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2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。このドラマも3回目となりましたが、小栗 旬さん演じる主人公の北条義時は、まだ存在自体は地味なままです。(逆に主人公だからと必要以上に出させないのがいい)でも地味なりに、義時という人物を表す場面が出ています。種もみの貸付を木簡に記録しておく実務能力にたけた面や、国衙に行ったときに木簡のある場所を偶然目にしていて、それが事を進めるにあたって必要な記録だと気が付いたら密かに国衙に忍び込んで調べてくる大胆さと緻密さなど、まだ出番は少ないけど義時の人物像がよくわかります。そして義時と共にいるのは、頼朝の本心が発する言葉とは裏腹にあることを見抜き、誰よりも頼朝に強く進言できる頼朝の妻である姉の政子(小池栄子さん)。面倒な展開になるとその後のことはすぐに弟に丸投げして仕事を増やす兄・宗時(片岡愛之助さん)だけど、宗時は困った人がいたら見捨てておけない性分で、助けた人が巡り巡って良い因果をもたらすようです。そして「よくわからない」と言いつつ一度引き受けたからには最後まで面倒をみる性分であり、ここぞと言う場面で武士の誇りと北条家の棟梁たる強さと太さを見せてくれる父・時政(坂東彌十郎さん)。これから源 頼朝(大泉 洋さん)を武士の棟梁として支え、武家社会を作っていく北条ファミリーの基礎があるように感じています。そして今回のラストで、頼朝がどくろを手に挙兵の決意を語るシーンで流れた音楽が感動でした。新しい時代が動き出す予感がする勇壮な音楽です。日本の侍の物語なのに、西洋人のエバン・コールさんがそれにふさわしい音楽を作り上げてしまうとは。ドラマのサントラ盤が出たら是非買いたいと思ってます。こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館、伊豆の国市ではオープンしました ⇒ ⇒ こちら 鎌倉市の大河ドラマ館は現在準備中で、鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 治承3年(1179)平清盛は後白河法皇を幽閉し、翌年に自分の孫となる1歳3か月の安徳天皇を即位させました。また伊豆の北条家では源頼朝と結婚した北条政子が大姫を産み、頼朝と引き離された伊東祐親の娘・八重は伊東家の下人の江間次郎に嫁ぎ、北条家とは狩野川を挟んだ向かいの粗末な館に住んでいました。八重の住む方向を眺めながら北条義時(小栗 旬さん)と三浦義村(山本耕史さん)はそれぞれに思いを馳せますが、この位置関係では、もう北条家は伊東家に監視されているようなものだと思いました。父である後白河法皇を平清盛によって幽閉された以仁王(木村 昴さん)は、平家の世を正すために6月に挙兵することを決意し、諸国の源氏も挙兵するよう令旨を出しました。伊豆の頼朝のもとには頼朝の叔父の源行家が使者としてきました。しかし以仁王の下で大将軍となる源頼政では人はついてこないと考えた頼朝は、自分は挙兵はしないと北条家の皆に伝えました。もとは京の公家で京のことに詳しいりく(宮沢りえさん)は夫の北条時政(坂東彌十郎さん)に、この企ては失敗すると予想します。挙兵しないと判断した頼朝を時政は褒めますが、そんな夫をりくは頼朝と共にいずれは出世するよう𠮟咤激励し、愛しい妻の言葉に時政はデレデレに。(時政さん、完全に癒し系ですね)北条館の源頼朝の元には朝廷の下級役人の三善康信から都の情勢が知らされていて、6月2日に京より2通の文が届きました。