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ダスコ・ゴイコビッチを初めて聴いたのはFM放送であった。渡辺貞夫マイディアライフのスペシャル番組で今までの放送のハイライトでヨーロッパを訪れた時にバークリー以来久々の再会を果たして共演した時の模様がオンエアされたのだ。ビッグバンドでの演奏だったはずだが、音色の暖かいトランペットを吹くプレイヤーだなぁという印象が残った。DUSKOのレコードはそれ以来ジャズ喫茶でも聴く機会にめぐられなくDIWからでたアルバムなども見過ごしてしまっていた。ENJAから久しぶりに出たジミー・ヒースとのCDがきっかけでDUSKO熱が急にでて色々とダスコの入っているアルバムを物色するようになるが、大半は廃盤でしかも高価。新譜やサイドメン参加作、再発盤は結構手にいれたが、オリジナル盤にはとても手がでなかった。このアルバムじつは、N山さんにCD-Rにおとしてもらったもの。3年位前の研究会の時にN山さんのレコード棚に目を通していた時に発見。事情を説明するとCD-Rにしてあげると・・・N山さんはこのアルバム安く入手した様で今の様に値段が高騰しているのを知らなかったようだ。肝心のアルバムの出来だが、「ドミシル」でのライブレコーディングという事もあって長尺のソロが聴き応えがある。現在の様に洗練された柔らかいスタイルのダスコも素晴らしいが、このアルバムが吹き込まれた当時は暖かい音色の中にも情熱や覇気を感じさせ非常に熱気溢れるセッションになっている。収録は全部で4曲だが、どれもそういう雰囲気が感じられCDだと一気に聴き通してしまう。録音は1970年1月23日 MUNICH DOMICILEメンバーはDUSKO GOYKOVICH(TP,FLH)FERDINAND POVEL(TS)LARRY VUCKOVICH(P)ISLA ECKINGER(B)CLARENCE BECTON(DS)当時のヨーロッパジャズの水準の高さをしめす作品のひとつだと思う。
2005年01月31日
10年ほど前になるだろうか六本木WAVEの広告で知って通販で入手したアナログ盤。メンバーが凄い。JOHNNY GRIFFIN(TS)DADO MORONI(P)LUGI TRUSSARDI(B)ALVIN QUEEN(DS)ISLA EcKINNGER(TR),もうひとつのグループにはMADS VINDING(B)MAKAYA NTSHOKO(DS)ANDY SCHERRER(TS)が参加している。こんなスペシャルなメンバーをバックにスイス人のボーカリストBRIGITTE BADERが唄っているのだ。選曲も抜群に良い。「GOODBYE PORK PIE HAT」「SOPHISTICATED LADY」「HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON」「BUT BEAUTIFUL」「BEAUTIFUL MOONS AGO」「OUT OF NOWHERE」「YOU`VE CHANGED」「DAY BY DAY」「PRELUDE TO A KISS」に3曲のオリジナル作品の全12曲が収録。値段が自費出版のためか\3500以上したのを覚えているが、聴いてみたい欲求のほうが強くて買い上げた。丁寧な歌唱でへたに歌を捏ねくりまわさずストレートに唄うスタイルで好感がもてる。声質はウィスパー系とか清廉でか細いタイプではなく、かといってパンチが効いた声量のあるタイプでもない中庸の線、口を結構大きく開けて唄っているイメージがするチアフルな唄い方といえばいいだろうか?決して無理して自分の出来ないことにトライアルするような事はしておらず、等身大の自分をナチュラルに表現しているので、わざとらしさや嫌味がないので、聴き疲れがしない。アルバムとしてのクオリティーの半分はグリフィンはじめジャズ界の名だたるミュージシャンに任せ、自分の考えるジャズボーカルを素直に歌ったのがこのアルバムの成功のもとだと思う。結構自身のリーダー盤だから新たなチャレンジだとか日頃慣れていないことに取り組んだり、あれもこれもと色々な歌にトライするアルバムが見受けられるが、たいてい当初の目論見が失敗に終っている事が少なくない。歌手は無理せず等身大の自分を素直に表現すればそれでいいのだと思う。それが聴衆を感動させる一番の近道なのだから・・・
2005年01月30日
