケットにいつも入ってるから、お酒の力を借りて「勢う」ことはしない~ ただ、、、お酒に飲まれて、場を見苦しくする奴は徹底して軽蔑の眼差しで刺しまくる。 そいつと 飲むことはない。(訳ありのお酒だなー・・と思った時は、静かに見守る)11.お酒が好き?飲み会が好き? んー、、どうだろ? 好きな相手と好きなお酒、店のお勧めをしっとり、うっとり、、「相手とお酒を味わう・・・」そういう感じで飲みたい。 12.次にまわすひと5人をコメント付きで。 nanako0725(関西の弟分)kazu0873(クラブを知り尽くした感じ) 他、受けていただける方宜しく
2006/08/26
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photo by pooh0529さん 階段を上る気だるい足に「もうちょっとよ!」と言い聞かせながら、上機嫌の客を見送る。 夜風でほんの一瞬心が果てる。 ビルの間から月が腰を屈めてそっと美月を見守っている。心を仮面で覆い、見せかけの笑顔をつくることも未だ知らない青い静寂・・・分身。 藍色の空に仄かに映る彼女は、僅かな星の煌きに見入ることなくビルの谷間に身を寄せてもう一人の自分を見つめる。 向かえのビルの一列に空に向かって光る看板が街を眺め、街を待っていた。「夕舞」はひときわ目を引く。 黒地、夕焼け色にレモンを絞った色の文字が美しい。 サパークラブ「夕舞」は、夜の華達が憩うもう一つの空間、別室。 戯れる街、甘い誘惑、まどろむ快感、落ちてゆくもう一つの選択・・・。 美月は再び気持ちを着替えた。扉を開けると、ピアノマンの優雅な指が鍵盤を自在に這っていた。無表情なのにどこか引き付ける揺れる体、視線は時々閉じられた瞼の奥で、何を想い、何を見つめているのだろう・・・美月は何時か消えた雨の訪問者を想った。曖昧な時間、闇に呑まれた雨のように静かに去った影。 魅惑のライトがグリーン、ブルー、赤、パープルと移り行き「私を見て・・・」と囁き、直ぐに消える。 それはまるで抱き合い揺れるフロアーの男と女の一晩の夢。「美月ちゃん、 指名・・」日暮の張り詰めた一本の弦が、頼りない美月の肩に触れた。「日向(ひなた)さんの席に行って。 初めての指名だ、いいね!?」コーナーのボックス席に別世界のように存在する黒。 日向がそそとして黒の中心と寄り添い、艶やかな和服姿で優美と佇む。「あのう・・お葬式の帰りですか? 」マネージャーの日暮は戸惑いながら苦笑して去った。 (あの娘は時々・・? 真っ直ぐな瞳がベテランの自分を困らせる)突き放されたことで腹を括って「初めての指名」に不安と感謝を同伴させて近づいた。「美月ちゃん、そこへ」日向が指図した。 手馴れた様子で黒の中心と合図で通じ合い、多くを語らない周囲と、ヘルプを付けない席に不思議な落ち着きがあった。 日暮が美月を紹介して去っていくと、美月は日向に助けを求める視線を送る。「楽しみなさい・・」黒の中心が低い声でそう言った。笑顔の余裕、歌うわけでも、踊るわけでも、笑うわけでも、語るわけでもない席。煙草に火をつけるのは美月より早い周囲。 何をしたらいいのかわからない。「美月ちゃん、何かいただく? オードブル? フルーツの盛り合せ? 生ハム?」色気という言葉のすべてを日向が独り占めしている気がした。 指の動き、流す目、うなじ、発する声、なだらかな曲線、全ての仕草がいちいち色を放つ。 相手が話さないのなら、こちらが好きなようにするしかない。 人形のように腰掛けている苦痛から逃れる為に、脱力して本来の血を呼び起こす。自然体、自分でいく。 初めての指名だからこそ、やはりありのままでいく。捕らえようのない匂いに蓋をして、かみそりの刃に反射して光る日向に微笑んだ。「お言葉に甘えていいですか?」「いいのよ、美月ちゃん。 ねえ! なんでも飲んで、食べていいのよ!」黒の中心は、頬を近づけた日向に見たこともない笑顔を向けた。「じゃあ、あの、」隣の席にひっそり置かれたグラスに目を移した言った。「チョコレートを・・」 黒い集団に似合わぬ「つまみ」にベテランホステス達のもう一つの目が追う。「お待たせしました」 日向は男と解け始めたロックに酔う。ウイカル・・・美月はカティーサークで割ったカルピスを棒状のチョコレートで混ぜた。周囲の男達が頭を掻きながら見ない振りをする。 あるいは苦笑してソファーに両手を伸ばして欠伸をする。 張り詰めている中心との糸だけは緩むことなく、邪魔することなく存在する妙。「野菜スティックにすれば良かったですか? 」「好きなだけ食べなさい、さあ、どうぞ!お嬢様。」こちらのセリフを取られた。 苦し紛れに話し出す。 対象が誰だかわからないまま、新聞で読んだこと、学んだこの街の事、サパークラブ「夕舞」や「ブルースポット」の事・・・・。独り言?・・・誰も聞いていないそれを十分知りながら、この場から早く去りたいとどこかで思い、昨晩までと違う「仕事」に戸惑いながら時が過ぎた。 日向が美月に握らせた2万円。 「 チップよ。 とっておきなさい・・」更衣室で去って行くベテラン達の視線が背中に刺さる。「あのう、、日向さん、あの方達お葬式の帰りであんなに静かだったのですか?誰かを偲んでいたんですか・?」「?・・・あなた、どんな発想?! 可笑しいわ! 面白い子ねえ!知らぬ強みね! 知らないって凄いわ、上出来だったわよ美月ちゃん!」「初めての指名だったんです。 何もできなくて・・・すっきりしません!」「この辺じゃね、顔がきく○○組、よーく覚えておくのね。 指名をもらえた事も」「組・・?ですか。 あちらの・・・方達ですか?! 優しかったですが・・」「思い上がってる男達よりは遥かに素敵な連中よ。 ひよこちゃん! お疲れ!」 食べ尽くしたポッキー。 会話不成立解消の努力、美月の機関銃。 初めての指名が「組」のご一行。 黒・・・・。 鼻が曲がった人、殴られた? 笑いながら去った日向に聞いたあれこれ。 今の自分には昨日の客も明日の客も関係ない、みんな一緒。 自分を生かしてくれている人、、美月は髪を解いて更衣室を出た。・・・・・・・・・・・・7000+1000+3000(指名料)+20000(チップ)=31000円
2006/08/25
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いつ見ても笑えるから、つい・・・「これから高齢化社会に入ります。 4人にひとりがボケます。 4人にひとりです、・・・どういう人がボケないのか? 最初からボケているような人です。ボーッとしてる人です。 医者が判断できないのです。 オカマはボケません、おかまいなく生きているから。 貧乏してる人もボケません。 とりあえず、今日、明日、明後日のことを考えなくちゃいけません・・小銭を数える回数が多いのです。でも、皆さん、ボケは私達の力で防げます、一つだけ防ぐ方法が・・・そうです、4人にひとりボケるんですから、3人で行動すればいいんです・・・」 「奥様、シミなんか気にすることはありません。 シミはブローチ、イボは黒真珠、シワはデザイン、たるみはアクセサリー。膨らんだ腹は食料タンク、でっかいお尻は燃料タンク。 そう思えば気が楽・・年齢なんか気にすることはありません。大切なのは、いくつに見えるかです。・・・・・若さは若い世代に明け渡す。大切なことは、自分より若くてきれいな人に近づかないことです。」 進化バトン107代目 kitakitune05さんから受け取りました。 ルール・・・・気に入らない質問を一つ削除し、一つ加える。 最後の質問は対象外 次の方は108代目となるということ。1. 幸せになれる食べ物は? KISSチョコレート。 桃。 2. あなたのお気に入りの癒しかたは? ジャズダンス、 旅、 音楽。3.「夏といえば」思い出すことは? 向日葵、木漏れ日のトンネル。4.宝くじ一億当たったら? これを削除します。忘れてはいけないと思うことは? 相手の立場に立つ。 相手の気持ちを尊重する。 相手の心を汲み取る努力と行動。5.好きな音楽は? トンプソン・ツインズ 「HOLD ME NOW」6.マイブームは? 時間を見つけて「後回しにして後悔したくないこと」 「今、しないとたぶん一生できないであろうこと」 「今までしなかった経験、行かなかった場所、会わなかった人」 これらを一つずつ、実現させて素敵な時を感じる事。7.自分を動物にたとえると? 浅草雷門にいる鳩。8.プチ夢は? でかい夢を叶えること。 9.バトンを回す人(108代目)を3人。 クラブ「紫音」に一度は来てみたい人。 ご自由にどうぞ。 (明日、「紅つけ指」 初めての指名・・・黒の一行)
2006/08/24
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photo by うりゃ1960さん 右足、左足・・・影を踏みしめ闇に立ち向う。 男は気配を感じながらも身動きもせず、やはりしゃがみ込んだままだった。 美月の足が止まった。 あの日の自分がそこにいた。雨の夕暮れ、紫音への階段を下り力のない手で扉をあけた自分。同じ匂いがした。荒波に一人で乗り出して行ったわけでもなく、むろん孤独を恐れる事さえ無くしたあの日。 左手に下がった今にも畳に落ちていきそうな包丁の刃が光る。「・・刺さないんですか?・・」 男が言った。 美月は目の前に引かれた直線が次第になだらかな曲線へと変わる不思議な光景を見た。 綺麗にたたまれた1枚のタオルが、包丁を手放した手から男に向けられた。彷徨い果てたあの晩、日暮がそうしたように・・・同じ光景が今ここで繰り返される。あの日の美月。 同じ匂い・・・・同じ瞬間。 男は濡れたジャケットを力のない手で静かに脱ぎ始め、顔も見ずに受け取ったタオルを首にあてはじめた。「どうして?・・・・」 物怖じしない女に変わった不思議な美月を男は、ゆっくり見上げた。わずかな灯りの下で、二人は顔を合わせた。 涼しい目、潤んだ目、虚しい目、、。雨の音が再び強く、切なく、部屋に響き、二人を包んだ。 「どうして、、刺さなかった?・・・」 男が静かに言った。 ただただしゃがみこんだまま、男が言った。 「・・・・・たぶん、、たぶんあなたは・・私だから・・」 去ったであろう危険を深夜の風雨がさらに消していく。不思議な夜だった。 夢か現実か未だつかめぬ、あるいはつかみたくない、そんな時間が流れた。美月は色の無いソファにもたれ掛かり、男に背を向け目を閉じた。・・・・揺れるライト、新宿歌舞伎町、ミラーボール、売人の暗号、コインロッカー、バイクの爆音、北池袋、幻覚の叫び声、崩壊寸前の仲間、裸足で飛び出す恐怖、涙、始発、中央線沿線、スローなブギにしてくれ、逝った恋人・・・・・・・ うつろな夢・・・美月はそっと目を開ける。 どの位の時がどんなふうに流れたのか? あるいは全てが夢の中の出来事だったのか。 美月は振り向いた。 男が消えていた。 曖昧な記憶、去った時、去った夢、止んだ雨、明けた夜。 湿った畳の片隅、1枚の紙っぺら。 きっと美月の文字の羅列の空白、ちぎられた欠片。幻が残した足跡、か細い文字が湿っていた。「怖い思いをさせた,すまなかった、・・・・あなたでよかった・・」 続く(次回24日「風にふかれて..」)
2006/08/22
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風雨で窓がガタガタと鳴った。心細い夜、明かりを消さずに眠る夜が幾日あっただろう・・いつの間にか始まったこんな暮らし・・いつまで続くのだろう? 美月はドレッサーの椅子を机代わりにして、こうして書きとめる力の無い文字を見つめる。 まるでグラスに注がれた液体に氷が溶け、揺らいでいくように美月はうとうとしはじめる。 雨の音が心地よく、そして気だるく眠りを誘う。 人の気配を感じた。危険が身に迫る! これは夢?・・・・蓄積された疲労の中で緊迫の針が刺さる。 次の瞬間だった。突然、背後から大きな冷たい物体が美月をすっぽり覆った。口が塞がれる。 身動きが取れぬ中、叫ぶ。「!? 誰! 助けて・・」 声が出ないまま、もがき、喘ぐ。悪夢か現実か・・・恐怖の底に転がり落ちる。「や、め、て・・・!」殺される! 殺される・・・男の声が微かに聞こえる。「静かに! 頼むから! 叫ばないでくれ!・・・何も、何もしない!」 これも夢? きっと夢・・・美月は闇の悪魔に抵抗しながら気を失った。 微かな光、身体が宙に浮いた後、静寂に埋もれる感覚。目が覚めた。 夢?・・・僅かな灯りの下で一人の男が蹲っていた。再び動悸が激しくなる。 動けない・・・声が出ない。(何か、、された? 誰? 何処から? )ドレッサーにもたれ掛かっていた自分がソファ―ベットで横たわって息をしている。 そう、私は死んでない・・・。死んでもいい・・・そんな気持ちが心の片隅から再び現れる。恐怖の中、冷静に自分を見るもう一人の自分がいた。 ビクっ!と反応した男と目があった。「何もしない・・・驚かせてしまった・・・すまない」そう聞こえた。 美月はありったけの力を振り絞り、台所へよろめいて行った。水道の蛇口からポトポトと水が落ち、シンクが濡れいる。 シンクにもたれ掛かりやっとの思いで包丁を握った。「生」への欠片が指令を送るのか・・・両手で包丁を持ち、男の方を向いた。 男は両膝を抱え、壁に寄りかかり一点を見つめたまま言った。「・・・・刺せますか?・・・」刺すなら刺せと言っているかのように見えた。 抜け殻、失意落胆の影を前に、美月は震えながらゆっくり一歩足を出した。 続く (火曜 「暗影」2)
2006/08/20
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photo by kitakitune05さん シャワーの音、揺れる窓辺の陽の光。 やがて陽が落ち綺羅星が現われる。振り返らず、あるがままに受け入れる今ここにいる自分・・・明日のことを思いわずらわず・・・今ここにいる私・・・ 首すじを伝わり身体の流れるたくさんの雫、わずかに感じる温度。 純子のドレス、「今夜はどれ?」サイズが一番しっくりくる純子のそれらを申し訳なさそうに見た後で「すみません・・・」 と美月は言った。 そしてハンガーを少し動かしながら選ぶ。「ほら、また言ったー。 すみませんは言わないで!」「はい・・ごめんなさい・・・・。 あの今日はこれ・・・」 美月はロングタイトのスーツを手にした。鏡の前で淡いピンクのシンプルなデザインの一着を合わせる。「いいじゃない! カチッとし過ぎなくて柔らかい感じ、セクシーで似合うわ!着る人で随分変わるのね。 ああ、それ良かったらあげるわ! もう着ないから」 ふたりはロングソファーに腰掛け、純子はいつもの煙草に火をつけた。少し経つと一人、二人と華がやってくる。 渚(なぎさ)が鋭い視線を流しながら通り過ぎる。 開店と同時にやってきた二人連れ。上級の常連か? 指定席がなんとなくつかめる。「村田様、いらしゃいませ・・」 日暮のなだらかな導線を目で追わず、感じること。 村田は大きな腕をすぐにソファーの上部に広げ、店内を我が物顔で見渡す。「ご指名は?」「揺香(ゆうか)と華連(かれん)だ」「かしこまりました」 連れの男はいくらか若い外国人。 「台湾だぞ、いい女だー」 大きい声がミラーに反射して空間に響く。 華連は国にいる家族の為に元気な日本で懸命に働く。 意志の座ったホステスはどこか違う。 揺香は父親のいない五歳と七歳の子を妹にあずけ、全くの普段着でアパートを出る。 エプロンを持ち、紙袋に変貌の一式を詰めて子供達に手を振る。水商売の母親を隠す為、子供の為に心を砕く。 そして生きる為に意志を立てる。 村田は油たぎった大きな顔で豪快に笑いながら揺香の肩に腕をまわす。華連に外人客を托す。 華連は屈託のない笑顔で片言の英語と日本語で話しはじめる。透き通るような肌、豊満な胸元を嘗める様に見る村田。美月は気付かぬ振りをする。 「美月ちゃんって言ったね? 君いくつ?」僅かな沈黙の後、美月は揺香の合図で応えた。「二十歳を過ぎました・・」「ほうー! 食べごろだねー」 揺香が「さあ!」と言ってグラスに氷をカランと落としながら水割りを作る。「ジョンの分は美月に頼もうか! お手並み拝見だ」 浅島以来抑えた客達の水割りの濃さ。 (嫌な奴!) 新まいと知りつつ「おろおろ」を楽しんでいる。華連に見惚れるジョンにウィスキーのボトルを指差し、村田に見せ付けるように話す。ウィスキーの量を聞いた後、華連がすでに手にしたグラスを見ながら今度はタイ語で伝える。 「ニック ノーイ・・」 少し・・。 華連は少し驚き、にっこり微笑んでジョンの水割りを作り始めた。 指名の華連の仕事。 過去がほんの少し役に立つ。空かさず村田が言った。「美月ちゃん、あたり目、これ! どうしてかわかるかい? ホステスの常識だ」「あたりめ・・ですか?」美月はつまみを見た後、もういっぺん見たくない村田を笑顔で見て言った。「さあ・・? 教えていただけますか?」「よーし、正直な子だ。 この商売、ハズレちゃ困るだろ!? だから、当たりめ!