1通目は5月22日、2通目は5月26日の日付で、1通目には以仁王のが予定を早めて挙兵し、平家側にいた源頼政(品川 徹さん)が以仁王について軍勢が勢いづいたことが、しかし2通目には以仁王の謀反があっという間に鎮められ、頼政は宇治の平等院で自害し以仁王も奈良に逃げる途中で落命したと書かれていました。(品川徹さん、現在86歳、ドラマ用の軽い甲冑とはいえこの装束での演技です。)大番役の務めを終えた大庭景親が京から領地の相模に戻ってきていて、戦死した源頼政の後に平時忠が国主となることや、伊豆に逃げた頼政の縁者を捕らえるように命じられたことなどを伊東祐親に語っていました。景親は北条家にいる源頼朝はいずれ処刑されるであろうと予想していて、北条家にいる自分と血縁のつながった孫たちが不憫な祐親は、娘婿の北条時政(坂東彌十郎さん)に、北条が生き残るために頼朝とは一日も早く縁を切るよう強く言いました。しかし時政にはその考えはなく「武士として、一度お守りすると決めたからには死なばもろとも。」と宗時と義時の二人の息子にはっきりと言いました。とはいえ新しい目代の平兼隆と波風を立ててはいけないので、時政は挨拶をするために義時を連れて伊豆の国衙に出向きました。治承4年(1180)のこの年は歴史的な異常気象が起こり、人々が飢饉の不安におびえるほど作物がとれなかったのですが、時政は上出来の野菜を手土産に持参して堤 信遠に取り継ぎを願いました。しかし堤は源氏をかくまう北条家を嫌って見下していて、野菜を蹴散らし踏みつぶしたあげく時政を謀反に加担したのではと疑い、時政をさんざんに侮辱しました。つい先日、同じように堤に酷い目に遭わされた義時は悔しさと怒りで頭がいっぱいに。でも時政はこれも弱小領主ゆえと諦め、今後のことを憂いていました。ある夜、源 頼朝(大泉 洋さん)が寝苦しさを感じて目を覚ますと、枕元にはナント、後白河法皇(西田敏行さん)が現れていました。夢枕?生霊?の法皇は頼朝に「一日も早く助けてくれ。清盛入道にさんざん酷い目に遭わされて(前年より)福原に幽閉されておる。清盛の首を取り平家の奴らを都から追い出してくれ。それができるのは頼朝、お主だけだ。なあ、頼む!なあ、返事は!」と強く訴え、頼朝は絶叫とともに目が覚めました。(このシーンで更科六兵衛さんを思い出したのは私だけじゃなかった・笑)そして間もなく、京にいる三善康信(小林 隆さん)から頼朝に文が届き、その内容は「以仁王の令旨を受け取った源氏全てを追討する、と清盛が命じた」とあり、康信はすぐにでも奥州に逃げるよう頼朝に訴えていました。頼朝はどうしていいかわからず混乱し、宗時や政子と口論して退出していきました。しかし、このとき平家が追っていたのは頼政の残党のみで頼朝ではなく、つまりこれは伝え聞いた話を康信が早とちりしたものでした。義時は自分が密かに頼朝から平家打倒を打ち明けられた以外にも、頼朝の妻である姉の政子もそう直感していることで、どのくらい兵が集まれば挙兵して勝てるかを三浦義村に相談し、緒戦突破のために300は欲しいと聞かされました。そしてその人数を推測する手立てはないかと考え、ある所に義村を付き合わせました。翌日、京にいた三浦義澄が法皇の密使をたずさえ頼朝に渡すべく時政に会いに来ました。偽物?いや文が良い匂いがするから本物、なんて義澄と言ってた時政でしたが、頼朝の従者の安達盛長(野添義弘さん)には「たぶん偽物」と言って渡していました。一方、頼朝のところには北条宗時(片岡愛之助さん)が、頼朝の父・義朝のどくろを持っているという怪しげな僧の文覚(市川猿之助さん)を連れてきました。文覚は「平家打倒、源氏再興」を人々に唱えていたので平家の者からはにらまれていたのですが、この文覚は盛長の知る者で、実は京にいたときもどこかで拾ったどくろを偽って高値で売りつけようとした騙り者でした。文覚は結局は追い返されることになり、帰り際には悔し紛れに「義朝のどくろ」だったはずの物を投げ捨てて出ていきました。