南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

PR

コメント新着

gama@ Re:超簡単!ドライ・バジル作り(07/30) 今日初めてここを見つけ端から読んでいる…
東京のぐーまま@ 通学カバン・・・から1ヶ月がたちました。 こんにちは。東京在住のアザラシ娘と二人…
アサコサル@ ど派手なんすね~ デニズリで近所のコドモ達にエイゴを教え…
cloe97 @ Re:通学カバン。今年の流行は、コレだ!★2006(08/30) きゃーー!派手だぁ!!!やっぱりドイツ…
turkuvaz @ Re[2]:ふむふむ(08/30) みあるさん 大事なもの忘れてました!…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2005/01/30
XML


久し振りに太陽が顔をのぞかせた今日は、まるで春のように生暖かい陽気。
肩が凝るほどパザールで買い物をして、汗をかいた。
洗濯物もいっぱい干した。
チョコレート・ケーキは焼かなかったが、トルコ版チョコパイを買ってきて、子供たちと一緒に全部食べ尽くした。
ネットで注文した本が来るのを、今か今かと待っている。4日以内には着くというので、早ければ明日には届くかも。

・・・・

オンライン書店で本を購入するのは、実はこれが初めて。
日本国内であれば楽天ブックスのお世話になることもあるかもしれないが、海外在住の身では、利用できるオンライン・ショップも限られる。

というわけで、私がオンライン書店を利用するのは、専ら検索目的に限られていた。

急にその気になったのは、トルコのオンライン書店の存在を知ったから。
いや、ここまでインターネットの普及しているトルコで、ないわけがないのだが、必要もないので本気で探したこともなかったのだ。
なにしろ本は、内容を仔細に検討してからでないと、なかなか買えない人間である。日本の作家のものなら、大体内容の想像がついても、トルコ語の本となると、まずは手にとってみないと判断がつかない。
今回は、欲しい本があらかじめ決まっていたから、その点での迷いはなかった。

つい最近、ストラボンの『Geography(Geographika/地理学、地誌)』を読んでみたくて、日本の代表的書店のオンライン部門を徘徊してみたのだが、日本語で読めるものといえば、飯尾都人氏の訳になる『ギリシア・ローマ世界地誌(全2巻)』(龍渓書舎)のみらしく、これがなんと35000円という高価(豪華?)本。
では英語版でと思い、いろいろあたってみると、ハーヴァード大学出版会の『LOEB CLASSICAL LIBRARY』シリーズで7巻の分冊で出版されていることを知った。これなら1巻が20ドル少々で、しかも私の読みたいアナトリアに関わる巻だけに絞って購入が可能。
これだけは例外的に、日本の住所宛に宅配してもらおうかと考えていたところ、幸いにもこの分野での専門家 artaxerxesさん から、トルコ語版を紹介していただくことができた。

先週の金曜日。支払いの関係で繁華街まで出掛け、ついでに行きつけの書店を覗いて、早速この本のことを聞いてみた。
すると、聞いたことがないという。ストラボンの名も知らないというので、古代の地理学者で著作は「古典」に相当すると説明すると、「世界の古典」という棚に案内してくれたのだが、そこにあるのはゲーテなどの文学作品のみだった。

その書店の階下にある大学書籍専門書店にも立ち寄って聞いてみるが、結果は同じ。地元アクデニズ大学の人文科学部には歴史学科もあるはずなのに、歴史を学ぼうという学生たちは一体何を読まされているのだろうと、書店のオヤジ相手にしらふで管を巻いた。

自宅に戻るとすぐ、トルコ語の検索エンジンでその本『ANTIK ANADOLU COGRAFYASI』を探してみたところ、ヒットしたのが、今回利用したオンライン書店である。
住所から察するに書籍問屋らしく、20YTL(約1550円)という値段も結構安く感じたが、それが30%オフで14YTL(約1100円)。配送料の4YTLを足しても18YTL(約1400円)というお買い得価格。

偶然といえば偶然だが、この注文を済ませた翌日の『Hurriyet』紙金曜版に、トルコのあるネットショップ創業者の物語が載っていた。
この会社Ideefixeは、記事の中で“トルコのAmazon”と表現されていたが、書籍からスタートして現在はミュージックCD、DVD、パソコン関連用品、携帯電話、健康器具まで取り扱うトルコのネットショップ界の草分け的存在らしい。


トルコの県別読書成績表
(2005年1月29日付『Hurriyet』金曜版より転載)


この地図は、この会社の書籍販売実績を県(地方)別に表わした「読書成績表」なるものらしい。
写真ではよく見えないかもしれないが、ブルーが「星付き優」、紫が「優」、淡い紫が「良」、クリーム色が「中」、オレンジが「可」、濃いオレンジが「不可」である。
ご覧いただければ分かるように、経済格差地図にも見まごう、完全なる「西高東低」型の「読書地図」となっている。
例えば、イスタンブールは「星付き優」県、アンカラが「優」県、アンタルヤはイズミールやブルサ、エディルネ、キュタヒヤ、エスキシェヒルなどと並ぶ「良」県に含まれる。
一方アナトリア中東部は、ほとんど「可」県と「不可」県から成り立っている。

