ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 19, 2007
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 今年の夏休みはドイツで過ごします。旅立つ前に片付けておかなきゃならないことが公私にわたり山ほどありましたが、ここ数日、ほとんど寝ずにそれらを処理し(というか、全てを投げ出し)、いよいよニューヨークの空港から出発しました。

JFK

 ドイツでのバカンス、始まり始まり……、と、ここまではよかったものの。

 ここ数日の睡眠不足を機内で取り戻す予定が、思わず暴飲してしまい、体調はさらに悪化。
 しかも、こういうフライトに限って面白そうな映画が何本も放映されてたので、寝るのが勿体なくなってしまい、無理して丁寧にご鑑賞(笑)。

 もともと離陸が遅れておりましたが、経由地パリ(シャルルドゴール)に着いたときには既に乗り継ぎ便の出発時刻が迫ってました。入国(EU圏)審査(の行列)にもやたらと手こずるし。

 で、ここで乗り遅れてしまっては休暇が台無しとばかり、僕は空港のターミナル間を全速力で疾走したのでありました。
 このテの綱渡り的乗り継ぎには慣れてはいますが、今回のように、寝不足&二日酔いの身体には、シャルルドゴールは広すぎました。
 案の定、次のゲートに着いたときには乗り継ぎ便は既に離陸してしまった直後……。ガーン。



 気力を振り絞って、カウンターのおねぇさんと闘いました。
 なんとか次のフライトの席を確保してもらうことができ、とりあえず一件落着。ふぅ……。あとは、ドイツで迎えに来てくれるはずの友人に連絡するだけです。

*****

 さて、お茶でも飲んで一服しようと空港内をウロウロしていた矢先、派手なチェロケースを持ってる人を近くに見かけたので盗撮してみました。

CDG

 このケース、確かにおしゃれなんだけど(フランスBAM社製)、こんな派手なの、持ち歩くのには勇気がいります。

 どの国にもいるんだよねぇー、カタチから入るタイプの人。ド下手なアマチュアに限って楽器ケースに凝るのはこの業界のお常識です。
意味もなく多くのバイオリンケースを持ってる自分のこと など棚に上げつつ、この人を遠目に観察してたら、むむっ、どっかで見たことがある人のような気がしてきました。

 なんと、彼は有名なチェリスト、 ゴーティエ・カプソン氏


 ここで気安く声をかけたら失礼でしょうか。ワタクシ的には 以前の失態(クリスチャン・アルミンク氏タメぐち事件) のように粗相があってはなりません。今回はおそるおそる丁重に話しかけてみました……。

 ぼんじゅ~る、むっしゅ~。カプソン様でいらっしゃいますか? 僕はあなたのCDを愛聴させていただいているファンのひとりです。今後のさらなるご活躍を心よりお祈りしております。それではごきげんよう。おるぼあ~る。

 ……ゴーティエ氏は、いきなり赤の他人に話しかけられてムッとするでもなく、気さくに会話に応じてくださいました。

 次の演奏会場に向けて移動中のようです。今夜はシューベルトのピアノトリオを弾くというのに、「兄貴ともピアニストともはぐれちゃった」などと苦笑しながら、黄色いケースごとシャルルドゴールの雑踏へと消えていったのでありました。



 彼らのような演奏家は、重い楽器を抱えながら毎日のように世界を飛び回ってるのでしょう。体力的にはかなりキツいんだろーなと思います。
 ちょっとぐらい寝不足(&二日酔い)だからといっていちいち弱音を吐いてる自分が恥ずかしくもなりました。

 乗り継ぎに失敗して出鼻をくじかれた感がありますが、ドイツでの休暇、思いっきりボーっとする予定でございます。

Gautier Capucon
 氏は意外に小柄。隣にいる僕は173cmです。(汚いヒゲ面ですみません!)





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最終更新日  Aug 23, 2007 07:09:44 PM
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