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2021年NHK大河ドラマ 『青天を衝け』 の感想です。今回のドラマは漢詩を学んだ回でした。私は高校のときに漢文の勉強はテストをしのぐ程度にしかやらなかったので、返り点のついたのを読むことぐらいしかできません。まあドラマの中では、原文に日本語の訳がついていたので、漢字と現代語の訳を見比べればある程度は漢詩の意味がわかりました。でもこの時代の方々は、漢詩そのままで互いにやりとりしているのですよね。自分の思いを漢詩にできるし、漢詩を読んだり聞いたりしてちゃんと意味を理解しているから、スゴイなあと思ってしまいます。今でいうなら英語を読み書きして、英文で手紙を書くような感じでしょうか。いや、それでも私は自分の思うところをすらすらと英語にはできないし、英単語も熟語もかなり忘れているので調べながらでないと英文が読めません。今の時代のような義務教育なんかじゃなく、働きながらその合間に寸暇を惜しんで勉強をしてきた時代の人々の、学問に対する意識の高さを感じました。大河ドラマ館も2か所でオープンしています。※埼玉県深谷市 こちら ※東京都北区 こちら ※こちらも盛り上がっています ⇒ #青天を衝け ドラマ内のことが解説されてます #青天ナビ 剣の修行で江戸に旅立つことになった尾高長七郎(満島真之介さん)の送別会が開かれ、長七郎の兄・惇忠(田辺誠一さん)は漢詩で弟を送りました。太平の世となった江戸時代は文化が発展し、農民であっても学問が好きで学ぶ余裕がある者は勉学に励み、漢詩を習得していました。惇忠は長七郎に、家は自分が守り親孝行もする、名を高め世の中で大きな仕事をするのはお前の役目、だから心おきなく江戸で修行してこいと弟を激励しました。本当は自分も江戸に行って学問をしたかったけど、家のためにその思いは弟に託して。村の若者たちの期待を一身に受けて長七郎は江戸に旅立ちました。さて村にいる年ごろの若者たちの間ではそれぞれに縁談話が起こりました。渋沢喜作(高良健吾さん)のところにも縁談が来たけど喜作は実は千代のことが好きで、でも内心自分も千代に惹かれている渋沢栄一(吉沢 亮さん)は喜作の思いを気持ちよく応援することもできず、互いに言い合っているうちに取っ組み合いが。(笑)毎回どこかで始まるこの二人のわちゃわちゃは見てて楽しいです。安政4年(1857)、急逝した老中の阿部正弘に変わって堀田正睦が老中の座につき、幕府の中はハリスの要求を受け入れ開国をする方に動き出しました。しかし攘夷派筆頭の徳川斉昭(竹中直人さん)はこのことに怒り心頭で、堀田との間にたつ川路聖謨(平田 満さん)永井尚志(中村靖日さん)を激しく叱り飛ばしました。しかし斉昭は京の鷹司家に勝手に意見書を送っていて、そのせいで京の攘夷派が過激な行動をするようになっていました。一橋家に養子に行った慶喜は父・斉昭を強く諫め、公儀に詫び状を書くよう進言しました。徳川慶喜(草彅 剛さん)は事あるごとに小姓の平岡円四郎をはじめ周囲からは次の将軍になることを期待されて、内心うんざりしていました。そして正室に迎えた美賀君(川栄李奈さん)までそのことを自分に訊いてきて、慶喜は自分はその器ではないと答えますが、美賀君はそれは慶喜の建前だと感じていました。慶喜を次期将軍に推挙するため、橋本佐内は小姓の平岡円四郎に慶喜のふだんの言動や人柄を聞いて本にまとめ、越前の松平慶永(要 潤さん)はその本を添えて老中の堀田に慶喜を世継ぎとするよう建白書を提出しました。しかし篤君(上白石萌音さん)を御台に迎えたばかりの将軍の徳川家定(渡辺大知さん)は将軍継嗣問題には無感心で、しかももう20歳になって正室までいる慶喜を次期将軍にするために養子にするなど、考えるのも嫌なようでした。家定をうまく誘導して慶喜を後継者にするようにと薩摩の父・島津斉彬から言われている篤君ですが、うまくいきかけていると思うと家定の乳母の歌橋(峯村リエさん)が話に口出しをしてきて流れが変わります。篤君、苦戦しているようです。(変化する萌音ちゃんの表情が、可愛い)アメリカ総領事のハリスが将軍に謁見のため江戸城に向かうのを見た長七郎は怒りをあらわにしますが、それを見た真田範之助(板橋駿谷さん)は長七郎を尊王攘夷派の大橋訥庵が開く思誠塾に連れていきました。そこには長州藩や水戸藩などの藩士たちが集まり、訥庵の話をもっと聞きたいと思わず身を乗りだした長七郎でしたが、藩士たちから田舎者の百姓と馬鹿にされました。危うく斬り合いになりかけたのを訥庵が制し、訥庵は長七郎を気に入ったようでした。長七郎は江戸で剣と学問に励んでいますが、血洗島のほうでは藍売りの季節になり、今回は惇忠と栄一の二人で行くことになりました。この二人が一緒だと藍売りの仕事よりも読書や漢詩作りに熱中してしまいそうだと、父・市郎右衛門(小林 薫さん)は栄一にくぎを刺しておきました。小林薫さん、出番は少ないけどその場が落ち着くような、いい味だしています。藍売りに出た惇忠と栄一は、信州に向かうために険しい山道を抜けていました。でもひと息つくとすぐに筆を取り出し、その時の思いを漢詩にしたためています。惇忠兄ぃも栄一のそんな姿が嬉しそうです。「#青天ナビ」によるとこの漢詩は『#巡信記詩』にあるそうです。 ⇒ こちら 青天を衝く勢いで山に登り、頂上に達したときに栄一は太陽に手を伸ばして、自分の正直な思いと進みたい方向を確信したようでした。そして旅から戻ったら千代に求婚。しかし政の世界では井伊直弼が登場し、世の中が何か変わろうとしていました。当時は今のように地図もコンパスも登山に適した靴もなく、それでもこんな険しい山を超えて目的地までちゃんと移動していたのですね。地図のゼンリンさんが長野県佐久市にある詩碑を紹介してくれてます。 ⇒ こちら