この結果は、家庭でのインターネットの普及率やクレジットカードの保持率との関係にも左右されるだろうから、そのまま読書人口や読書量を表わすものではなかろうが、ひとつの興味深い統計ではある。
まあ、トルコのことを少しでもご存知の方にとっては、とりたてて意外性はないかもしれないが。

常日頃、アンタルヤを文化後進都市と断じている私は、アンタルヤの位置がクリーム色かオレンジ色にでも色塗られていたならば、快哉を叫んでいただろうに。
「ほ~らね。やっぱり!(ザマアミロ?)」と。

・・・・

ちなみに、楽天ブックスでトルコの書籍は扱ってなかろうから、紹介しても楽天さんの不利益にはならないだろうと思う。
私の利用したオンライン書店は、www.kitap-net.com
“トルコのアマゾン”ことIdeefixeは、www.ideefixe.com
である。

とはいえ・・・・ちゃんと届けてもらえるか、クレジットカード・ナンバーが途中で盗まれたりしないか、それがちょっと心配。
トルコのオンライン・ショップをよく利用しているという方、信用度はいかほどに?

・・・・

その2日後(火曜日)。
朝メールを確認したら、当の会社から「発送しました」の連絡が来ていた。
では明日ごろかな、と思っていたら、午後になってカーゴが到着。無事に受け取り!

早速今日は外出にも持って出掛け、夫の用事が終わる間、あちらこちらのページを開いて拾い読み。
原文が英語版なのかギリシャ語版なのか、それとも他の言語なのかは分からないが、私にもすらすら読める(もちろん、多少分からない単語はあるが、それは飛ばして)口語調の文体が意外。
格調高い雰囲気があまりなく、庶民的とさえ思える言葉使いは、原文に忠実なのか、あるいは訳者の語彙不足からくるものか?

古代の地名、都市名、人名ばかり(当たり前だが)なので、分からない名前が続くと少々辛い。
訳者からの添付資料として、一部表紙に使われている古代アナトリアの地図を完全な形で載せてくれるとありがたいのだが、贅沢だろうか・・・。

しかし、言語や政体などの他に、時おり植生や当時の栽培作物などにも触れてあるのが、地理好きな私には嬉しい。
しばらくは、これで愉しめそうだ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005/02/28 12:55:06 AM
[トルコ的生活/わたし的生活] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

プロフィール

turkuvaz

turkuvaz

フリーページ

●アンタルヤ移住記


始まりはいつも突然


海さえあれば


子供のこと


なにゆえにアンタルヤ


●アンタルヤの12ヶ月


∬9月―頭の痛い季節(1)月謝高騰


 (2)学校探し


 (3)相談


 (4)対決


 (5)待ち合わせ


 (6)学校巡り


 (7)休息


 (8)父兄懇談会


 (9)続・父兄懇談会


 (10)続々・父兄懇談会


 (11)続・続々・父兄懇談会


 (12)学校探し、再び


 (13)助言


 (14)その後―上の娘


 (15)その後―下の娘


∬10月―天国と地獄のあいだには(1)


 (2)一抹の不安


 (3)予感的中


 (4)楽園の風景


 (5)待ち受けていたもの


 (6)嫁の立場


 (7)アンタルヤへの帰還


 (8)心尽くし


 (9)家族の集い


 (10)天国への階段


∬11月―キノコ奮戦記(1)いざ松茸! 


 (2)キノコとの格闘


 (3)またしても空振り


 (4)キノコ恋しや


∬12月―チョルバの誘惑(1)


 (2)タヴック&メルジメッキ・チョルバス


 (3)イェシル・チョルバス、そして


 (4)チョルバへの誘い


∬1月―白い悪夢


∬2月―銀色の休日(1)予定変更


 (2)ダルヤンへ出発


 (3)ホテル探し


 (4)夕食での椿事


 (5)カウノスの遺跡


 (6)舟下り


●私の旅の案内役


●ヒッタイトの足跡を訪ねる旅―第1回


(1)目指すはベイシェヒル湖


(2)ファスルラル村への道


(3)ガイド少年


(4)教師の家


(5)湖畔の夕暮れ


(6)鯉料理


(7)聖なる泉


(8)湖水に浮かぶ


(9)湖畔のドライブ


(10)夢の跡


(11)帰路


(12)新たなる旅路


●ヒッタイトの足跡を訪ねる旅―第2回


(1)ムワタリ王のレリーフ


(2)カラタシュ野外博物館


(3)イェセメック野外博物館


●半日ガイド体験記(1)音信不通


(2)すれ違い


(3)再会


(4)苦肉の策


(5)最初の仕事


(6)日曜パザール見学


(7)車内ガイディング


(8)我が家訪問


(9)和食ピクニック


(10)最後の仕事



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: