消失を彷徨う空中庭園

消失を彷徨う空中庭園

Nov 13, 2005
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お題は、焼うどん、アメリカンコッカスパニエル、光体操。

もう、みんな今までの話忘れてるだろうし。


港に着くと、街には朝霧がかかっていた。
ここは貿易が盛んな港町で、毎日多くの船が行き来している。
自然と人の入れ替わりも激しく、素性を隠すにはもってこいの街だった。
入国管理も甘く、不審を咎められることはない。
「ここには私の友人がいます。事情を話せば協力してくれるでしょう」
「チョパニ、私はどこへでも行きます」

チョパニの足下のにおいを嗅いでいる。
「まあ、この犬はお知り合いですか」
チョパニは確かに覚えがあった。
「この、アメリカンコッカスパニエルはきっと彼のものだ」
犬は路地を走り出した。
「探す手間が省けました。彼についていけばたどり着けます」

犬は路地裏の一件の家の裏口から中へと入っていった。
二人もその後に続いて入っていた。
「モンテスティ、いるかい?」
「どちらさんだい?」
奥から、金髪の大男が現れた。

「ああ。久しぶりだな」
「会えて嬉しいぜ。そちらは?」
「連れだ。訳あって、逃げなければならないのだが」
モンテスティはそれだけで、事情を察したらしい。
「わかった。なあ、暖かいめしでも食べてくれや。珍しいものがあるんだ」

モンテスティは二人に、奥へついてくるように促した。
「彼はモンテスティ。商人であり情報屋だ。ここでは彼の知らないことはない」
「そうでしたの。あなたは随分友人が多いのね」

厨房には大きなストーブがあって、テーブルにはフランス製の鍋がいくつも並んでいた。
食器棚にはスズの皿や銀食器が並んでいる。貴重なものも多いのだろう。
「最高のごちそうがあるんだ。ま、窮屈だが座ってくれ」
モンテスティは、大きなスープ皿を持ってきた。
「これは……?」
「焼うどんだ。醤油で食べるんだ。このスープも金よりも高いんだぜ」
「ヤキウドン?」
「オランダの船上員から流してもらったんだ」


その頃、スターリン警部とレイチェル巡査は……。
「うーん。ひ、光体操」
まだ船の中で寝坊していた。





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Last updated  Nov 13, 2005 05:20:06 PM
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はてなっち? @ Re:久しぶりにこっちで日記でも(10/24) ゲームとか持っていってないの? 引きこ…
赤いパレット @ Re[1]:久しぶりにこっちで日記でも(10/24) そんなにいいよ。俺にとっては大事なもん…
☆りん@ Re:久しぶりにこっちで日記でも(10/24) お、ひさしぶり~。 心境の変化か? い…
ぱれ@ Re[3]:わんばんこー(02/07) ☆りんさん 借り物でもってるよ。
☆りん @ Re[2]:わんばんこー(02/07) 赤いパレットさん PSPってもってたっ…
赤いパレット @ Re[1]:わんばんこー(02/07) ゲーム時間超限られてるけど、やってもい…
はてなっち? @ Re:わんばんこー(02/07) オイラはHD軽減もかねてオンラインストレ…

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