March 30, 2021
今週の水曜日からスウェーデンのストックホルムで開催されているフィギュアスケート世界選手権。男子シングルの結果が出ました。今シーズンにシニアデビューして勢いに乗る鍵山優真選手はSPもフリーも会心の演技で2位の銀メダルに、SPトップ通過で金メダルが期待された羽生結弦選手は失速して3位の銅メダルに、そしてSPは6位スタートだった宇野昌磨選手は順位を上げて4位でした。金メダルこそ逃したけど、日本人選手が2・3・4位を占め、そして男子シングルも女子シングルと同じく、来年のオリンピックと世界選手権の3枠を確保しました。まあ優勝したアメリカのネイサン・チェンが高い難度をノーミスの演技で技術点はダントツで、芸術点もトップだったから、妥当な結果でしょう。もし羽生君が絶好調だったら・・とも思いますが、この大会での羽生君は実は持病の喘息の発作が出てしまって本調子ではなかったようです。羽生君の熱烈なファン看護師の方などがTVを見ていて、羽生君の呼吸の仕方や表情で異変に気付き、今日SNSでちょっと話題になっていました。試合に対しては言い訳をしない羽生君です。今はもう来期に向けて、自分はどんな演技をしたいか、何をするべきかを考えているところでしょう。それにしてもシニアデビューで銀メダルをとった鍵山君。全日本選手権の後の3カ月間、この世界選手権に向けて、元日本代表選手だったコーチのお父さんと猛練習を積んで、その成果が出たとのことでした。同年代の佐藤 駿君はジャンプに力強さを感じるのですが、鍵山君のジャンプは軽々とふわりと浮く感じで滑らかに着地するように見えます。鍵山君の憧れは昌磨君で、佐藤君の憧れは羽生君。二人とも今はまだ無邪気な高校生そのまんまです。でもやがては憧れの先輩のように、技と美を兼ね備えた見ていて飽きないスケートをしてくれるでしょう。そしてその昌磨君。フリーでは少しミスが出たけど、4分の演技時間があっという間に過ぎた感じの、惹きつけられる演技でした。演技が終わった直後はランビエールコーチの方を向いて嬉しそうにガッツポーズし、リンクサイドに戻ったらランビ先生ときゅ~っと固くハグ。ランビ先生との絆にさらに感動が深まった瞬間でした。コロナの影響で、開催はされたものの観客は無しという大会で、来年はどうなるのか全くわかりません。でもストックホルムに来た選手たちは戦ってそれぞれに得るものがあり、来年はまた素晴らしいフィギュアの世界を魅せてくれるでしょう。楽しみにしています。いささか季節外れな画像ですが、氷上の美しさにいちばん近いイメージにしました。女子シングルで銀メダルのロシアのトゥクタミシェワ選手。彼女は親日家だそうで、衣装の背中に日本語の『愛』の字がカットして縫製されていて、すごく素敵でした。
March 28, 2021
今週の水曜日からスウェーデンのストックホルムで開催されているフィギュアスケート世界選手権。日本が注目する男子シングルと女子シングルで、まずは女子シングルの結果が出ました。日本が期待した紀平梨花選手は演技がさえず残念ながら7位に、坂本花織選手は6位、そして宮原知子選手はどうしちゃったのか19位でした。ロシア勢は安定した強さで金銀銅を独占でした。4位以下と比べると、技術点は大きくリードし、そして幼い頃から叩き込まれたロシアバレエを基礎にした身体の柔軟性や見る者を惹きつける表現力が、やっぱ他と違うと思ってしまいます。それでも梨花さんと花織さんで、来年のオリンピックと世界選手権の3枠を確保しました。上位は逃したものの、まずはこの仕事をきっちりできてよかったと思っています。そして今夜は日本が、いや世界が注目する男子シングルのフリーで、総合の結果がでます。コロナの影響がまだ残る今大会は観客は無しでの開催です。しかし一昨日のTV放送を見ていたら、羽生君の演技のときに会場から小さく歓声が聞こえてきました。私はてっきり、大会の選手や関係者がリンクサイドで見ていて、思わず声が出たのかと思っていました。それが映像が観客席に切り替わったら、観客席には多くの出場選手とその関係者がいて、羽生君の演技に彼らが声を出していたのです。他のSNSで羽生君の演技と会場全体を撮った動画を見たのですが、羽生君のSPを世界から戦いに来たみんなが、歓声・手拍子・拍手でノリノリで観戦していました。羽生君の演技をスケート仲間たちが見たがっている。羽生君はスケート仲間たちから愛されている。そう思うと胸が熱くなって感動した瞬間でした。もちろん世界中のフィギュアスケートのファンが、この試合をTVの前で応援しながら見ていることでしょう。羽生君も昌磨君も世界にたくさんのファンがいます。SPの結果は、羽生結弦選手が首位、鍵山優真選手は2位、宇野昌磨選手は6位です。3人とも頑張れ!そしてまずは来年の3枠確保を。少し前の我が家の庭の様子です。スイセンが咲くと冬の終わりを感じ、ピンクの色を見ると春を感じます。2週間ほど前にスーパーで桃の木の鉢植えを見つけ、つい買ってしまいました。札には紅白の桃の花がついているのに、咲いたらピンク一色でした。でもまあ、綺麗だからこれで良しとしましょうか。桃の農園のようにあたり一面がピンクになる美しさにはかないませんが、家でささやかながら花見ができて、ささやかに満足しています。
March 27, 2021