あ た り めなんだよ! 覚えたか? ん?・・」「当たりめえですとも!」 美月が応えた。「!・・・・ん?、こりゃ可笑しい! 愉快だ! 聞いたか揺香ー!」 ボックス席に笑いが起きた。 日暮はピアノの陰で苦笑した。 村田のいう事は違う・・「スル目」スルか当たるか。「あら、イヤだー! 美月ちゃん、なかなかじゃないのー」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3月8日 村田様(不動産関係) 指名 揺香さん、華連さん スズランのイアリングを見て「子供じみている!ピアスに変えたら!」 と言われ、「変えない!」と心で言いながら、にっこり笑った。 追加 ひとつ発見。 私はこれでいく、英会話、誰もできない。 支配人「馬鹿は落ちて行く・・」 私は絶対落ちない! 紫音の綺羅星、いたっていいじゃない! 私は落ちない。 美月 7000円+ヘルプ2000円/2席=9000円 続く(次回日曜日 「暗影」 殺気・雨の訪問者 )
2006/08/18
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photo by pooh0529さん どんな笑顔だったかわからない。それでも美月は確かに微笑んでソファーに軽く腰をおろした。名刺を見ながら柔らかな笑顔で浅島が言った。「綺麗な名前だなあー・・・あなたにぴったりだ・・」「ありがとうございます・・」 目をギラつかせているわけでもなく、大げさなお世辞を言うふうでもなく、さりげに目を移して美月の緊張を和らげる。明海はベストセラーになっている本の話題に触れながら、手際よくグラスを微妙な色に仕上げる。 浅島の好みを知り尽くしたベテラン。 水割りの濃さ、その日の体調、あるいは求めるもの・・・くつろぎ、やすらぎ、癒し、愉快、ときめき、、、接待。 語り過ぎず、沈黙をつくらず、その仕草の一つひとつに、美月はアンテナを張りながら浅島の聞き役に徹する。 たぶん、メインの明海より前に出てはいけない、出られない。明海はいつもより意識のあるアクションと言葉づけで、何かを美月に伝えているように思える。 そして時々感じるマネージャー日暮の視線・・自分がこの席にいることにようやく頷ける。 (甘えてはいけない・・・応えなくては! そして明海に恥をかかせてもいけない) 浅島がしっかりと美月の目を見て言った。「今夜はデヴュー! お祝いだ! ボトルをもう一本開けよう、、それからオードブル、フルーツも盛り合わせ、いいね明海ちゃん!?」「はい、それはもう! 素敵な晩になるわ! ねえ、美月ちゃん!」「はい! ありがとうございます、本当に・・・」「俺はついてるな! いい日に紫音に呼ばれてしまった! 運がいいんだ」 豪華が並び、ナポレオンが開けられた。 まるで浅島は美月を孤独にしないように心を配っているそんな浅島を通じて「明海」を知る。 ふたりを通して「日暮」を知る。 瞬く夜が静かに閉じた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3月2日 浅島常務。(初めてのお客様、忘れない。 様々に感謝・・・。 指名---明海さん 学ぶこと多分多し。 まだ余裕がない、時間、焦る自分。 とびきりの笑顔と聡明なサービス テンポある会話? 覚えた事----クロモジ (つまようじ) むらさき (醤油) 「私のドレスですか?」と言ってしまった。 ウィカル (ウィスキーをカルピスで割ったドリンク) 明海さんの私に対する配慮だと思う。 感謝。追加--------お客様がトイレに立ったら、お絞りをキッチンからもらって、さりげなく 出口で待つこと。 おしぼりを出して折って、渡す。 さりげなく・・・・。美月--------日給7000円+1000円(ヘルプ代)=8000円参考-------同伴料(5000円) 指名(3000円/一客) ぺンを置いた。 華達が去った更衣室、ざわめきの後・・・・耳の奥に余韻が残る。日暮が灯りを消して早めに体を休めるよう言いに来る。 「紫音」の灯りが消え、街の灯りも消える頃、裏路地を抜けたアパートの隅っこの部屋の灯りが点いた。 支配人、小野寺の「好意」で住める部屋。 早く「好意」を返さなければ!・・・。美月そのものか、あるいは防衛本能か?・・・・・ソファーベット、毛布、ストーブ、ドレッサー、小さな小さな冷蔵庫、自分と引き換えにされたもの。 手持ち現金七千円。 あの雨の日のくたびれたロングコートが、長押から美月を眺めていた。 続く (次回明日 綺羅星) ・・・・以降・・・・ 「暗影」 殺気、雨の訪問者 ブレイクタイム「風にふかれて」 「はじめての指名」 黒の一行 「紫音-華たちの闘い」 「このままじゃ終わらない!」 第2部へ
2006/08/17
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photo by うりゃ1960 さん 揺るがない心、扉を開けた瞬間に美月が自分に言い聞かせたこと。 左のキッチンカウンター、初めて感じる人の気配、呼吸、視線。若い男が二人、美月と目が合う。マネージャーの日暮が立ち止まる。 美月は深く頭を下げ、色白で細身の男達を見る。「美月ちゃん! よろしくね」 日暮は軽く言った。「美月といいます。 今日からお世話になります、、あのう、何でも言って下さい、教えて下さい。 よろしくお願いします」二人は少し戸惑いの表情を見せた後、優しい笑顔で美月を励ました。 鏡張りの壁に沿った右一列のロングソファーに並んだ鮮やかな華。「ここは、私の指定席・・」と言わんばかりの気高き香り。眩しい華たちに向かって二人が立つと、正面に写るもう一人の自分が自分を見ていた。