南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2005/02/18
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そのひとつに、文化観光大臣エルカン・ムムジュの辞任・離党問題もあるのだが、政治の話が苦手ということもあり、この件に関してはあまり触れたくない。
親イスラム政党であるAKPの中にありながら、頭にスカーフを被らない美人の奥様と連れ立ってコンサートやファッションショーに出掛けたりするライフスタイルや、自身のスーツの着こなしなどに見る現代性。若さ。実行力。それらの印象を総合し、漠然とムムジュを買っていた私としては、残念である。
新しい政党を立ち上げるとか、いろいろな話がでているらしいが、当面は様子見を決め込もうと思う。

私たちにとっての気がかりは、 カレイチの復興プロジェクト の理解者であり推進者となるはずだったムムジュの辞任によって、カレイチの将来にまたもや薄暗い雲がかかるだろうことである。
願わくば、新任の大臣には、このプロジェクトの意味を理解し、間違いなく実行できるだけの器量のある人物が就いて欲しいものだ。

・・・・

ヨーロッパで放映されたあるCMが、外交問題にまで発展している。


ドイツ、マンハイムに本社を持つトルコ企業であるB社は、食品卸業者としてヨーロッパでは有名な企業のひとつに数えられるという。
自社の取り扱い製品であるインスタント・スープのCMに、ヨーロッパに住むトルコ移民たちの身に降りかかっている現実を風刺のかたちで取り込んだところ、自国の威信を傷つけるものだとして、ブルガリア政府が在アンカラ大使館を通じてトルコ外務省に通告するという事態になったそうだ。

問題となったCMのシーンはこんな感じだ。
・・・ヨーロッパに暮らすトルコ人夫婦が、自家用車によるトルコへの帰省途中のこと。妻は夫に声を掛ける
“Okkes'im langsam(=yavas) git”(オッケシュ、ゆっくり行って)
そこへ現れたユーゴスラビア、あるいはブルガリアの警官が車を停める。
“Komsi(=Komsu) hizli gittin 200 yuro”(お隣さん、スピードの出しすぎだ。200ユーロだ)
夫は“Yuromu alirsin.Yok yuro”(ユーロを取ろうってのかい。ユーロなんかないよ)と答える。
警官は“Komsi bir corba parasi”(お隣さん、チョルバ・パラスだ)
と言って、なおもお金を要求する。
「チョルバ・パラス」というのは、直訳するとスープのお金、スープ代だが、実はワイロの隠語でもある。


“Parayi ne yapacan(=yapacaksin)?”(金が何になるんだい?)
“Al sana corba, corbanin hasi burada”(ほらよ。スープだ。スープの本物はここだ)
そう言って、5袋ほどのインスタント・スープの包みを渡し、
“Hadi cuss(tschuss)”(じゃあな)
と去っていく・・・


B社社長はそれに対し、やや逃げ腰ながらもきっちり自己弁護している。
つまり、毎夏のようにトルコ移民がワイロを要求されていることは新聞にまで掲載される事実であり、それをそのまま映像化したまでで、悪い意図はどこにもない。第一、ブルガリア警察であるとは、ひとことも表現してないし、ユーゴ警察に似ているとも言える。特定の国に見えないよう、相当努力したつもりだ、と。

トルコ人好みのエスプリ(洒落)と風刺に満ちた、なかなか面白いCMだと私は思うが、ブルガリア政府と警察にしてみれば、トルコ人にとっての「お隣さん」とは自分たちのことに他ならないのだから、躍起になるのも無理はない。

ところで実際に、トルコ移民たちはブルガリアの警察官から頻繁にワイロを要求されているのだろうか?
実際に、そうなのだという。パスポート・コントロールや税関、道路上で、「チョルバ・パラス、もしくはハヴァ・パラス」と言って、5~10ユーロ取り上げられるというワイロ問題が、年々拡大しているのだそうだ。
(ハヴァ・パラスとは、直訳すると空気代だが、成句として「ショバ代」のような意味をもつ)

昨年ブルガリアでは、ワイロ問題に対する大規模なオペレーションが行われ、200名を越す役人・公務員が更迭されたそうだ。
しかし、ワイロは一向になくならず、トルコから新聞記者や少数の国会議員が監査の目的でブルガリアに視察に出掛けたところ、彼らさえワイロを渡す羽目になったという。

ワイロ体質改善中なんだから、事実とはいえ、CMなどで恥を喧伝されては困るというところだろう。
ブルガリア警察には、これを鑑として、ワイロの習慣とワイロ警官を一掃するよう、せいぜい努力してもらおうではないか。

なおこのCM、シリーズ化する予定だったらしいから、コンセプトの変更を余儀なくされたことだろう。
面白CMとして、続きを見たかったなあ・・・と部外者は暢気に思うのだが・・・。






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最終更新日  2005/02/28 12:40:07 AM
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