2021年NHK大河ドラマ 『青天を衝け』 の感想です。この『青天を衝け』の脚本を書く大森美香氏。2015年のNHKの朝ドラ『あさが来た』で、私はこの方の名前を知りました。私の場合ふだん朝ドラは、最初のほうは見ているのですが、そのうち興味が薄れて見ることがなくなります。しかし『あさが来た』は最初にこれは面白い!と思ってから半年間、そのまま最後まで見届けたドラマでした。『あさが来た』で思ったのですがこの大森氏のドラマでは、主人公やその周りの人たちが困難になり、この先いったいどうなるのか?と思ったときに、これがあったか!と思うような感動するいい展開が何度かありました。思いがけないものを取り込んでくる大森氏だから、今作の『青天を衝け』でも何か入れてくるかなと思っていました。でもまさか主人公の渋沢栄一(吉沢 亮さん)と、これから激動の時代を共にしていく、現段階では雲の上の人の徳川慶喜(草彅 剛さん)が、偶然にこういう出会いをするとは!という感じでした。さすがだなあ~大森氏。大河ドラマ館も2か所でオープンしています。※埼玉県深谷市 こちら ※東京都北区 こちら ※こちらも盛り上がっています ⇒ #青天を衝け ドラマ内のことが解説されてます #青天ナビ 水戸藩の師である藤田東湖が亡くなり、尾高惇忠や弟の長七郎はこれからの時代をどう生きていけばいいのかと激しく落胆して悩んでいました。しかし渋沢栄一(吉沢 亮さん)と従兄弟の渋沢喜作(高良健吾さん)は、これから時代が変わる気がする、身分の低い自分たちにも何かできるのでは!と意気込んでいました。吉沢さんは以前『なつぞら』で、高良さんは『おひさま』と『花燃ゆ』で出演しているのを見ましたが、どちらもそのときはほとんど印象に残りませんでした。でも今作ではお二人とも、男っぽさ全開でイキイキしていて素敵です。徳川慶喜(草彅 剛さん)に小姓として仕える平岡円四郎(堤 真一さん)は、文武に秀で新しい時代の知識も持っていて人柄もよい慶喜にすっかり惚れ込んでいました。そんな円四郎は何かの折にはつい慶喜に次の将軍になって欲しいと言ってしまい、そのたびに慶喜は自分が心を許す円四郎までそんなことを言うのかと気が重くなりました。安政の大地震(1855)で江戸の町が壊滅し、そのため慶事は延期になっていました。各大名家の屋敷の普請も済んで落ち着いた頃、慶喜は京の一条家から美賀君を正室に迎え、また将軍・徳川家定の元には薩摩の島津家から篤君(上白石萌音さん)が輿入れすることになっていて、篤君は江戸の薩摩藩邸に入っていました。今作で上白石さんが演じる篤姫は、前の大河ドラマの『篤姫』の宮﨑あおいさんや『西郷どん』の北川景子さんとは全然違ったキャラクターになりそうです。美賀君(川栄李奈さん)を正室に迎えた慶喜ですが、まだ美賀君を愛おしく思えない慶喜は、これまでと変わらない日々を過ごしていました。そんな慶喜に美賀君は、義祖母にあたる徳信院(美村里江さん)と何かあるのではと邪推し、気を取り乱して暴れることもしばしばでした。 #青天ナビ によると、徳信院は義祖母といっても慶喜より7歳上なだけなので、もし美賀君が紫式部の「源氏物語」を読んでいたら、ちょっと年上の義理の~~とかで妄想が膨らんでしまうこともあるかもしれませんね。そしてこのころ開港した下田にアメリカ総領事のハリスがやってきて、日本と通商条約を結ぶまでは帰らないと、貿易を強く要求してきました。幕閣内では川路聖謨と岩瀬忠震は、貿易は国を富ませる見込みがあると考え、老中の阿部正弘も同じでいよいよ開国の時であると考えていました。しかし尊王攘夷派の徳川斉昭(竹中直人さん)は開国には絶対に反対で、阿部に激しく詰め寄り果ては朝廷に事の仔細を勝手に報告してしまいしました。父・斉昭の目に余る暴挙に徳川慶篤(中島 歩さん)と慶喜は父に、公儀の参与を辞退して隠居するよう進言していました。またこのころ、攘夷の機運と相まって庶民の間でも武芸が盛んになり、勝手に押しかけて他流試合をする道場破りも流行っていました。尾高のところにも真田範之助(板橋駿谷さん)が現れ、門人たちに勝負を挑みます。一番手に喜作が出てコテンパンに、二番手に栄一が出て木刀の次に力技で勝負するも柔術の心得もあった真田にやはりコテンパンに。最後に尾高長七郎が出て、やっと真田を負かすことができました。試合の後、尾高惇忠(田辺誠一さん)は真田を客人として迎え入れ酒を酌み交わしました。先日、会話の流れの中で惇忠の妹の千代から「お慕いしてます」と思わぬ告白を受けてしまった栄一は、あれから千代のことが気になってます。男たちはどこの道場でも、日の本の国の行く末を憂い自分たちの志を語ることに熱中していますが、そこへ千代が酒のお代わり持ってきて、真田は千代の美しさに一目ぼれ。栄一と実は千代が好きな喜作は真田の視線が気が気でなく、惇忠は皆に、長七郎(満島真之介さん)に勝った者にしか千代をやらないと釘をさしました。そして安政4年(1857)の年が明け、年賀の祝いで皆が集まりました。斉昭は江戸の屋敷から、二人の息子と共に天子様のいる京に向けて拝みます。そして義公(徳川光圀)以来、水戸家に引き継ぐ掟として、この先もし万一朝廷と幕府が敵対することが起こったら、水戸家は徳川宗家に背いても天子様に弓を引いてはならぬと、慶篤と慶喜に強く言い聞かせました。慶喜は近頃の父・斉昭に、老いと体調不良を感じていました。なので老中・阿部正弘(大谷亮平さん)には密かに、もし斉昭が辞職願をだしたら受理してもらうように頼んでいました。ただその阿部はハリスとの対応に追われ、薩摩の島津斉彬や越前の松平慶永からは慶喜を次期将軍にと矢の催促をされ、阿部自身も疲労の色が濃く出ていました。それでも阿部は、慶喜が将軍になって一緒に働く日がくるのを楽しみにしている、この国は新しく変わろうとしていると、慶喜に語りました。従兄弟の長七郎が江戸に出て剣の修行をすると聞いて、栄一は羨ましくてたまりませんでしたが、栄一には藍農家の仕事がありました。栄一が行商に出て森の中で小用を足そうとしたとき、そこへ遠乗りに出た慶喜の一行が。かなり身分の高そうなお侍で家臣が栄一に注意を促すけど、そんなこと言ったって・・。しかし慶喜は家臣を制して栄一のところに近寄ってきました。そして栄一と並んで自分も一緒に、でした。老中・阿部は外国との対応や日本の防備をどうするかなど、川路聖謨(平田 満さん)や堀田正睦(佐戸井けん太さん)らの話し合いなどで連日職務に追われていました。そして心身の疲労がついに限界を超え、阿部は倒れてしまいました。