(つまり義朝のじゃない)宗時は頼朝に「首はまがい物でも、あの者の声は民の声。皆は平家の横暴に苦しみ源氏の再興を待ち望んでいる」と訴え、また政子も、平家を倒すなら自分が棟梁にならなければ気が済まなく、でも戦をするのが怖いという頼朝の本心を見抜いていて「今がそのときなのに、意気地がないから」と頼朝に強く意見しました。政子はさらにどくろを手に取って頼朝の前に出し「これには平家と戦って死んでいった者たちの無念が籠っている。今こそ平家を倒して世を正すとこのどくろに誓って欲しい。」と頼朝に強く訴えました。それでも勝算がなければ挙兵はできないと言う頼朝に義時は、自分が国衙に行って木簡から調べて出した数値や豪族間の人間関係から「この戦は勝てる」と言いました。頼朝は義時の説明に納得しつつも、戦を起こすには大義名分が必要と言います。でもそれを聞いた盛長が先ほど時政から預かった後白河法皇の密旨のことを思い出して頼朝に差し出すと、夢のお告げを信じている頼朝はようやく挙兵の決意ができました。そしてどくろを手に取り「どこの誰かは存ぜぬが、この命おぬしに賭けよう」と思いを伝え、そして宗時にはすぐに戦の支度をするよう命じました。
January 25, 2022
2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。この回は、周りの勢いに負けて結局は面倒を押し付けられ振り回されてしまう主人公の北条義時(小栗 旬さん)と、豊臣秀吉に負けず劣らず“人たらし全開”を発揮した源 頼朝(大泉 洋さん)の回でした。頼朝はもう序盤から、自分を慕ってくれる山内首藤経俊に「そちの気持ちはしかと受け取った」。自分への好意を感じ、ここは引けば向こうから押してくるであろうと読んだのか、政子には優しく拒絶してかえって気持ちが燃え上がらせる。そしてラストで義時には「お前にだけは言う」のキメ台詞。幼少の頃に今川家の人質となった徳川家康もそうですが、多感な十代の時期に常に周囲の言動に気を遣う生活をして苦労していると、人間観察力と人を喜ばせて動かす言葉が身につくのでしょうか。頼朝から見たら「不器用で他者に使われるばかりで要領の悪いやつだけど、この義時なら信頼できる」という思いがあったのかなとも思えました。こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館は現在準備中で、鎌倉市の鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 自分が留守の間に源頼朝が大問題を起こして逃走、しかもその頼朝を北条家がかくまったということで、伊東祐親(浅野和之さん)は兵を率いて北条家に乗り込んできました。対応する北条時政(坂東彌十郎さん)・宗時(片岡愛之助さん)親子が祐親の要求を拒否すると、祐親の家臣たちが矢をつがえて時政たちに向け、あわやという事態に。しかしすんでのところで相模の武士団を束ねる大庭景親(國村 隼さん)が駆けつけて、北条と伊東の仲裁に入りました。景親の話によると、三浦義澄・義村が自分を訪ねてきて北条が頼朝をかくまっていると知らせ、このままでは北条と伊東で戦になると判断して相模から急行したのでした。三者で話し合いをしたところ、時政は頼朝を伊東に渡す気はなく、祐親は平相国から預かった頼朝だから北条に移す気はない、と言います。しかし景親が「ならば平相国の許しもなく勝手に頼朝の命を奪えない。殺したことが知れたらお主もただじゃ済まない。頼朝は北条家に預けお前の娘とは縁を切らせる。この辺りが収めどころだ。」となだめると祐親もしぶしぶ納得しました。景親は頼朝のことは自分が平相国に伝えておくと言い、領地に帰っていきました。頼朝を連れて富士の裾野まで逃げていた北条義時(小栗 旬さん)が帰ってきました。