去年12月30日4年ぶりに大阪に帰省して梅田に出た時最後に寄った「ワルティー堂島」のワゴン台にBMCRECORDSのCDが\790で大量に処分されていた。聴いたことの無いレーベルであったが、何枚かチェックしてハンガリーのレーベルなのが直ぐにわかった。一枚一枚チェックしてみると・・・このCDジャケの表の片隅にラベンダー色で印字されているDAVID LIEBMANの名前を発見。他に4枚見繕ってレジに持っていった。このBUDAPEST JAZZ ORCHESTRAはパーソネルをみるとほぼ全員がハンガリー人だと思うのだが、いかんせん知っている名前が一人も見当たらない。 コンダクトはちなみにKORNEL FEKETE-KOVACSという人がやっている。サックスセクションはフルート、アルトフルート、クラリネット、バスクラなど持ち替えが多彩で、ブラスにはHORN奏者とTUBA奏者がゲスト参加していてサウンド的にはギル・エヴァンスを連想させるところがなきにしもあらず。デイブ・リーブマンはソロイストとして激情的なソロを例によって展開しているが、知的にコントロールされたそのソロはいつ聴いても納得させる技量と情熱、演奏のダイナミクスを感じさせる。近年ソプラノの演奏はさらに自由度を増し天空へ飛翔していくかのようなそのパーフォーマンスはスティーブ・レイシ-なき今、ウェイン・ショーターと並ぶソプラノサックス界の双璧をなしていると断言していいだろう。さてこのオーケストラのサウンドであるが、さすが東欧の国とあってミュージシャンの音楽的レベルが非常に高い。クラッシック的な部分と伝統的なジャズビッグバンドのサウンドが巧みに交錯し、そこにECM的なサウンドやロックテイストの音が部分的に挿入されるといった具合。リズムの展開が目まぐるしく変わる起承転結がはっきりした組曲風の曲のあってサウンドのバリエーションも多彩な実力あるオーケストラと聴いた。このBMCというレコード会社リリースしている作品は結構多くて著名なミュージシャンではチャーリー・マリアーノやアーチ-・シェップが参加している作品もあるので下のアドレスでチェックしてみて欲しい。試聴もできるはず。www/bmcrecords.hu/
2005年01月29日
今出張先から帰ってきたところで昼間山口の商店街にある中古屋で買ったこのCDを聴きながら同時にアップさせています。ELLYN RUCKERはカプリからリーダーアルバムをたくさんリリースしているがこのCDはLEISURE JAZZという知らない会社からのもの。1曲目と2曲目にフェイバレットソングが入っていたのが買った理由。「BEAUTIFUL LOVE」「ISRAEL」。後はブルー・ミッチェルの「FUNGIMAMA」やボーカルで「SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST」「UP JUMPED SPRING」(F・ハバード)後はエリントンを2曲。1曲目は情緒深い繊細さを兼ね備えた仕上がり、2曲目は少しハードなタッチで少し演奏が走りすぎかなぁ?3曲目「TAKE THE COLTRANE」こういう演奏させると本場のクラブでも常日頃揉まれているあちらの連中はこのエリンを含めて本当にうまいねぇ!4曲目「WONDER WHY」3曲目と同じくネイティブの強み、本場ショービズの力は強い。5曲目もエリントンナンバー「昔はよかったね」6曲目は弾き語り、7曲目はトリオで唄われる。ピアノの腕前は歯切れがよく明瞭なタッチで結構力強く弾ききる演奏でスキャットも披露しながら見事なプロフェッショナル振りを見せ付ける。ラストは楽しい曲「FUNGI MAMMA」で幕を閉じる。本場の上質なエンターテイメントが収録された一作だと思う。こういう場にいたら、さぞ美味しい酒が飲めるだろう・・・録音は1991年12月7日 NEW ORLEANS MAHOGANY HALL
2005年01月28日
2000年12月岡山「DISC TRANCE」で入手。\690だった。それまでロザリオのリーダーアルバムや参加作を何枚か聴いていたので即、購入。ロザリオの場合その魅力は思い切りの良さに尽きると思う。フルトーンで楽器を鳴らし、目まぐるしいバリエーションのフレーズを次から次へと繰り出していく直情的ともいえるプレイは今のNYの若手奏者にはないもの。そういう点でマッシモ・ウルバーニのDNAを引き継いでいる現代イタリアン・アルトを代表する一人といえよう。このCDはエンリコ・ピエラヌンツィ「HINDSIGHT」と他2曲を除いてあとは全てロザリオの作によるものでプレイだけでなく作曲能力も秀でたミュージシャンなのがわかる。このCDではソプラノサックスも吹いているがロザリオの場合アルトと同じテイストの音色であり、特徴は変わらない。