March 23, 2021
昨年の9月に行った西尾城のご紹介です。前回の日記の続きになります。日本全国にはその昔、そこらじゅうにお城がありました。国宝のお城、全国でも知ってる人が多い名城と言われるお城、有名な武将がいたお城、・・etcあるいはそれほど有名じゃないし昭和以降に作った模擬天守だけどお城がある、天守はないけど石垣や堀は残る城跡はある、などなどいろいろな形があると思います。小学校の社会科で「郷土の学習」があるので、たいていの人は自分が生まれ育った場所にどんな歴史があったかを、少しは知っていると思います。三河の小京都と言われる西尾には、地元の方にとっては誇りとなる西尾城がありました。西尾市役所がHPで 西尾市歴史公園 について紹介しているので、内容がよくわかるかと思います。綺麗に整備された西尾市歴史公園の二之丸広場です。天守っぽく見えるのは本丸丑寅櫓で、右下の屋根のあるところは休憩所です。整備された天守台に上がってみました。天守台のいちばん奥から撮ったもので、けっこうな広さを感じます。画面の左中央に見えるのは昨年7月に復元された二之丸丑寅櫓です。西尾城全体の位置関係を示した案内板です。設置してまだ間がないので見やすくてきれいです。案内板の左側からもう一度、二之丸広場を眺めてみました。天守台の右端から眺めたところです。左側に見える建物は室内見学をしてお抹茶(有料)がいただける旧近衛邸で、右側の深く下がったところは堀の跡です堀の底に下りてみました。天守台の大きさはこれぐらいです。復元された高さは6mとなっています。パンフレットによると、石垣の復元には幡豆石を使用し、一部に発掘調査で見つかった天守台の石垣の石材を再利用しているとのことです。西尾城の新しいパンフレットです。イメージしやすい見やすいイラストに分かりやすい説明がついています。
March 21, 2021
昨年の9月ですが、愛知県西尾市で開催された歴史の講演会に行ってきて、「西尾城二之丸丑寅櫓完成記念講演会」に行ってきました ⇒ ⇒ こちら 、その折に撮った写真をまだUPしてませんでした。西尾城全体をもう少しきちんと撮ってからUPしようと思ってたのですが、同じ県内でも我が家から西尾市までは少々遠くてなかなか行けません。なのでとりあえずご紹介しようと思いUPしました。久しぶりに西尾城に行ってみたら、歴史公園の駐車場に突然、櫓が出現していました。これが2020年7月に復元された二之丸丑寅櫓です。二之丸丑寅櫓に入るところに案内板があります。案内板によると、土塀の長さは約50mで、高さは約2mとなっています。二之丸丑寅櫓は中に入って見学はできないので、入り口からちょっと覗いてみました。二之丸の丑寅(北東)の方向に建てられた櫓は、『西尾城郭覚書』などの資料を基に、愛知県産のヒノキとスギで復元されました。(案内板より)櫓の復元南北断面図もあります。講習会のときには資料で平面図もついてました。案内板によると、土塁の上の土塀は木造で、控え柱がある構造です。鉄砲狭間と矢狭間が2対1の割合で設けられ、途中に2箇所『屏風折れ』があります。土塀の内側からでは分かりにくいのですが、屛風折れとは敵を攻撃するために作られた三角の張り出しの部分です。撮ったときちょうど西日が狭間の奥に見えました。(この光が鉄砲の玉なら私は当たっているということですね)これが屛風折れです。二之丸丑寅櫓からは、平成8年(1996)に復元された 本丸丑寅櫓(天守っぽく見えるけど櫓)と 二の丸鍮石門 が見えます。これが二の丸の表門の鍮石門です。西尾城のパンフレットによると、古い図には鍮石門の字はなく玄関前門や中柵門となっていますが、大給松平藩主以降は鍮石門の文字が当てられていて、門のどこかに真鍮の飾りがあったかもしれない、となっています。
March 20, 2021
2021年NHK大河ドラマ 『青天を衝け』 の感想です。今回で印象に残った話の一つは、吉沢 亮さん演じる渋沢栄一が、人の弱みに付け込み人々を惑わし金儲けをするニセ修験者たちを追い返した話でした。当時は現代のような精神医学も科学も発達していなくて、簡単に説明のつかないことには祟りだ憑き物だ等言われて人々から恐れられていました。栄一の姉・なかが破談から激しく落ち込んだときも、単に破談になったからと考える人もいたかもしれません。しかし世の中が不安定で多くの人々が知識が不十分だったので、霊的なことを語る者に人々は振り回されました。しかし栄一は小さい頃から「三字経」を覚えてすらすら言えるほど学問が大好きな子で、藍農家の仕事のかたわら本を読みあさっていました。その歴史の知識と、思うことを黙っていられない性格が、インチキ修験者を追い返したという痛快な話でした。そしてもう一つは、徳川斉昭が率いる水戸藩。幕末の動乱期の水戸藩は内部の対立が激化し、この先はそれが原因でどんどんと悲劇が起こっていきます。このドラマを見ていると、気性の激しい水戸斉昭がいて、斉昭に唯一モノが言えて他との調停役ができた藤田東湖が天災で亡くなって、藩士たちも直情径行になっていったのでは?と思ってしまいます。大河ドラマ館も2か所でオープンしています。※埼玉県深谷市 こちら ※東京都北区 こちら ※こちらも盛り上がっています ⇒ #青天を衝け ドラマ内のことが解説されてます #青天ナビ 御用金の一件で代官から受けた仕打ちに怒りが収まらない渋沢栄一(吉沢 亮さん)は従兄弟の尾高惇忠(田辺誠一さん)に思いを打ち明けました。その折に惇忠から読むように渡された本には、清国がエゲレスに戦で敗れた様が描かれていて、夜寝るのも忘れて夢中になって読みふけった本の内容を道場で渋沢喜作(高良健吾さん)らに話して聞かせていました。惇忠の妹の千代(橋本 愛さん)が油売りから帰ってきたので本の話をしたとき、栄一はふと惇忠が言っていた「このままでは日の本も清国と同じようなことになる」という話を思い出しました。しかし栄一の今目の前にあることは日の本の国のことではなく実姉のなかの精神状態で、迷信に振り回される伯父と叔母がなかの縁談を反対し、ついには破談となりました。悲しみにくれる姉なかの様子を栄一は遠巻きに見守る日々でしたが、あるとき千代が「強く見える者ほど弱い、弱き者とて強いところもある、人は一面ではない」と。現代のように事象を科学で証明できなかった当時、黒船の来航による疫病の流行で不安になった人々は、悪疫退散になると聞かされると餅でも絵札でも修験者でもなんでも、先を争って求めました。幕府は日米和親条約(1854)を締結した後、ロシア・イギリス・オランダとも同様の条約を結ぶことになり、尊王攘夷思想が強い徳川斉昭(竹中直人さん)は各条約を結んだ老中の阿部正弘(大谷亮平さん)に激しく抗議していました。阿部はたとえ開国しても日の本が列強の隷属国とならぬよう腐心していましたがそれは斉昭には理解されず、そんな折にロシアの船が下田沖で転覆したとの報が入りました。ロシア船の転覆を斉昭は神風が吹いた、500人のロシア人を皆殺しにせよと喜びますが、老中の阿部は天災に遭った者に非道なことすれば世界から非難されそれを口実に日の本が攻められると強く主張、しかし斉昭の暴言は止まらず両者が対立しました。斉昭の側近の藤田東湖(渡辺いっけいさん)が場をとりなし、阿部が去った後で藤田は斉昭に、ロシア人にも国には親や友がいる、誰しもかけがえのない者を天災で失うことは耐えがたきこと、今は日の本の誇りを守ることが肝要と進言し、強く諫めました。下田では勘定奉行の川路聖謨の指揮のもと森山栄之助(安部康二郎さん)や村民らが必死に、海岸に流れ着いた船員の救助にあたっていました。外国船が遭難して地元民が救助や弔いに奔走した話は、明治時代に和歌山沖でトルコ船が沈没したときのエルトゥールル号遭難事件(1890)は知っていましたが、江戸時代でも同様のことがあったのですね。主君・斉昭と老中・阿部の間を取り持ったり、薩摩の西郷吉之助や越前の橋本佐内ら客人の対応に疲れ果てて藤田東湖が帰宅すると、家には徳川慶喜が来ていました。慶喜は異敵に対する実父・斉昭の激し過ぎる言動を心配していましたが、藤田の斉昭と阿部の双方の立場や考えを尊重した意見を聞いて、慶喜は安心しました。そんな藤田の話を別室で聞いていた慶喜の小姓の平岡円四郎(堤 真一さん)は、諍臣とはかくあるべきかと思い、藤田の息子の小四郎(藤原季節さん)につぶやいていました。父・市郎右衛門がなかを連れて藍玉の集金に出かけたある日、伯母のまさ(朝加真由美さん)が栄一の家に修験者の一行を勝手に連れ込み、村人たちも一緒に入ってきました。なかが何かにとりつかれていると思いこむまさでしたが、修験者のやっていることが何かおかしいと思った栄一が途中で質問をしてやると修験者たちはでたらめな回答を。嘘を見破った栄一はニセ修験者の一行を家から追い払いました。自分が納得がいかないと場をわきまえずすぐに口をはさむ栄一は時には困ったものでしたが、このときは栄一の博識と達者な口が功を奏しました。藍玉の集金から早めに戻っていて騒動の成り行きを見守っていた父・渋沢市郎右衛門(小林 薫さん)は、息子・栄一の成長が嬉しそうでした。幼い頃から父が大好きだったなか(村川絵梨さん)は、父の優しさや栄一の「姉さまはそんなに弱くない」の言葉に吹っ切れて、いつも通りの元気を取り戻しました。そして秋も深まった11月、江戸を大地震が襲いました。(安政江戸地震:1855年)両親を案じて急ぎ江戸の水戸藩邸に駆けつけた徳川慶喜(草彅 剛さん)は、壊滅状態になった屋敷の中で必死に両親を探し、無事が確認できて安堵しました。しかし父・斉昭は藤田東湖の安否がわからず、幾度も東湖の名を呼んで探していました。ようやく見つけたとき、倒れた建物の下敷きとなった東湖はすでに絶命していました。自分という人間を誰よりも理解し、自分が間違っているときには唯一諫めてくれた大切な友であった東湖が天災で逝ってしまったのです。ロシア船が遭難したとき「誰しもかけがえのない者を天災で失うことは耐えがたきこと」と自分を諫めてくれた東湖の言葉が斉昭の胸の中で響きました。
March 16, 2021
愛知県犬山市にある 博物館明治村 。ここは日本史の近現代史が好きな人にとってはワクワクする場所ですが、特に歴史に興味がなくても、現代では見られない珍しい建物が集まっているので、行ってみるだけでもそれなりに楽しめる場所です。今回UPしたのは村内の5丁目にある 大明寺聖パウロ教会堂 で、1丁目の西郷從道邸や5丁目の聖ザビエル天主堂などと比べるとインパクトとしては弱いのですが、戦前の時代を描くTVドラマで教会のシーンがあると、撮影でさりげなく使われているようです。明治村の北側の駐車場から入って通路を抜けると、5丁目の帝国ホテルに出ます。多くの人はその後、右手に目に入る監獄所のほうに行き、そのまま池の橋を渡って4丁目に行ってしまうのですが、池を左手に行き坂を上がっていくとこの大明寺聖パウロ教会堂になります。中に入るとアーチの天井になっています。上記リンクによると「堂内が窮屈になるため一本おきに柱頭飾りから下の柱を取り払っている、これは木造だからできること」とあります。柱を取り払ったアーチの先端には柱頭飾りがあります。正面の奥には神に祈りを捧げる祭壇があります。現代の世界で観光名所になっている大聖堂に見るような色彩の華やかさはありません。祭壇の向かって左手には小さなキリスト像があります。祭壇の向かって右手には、上記リンクによると「1858年、フランスのピレネー山麓のルルドにある洞窟で聖母マリアが出現するという奇跡が起こり、それにあやかった洞窟の再現」とあります。この建物は明治の初めに長崎の小さな町で、まだキリスト教禁制の影響を受けながら建てられたものなので、外観は普通の農家のようです。(上記リンクより)しかし祭壇の仕切りには、地味ながら手の込んだ装飾がほどこされています。ここは4丁目の名古屋衛戍病院に向かうスロープです。明治村には階段が使えない人のために各所にスロープが設置されています。しかし村内は広くてアップダウンの多い坂が多いので、歩くのがキツイ方は村内を走るSL・市電・村内バス(各・有料)をできるだけ利用するほうがいいです。
March 13, 2021
2021年NHK大河ドラマ 『青天を衝け』 の感想です。私はこれまで幕末のドラマを見てきた中で、徳川慶喜という人物に対しては、戊辰戦争で大坂城から逃げた面がどうしても印象に残り、あまり好感が持てない人物でした。しかし今作では、草彅 剛さん演じる徳川慶喜が、聡明で思いやりのある若者に描かれ、草彅さんも見事にそれを演じていて、視聴者からの評判も上々であります。描き方と役者が変わるとこうも印象が変わるのか。渋沢栄一がまだ世に出る前の時代なので、今は草彅さん演じる慶喜と、ペリー来航で揺れる幕閣の人々を演じる役者さんたちがドラマの中心でもいいかなと思いながらドラマの展開を楽しんでいます。大河ドラマ館も2か所でオープンしています。※埼玉県深谷市 こちら ※東京都北区 こちら ※こちらも盛り上がっています ⇒ #青天を衝け ドラマ内のことが解説されてます #青天ナビ 嘉永6年(1853)6月、アメリカのペリーが4隻の軍艦を率いて浦賀に来航し、農業のかたわら従兄弟の尾高惇忠(田辺誠一さん)の元で学ぶ渋沢栄一(吉沢 亮さん)は同じ従兄弟の渋沢喜作らと共に、日本のこれからのありかた等を論じ合っていました。惇忠は日の本が古来より持つ誇りや尊厳は決して異国に奪われてはならないと強く説き、広い世の中のことが知りたくてたまらない栄一は時を忘れて尾高家の書を読みふけっていたり、惇忠と語り合ったりしていました。江戸幕府では、老中の阿部正弘(大谷亮平さん)がペリーが戻ってきたときにどう対処すべきかを諸大名たちに広く意見を求めたため、意見書は700以上も集まりました。水戸斉昭をはじめ大方の意見は通商反対でしたが、福岡藩藩主の黒田長溥と砲術家の高島秋帆だけは異国と交易をと意見しました。考えた末、阿部正弘は江戸湾に面した台場に砲台をいくつも設置して備えました。さて、一橋家の当主とはいえ一回りも年若い徳川慶喜(草彅 剛さん)の小姓として仕えることになった平岡円四郎(堤 真一さん)でしたが、旗本の四男坊で長屋住まいの円四郎は大名家の作法など全く知らず、慶喜の前で困惑していました。そんな円四郎を慶喜は見下したりなどせず少しずつ作法を教えていきました。そして慶喜は、食べる前にご飯を少し農人形にお供えをし、「米の一粒一粒は民の辛苦であるゆえ、食するごとにそれを忘れぬよう」という父・斉昭の教えを守っていました。給仕の作法と心得をはじめ円四郎の知らないことは何でも嫌味一つ言わずいつも優しく教えてくれる慶喜の人柄に、円四郎はすっかり惚れ込んでしまいました。慶喜は最初に円四郎に、自分に少しでも驕りや過ちがあればいさめる諍臣になって欲しいと言う、謙虚で聡明な若者でした。そんな慶喜にいずれ将軍になって欲しい、そうなったときには全身全霊で仕えると、越前藩主の松平慶永などは密かに期待を寄せていました。ただ慶喜も一橋家ではひたすら自分を抑えているのでしょうか。水戸家の実母・吉子(原 日出子さん)が訪ねてきたときは部屋から駆け出して母を出迎え、一橋家ではめったに見せない心からの笑みを見せる17歳の少年に戻っていました。藍のこともひと段落した暮れ、血洗島では藍農家をねぎらう宴会が開かれました。伯父・渋沢宗助と父・市郎右衛門に頼み込んで宴会の仕切りを任せてもらった栄一は、席を年功序列ではなく今年の藍の出来具合に応じて決め、しかも相撲の番付に倣った成績発表までしてしまいました。下座に座らされ、最高だった権兵衛を褒めまくる栄一に長老の角兵衛(渡辺 哲さん)はだんだん不機嫌になっていき、角兵衛の顔色に周囲もハラハラしていました。栄一の率直過ぎるやり方と言い方は、角兵衛の誇りを傷つける部分もありました。栄一や喜作のやり方を見かねた宗助が栄一をたしなめたとき角兵衛がすっと立ち上がり、権兵衛(永野宗典さん)に近寄っていき、あわや大事になるかと皆は緊張しました。しかし角兵衛は権兵衛にどこで肥料を買ったかを尋ねただけで、来年は自分が番付の大関になってやると皆に宣言し、緊張が解けた場は一気に盛り上がりました。武州藍を日本一にしたいからここの皆で高め合っていこうという栄一の思いを権兵衛は理解してくれたのです。