おしゃれ手紙

2018.02.17
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カテゴリ: 読書


幕開けを知らす拍子木の冴えた響き。
天からの合図を光乃は聞いた・・・。


上野の口入れ屋の周旋だった。
行徳の塩焚きの家に生れた光乃は、当代一の誉れ高い歌舞伎役者の
大所帯へ奉公にあがった。
昭和八年、実科女学校を出たての光乃、十八歳。
やがて、世渡り下手の不器用者、病癒えて舞台復帰後間もない
当家の長男、雪雄付きとなる。
使いに行った歌舞伎座の楽屋で耳にした、
幕開けを知らす拍子木の、鋭く冴えた響き。
天からの合図を、光乃は聞いた……。

せつない嫉妬のほむらに身を灼く光乃。
辛抱していればいつか花咲く日もくるかもしれない。
女中として仕えながら、端麗この上ない歌舞伎役者、
のちの十一代目松川玄十郎に寄せる献身と苦悶

朝日新聞朝刊で連載された新聞小説が話題になった。
1988年9月から1989年11月まで続いた宮尾登美子氏の小説『きのね』(新潮文庫)だ。
朝日新聞に連載され、夢中で読んだことをよく覚えている。

内容の細かいところまでは覚えていなかったので、この度、読んでみた。
主人公は、いろんな苦労をしてきた。
幼い頃、母親に捨てられ、継母との貧しい暮らしの主人公。
貧しい中でも、女学校に行けたのだが、そこでも、教材を買うお金がないなど、みじめな思いをしてきた。

女学校を出るとすぐ、口入れ屋に行き、そこから歌舞伎役者の家に奉公する。
なんと、ドラマチックと思うけれど、実話という。

十二代目の両親、現海老蔵のおじいちゃん、おばあちゃんである。

光乃の夫になる雪雄は、三人兄弟の長男。
1番目、雪雄は養子に行き、11代目團十郎、
次男は、松本家を継いだ。
三男は、尾上家の養子だという


このあたり、いかに、歌舞伎の家に男の子が大事かということがわかる。
また、次男は、松本家を継いだということは、
あの松本金太郎改め、市川染五郎 ■君の家だ!!

キリリと濃い眉、きりっと切れ長な目、色っぽい口元と12歳にして、完成された美少年!!!の染五郎君は、こういう家の子だったのだ。

そして、雪雄の子供の時の名前が、松本金太郎!!
染五郎君がついこの間まで、名乗っていた名前で、「高麗屋」だ!
タイトルの「きのね」とは「柝(き)」の音に由来する。

「きのね」モデル、十一代目市川團十郎の妻・堀越千代の人生が壮絶すぎる…
「きのね」まとめ
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Last updated  2018.02.17 10:40:47
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Re:きのね(上):歌舞伎(02/17)  
lighthouse777  さん
柝の音

柝(き)とは拍子木の事なのですね

小説を読んではいないのですが、厳しい世界における人間関係がドラマチックに繰り広げられる予感を秘めた絶妙なタイトルですね (2018.02.18 09:54:28)

Re[1]:きのね(上):歌舞伎(02/17)  
lighthouse777さんへ

しばらくぶりに読んでみました。
歌舞伎の家の歴史であり、歌舞伎の歴史であり
女の昭和史でもある素晴らしい内容です。
上下とあるのですが、一気によみました(^-^*)

歌舞伎の拍子木を聞くたびに、「きのね」を思い出します。
(^-^*) (2018.02.18 10:36:38)

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