プレイヤーによっては吹く楽器によって全く違うテイストの音色になる人もいるので、どういう理由でそうなるのか興味がある。(EX ズート・シムスTS,SS キャノンボール・アダレイAS,SSなど)このCDのインナースリーブにはイタリアのどこかの都市にあるライブハウス(JACKY`S HOUSEと見える)で演奏するカルテットの写真が載っている。あまり金にはならないが自分達のやりたい音楽を心いくまで演奏することに喜びと充実感を感じている彼らの心情がカットされたひとコマだと感じる。2001年にはPHILOLOGYより大手のドレフィス・レーベルに移籍、3枚の作品を発表している。今後の活躍をますます期待したいプレイヤーの一人である。録音は1998年7月10日 LAVINIOメンバーはROSARIO GIULLIANI(AS,SS)PIETRO LUSSU(P)JOSEPH LEPORE(B)LORENZO TUCCI(DS)
2005年01月27日
1992年岡山のLPコーナーで買ったCDで、ビリー・ハーパーの名前に惹かれた。演奏曲目もハーパーの「PRIESTESS」コリア「WINDOWS」コルトレーン「NAIMA」「GIANTSTEPS」マッコイ「PASSION FLOWER」と魅力的な曲が並んでいた。私がジャズを聴ききだした70年代半ば、ビリー・ハーパーはとても人気があった。ブラックセイントやソウルノートからでたリーダー盤、マックス・ローチ・カルテットでの演奏を経てDENON JAZZと契約。矢継ぎ早にアルバムをリリースしてハーパーの人気は最高潮に達する。ジャズ喫茶では一日に何度もアルバムがかけられた。ライブは合歓ジャズインで観ている。ピアノはアーメン・ドーネリアンだったか?ビリーの日本語のうまさと声のよさ、姿格好の良さを演奏以上に覚えている。スイングジャーナルでもビリー・ハーパーの一日というグラビアが掲載されたことがあった。朝ジョギングをしてヨガや筋トレで体を鍛え、日本語学校に通うビリーの姿がとらえられていた。音楽と同じストイックな生活振りが映し出されていてその頃抱いていたジャズミュージシャンのイメージと大分違うなぁと感じた。そんなビリーの日本での人気はそう長くは続かなかった。チコ・フリーマンやウィントン・マーサリスが台頭してきて取って代られたのだ。質実剛健、一直線のビリー・ハーパー本人にすれば時代のニーズに合わせて音楽をつくることなど全く関心がなかっただろうし、いやそういう事を意識さえしていなかったかもしれない。このアルバムはMARK MASTERS指揮のビッグバンドのソロイストとして、ジミー・ネッパーと一緒に参加したもので、自作曲4曲と「GIANT STEPS」でソロをとっている。当たり前のことかもしれないが、ビリー・ハーパーの音色、演奏はそのオリジナル曲のなかで最も映える。不器用で頑固なハーパーの音楽性は結局その閉ざした世界の中で最高のパーフォーマンスを発揮するし、完結すると言ってよいのかもしれない。実際STEEPLECHASEやオーマガトキ、DIWからリリースされたアルバムでも本質的な音楽性は70年代とほとんど変わっていない。今は柔軟性を持ち合わせバランス感覚に優れなんでもオールマイティにできるうまいミュージシャンが増えて活躍の場もさすがに多いがビリーの様な世渡りの下手なミュージシャンにもっと演奏の場を提供する動きがあっても良いと思う。録音は1990年12月4,5日 HOLLYWOOD
2005年01月26日
去年の年末、中南米音楽のコメントを見てこれはなんとなく良さそうだなぁと勘で購入。「ESQUINAS」というアルバム名も中村善郎のセカンドアルバムと同じだし、期待は見事当たって正月休みののんびりした雰囲気にピッタリだった。アリ・バローゾ1曲、カエターノ・ヴェローゾ2曲、ジョビン1曲のカバー以外は自作曲。作曲家としての才能をとても感じる作品群で、ボサノバ、ブラジル音楽があわせもつサウダージ感覚溢れた曲が抑揚のきいた声でほのぼのとナチュラルに唄われていく。全部いい曲だが、個人的には2曲目「TUA CHAMA」ジョイスがカバーしそうな4曲目「NO MAR DA CANCAO」が特に気に入っている。過去の作品を含めて以下のアドレスで試聴もできるので是非アクセスしてみてほしい。www.betocaletti.com.ar現在発注残のCDは HMV4枚、AMAZON4枚、ノルディックサウンド広島5枚、2月3月に別れて入荷するだろうが、最近ついつい買い込んでしまう。少し自粛しなくっちゃ。
2005年01月25日