これから身を寄せる北条家に頼朝は挨拶をし、頼朝を歓迎する兄・宗時と姉・政子(小池栄子さん)は好意的に、特に歓迎しているわけではない父・時政と義時はそれなりに、頼朝に挨拶をしました。食事のことを政子に訊かれて「好き嫌いを言える立場ではない。任せる。」と言っていた頼朝ですが、従者の安達盛長(野添義弘さん)は後でしっかり自分の好物を伝言させていて、頼朝が好きな政子はそう聞いて張りきっていました。父・伊東祐親の不在時に頼朝との子までなしてしまった八重は父の怒りを買い、頼朝と別れた後は下人と再婚することになりました。伊東祐清(竹財輝之助さん)は妹の八重を不憫に思い、嫁ぐ前にもう一度だけ頼朝に会いたいという八重の願いを叶えてやろうと、宗時と図りました。そこで父・祐親の目の届かぬ武蔵の比企能員の館で二人を会わせることにし、義時は頼朝を武蔵に連れてくるよう宗時に頼まれてしまいました。なんでも食べると言っておきながら源 頼朝(大泉 洋さん)はやはりアジは好まぬと言い、でも頼朝はアジの小骨が嫌なのだろうと察した政子は魚の小骨を抜いて頼朝に出し、美味しいから是非食べてくれと頼朝に勧めます。自分に甲斐甲斐しく尽くしてくれる政子に、頼朝はまんざらでもなさそうでした。この後で義時が比企館に行くことを伝えたのですが、頼朝は八重には会わないから行かないと、さらに宗時には自分に挙兵の期待をしないよう義時から伝えてほしいと言って、退出してしまいました。頼朝は八重には会わないけど、政子を三島明神の参拝に誘いました。歩く道すがら身の上を語る頼朝の気持ちに政子は寄り添おうとします。「八重のような思いをさせたくない」と頼朝は政子の思いをやんわりと断りますが、政子はそんなことで引き下がる女ではありません。頼朝の手を取って「自分なりに佐殿をお支えしたい」とさらに押し、そんな政子の気持ちが嬉しかったのか頼朝も政子の手を取り「生き長らえてこれほど深く感じたことはない」と返して政子と共に歩む決意をしました。さて、頼朝を連れてこられぬまま途中で堤 信遠に酷い目にあわされながらも、義時は報告のために比企の館に着きました。兄・宗時から謝罪の役目を押し付けられた義時は、頼朝の乳母の比企尼(草笛光子さん)にとにかく謝るしかなく、比企能員(佐藤二朗さん)や妻の道(堀内敬子さん)からも苦情を言われ、義時は返す言葉もありませんでした。でも比企尼が「この二人は頼朝が来なくて内心はほっとしている」と義時をかばってくれ、さらに義時には自分はいつでも頼朝を待っていると言伝を頼みました。義時は館に先に来て頼朝の到着を待ちわびる八重のところに行き、頼朝はここには来ないと八重に伝えました。義時は八重を思って無難な嘘をつくもののすぐに八重に見破られ、なぜ命懸けで嘘をつかぬ、なぜ頼朝はここに来ないのかと、八重になじられるばかりでした。そして兄・宗時と伊東祐清のところへ行き、頼朝に挙兵の意思はあるのかと尋ねると、どうやらそれは宗時の独りよがりの勝手な思いこみでした。祐清から話が違うと文句が出だしたら、宗時はすかさず「佐殿は我らを試しているのだ。坂東武者の棟梁となるべきお方はさすがだ!」と話をごまかし、祐清も妙に納得してしまって、宗時と祐清は挙兵に向けて次の一手を二人で考え始めました。宗時と義時が伊豆の北条館に戻ると、妻となるりくが到着してせっかく皆に紹介しようと思ったのに誰もいないと、父・時政が怒っていました。聞けば姉・政子は頼朝と二人でこの家を出ていってしまい、頼朝とつながりたい宗時は喜んでいましたが、義時はそれには反対でした。父から頼朝が湯河原の土肥実平のところに行ったと聞き、義時もすぐに後を追いました。頼朝と一緒に湯河原に向かったと思われた政子は実は、まずは頼朝のことをはっきりさせようと、伊東館の八重(新垣結衣さん)のところに来ていました。