「おはよう! 今晩から紫音の仲間になる美月ちゃん! みんな、宜しくね」 静笑、冷笑、、美月は味わったことのない視線を浴びながら思う。ここを通り過ぎなければ、私は進めない・・・。「はじめまして、美月です。 何もわかりません、、ご迷惑をおかけすることも」「そんな堅苦しい挨拶はいいのよ」「名前だけで十分よ」「可愛いじゃないの! 健気な子よ、、珍しいわ。 宜しくね、美月ちゃん!」 遮られたことに何故か少し安堵する。 けっして不愉快ではない。 そして華たちの言葉に、自分の中の一本の線が反応する。 日暮は手前に凛と腰掛けた和服の華から、ひとり、ふたりと、順に紹介する。覚えた名前は七人。 調和のとれた美称。 陽のあたる場所ばかり見ていると、きっと影は見えなくなる。 ライトに映る華、影だから見える輝きと誇り。「美月ちゃん、ここに掛けなさいよ!」 純子が言った。 日暮がそっと去って行った。「いらっしゃませ・・」 空気が変わった。三人連れの男達が慣れた足取りで入ってきた。 奥の席に丁寧に案内する日暮。「あまり見たら駄目よ」隣で純子が言った。日暮は楕円形のテーブルに肩を並べるように屈み、客から指名のホステスを確認する。わかっていても繰り返されること。 日暮の神経は細やかに作動しはじめる。 視線の先は純子だった。 ふわっと立ち上がる純子は、まるでわかっていたかのようにフロアーを歩き出す。 心細くなる美月。 隣のぬくもりが消えた。「渚ちゃん、胡美(くるみ)ちゃん・・」 ヘルプの合図を知った。渚は丸い目を大きく見開きながら、ツンと上がった小鼻の下で桜んぼうのような唇をちょっと尖らせて立った。 ロングソファーから消えていく華。 後ろ姿に息を呑む。「とうていあんな風になれない・・・」 美月は思う。 開店から1時間もしないうちに空間は賑わい始めた。同伴(客と前もって約束をし、二人で来店する)でやってきた明海。日暮が選んだ美月デビューの客、浅島伸介。 Sデパート浅島書店常務。 明海との打ち合わせも済んでいる。「ニューフェイスにはぴったりよ。 任せて!マネージャー!」電話の向こうの気さくで自信に満ちた声。 純子と一、二を争うベテランの余裕。「美月ちゃん・・明海さんの席について。 ピアノの向こう・・いいね!」「は、はい・・」 ジャズ、バラード、魔法の指が奏でるピアノの音色が小さくなった・・そんな気がした。時が止まった・・・そんな気もした。空間を歩く白い月に焦点が集まった・・四方のミラーが迫る。華達のもうひとつの目が、ゆらゆらと揺れる紫陽花色のイアリングを見届ける。 しがみつきたい、誰かに支えてもらいたい。「はじめまして、、美月と申します・・」 浅島は控えめに立つ少し猫目の美しい女を見上げると、沈黙の瞬間を破るように言った。「・・・どうぞ、かけて! さあ、ここに」 続く(木曜日 消えない灯り)
2006/08/15
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扉に近づく地下の通路で僅かに聞こえる音。それはまるで鍾乳洞の中で聞こえる単波形の澄んだ音。 にもかかわらず、何故か美月の心を射抜く。 そして紫色に映る音色の不思議さ。 明日のことは考えまい・・いつの日かブーメランのように別の幸せが手元に返ってくる、きっと・・・・。 体を動かす度に、キュウキュウと鳴る回転椅子に腰掛けた大柄な男。計算通り、変貌の一歩を見せた美月に話しかける。「店では、マネージャの指示に従って、、しばらくはヘルプで付いてもらうから」「ヘルプ?・・」 不安な面持ちで俯く美月。アップした髪、迷ったあげくに選んだ借り物のドレス、しなやかな手足、肉体の曲線美。逆らった頑固は、薄化粧とマネキュアの色。 そっと引かれた眉、右手の薬指に少し馴染ませておそるおそる指を這わせた紅。鏡の中で別の自分と出会う戸惑い。 目を閉じて、張り詰めた気持ちに安らぎを注ぎ込もうとする直向さ。 思いついたように男が言う。「客と寝てはいけないよ! いい?」「・・?!・・」 生娘じゃあるまいし、と思いつつも男は言葉を選びながら、美月に体を近づける。「えーと・・・客を通わせる。 目当ての女をモノにすれば、客は店に来なくなる。そういうことが多いんだ。 わかる? ここはクラブ。 クラブはそういう所だ。ギリギリと保ちながら客をぐっと楽しませる、憩いの場だ。 直ぐ寝る女・・・・バカは落ちて行く! 」「お客様と・・その・・・関係を持つことあるのですか? 実際?」 美月は目も言葉もあまりに真っ直ぐで、男は何度か戸惑った。冷やかしか真剣か? 少女のような純粋なところを持っている。 そう感じ、そこに美月の「不思議」が潜む。 「気がかりなことばかりです。 大丈夫でしょうか? 」「生きていくんでしょ?・・・大丈夫、あなたならきっと。 ベテランを見て盗む、仕事は体で覚えるんだ、、いいね?・・さっ! そろそろ・・・」 見放された思いを抱えたまま席を立つ。紅色に染まった月が扉に向かった。 まどろむ闇夜が眩しい世界へと変わった瞬間を美月は全身に感じた。 続く (次回15日 火曜) 「美月デヴュー」
2006/08/13
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この歌詞、知ってますか?「 逢いたくて 恋しくて 泣きたくなる夜 傍にいて 少しでも 話を聞いて 酔いたくて 泣きたくて ふるえる唇 傍に来て 少しでも わがまま聞いて...」 あまり・・・らしくないあの有名人? なんです!!驚きました。 クラブ「紫音」の当時の歌ではありません。 今日はこれにて・・・ 次回( 明日「紅つけ指」 バカは落ちて行く....)