これも倉敷のGREEN HOUSEで1995年の夏に購入した。リーダーのANDERS MOGENSENの名前は全く知らなかった。サイドメンは全員が有名。GARY THOMAS(TS)RICK MARGITZA(TS,SS)NIELS LAN DOKY(P)RON McCLURE(B)全くスタイルの違うテナー奏者がどんな感じで演っているのか?これが購買動機だったと思う。実質オープニングといってよい2曲目はアップテンポのテナーバトル曲。重爆撃機のようなドスのきいたあの独特なトーンで速射砲のようにソロを展開するトーマスに対し、マーギッツァはブレッカーライクな情熱的でありながらもう一人の自分が見ているかのような巧みにコントロールされた都会的なスタイルでクールにプレイ。二人の演奏スタイルの対比がよくわかるトラック。ちなみに二人とも短期間であったがマイルスに雇われたことがある。3曲目はマーギッツァがソプラノサックスを演奏。ニールス・ラン・ドーキーの抒情的なソロにつづいてマーギッツァーも哀愁度高めのソロを披露。トーマスはお休み。4曲目表題曲「TAKE OFF」。今度は逆にマーギッツァーが先発ソロ。次第にのぼりつめていくようなマーギッツァーのソロの展開の仕方に対して上空から絨毯爆撃するような重くてハードでどす黒さを感じさせるトーマス。ドラマーにはいい曲を書く人が多いが、MOGENSENもその一人と言っていいだろう。モンクの「EVIDENCE」もツーテナーで演奏される。この二人音色的には正反対の音色なので、同じ様なフレーズを吹いても全然違うイメージを受ける。柔と硬、技と力、一方は都会的でクールかたや訥弁で刹那的、聴いていて違いがとても面白い。6曲目「MISSING YOU」この曲でもそう。ソロはマーギッツァー、トーマスの順。ラストは「朝日の様に爽やかに」で締められる。2曲目や4曲目なんかは、古くはリーブマン~グロスマン、ブレッカー~ミンツァー、井上淑彦~藤原幹典などのプレイの応酬を連想する。録音は1994年10月1日 NY SOUND ON SOUND
2005年01月24日
1997年に東京出張で行った折、新宿ディスクユニオンの中古売り場で買ったもの。探していたのが、1Fでは見つからなかったので発見した時は少し嬉しかったのを覚えている。もとはと言うとデイブ・リーブマンのクレジットがあったので買い物リストに入れていたのだが、そのリーブマンは1,5曲目しか参加していない。1996年のコンラッド・ハーウィッグ盤(DOUBULE-TIME)にリーブマンが参加したCDも出来がよかったのでこのアルバムも同じように期待していたのだ。あとの曲はリッチ-・ペリーが参加している。あんまりこのサックス奏者に感心した覚えがないので少し不安を覚えるが聴いている内にそれは杞憂に終ったことを直ぐに悟る。1曲目マルグリュー・ミラー作曲「APEX」、トロンボーンとソプラノサックスのユニゾンからソロはPANICHI,LIEBMAN、MILLERと受け継がれる。音色、パワー、テクニック3拍子揃った技量を1曲目から全開のPANICHIに負けじと熱狂的に吹きまくる壮絶なリーブマンのソロも素晴らしい。テーマは一糸乱れずクールに演奏。オーストラリアのエメラルドグリーンの海をヨットでクルージングしているようなイメージを連想させてくれる2曲目「BARBARA`S SONG」。マルグリューに続くリッチ-・ペリーのテナーソロも自身のリーダー盤よりいいのではないか?3曲目60年代のBLUENOTEのマッコイ・タイナーの曲をイメージして書いたらしいアルバム表題曲「BLUES FOR McCOY」。PANICHIの力強いトロンボーンが堪能できるトラックだ。4曲目はミュートをつけての「CHELSEA BRIDGE」。バラードをだれることなく最後まで吹ききるのは一流ミュージシャンの証、続くミラーのピアノソロも熟練のうまさが目立つ。5曲目再びリーブマンが戻って現代モード奏法のお手本のようなスタイルで演奏される。いやいやカッコいい!6曲目「LISA」3拍子で演奏される美しいスローナンバー。ラストはデイブ・ストライカーの「FIRST STRIKE」。確かストライカー自身のファーストアルバム(SOMEDAYの自費出版)でやっていたはず。最後にDAVE PANICHIは1958年シドニー生まれで1981年にNYへ移りバディー・リッチや秋吉敏子バンドで活躍。2000年にオーストラリアに戻ってキャンベラの国立大学の教授に就任。教鞭をとるかたわらマイク・ノックのスモールコンボに参加したり自己のグループを結成したりして相変わらず地元の音楽シーンで活躍しているらしい。録音は1995年 NY CLINTON STUDIOメンバーは上記以外にJAY ANDERSON(B)VICTOR LEWIS(DS)