(権兵衛がいい人でよかったと、視聴者もホッと安心でした)栄一は商売が楽しくて、どうやったら皆が豊かになるかという思いでいっぱいでした。さて渋沢喜作(高良健吾さん)が外に出たらちょうど従姉妹の尾高千代(橋本 愛さん)が油売りから帰ってきました。喜作は千代が背負っていた荷を持ってやり、この頃はいろんな名目でお上からの御用金の言いつけが増えたこととかを千代に語っていました。千代を密かに思う喜作は、自分が精進して金持ちになってやると千代に誓いますが、喜作のことを特別思っていない千代には残念ながら響いていないようでした。そして年があけた嘉永7年(1854)、冬の荒れた海をものともせずにペリーが7隻の艦隊を率いて再び日本にやってきました。艦から江戸の様子を眺めたとき海岸には大砲が海に向けていくつも並び、数カ月のうちにこれらを用意する日本に対し、ペリーは警戒感を強めました。しかしもっと慌てて相手を恐れていたのは日本の江戸幕府のほうでした。幕閣の堀田正睦や井伊直弼はペリーの要求に応じて開国を主張しますが、水戸斉昭は返答するのはまだ早いと開国には断固反対でした。そんな論議をしていたときに突如、遠くから轟くような音が。いよいよメリケンが戦を仕掛けてきたのかと思ったら実はワシントン生誕を祝う祝砲で、これを聞いた井伊はやはり開国だと主張します。しかし開国反対の斉昭は異国を打ち払えと主張し、両者は真向から意見が対立しました。老中の阿部正弘は迷った末、日米和親条約(1854年)を締結しました。このことは政と国の行く末を憂う庶民の思いを強くし、尾高惇忠は異国は打ち払うべきである、自分たち庶民も水戸の教えを学び何ができるのかを思案すべしと激しく主張。弟の長七郎は兄の考えに強く影響されるようになっていきました。一方、藍農家の仕事が楽しくて仕方ない栄一は、父の代理で岡部の陣屋に行きました。しかし代官から大金の御用金を言い渡されたとき、その物言いや考え方に納得がいかず正論で反論しましたが、あわや無礼打ちになりかけ伯父の宗助が必死にとりなしました。藍農家の苦労を知る栄一だからこその反論でしたが、それはどうにもならないことと父・市郎右衛門に諭され、翌日御用金を陣屋に届けました。この金が持つ意味を代官にせめて聞いてほしいと思った栄一でしたが、そんなことは武士たちにはどうでもいいことであり、栄一は怒りと悔しさでいっぱいになりました。
March 9, 2021
以前どこかでふと目にした小話で、 “18歳と81歳の違い” というタイトルの文章がありました。内容に大笑いしつつ感心して、これはいったい何かと思ったら、日本テレビの人気長寿番組である 『笑点』 の大喜利コーナーで、2015年にお題になったものということでした。各所でネタになっているので私もUPしてみました。・道路を暴走するのが18歳、道路を逆走するのが81歳・心がもろいのが18歳、骨がもろいのが81歳・偏差値が気になるのが18歳、血糖値が気になるのが81歳・受験戦争を戦っているのが18歳 アメリカと戦ったのが81歳・恋に溺れるのが18歳、風呂で溺れるのが81歳・まだ何も知らない18歳、もう何も覚えていない81歳・東京オリンピックに出たいと思うのが18歳、 東京オリンピックまで生きたいと思うのが81歳・自分探しの旅をしているのが18歳、 出掛けたまま分からなくなって 皆が探しているのが81歳・「嵐」というと、松本潤を思い出すのが18才、 鞍馬天狗の嵐寛寿郎を思い出すのが81才検索したら、ここまでがどうやらTVで師匠たちが回答したもののようで、でも他にも誰かが作った回答もいくつかUPされていました。・友達が増えるのが18歳、友達が減るのが81歳・朝早く起きて「行ってくる」という18歳、 朝早く起きて「生きている」という81歳・ドキドキが止まらないのが18歳、動悸が止まらないのが81歳・恋で胸を詰まらせる18歳、餅で喉を詰まらせる81歳 ・乾杯で始まるのが18歳。黙祷で始まるのが81歳どれも楽しい作品ばかりです。まあ中には、ちょっと言い過ぎ? オイオイ ( ;´゚∀゚`)っ))みたいなのもあるかもしれませんが、若い頃の過去の自分を振り返って、そしていずれその歳になればそうなのかなと思えるものだと思っています。私も実家の母がこの世代で、今は入院中で週に3~4日、名古屋を往復しています。買い物やら手続きやらで車で走り回り、時間があっという間に過ぎていきます。人間は老いると思考が狭くなってこうなるのかなと思いつつ、まあこれも人によってはでしょうが、親の介護は精神的な疲労が大きいものなのかなと感じています。名古屋から戻るとドッと疲れて何もできなくなる私を癒してくれるメンバーですホットカーペット(1畳用)の上の敷物を1枚のラグにすれば統一感があって綺麗なのですが、ニャンズが戻したときにすぐに洗えるよう、バラバラにしてあります。1年半前に我が家に来たときは、ガリガリに痩せて小汚いかったスモモちゃん(手前)ですが、今ではすっかりふくよかなお嬢さんになりました
March 6, 2021