2006/08/12
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過ぎ去ったものは、もはや再び帰らない。時は悲しみの傷を癒し、やがて淡い色で染まる日が来るのだろうか・・砂時計の一粒が細いくびれを通り抜けて落ちるように、たぶん瞬間の絶えまない繰り返しによってしか時は過ぎてくれない。 「風雅」は春を待ちながら寄り添う木々に見守られ、立ちすくんで見える。真っ白な皿にわずかに残ったサンドイッチ、口紅のついたコーヒーカップ。隣席の男達は観葉植物の間から、夜の街へ流れ込む女達を興味深く見ている。「渚(なぎさ)ちゃん!? 明海(あけみ)さん、今夜は同伴?」カウンターのサイホンの向こうでマスターがグラスを拭きながら声をかける。「たぶんね!」 渚はきらきら光るビーズのバッグから煙草を取り出して火をつけた。見慣れた光景だった。 出勤前のホステスは「風雅」で軽食をとり、くつろぎ、気持ちを整える。この時間帯には、紫音以外の店の者も来る。 店の隅に艶やかな華が座る。時間と空間にオアシスを求めてやってくる男達を心ゆくまで楽しませる為にあるいは満たす為に、華には華の暗躍の覚悟がなければならない。 太陽に手を振りながらやがて星となって散っていく・・ひとつ、ふたつ、みっつ。瞬きは思いの他、夜空からいくつも現われる。どこにこんな煌星があったのか?・・・ひそんでいた「健気」。それはまるで「私を見つけて!・・」とせがんでいるように、可愛く美しい。 艶やかな唇、ろうそくのような白い肌、くっきり引かれたアイライン。足を組替える度に、タイトスカートのスリットから覗く細い足。 純子の出勤はいつも早い。NO.1を維持する「意識」を、紫音を影で支える男達は知っている。「純子ちゃん! おはよう。 さっそくだけど、今夜から新しい女の子出るから」「そう。 面接、それとも引き抜き?」「どっちでもない。 たぶん天からの贈り物だ、、支配人の賭け!」「賭け? 素人なのね」 マネージャーの日暮(ひぐらし)は、純子の素振りにほっとするとフロアーの真ん中を足音も無い位身軽に歩いて行った。「ねえ、名前は?・・」 日暮は昨夜のことを思い出す。色の無い月は静寂を、そっと水面に降りてきて生きる覚悟を決める。 「名前・・・ですか?」「そう、名前。 明日からのあなた自身・・・」 女は暫く俯いていた。やがて女の人差し指が、しなやかに、つつましく、ゆっくりと動き始めた。女がテーブルで文字を這わせながら言った。「・・美・・・月・・・。 駄目ですか?」「美月(みづき)・・・・美月だね?!」 二人の男は互いに顔を見合わせながら大きく頷いた。 クラブ「紫音」 美月。 続く(明日、風にふかれて....)
2006/08/11
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香乙の間一髪 昭和49年8月30日 昼 三菱重工ビル爆破テロ事件 当時、私はこのビルの3つ手前(日比谷寄り)の新国際ビル内で勤務。働き、学び、よく遊んだ・・メリハリついた青春の日々。 この日、上司に頼まれて三菱重工ビル内○に書類を届けに行く事になっていた。返事は「はい!」 笑顔で「はい!」内心「何でー! もう直ぐ12時じゃなーい! シュウマイライスを食べに行くのに」 素直じゃないことが幸いした。先輩と、決まっていたランチに出かけた。有楽町のとあるデパート内、有名なシュウマイライス。 もう並んでる!「書類? んなもの1時になってからで良いでしょ! 勤務時間にね!」そう言ってデカイシュウマイを5つ口にせっせと運んだ。「美味しい!!」 その時・・・ドカン! 凄い音、 揺れた、響いた! 地震!? 爆発!?「今の何!?」店内騒然。 それでも残りのライスをしっかり食べてそとに出た。サイレン、消防車、パトカー、人、人の行く方は私達が戻るオフィース方向。 数分後、私が見たもの・・落ちてきたガラスの破片、片腕の人、血の跡、未だ立ち上がれない人々、、真っ青になって立ちすくむ、唸る、泣き喚く・・・・ やっとの思いでビルに入り、課にたどり着く。「・・・さん! お宅から電話よ!」「○子! 大丈夫!? 今、テレビ見た! 生きてる!?」 母。「うん、生きてるから電話してる・・」 声が震える私。 直後に書類を頼んだ上司が!「ああ! よかった! 無事だった!!」肩を抱かれ泣かれ、、「はい、未だ書類ここに・・・すみません」すぐに言う「すみません・・」 「 そんなものどうでもいい! 」(えー、、大事な書類、○に急いで・・じゃなかったっけ?) 帰宅後のテレビのニュース。また、体が震えた。 しゅうまいに感謝。 素直じゃない自分に感謝。 夕飯にありつける事に感謝。 母に感謝。 運の良さに感謝。 あのまま行ってたら・・時間の一致、場所の一致、確実にやられてた。 テロリスト 東アジア半日アジア武装戦線「狼」 昭和50年始めは 私が思い出すかずかず・・・・大平内閣、 ロッキード事件、 オイルショック、 王選手世界記録765号、レディースコンパ、 ペンフレンド、 ディスコ、 アフロヘアー、 ハイセーコー、セリカ、サバンナ、カペラ、スカイライン、フェアレディーZ、イスズ117クーペ、サントリーOLD、リザーブ、ホワイトホース、サンタナ、ポールモーリア、「なごり雪」 「想い出ぼろぼろ」 「二人でお酒を」 「北の宿から」 「夜の銀狐」ピンクレディ、、、、、 次回金曜日 「紅つけ指」 夕星
2006/08/09