2005年01月23日
初めてジャッキー・ペルツァーを聴いたのは、ルネ・トーマのレコードだった。結構鋭角的というかヨーロッパのアルティストにしてはエッジのある音使いで吹くなぁという印象を持っていた。このCDは六本木WAVEの広告で知って1994年の今頃入手した。メンバーはJACQUES PELZER(SAX,FL)PHILIP CATHERINE(G)PHILIPPE AERTS(B)BRUNO CASTELLUCCI(DS)中堅、ベテラン勢でかためられたグループサウンドは極めて洗練された響きで気品さえ感じられる。最も楽曲のもつ雰囲気は彼らヨーロッパの土壌に成り立ったジャズに巧みにその50年代ジャズ(黄金時代)が持っていた輝きをトランスレートしているのだ。決して宮廷音楽でもなんでもなく正真正銘、真正面のジャズだ。取り上げられているジャズオリジナルが最高に良い。TADD DAMERONで「GNID」「SOUL TRANE」HORACE SILVERで「LOVE VIBRATION」GIGI GRYCEで「SALUTE TO THE BAND BOX」「QUICKSTEP」「CONSULTATION」「SOCIAL CALL」「DELTITNU」「MINORITY」その他は「THEME FOR ERNIE」「I DIDN‘T KNOW WHAT TIME IT WAS」「SPEAK LOW」タッド・ダメロンは作曲家として素晴らしい才能の持ち主なのは、認知していたけれども、このCDを聴いてジジ・グライスもそれに劣らぬ作曲家であることを知った。一聴さりげなさを感じる楽曲が何度か聴いているとその楽曲のもつ深さ、豊かさが次第に理解できてくるスルメ曲をたくさん発表しているミュージシャンだと思う。ラストは「MINORITY」。このアルバムのリーダー、PELZERもTADD DAMERONもGIGI GRYCEもジャズ界においてMAJORITYにはなれなかったが、マイナーにはマイナーとしての輝きを放ち続けた、ミュージシャンズミュージシャンだと思う。録音は1993年6月ベルギー、ブリュッセル IGLOO STUDIO
2005年01月22日
1997年にLAIKAからリリースされたアルバムで、アル・フォスターはもとより、クリス・ポッターやデビッド・キコスキーがサイドメンで入っているのが購入動機だったと思う。今、アル・フォスターのリーダー作はこれを含めて3枚所有しているが、一枚のアルバムとしてはこれが一番まとまっているのではなかろうか?ファースト作はフュージョンに色眼鏡を使った中途半端な駄作だった。2枚目はエキセントリックなつくりでマイケル・ブレッカーや菊地雅章の力演がおさめられた力作であったが、やや焦点を一枚の作品として絞りきれていないきらいがあったと思う。実際このアルバムは今でもよく聴く。アル・フォスターの名前を知ったのは一連の70年代マイルスのレコードからだったが、それ以前にBLUE NOTEのブルー・ミッチェル「DOWN WITH IT」などに吹き込みがあるのを、大学時代の行きつけのジャズ喫茶「JOKE」で知り、マイルスのバンドでのプレイが特別なものであり、この人本来はオーソドックスなジャズドラマーなのを知った次第。実際マイルス引退後は、ピアノトリオの録音なんか結構多かったと記憶している。アル・フォスターの小技のきいた熟練のテクニックはCD時代になってその細かいところがはじめてちゃんと記録されるようになったのではないだろうか?このアルバムではリーダー作ということもあって5曲も自作曲が収録されていてその作品がまた力作、佳作揃いであり、作曲家としても能力を発揮しているといえよう。そういえば、昔からいい曲を書く人だったことを今思い出した。クリス・ポッターは現在より素直というかストレートアヘッドに邁進するスタイルでカッコいいアドリブフレーズを極めまくる。このアルバムに収録された曲はポッターやキコスキーのリーダー盤でも演奏されている曲があるので、聴き比べても面白いかもしれない。ラストはウェイン・ショーターの「BLACK NILE」で締められる。録音は1996年10月14日 オランダ STUDIO44アル・フォスターがサイドメンではいっているとそのアルバムは安心して買うことのできる作品だといえよう。すくなくともリズムに関しては、一点の曇りもない出来具合だから・・・
2005年01月21日