八重と対峙した政子は頭を下げて八重に礼をとるものの、頼朝への思いを断ち切って欲しいとはっきりと言います。政子の態度を見て八重は現状を察し、政子のことを認めました。そして最後は八重の女子としての意地なのか、傍にいたからこそわかる頼朝の性格や体調のことを政子に伝え、政子も「かしこまりました。あとはお任せくださいませ。」と八重の思いを受けとめました。一方、湯河原の土肥実平のところに来た義時は、朝湯を頼朝と共にして、姉・政子をどうするつもりなのかと問い、さらに北条から出ていって欲しいと本音を伝えます。そんな義時に頼朝は「伊豆に流され自分を気遣ってくれる者はいるが、自分は一人だ。いざという時に力になってくれる後盾がいない。それを伊東の館で期待したが考えが甘かった。そこに北条が現れた。自分には挙兵して平家を倒したい悲願がある。しかし時がない。北条の婿となり北条を後盾としたい。」と本心を語りました。思いがけない展開となり茫然とする義時に頼朝は他言無用と念を押し、そして義時を“弟”と呼び、義時もそんな頼朝の思いに応える決意をしました。
January 18, 2022
2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』 の感想です。2022年の大河ドラマが始まりました。つい2週間前まで見ていた明治の世から、今度は一気に700年ほど戻った平安時代末期になりました。音楽も昨年とは雰囲気がガラリと変わり、力強い勇壮な感じの音楽になりました。作曲家のエバン・コールさんのインタビューは こちら ドラマの始まりの今回では、北条義時(小栗 旬さん)は大した野心もなく、今のまま言われたことをやって静かに暮らせたらそれで十分と考えている感じです。それが源 頼朝(大泉 洋さん)の存在がきっかけで義時の周りにいる兄の宗時(片岡愛之助さん)や姉の政子(小池栄子さん)がそれぞれの思惑で勝手に動き出してしまい、義時は否応なくその渦に巻き込まれていくようです。この時代は対立や不都合がすぐ死につながるような暗くて重い面が多いのですが、三谷幸喜さんの脚本なので、その部分は視聴者に疲労感を与えない程度に、時には予想外の笑いの要素を入れながら、でも史実に沿ってシリアスに、視聴者に物語を見せてくれると思っています。今回も早速、私の予想を超えた展開の場面がいくつか出てきたし、登場人物たちも台本と役者さんたちの演技でより魅力的に描かれるのだろうなと、今後を期待しています。こちらではいろいろな感想で盛り上がっています。 ⇒ ⇒ #鎌倉殿の13人 大河ドラマ館は現在準備中で、鎌倉市の鶴岡八幡宮の境内に、3月1日にオープンの予定となっています。 ⇒ ⇒ こちら 安元元年(1175)、伊豆の豪族の北条時政(坂東彌十郎さん)は京での大番役の務めを終えて、3年ぶりに領地に戻ってきました。北条の館では近隣の豪族や地侍などを招いて宴が開かれ、時政は京で買ってきた土産を客人に配ったりして、宴は賑やかに盛り上がっていました。父・時政に同行して京に行っていた北条義時(小栗 旬さん)は、この間に起こった一大事を従兄弟の三浦義村(山本耕史さん)から聞きました。彼らの祖父にあたる伊東祐親のところには平氏に敗れて流罪となった源頼朝がいるのだけど、その頼朝が祐親が京に行っている間に娘の八重とデキてしまい、あげくに子までできてしまったので祐親は激怒(八重が好きな義時には衝撃)でした。このことが平家に知れたら大事なので祐親は頼朝を殺すよう家人に命じますが、頼朝は密かに館を抜け出して行方知れずで、皆で必死に探していました。義時が一人で物思いにふけっていたら兄の北条宗時(片岡愛之助さん)が来て、やにわに源頼朝のことをあれこれ話し始めました。