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行きつけのBARで何年か修業された後、独立した方(バーテンダー)の新しいBARには、最初は(義理もあって)何度かお邪魔することはあっても、その後は訪店頻度が減ることが多い。うらんかんろにとっては、やはり、元の行きつけのBAR、付き合いの長い師匠のBARの方がより大切な存在であるし、BARに行く時間にも経済的余裕にも、自ずから限界があるからだ。 しかし、この日記で紹介するBar Arlequin(アルルカン)は、その例外的な店である。Arlequinは、読者の皆さんもご承知の通り、拙著「今宵も、BARへ--『私的』入門講座20章」を置いてもらっている3軒のBARのうちの1軒だ(写真左=Arlequinの扉)。 マスターの佐藤慎亮さんはもともと北新地サンボアに勤めておられ、マスターのサブ的な存在だった。北新地サンボア時代は、もちろん知っていた。「腰の低い、礼儀正しい方だなぁ」という印象を持っていた程度で、それほど親しいという訳でもなかった。 だが、独立された新しいお店のロケーションはまさに、僕が会社の行き帰りに通るルート沿いにあった。朝夕、嫌でも店の側を通る。JR北新地駅徒歩1分という便利さもあって、まさにBAR好き・酒好き泣かせの場所だ。 しかも、北新地サンボアより少しお手頃という心憎い料金設定に加えて、普段は午後5時オープン。土日祝も営業していて午後3時オープンという(つまり年中無休)。これで寄らずにおれるか!という店なのである(写真右=Arlequinの店内風景)。 独立された佐藤マスターと接していて再発見したのは、意外とよくしゃべる(話好き)方だということである。一般的に言って、独立するまでは、修業先のマスターに気を遣ってあまり客の前にしゃしゃり出てこないバーテンダーが多い。佐藤さんもどちらかと言えば、静かな、おとなしい方という印象だった。 しかし、他のバーテンダーでも同じ経験をしたことがあるが、独立した途端、「あっ、この人、意外とよくしゃべるんだ」と思わぬ発見をすることがある。Arlequinの佐藤マスターもそんな一人だった(ちなみに、北新地では珍しい北海道=小樽=のご出身)。 Arlequinを一言で言えば、英国パブのような、上品で落ち着いた雰囲気を漂わせながら、北新地にしては良心的なお値段で楽しめる、とても居心地がいいBARだ。内装がレンガなのも、僕の好みに合う(写真左=レンガをつかった趣のある内装)。 カウンターはサンボアにならって一応スタンディングだが、スツールも4脚あるので、疲れた時は座っても構わない。そして2人用、4人用のテーブル席もいくつか用意されているので、実に使い勝手がいい(ちなみに「Arlequin」とはフランス語で道化師の意とか)。 という訳で、最近は会社帰り等に、「少しのどが乾いたなぁ…」という気分の時に、ちょっと軽く1杯という感じで、よくお邪魔する。なによりも、ここではサンボア譲りの、旨い角のハイボール(氷なしスタイル)が味わえる。もちろん、本格的な美味しいカクテルも堪能できる(写真右=壁には、店名にちなんだ道化師のマスクが…)。 Arlequinでは、話し好きな佐藤マスターと僕のBARに対する思いや考え方を話すことが多くなった。そんな頃、たまたまある常連客の方が、(僕がいない時に)拙著「今宵も、BARへ…」を佐藤さんに見せて、「こんな本知ってる?」と言われたという。そして、それがきっかけ(縁)で、今回、Arlequinにも拙著を販売用に置いてもらえることになったのは、とても嬉しい。 Arlequinがこの場所にあり、マスターが佐藤さんであり続ける限り、僕はこれからもお邪魔することになるだろう。だって、これほど格好をつけずに、気も遣わずに「素の自分」に戻れるBARって、大阪広しといえども、数えるほどしかないから、ね。【Bar・ARLEQUIN】大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビル1F 電話06-6345-6567 午後5時~午前3時(土日祝午後3時~)。年末年始以外無休。JR東西線北新地駅から徒歩1分、地下鉄四つ橋線・西梅田駅から徒歩3分。