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photo by kitakitune05さん 薄紫のポーチ、マーガレット模様のハンカチ、ベージュの手帳、しわになった数枚のお札、プラチナの指輪。 艶のあるテーブルに一つ一つ置いていく。 しなやかな指が這う。意味もなく並べられた持ち物に視線を落とした男が次のアクションを待つ。「クラブ・・なんですね・・」女がカウンターの後ろに並んだ煌くグラスの列に顔を向ける。 名前入りのウィスキーの数々・・・・「あと、2時間もすればこの静けさが別世界に変わります」「・・・そうですか・・・別世界に?・・。 ではそろそろ行かなくてはなりません。お陰様で体が温まりました。 楽になりました・・・帰ります」 女は訳もなく並べたものをバッグにゆっくり戻しながら、闇の底に沈む人魚のような悲しい目を見せた。「失礼ですが!」「?・・・」「今から何処かへ?」「わかりません・・・この街にたどり着いた、、た ど り つ い ただけですから・・」 無防備な言葉が淡々と並ぶ。 まっすぐにありのままをさらけ出す事しか術がないのか。追いやられた状況に震える天使を男はじっと見つめていた。「突然ですが、お体、どこかお悪いのでしょうか? お疲れのようですが・・」「すみません、ご心配をおかけしてしまい・・・本当に突然・・すみません」すみませんと繰り返される言葉。 男達は女の生き様を垣間見る思いがした。「紫音にいていただけませんか?! 無理ですか? 突然ですか? このままここに!」 女は立ち上がると、大きな声で男に言った。「哀れな私を拾ってくれるというのですね!?・・・こんな姿の私を?」 天井を見上げたかと思うと、男を真っ直ぐ見て突然笑い出した。やがて笑う女は暗涙に咽びながら、抱えてきた過去の陽炎を涙で消しはじめた。 原石がダイヤに変わる日を、男達は確信した。 続く(火曜日、未来線=銀河線)
2006/08/07
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photo by makobassさん 無分別な魂に射し込んできた光。まるで天の仕業。 導かれてやってきた扉を開ける・・・。そう、今更何の躊躇もなく・・・開ける。そして、一挙に広がる空間の灯りに包まれ、哀調を帯びた空気を感じる。 男が立っていた。暫く黙ったまま動かない。 左の小さな開口部からもう一人の男の上半身が突然の訪問者に戸惑う。「あのうー、面接は・・・面接時間はもう終わりましたが・・・」 恐る恐る男が言った。滴る髪の雫から直ぐに目を反らし、意識的に背筋を伸ばす様子を一瞬とどめた。「あのう、今・・・今何時でしょうか?・・」 息づかいさえ感じない、か細く切ない声、仄かなライトで解けてしまいそうな体、「すみません・・・たぶん私は・・・道に迷って、すみません」 口が利けることで戸惑いが去った男達が女の傍にやってきた。薄気味悪い、そうではない。 まるで無防備な幻にむしろ吸い込まれるような不思議な感覚に陥る。 どこか汚れの無い曲線、健気でひたむきな直線。 訳ありの女を見抜く事に長けている男は、ポケットから出したハンカチを差し出す。「雨の中を歩いて来たのですね?・・・」 女は何度か「すみません、」と呟きながら、しっとり濡れた髪を拭いた。ロングコートを脱ぐと直ぐに、足元がふらついた。「だいぶお疲れのようですね、さあ!・・ ここに掛けて」 鏡張りの壁、品良く並んだワインレッドのソファー、大理石の小ぶりのテーブル、大きなピアノ、孔雀の羽の先で多色を奏でる魅惑のライト。 空間の神秘にゆっくりと向けられていく瞳は、わずかにブルーで美しい。 やがて、白く細い指が楕円形のテーブルを撫ではじめる。「ここは、ここは何処ですか?・・」 涙で潤んだ瞳が何かを訴えるように、何かに助けを求めるように男を見上げていた。「はい・・、ここはクラブ紫音です・・紫の音、しおん、です・・」「紫音・・・」 続く (次回月曜夜 「陽炎」)
2006/08/06
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photo by pooh0529さん 小雨の中を彷徨い歩く....しっとり濡れた栗色の長い髪、まるで色のない顔、疲れたコート水を含んだ黒革のバック、折れそうなハイヒール。 夕暮れ時、街行く人の視線は雨より冷たい。時に振り返り、魂の抜けた女の背中を興味深くみる。 不気味な者を見るような眼差しとすれ違う。 獣を追うような視線、哀れな虚妄たち...冷笑する街。 モノトーンの夕暮れを、ただただ歩き続ける。 容赦ない雨が身体を痛めつけ、体温を奪っていく。 やがてコンクリートの壁にもたれかかる、薄汚れたワイン色の階段が視界をのさばる。 たぶん、ネオンの多くに付けられた空間の名がそこにあったに違いない。ふらふらと過去の余力で一歩を出す。 くびれた足首、パンプスの音は意思もなく吸収される。 上がる階段、下る階段。もし、ほんの少し体力という不必要なものが残っていたなら...だから、ふらふらと降りてゆく。 闇への狭い不思議な空間に脅えることもなく、一歩一歩幻覚を踏みしめる。目の前に立ちはだかる扉に、ほんの少し心が反応する。 「ここは...?」 続く (明日「たぶん、私は...」)
2006/08/05