昨日アマゾンから届いたばかりのCD。シーマス・ブレイクとビル・スチュアートが入っているので注文した。早速聴いてみる。一曲目「METAPHORICALLY SPEAKING」は彼MANUEL VALERAがニューヨークに出てきた2000年の冬に作曲したこのCDでは最も昔の作品らしい。二つの異なったテンポが交錯するユニークなメロディを持つ楽曲で、シーマス・ブレイクとヴァレラのソロが聴きもの。ビル・ステュアートのドラムはたくみなタイミングではいるスネアドラムやハイハットのビシバシ具合が聴いていて快感である。ドラムはこのSTEWARTとHORACIO"EL NEGRO"HERNANDEZが仲良く5曲づつ分け合って叩いている。シーマスが参加しているカルテットの演奏はすべてステュワートが担当。3曲目「SIMPLICITY」でのシーマス・ブレイクのフラジオを巧みに使ったソロテクニックに耳を奪われる。続くVALERAのソロも現代ジャズピアノの髄を表現するかのようなアップトゥデイトな演奏。リズムを受け持つJOHN PATITUCCIとBILL STEWARTも鉄壁のバランスでサポートしている。4曲目はHORACIOとPATITUCCIの定形ビートにヴァレラのピアノソロが自由に泳ぎまわる。5曲目は叙情的なメロディを持つELISEO NEGRETの作品。6曲目もシーマス・ブレイクのソロが素晴らしい。この人今絶対伸び盛りだと思う。以前に増して楽曲への独自のスタイルによるオリジナリティ溢れる解釈と楽器をコントロールするテクニックが一体化して心・技・体すべてが充実していると思う。9曲目は「SAY IT」。ピアノトリオで厳かに演奏される。MANUEL VALERAはキューバ出身のこのレコーディング時23歳の若者でラテン音楽(キューバ、プエルトリコの音楽、ブラジル音楽)とコンテンポラリーなジャズのイディオムを融合させて将来を嘱望されているヤングライオンだと実際ビルボードなどで好印象のレビューをされている。このファーストCDを聴くとその事が納得できると思う。録音は2003年10月20,22,28,29日 NY AVATOR STUDIO
2005年01月20日
今考えてみるとちょうど10年前の1995年から1996年にかけてジャズ熱が最も薄れていた時期だったと思う。前年94年に急性肝炎を患ってそれまでの生活を見直そうと、体を鍛え直したのが翌年95年の夏、フィットネスクラブに入会したのだ。ウォーミングアップで20分自転車漕ぎ、それからトレッドミルにのって8km走った。少し休憩をとって筋トレ、ストレッチと週4日は4時間近くジムで過ごした。それ以外の日は外を走ってダンベルとチューブトレーニング。出張にも持っていった。食事にも気をつけた。和食中心で高タンパク、高ビタミン、低脂肪の食事を心掛けた。サプリメントにも凝って、トレーニングの雑誌にも目をとおす。約2ヶ月で5kg減量、ストイックな生活ながらゲーム感覚、実験感覚でこうしたら自分の体がどう変化していくか?という感じで楽しみながら今考えるとやっていたような気がする。当然体は軽くなり、元気になった。高校生の頃の体力に戻ったような気がした。半年くらいたってから酒も再び飲みだした。体が元気だと酒も自然と強くなり、うまいしその頃からワインに凝りだして料理とのバランスにも気を配りだした。トレーニングも続けていたし、ワインが新しい趣味みたいになりだして、ジャズも聴き続けていたけど以前程、その頃は熱心ではなくなりつつあった。輸入盤の購入が減ったし、スイングジャーナルも買わない月が何回かあった。それでも毎月何枚かのCDを買って、毎日何かジャズを聴いていた。そんな時にこのCORNELIUS CLAUDIO KREUSCHのCDを倉敷のGREEN HOUSEで見つけたのだ。冴えないジャケットだがケニ-・ギャレットやマーヴィン・スミッティ・スミスなどのメンバーに関心をもって買ったのだ。リーダーの名前は全然知らなかった。こんなに激しいプレイをするケニ-・ギャレットのプレイが録音されたCDはあまり他にないのではなかろうか?とにかく吹きまくる。吹きまくる。ドイツ構造主義(かってにイメージした言葉)的なかっちりとアレンジされたポキポキと折れそうな硬い感じのテーマを経て縦横無尽に暴れまくるケニ-のアルトソロを筋トレしながらよく聴いたものだ。ダンベルのあがる回数がこれを聴くと1,2回増えたもんである。今はあまりトレーニングもしていなくて週に1回近所の公園を5kmくらい走るだけで、すっかり太ってしまった。その分ジャズ聴けるからいいか?i-pod買って聴きながらトレーニングするのが両立して一番よいかなぁ?