2009/08/17
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きょうは関西ローカルな話題ですみません。猫好きでない方や、関西以外の方はあまり興味がないかもしれませんが、どうかご容赦を。 和歌山県のJR和歌山駅から枝分かれしている民鉄のローカル線に和歌山電鉄・貴志川線があります。和歌山駅と紀の川市の貴志駅間を各停で30分で結んでいます。 貴志駅はここ2年ほど、関西ローカルのマスコミで盛んに取り上げられています。なぜかと言えば、2007年1月5日、無人駅である貴志駅の駅長に三毛猫のたま(♀、現在は10歳)=写真右( C )和歌山電鉄 借用感謝!=が就任したからです。 たまはもともと貴志駅横の売店「小山商店」の飼い猫で、駅の利用客によく可愛がられていました。経営難の和歌山電鉄を前の親会社(南海電鉄)から引き継いだ両備グループ(岡山県)の社長の発案で、「招き猫」になってほしいという願いを込めて、たまを駅長に迎え、専用の駅長室までつくったのです。 たまはテレビや新聞にたびたび登場して人気者になり、全国各地から、たま見たさに貴志駅までわざわざやってくる見物客が急増しました。赤字で一時は廃線の危機に瀕していた貴志川線は、たま効果で乗客が40%も増加したといいます(写真左=和歌山電鉄の「おもちゃ電車」)。 たまは和歌山県の魅力を全国に発信し、県に絶大な経済効果(一説には約10億円とも!)をもたらしたという理由で、08年10月知事から「和歌山県勲功爵」の称号を贈られました(写真右=「おもちゃ電車」の座席)。 さて、たまの説明はこれくらいにして、JR大阪駅から紀州路快速に乗り、約1時間半で和歌山に到着。ここで単線の貴志川線に乗り換えました。残念ながらお目当ての「たま電車」=たまの絵が車両に描かれています=ではなく、「おもちゃ電車」(2両編成)でした(ほかにも「いちご電車」もあります)。 「おもちゃ電車」は車内がすべて「おもちゃ」をコンセプトにしてます。椅子やつり革(写真右)はカラフルで可愛いし、ガチャポン(写真左)やおもちゃの展示ケースもあります。小さな子どもたちが乗ったらとても喜びそうな車内です。 ゆっくりした速度で走る電車に揺られて30分。終点の貴志駅に到着です。貴志駅はどこにでもある、田舎ののどかな駅という感じです(写真左=途中の駅で「たま電車」とすれ違いました!)。 改札口のすぐ横にあるたまの部屋(駅長室=写真右)の前には、すでにたくさんの人だかりができていました。写真(フラッシュは禁止です)を撮るにも順番待ちで大変です。 しかし、折り返しの電車が出発するまで30分ほどあるので、我々はあわてずに一段落するのを待ちました。そしていよいよ、憧れのたまとの対面です! し、しかし、残念ながら、たま駅長はぐっすりお昼寝状態=写真左。時折足を伸ばしたり寝返りは打つのですが、起きてくる様子はありません。 かと言って、「たまちゃ~ん!」と呼んで、起きてくるわけもなし。仕方なくたま駅長の寝顔をカメラに何枚かおさめました(写真右=貴志駅の駅舎)。 写真を撮った後は、売店「小山商店」で「たまグッズ」をお土産に購入(ハンカチ、たまドロップ、たまあられ、ポストカード等々=写真左)。再び、和歌山行きの電車で帰途につきました。午前10時頃まではどしゃぶりの雨で、お天気がどうなることかと心配しましたが、その後は晴れて幸いでした。 たまが駅長になったことでの経済効果はもちろん大きいのでしょうが、僕は、たまの存在を通じて、人間と動物の共生を訴える(てきた)という意味での功績の方が大きいと思っています。たまのおかげで、動物愛護の輪がさらに広がったのですから。 たまはことしで10歳で、人間で言えば、56歳くらいです。過保護に育てられているので、元気そうです。きっとまだまだ長生きしてくれると信じています。たまちゃん、きょうは有難う。元気で暮らしてねー!こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2009/08/02
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