さらに時宗は、祖父の祐親が平家にすり寄って今の地位を築いたように自分は頼朝に付くと言い出し、そして頼朝は自分がかくまって今この館にいると打ち明けました。頼朝のことは父・時政もまだ知らないことで、頼朝をあがめる宗時は一方的に義時を頼朝に紹介し、そのうえ「これより我が弟が佐殿の手足となって源氏再興に努める、八重殿と若君を救い出してここに連れてくる」と、どんどん話を勝手に広げます。宗時は平家のやり方に怒り心頭で、いずれは平家を倒したいとまで考えていました。北条家に突如やってきた源 頼朝(大泉 洋さん)の存在は、時政の長女・政子(小池栄子さん)の生活をも一変させました。髪を整える間もなく忙しく広間の客人をもてなしていて、離れの客人(頼朝)に膳を運ぶのも嫌々だった政子でしたが、相手が頼朝と分かったとたんに態度が急変。雅な世界に憧れる政子は頼朝に興味津々で、それを感じた頼朝もついクセなのか名を訊いて「政子殿」と呼んだり優しく見つめたりして女心をくすぐっていました。義時は広間にいる三浦義村を呼んで密かに頼朝のことを打ち明けました。そして兄・宗時が考えるように頼朝が立ち上がれば平家を倒せるのかと義村に相談。しかし義村は、今は源氏が散り散りだし頼朝は罪人で官位がない、頼朝をかくまえば二人の祖父で頼朝の監視役である伊東祐親が黙っていない、と答えます。そうこうしていたらその祐親が急に北条家に立ち寄るし、厠に立った頼朝が廊下で父・時政と鉢合わせしそうになるし、頼朝のことを隠すのに義時は大わらわでした。流罪の身でありながら自分が留守の間に娘の八重に手を付け子までつくった頼朝に対し、祐親は「あの男だけは絶対に許さない」と怒り心頭です。でも頼朝をかくまう義時の苦労をよそに、頼朝が好きになってしまった姉の政子はあの手この手で頼朝の気を引こうとして頼朝に近づき、義時の気苦労を増やします。一方、父・時政は京で知り合った公家の牧宗親の妹のりく(宮沢りえさん)と再婚することになり、家族を集めて嬉しさいっぱいの報告をしていました。(室内のシーンはこの時代らしくどうしても暗くなるので、たまにはこういった明るい綺麗な場面があるといいなと思ってます)間もなく若い綺麗な嫁が来ると父・時政は浮かれていましたが、そんな父の気分は息子二人(宗時と義時)の「実は頼朝がこの館にいる」という報告でいっぺんに冷めました。宗時は父に、頼朝を擁立して平家の世をひっくり返すのだと強く訴えますが、そんなの実現不可能だし、りくとの再婚が楽しみなのに厄介事ができたと思う時政には、宗時の話はどうでもいいことでした。さて(実は恋敵の)頼朝から八重への文を託されて伊東家に来た義時は、八重に文を渡した後で祖父の伊東祐親(浅野和之さん)に会って適当に話をして帰るつもりでした。しかし義時の言動から頼朝が北条家にいることが祐親にバレてしまい、「今すぐ頼朝を引き渡さなけでば力尽くで取り返す」ーー義時は祐親からそう言い渡されました。伊東の館にいた頼朝と八重の子の千鶴丸は、祐親に命を受けた善児に殺害されました。そして北条家では万一に備え、いつでも戦えるよう宗時が家人たちに戦の準備をさせていましたが、義時から千鶴丸のことを聞いた宗時は祖父・祐親の本気を悟りました。また我が子・千鶴丸の死を聞いた頼朝はさほど驚くこともなく、逆になぜか生き延びる自分のことを「この世で成すべきことがある運命」ととらえ、読経を続けていました。しかし頼朝は義時が去った後で、祐親によって伊東を追放された工藤祐経には「祐親を殺せ」と命じていて、我が子を殺された怒りは収まってなかったのでした。そしていよいよ祐親が長男の河津祐泰(山口祥行さん)ら兵を率いてやってきました。頼朝はいないと言って伊東の兵に帰るよう要求する宗時でしたが、そんなのは老獪な祐親に通用するはずもなく、でもそこへ父・時宗が櫓に上がってきて「お前が太刀打ちできる相手ではない。