2005年01月19日
NISSE SANDSTROMの名前が懐かしくて1994年に岡山のLPコーナーで買ったCD。ロシア出身のテナー奏者SLAVA PREOBRAZHENSKIとのツーテナー共演盤。競演ではなくて心暖まる会話が続く共演盤。1曲目はSANDSTROMのマイナーブルース「RUSSIAN BLUE」で幕を開ける。SLAVA PREOBRAHENSKI,ピアノのHORACE PARLAN,NISSE SANDSTROM、ベースのSTURE NORDINとソロが続く。50年代のハードバップタッチの哀愁味を帯びた実にいい曲。2曲目はジュニア・マンスの有名な「JUBILATION」。テナーはSLAVA, SANNDSTROMの順。二人のテナースタイルはレスター・ヤングからフォーブラザーズの白人テナーの系譜、伝統を引き継ぐ正統スタイルだが音色はSANDSTROMのほうが、ソフトでマイルドな口当たり。ミディアムで演奏される「FOR ALL WE KNOW」に続きこれも懐かしい「BEWICHED」。SLAVAのソロバラード。5曲目はタッド・ダメロンの「OUR DELIGHT」。ここではホレス・パーランがノリの良いソロを披露。SLAVA,SANDSTROMと快調なソロが続く。6曲目もトミフラの有名な「MINOR MISHAP」。トミー・フラナガンというとその後継者として日本に寺井尚之という自身もライブハウスを大阪で経営するピアニストがいるが、一度ライブを観てみたいものだ。トミー・フラナガンは一度広島のジャズフェスティバルで観ている。手抜きのない、むしろレコードで聴く落ち着いた印象よりハードにバッピッシュに速いフレーズを弾きまくる姿にレコードだけじゃ分からないなぁという感を抱いた事を覚えている。ガーシュインの「HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON」。映画「ラウンド・ミッドナイト」で女性歌手が唄う場面があってデクスターの伴奏とともに強烈な印象に残ってこの曲を覚えた。渋くていい曲だと思う。この曲はSANDSTROMのソロバラード。残り3曲はラストまで快活な明るい曲調の作品がツーテナーで演奏され楽しく締めくくられる。北欧のベテランテナーの近作(といっても10年以上前だが)はモダンジャズの名曲を演じた楽しい作品になったと思う。録音は1993年7月4日
2005年01月18日
ジョン・エリスってFSNTからリーダー盤だしている同姓同名のテナー奏者もいるが、このジョンはトランペット奏者。これも昨日のアントニオ・ファラオ盤と同時に購入した。サイドメンで買った。FEATURING:MICHAEL BRECKER,AL FOSTER,EDDIE GOMEZ,CHRIS POTTER,EDWARD SIMONなのである。これで即購入が決定。マイケル・ブレッカーは1,2曲目に参加。残りの曲はクリス・ポッターがテナーを担当している。マイケルは実に伸び伸びしたプレイをしている。最近のリーダーアルバム完成度は高いし、サウンド指向の高い音楽性が素晴らしいとは思うのですが、反面以前のような自由度の高い時によってはぶち切れたような(マイケルの場合、それも計算済みのプレイかもしれないが)怒涛のインプロビゼーションが少し薄められた気がするのは私だけだろうか?ソロイストとして現存のテナー奏者のなかでベスト3に個人的には確実にはいる彼のプレイをもっともっと聴きたいと思う。このような自費出版にちかいアルバムに参加できるのであれば、もっと様々なセッションにこの素晴らしいテナー奏者を起用すべきだろう。クリス・ポッターはマイケルとは反対に自己のリーダーアルバムで最もその真価を発揮するミュージシャンだとは言えないか?ジョー・ロバーノからポール・モチアン経由で体得したサウンド指向の音楽性が自身のオリジナル作品、自分で選んだフォーマット、ミュージシャンの中でその演奏も最高に映えると思う。そういう点でマイケル・ブレッカーというミュージシャンはクリス・ポッターはじめマーク・ターナーやクリス・チークら若手テナー奏者に比べて昔かたぎと言ってはなんだが、アドリブ指向プレイ指向の高いミュージシャン なのだと思う次第。エディー・ゴメスとアル・フォスターのコンビは良好である。リーダーの夢がかなったレコーディングとなったことは喜ばしいのであるが、肝心のリーダーの存在感が残念ながら一番乏しいのはこのメンバーだから仕方ないか?作曲も可も不可もないといったところで、これならば他のジャズオリジナルやスタンダードを数曲加えた方がアルバムとしてのバラエティーは富んだ作品になったんではないだろうか?なにはともあれ有名ミュージシャンの参加した珍しいアルバム。今日またDUからCDが届いた。今回はフランスギター祭りの様相で・MARC DUCRETの自費出版作品・DAVID CHEVALLIER/PYROMANES・ANDY EMLER MEGAOCTET/DREAMS IN TUNE(NOCTURNE)の3枚と・TORE BRUNBORG/GRAVITY(VOSSA JAZZ)明日もアマゾンから2枚届く予定。少しいや、今月はだいぶ買い込みすぎだ。