2021年NHK大河ドラマ 『青天を衝け』 の感想です。吉沢 亮さん演じる渋沢栄一の物語は、まだ10代で父に付き従って農家をやっているところですが、家が藍農家というこもあり、私はふとことわざの 『青は藍より出でて藍より青し:弟子が師匠の学識や技量を越えること』 を思い出しました。まあたまたま藍がキーワード的に引っかかっただけですが、明治の世になって父・市郎右衛門をはるかに超えた実業家となっていく栄一なので、その言葉が頭に浮かびました。その実業家の基礎となる時代が、この少年期における父と母の教えにあるのだと、ドラマ内で感じています。そして栄一とは性格や環境など、あらゆることで比較対象の形で登場する徳川慶喜@草彅 剛さんが面白い存在です。思ったことを場所柄をわきまえずすぐ口に出し、喜怒哀楽も自由に思いっきり表現する栄一に対し、一橋家の養子という身分の上でも人前では思うまま口に出せず、気持ちを顔に出すこともできない慶喜です。難しい環境にいて、難しい時代を生きていく慶喜です。そんな慶喜を草彅さんが想像以上に見事に表現しています。草彅さんの演技から目が離せません。大河ドラマ館も2か所でオープンしています。※埼玉県深谷市 こちら ※東京都北区 こちら ※こちらも盛り上がっています ⇒ #青天を衝け ドラマ内のことが解説されてます #青天ナビ 今回のオープニングは「こんばんは。徳川家康です。」じゃなくて、渋沢家が大勢で慌ただしく朝食をとっているシーンからでした。藍の葉を収穫した後に始まる「すくも」作りの様子を紹介で、渋沢市郎右衛門(小林 薫さん)の指示のもと栄一(吉沢 亮さん)や作男たちが懸命に働いていました。現代なら、藍の葉から色を取り出すために酵素とか微生物とかの発酵を利用して~等わかりますが、この時代は昔より受け継がれてきた経験と勘で作ってたのですよね。そのころアメリカ海軍の東インド艦隊は香港に到着していました。香港の港にはためくヨーロッパ各国の旗を見た指令長官のマシュー・ペリー(モーリー・ロバートソンさん)は、東アジアでの権益では太平洋を渡ってくるアメリカがヨーロッパよりも優位に立ってやると意気込んでいました。さて尾高家では、惇忠(田辺誠一さん)は清国で起こったアヘン戦争のことを知り、これからの日本に対して危機感を抱き憂いていました。そこへ妹の千代(橋本 愛さん)が来て、惇忠が皆に教えている論語の一節の意味を質問しましたが、当時は女子に学問は必要ないと考えられていたため、惇忠の講義を陰で聴いていたのかと兄・長七郎や母・やへにたしなめられました。しかし惇忠は千代の熱意を理解し、これからは千代にも時々教えると言ってくれました。一方、栄一は父と一緒に商いで江戸に来ていました。100万人都市の江戸の日常の賑わいは栄一が思わず「今日は祭りか?」と思うほどで、見るもの聞くもの全てが栄一にとって新鮮で興味深くて刺激的でした。そして江戸の町が商いとそれに関わる人々で成り立っているのを見て、皆が生き生きとしていて、栄一は嬉しくなりました。嘉永6年(1853)6月、ペリーが率いる東インド艦隊の船が4隻、浦賀(現、神奈川県横須賀市)に来航し、黒煙をはきながら沖に浮かぶ大きな船に人々は仰天しました。この一大事はすぐに瓦版で全国に広まり、伝え聞く話に栄一や従兄弟の喜作ら若者は内心は不安よりも興味のほうが勝っていました。夷敵の恐ろしさが想像できる尾高惇忠は、清国のようにならないためにも今こそ人心を一つにして戦わかねればと、思いを弟・長七郎に語りました。そして、かつての軍事訓練を理由に隠居させられていた水戸藩主の徳川斉昭でしたが、ペリー来航に対して外国船を追い払えるよう大砲を何門も幕府に献上しました。斉昭の強気の姿勢に世間の人気は高まり、ついには隠居処分を解かれ、海防参与という役を与えられ、側近の藤田東湖とともに喜びを分かち合いました。ペリー来航によって日本国内では攘夷の考えが強まり、岡部藩の獄につながれていた砲術家の高島秋帆(玉木 宏さん)は罪を許され江戸に戻ることになりました。罪人として藤籠に入れられてこの地に来たときとはまるで別人の、身なりを整えて馬に乗って進む高島が栄一の目の前を通ったとき、栄一はつい声をかけてしまいました。高島は栄一に「自分はこの先すべての時を日の本を守るために尽くし励む。お前も励め。頼んだぞ。」と言葉を残して去っていきました。しかしそのころ栄一が住む血洗島では、大切な藍の葉の大半が虫に食われてしまうという大変なことが起こっていて、無事な藍葉だけではとうてい足りず、父・市郎右衛門は信州や上州に買い付けに行くことに。栄一も一緒に行くと言いましたが自分を当てにしてもらえず、残念がっていました。ところがこちら一橋家では、水戸家から養子に入った徳川慶喜(草彅 剛さん)が周囲から勝手にいずれ将軍になると当てにされていて、面倒がって困っていました。慶喜は自分を将軍にして傀儡したいという父・徳川斉昭の野望を見抜いていたのです。藍葉の買い付けにどうしても自分が行きたい栄一は、母・ゑいに頼み込み、ゑいも最後は栄一の熱意を認め、取っておいたお金を父に内緒で渡してくれました。父の仕事をずっとそばで見てきた栄一は、精力的に村の藍農家を回り、きちんと藍葉を調べて値をつけ買う量を決め、肥料がなくて良い藍葉を作れない農家には来年の収穫を約束して肥料代をだしてやるという、双方が利になる素晴らしい仕事ぶりでした。いい仕事ができたと意気揚々と帰宅した栄一でしたが、それから買った藍葉が次々と運ばれてくると、父・市郎右衛門は自分がいない間に勝手に買ってしまい、しかも値を奮発し過ぎだと、最初は渋い表情でした。でも最後は、いい肥しを買ってその農家が来年いい葉を作ればそれでいい、よくやった、と栄一を褒めてくれ、父に認めてもらえた嬉しさで栄一は喜びを爆発させていました。そして商いの楽しさを覚えた栄一は、この国のためにも励むことを誓っていました。外国船が日本に近づいていて世の流れを変えるためにも、御三卿の一橋家を相続した実子の徳川慶喜に期待をかける徳川斉昭でしたが、慶喜は思うように動きません。そこで平岡円四郎を慶喜の小姓とすべく川路聖謨を遣わし、平岡を説得していました。胸の内を誰にも語らない慶喜は、一人静かに弓の稽古をしていました。
March 2, 2021
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