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photo by kitakitune05-san 昨日はありがとうございました! 結果発表 携帯への返事含め 1位・・・・紫音 (紫苑も3人) 2位・・・・帆影 3位・・・・夕舞 以上でした。 風雅は、彼女達が店に出る前、立ち寄る喫茶店(ここで軽い食事を済ませることもあり) そして、頂いた発想は「タイトル」等で登場します。 感謝 各国別、愛のかたち ロシア製の小話 ( 落合信彦選集より ) 船が洋上で沈没し、男二人と女ひとりが無人島にたどり着いた。さて、三人はどうなったか? 三人がフランス人の場合・・・・仲良く3P(?) 三人がイタリア人の場合・・・・男二人が決闘を始め、勝った男が女と結ばれた。 三人がイギリス人の場合・・・・男同士が絡み合い、女は放っておかれた。 三人がロシア人の場合・・・・・二人の男はウォッカを飲み始め、潰れてしまった。 三人が日本人の場合・・・・・・二人の男はどうしてよいのかわからず、 東京の本社にFAXを送って指示を求めた。 人生80年 地球が誕生して、たいだい45億年だといわれています。その45億年のサイズから、私達の人生80年を見ると、たったの30秒だそうです。 人類が誕生してから長い歴史のなかで、繰り返されてきたそれぞれの人生。「出会う」ということは、自分の力だけでは成り立ちません・・・ 綾小路きみまろ 窓の外、青空に! 今日も45億分の30秒を大切にしよ! 次回土曜日夜 第5作 「紅さし指」・・・・でお会いしましょう。
2006/08/03
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投票 この言葉がふさわしいのか、募集ではなく・・まず下記をお読み下さい。~ 背景、昭和50年から51年。 都心からちょっと離れた市内(そこそこ知れた)~夜になると空に咲く星と共に、家路に向かう人、次第にカラフルに染まる煌びやかなネオンに消える人・・・大切な人に会いに心弾ませる人、様々。 「 クラブ 」・・・・部活じゃないクラブ。 今時のキャバクラとも、スナックとも違う。 銀座の高級クラブ・・この類。 その街でそこそこ「高級」 と言われるけれど、銀座にはかなり劣る。 ビルの地下に・・ イメージ材料はここまで。 乏しくて、尚、世代や性別などによってはピントこない方、ごめんなさい。 第5作 「紅さし指」~ はい! くすり指のことです。(親指ではなく) ここに出てくる店の名前、クラブ「 」 2週間以上、決めかねています。 下記から一つ、あなたが好きなものお選び下さい。 強制ではありませんので、直感で自由にどうぞ! 紫音 しおん 綺羅星 きらぼし 煌星 きらぼし 影桜 かげろう 風雅 ふうが 夕舞 ゆうまい 帆影 ほかげ 以上の中から。 フィクション。 (主人公のキャラは、いつものパターン?としても 成り行きということで、未だ話しの展開は私自身にも見えません!) ホステス主人公の他9人。 名前は決まっています。 ライバル店、サパークラブ(これがわかる方は?かな)等の店名にもなりますので 上位3つはしばしば登場。 フリーページ「書庫」にある過去の四つ。(簡単なあらすじだけ) どれ一つとして同じ類はありません。 なぜなら私はただの人 プロと違って、思い込みと勘違いと自由な発想で、、、締め切りがあるわけでもなく 書きたい時に書きたいものを書く・・・という感じ, ごめんなさい。 友人の何人かに、リクエストも頂きましたが・・それはまた次回に! 夏の夜、「紫輝」とは全く違った世界に、ほんの少し浸ることが出来たら・・ そんなあなたの為に、書こうと思います。 以上、よろしくお願いしますm(--)m 恵 香乙 ( 明日、風にふかれて..)
2006/08/02
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オフ会(no.2) 前回7.20は「恋慕繋がり?」と言うのか、「輪廻転生繋がり?」で東京にて。今回7.30は「長野繋がり、誕生日繋がり」で長野県長野市にてオフ会。 ツヨシ8、にゃんこのガリレオさん、お世話になりました。 東山魁夷館 魅せられた作品とタイトル「夕静寂」 初めて訪れた善光寺、快晴の中の活気 戸隠蕎麦の満足のため息 などなど、思い出いっぱい詰めて深夜帰宅 今夜、いただいたワイン「ナイアガラ」を! ちょっと試験 7月27日午後、渋谷。 西武百貨店付近、まずはこの人交差「スクランブル交差点」を久しぶりにとある会社のビル入り口、メール着信音「○○子さん! 四文字熟語出るかも?! 一般常識的な・・・」(えー! 10分前! 遅いよ~)エレベーター、シンドラーじゃないかな? なんて考える間もなく乗り込む。「漢字バトンでお世話になった、たくさん呼んだはずの四文字熟語、出てこない~えーと、、、虫食い問題って結局、知ってなきゃ埋められない。 どうしよう?安全運転、、春夏秋冬、、んー!こんなの出るわけ無いし焦るから、脳が働かない・・・入り口前に付いた。 5分前、覚悟!「そうだ!」 浮かんだ文字 「東西南北、、大穴的中!」、、ああ駄目。 開き直り・・・ 結局出題は「次の漢字の読み方と意味を・・・」最後まで頭を抱えた「杞憂」「杞憂」・・・・・・・・・たぶん「きゆう」 意味? 木に寄りかかって己を憂う事。 まんまだし。 帰宅。夕食後、二人の男達が言う。「その答えは、オフクロそのものだよな・・」「うんうん、そうだ・・」 また歯ブラシを口に入れたまま書棚へ。 右手は歯ブラシ、左手は辞書。「杞憂」とは、 「とりこし苦労のこと・・」 なーるほど、ちょっとあるかも。 明日、シリーズ「 風にふかれて..」にて皆様にちょっとお願いあり 恵 香乙
2006/08/01
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