海のアトリエ  別館(海のアルバム)

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2007年06月20日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
無事親に返して一安心した筈のカラちゃん。
しかし、騒動はまだ終わっていませんでした。
昨日個展最終日、早朝犬の散歩に行くとなんとカラちゃんが家の傍の上水にいます。
カティと私を見つけ、可愛く餌を頂戴のおねだり。
駄目だ、野生に返っていない~~~。
昨日親に会った直後は、やっぱりまだ放すのは早いかと心配になって連れ帰ろうかと手を出した私をつついて来たくせに、カラスはとても賢いのですが、恩知らずで計算高い、いわゆる悪賢いというタイプの賢さです。
同じ賢さでも犬とはぜんぜん違う種類の知能の高さで、面白いなあ。
仕方ない、家に帰るかとカラちゃんを背中に乗せて歩き出そうとしたら、カラちゃんは
「いやだ、ここに居る」の意思表示らしく上水の柵に飛び帰りました。

自由な野生のカラスとして、お母さんや兄弟の居る上水で暮らしたいけど、野生のカラスのスパルタ教育には慣れないカラちゃんは、餌は甘やかしてくれる人間のお母さんにもらいたいらしいのです。
カラスの親はわざと子を空腹にさせて餌欲しさに後を追って飛ぶようにしむけるのです。
私が育ててしまったからなあ、人間が育てるってそういう事なのだなあ。
近所の人が集まって来て立ち話になりました。
みんな赤ちゃんカラスを珍しがって眺めながら、「まだ飛べないのではないか」とか「餌をやらないと死んでしまうのではないか」「持って帰って育てた方が良いのじゃないか」と心配しています。
「親が傍に居るから大丈夫でしょう」と言ったものの私も不安。
なにせ、展覧会場に行ってしまうので一日カラちゃんを見守る事が出来ません。
ついつい、缶詰のキャットフードをやってしまいました。
これじゃ野生に帰れない?
・・・余計な事をした気がします。

さて、搬出時の夕方6時半頃、車でギャラリーに来てくれた娘が開口一番

と、慌てた様子なので、どきりとしました。
「猫にでもやられたの?」
「そんなじゃないけど、おまわりさんも巻き込んで大騒ぎで・・・」
「おまわりさん???」
「明日市役所の人にも来てもらうって」

何事かと思って娘に事情を聞くと、あまりに呑気な話なので、思わず笑ってしましました。
娘によると
「カラちゃんが高い木に登ってしまって降りられないので皆心配して大騒ぎしている」
と言うのです。
何でも、私がいない間、ご近所の人達はカラちゃんに冷蔵庫から豚肉を運んだり、ドッグフードを運んだり、スポイトで水を飲ませたりして代わる代わる世話をして、心配して可愛がってくれていたらしいのです。
ところがいつの間にか人の手の届かない木の枝の上に行ってしまい、カーカー鳴き続けている。
あんな所では餌もやれないのに、降りられないに違いない。
死んでしまうと皆で騒いでいると、
「どうしました?」と、町のおまわりさん登場。
おまわりさんも一緒になって心配してくれて、
「明日まだ降りて来ていなかったら、市役所の人を頼んで保護してもらいましょう」
と帰ったそうなのです。
娘は私の代わりに拾って放した事情を説明したり、
「拾ったものならちゃんと飛べるようになってから放せば良いものを、まだあんなに小さいのに放したりして無責任だ」との非難を受けたりして、ちょっと大変だったようなのです。

しかし、世話してくれていた方々、心配してくれたり、無責任だと怒っていた人も含めて、カラス一羽の為に集まってくれた方々のなんと心優しい事でしょう。
つくづく私の町は良い町だなあと思ってしまいました。

私は娘に言いました。
「大丈夫、カラちゃんは自分の羽で高い所まで飛んだのだから、降りて来られないのじゃなくて、降りたくないから来ないのよ。」
「降りたら、下で心配している善意の人達に捕まってしまうかもしれないじゃない。」
「カラちゃんがカーカー呼んでいるのは人間じゃなくカラスのお母さんの事なんだから、何も心配ないわよ。」

さて、そのカラちゃん今朝はどうしていたかというと、昨日の木にはもう姿がありませんでした。
良かったどこかへ飛んで行ったかなと思い散歩しているとカティと私を見つけて繁みから出て来ました。
あいかわらず餌頂戴ってか、
無視して歩いたら、
「カー、カー、カー」(頂戴、頂戴、頂戴)
と、付いて来ます。
駄目、人慣れし過ぎ。全然野生じゃ無い。
ここで心を鬼にしなきゃいけないと思いつつ、ついつい家から猫缶を持って来て与えてしまった駄目な私。
カラちゃんはお腹がいっぱいになるとそっぽを向いて繁みに隠れました。

もうやらないぞ、金輪際やらないぞと心に誓いながら、カラちゃんと別れました。
カラちゃん、明日はもう餌をねだりに来ないでね。
早く、兄弟達と飛べるようになってね。








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最終更新日  2007年06月20日 10時40分05秒
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