わしも腹をくくった」と祐親との交渉を始めました。(こういう難しい場面では人生経験が豊富な年長者が前にでてくるのがいいです)そして父と兄が時間稼ぎをしている間に、義時は頼朝を逃がす準備を進めていました。頼朝を馬で逃がそう思った義時でしたが、館の裏にもすでに伊東の兵がいました。そのとき政子の機転で頼朝が女装することになったのですが・・。烏帽子をつけたまま着物をかぶって、髭を生やしたまま化粧ですか~。しかし妙な女が突然現れて馬でどこかへ出かけようとしているのを伊東の兵が怪しみ、確かめようと厩に近づいたら、女を乗せた馬が飛び出していきました。「あれは頼朝!」と追いかけてくる伊東の兵が放つ矢をかいくぐりながら、頼朝を連れた義時は必死に馬を走らせて逃げていきました。おまけ画像。これからの主要登場人物の紹介で出た平清盛を演ずる松平 健さん。振り向くときの間とか身体の向きとか目線とか決まっていて、カッコイイですね。さすがは時代劇の大スターです。
January 11, 2022
年が明けて2022年になりました。そしてあっという間にもう1月3日ではありませんか。今年もまたこんな調子で私は時間がどんどん過ぎてしまうのかと思うと、恐ろしいものであります。さて約1カ月前の昨年12月に、愛知県春日井市の高蔵寺にあるショッピングセンターに自衛隊が来て、ちょっとした展示があるとのことで行ってきました。この日に来てたのは、陸上自衛隊第10師団の春日井駐屯地の方々と、航空自衛隊小牧基地の警備犬担当の方々でした。ホントにささやかなイベントですが、この2年間は自衛隊の駐屯地や基地でのイベントがほとんどない状況なので、数少なくても実物が見られるというのは楽しみなものであります。ランフラットタイヤ仕様の高機動車です。定員10名となってます。高機動車の後ろです。以前のイベントで見たトラックは椅子が板状のものだったので、説明の自衛官の方に思わず「こちらはクッションがついているのですね?」と訊いてしまいました。こちらは多目的に使用される 1/2tトラック(通称:パジェロ)です。訓練で野営(キャンプ)するときに使用する 6人用天幕です。総重量はナント50kg、頑丈で台風でも耐えられる(=どんな悪天候でも訓練する)と説明にありました。レンジャー訓練では50kgくらいの荷物を背負って移動があるので、これも訓練の時に人力で運ぶのかとお訊ねしたら、通常の訓練では車で運ぶ(もちろんストーブや簡易ベッドなども)とのことでした。隊員の皆さんが背負うバックパックの中身です。飯盒や水筒の他に、折り畳み式の携帯ショベルなどがありました。こちらは今の時代の携行食(コンバットレーション)です。加熱材を使ってご飯やおかずを火を使わずに温めることができます。また野外演習時には炊事訓練を兼ねて炊事車で調理をすることもあります。偵察時に使うバイクです。悪路走行時に飛び石でライトのガラスが割れないよう、網のガードがついてます。こちらは航空自衛隊小牧基地から来た警備犬の訓練展示です。担当の自衛官の方と一心同体になっている働くワンコたちです。大規模な災害があったときは捜索活動で出動します。話は変わりますが、陸上自衛隊第10音楽隊によるコンサートが、11月末に名古屋市守山区のホールで開催されたので、私も行ってきました。陸上自衛隊ならではと期待した『陸軍分列行進曲』が聴けなかったのは残念でしたが、美しい音色に包まれた優しい時間でした。コンサートが始まる前、第10音楽隊の隊旗が素敵だったので、許可を得て撮影&UPしました。ポールの一番上にある桜のマークは3方向についています。近くでじっくり見ると、金糸の刺繍や金糸の編み込みがとても見事です。
January 3, 2022
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