2005年01月17日
1996年DDQからリリースされたもので2003年シャレオ地下でおこなわれていた中古市でGETしたもの。LPコーナーの倒産流れ品だったみたいで例の国旗のシールが貼り付けてあった。値段は別にして珍しいレコード、CDが入荷する店だっただけに今考えてもなくなってしまった事が残念だ。この時はそんな訳で結構珍しいブツを買い込んだ。このCDもジャケットは知っていたが現物は初めて見たので嬉々として買った次第。アントニオ・ファラオの初リーダー作品で、さすがに力がはいっている作り。1曲目から怒涛の勢いでカルテット全員がゴール向かって一直線という感じ。テナーのBOB BONISOLOは以前のスティーブ・グロスマンを彷彿させるマナーでテナーを吹きまくるわ、ファラオはファラオでタテノリ、ヨコノリ縦横無尽にラインを弾きまくり音楽を推進させていく。ジャズへの情熱とスリルを感じさせるトラックで、この1曲目から演奏に引き込まれていくのである。2曲目はややスローダウンしてミディアムテンポの曲。ファラオのソロがハンコックの手法を使いながらも新鮮なところを感じさせ非凡なピアニストであるのがよく分かる。3曲目が一番気に入っているトラック。この感じ昔TIMELESSからでたマイク・ノック~マイケル・ブレッカー・カルテットを彷彿させる。複雑なラインを熟練したテクニックで猛スピードで疾走するカーレースを見ているかの様なカルテットの動きに彼らの高い音楽性の一部が垣間見れる。4曲目の「NAIMA」と9曲目「GIANT STEPS」コルトレーンがらみの曲は、トランペットのFRANCO AMBROSETTIがテナーのBONISOLOに代わる。アンブロゼッティには悪いがここは、テナーカルテットでいって欲しかった。5曲目は「IN A SENTIMENTAL MOOD」。こういう曲弾いてもファラオはさすがにうまいねぇ!全9曲。録音は1996年3月27,28日 ミラノ今日漸くADSLにする。今まで電話回線で実はやっていました。速さに感動!
2005年01月16日
先週DUから届いたばかりのCD。ノルウェーのギタリストのリーダー作でオーソドックスな音つくりなことが通販のページに書かれていたので、どんなもんかなぁ?と注文してみた。キーボードにブッゲ・ウェセルトフトが参加しているのも気になった。今日も部屋の外は木枯しが吹いて寒そうだ。こういう休みの日はぬくぬくとしたこのパソコンの置いている部屋で過ごすのが正解か?すこし濃い目に淹れたコーヒーにこの前買ったBAILEY`Sのクリームリキュールをいれてマッタリと休日の昼下がりを過ごしています。そんな感じに聴くのにピッタリとはまった一枚といっていのかなぁ・・・ゆったりとしたメロディアスな曲が多く、ギターやオルガンのソロもしゃかりきになってソロをとるのではなく、常に余力を残し全体のバランスを眺めつつ余裕のプレイ。この少し緩めなプレイがなんとも心地よい。決して手抜きしているわけではない。曲ごとの解説はやめよう。BUGGE WESSELTOFTがピアノで参加していることも、サウンドメイキングの一任を担ってはいるが、必然性があるとは言えない。そんな事より、ERIK WESSELTOFTの新曲をセッションに集まったミュージシャンが楽しんで演奏している様が窺えて聴いているこちら方にもその雰囲気が伝わってくる。個人的には、ERIKのオクターブ奏法によるメロディが印象的な4曲目「MOUNTAINJAZZ」、以前紹介したアル・ガーファのPABLO盤に雰囲気がそっくりなマイナー調の6曲目、「THE WHICHES DANCE」ボッサリズムの8曲目「HAMBROS PLASS」が気に入っている。サウンド全体の印象はマイルド、クリ-ミー、スムージィー。録音はオスロ RAINBOW STUDIO箸休め的にこれからよく聴きそうな一枚。
2005年01月15日
2002年の暮れにDUから買ったCD。TONE OF A PITCHというポルトガルのレーベルからのもの。ポルトガルのジャズシーンは情報もあまりこちらにはいってこないので馴染みが薄いのであるが、JAZZPORTUGAL.NETというサイトもつくられているほど、それなりのジャズシーンが確立されているようだ。とは言っても首都リスボンの人口がわずか100万人だそうだからそれなりの規模だと推測されるが、このレーベルからも何人か新人の作品がリリースされていて注目にあたいする。ポルトガルのミュージシャンが77名紹介されているが、名前をざっとみたところ、CARLOS BARRETTOやBERNARDO SASSETTIくらいでほとんど聞いたことのない名前。ペリコ・サンビートやアルバート・サンズなどスペイン出身の名前もはいっていたが・・・このCDにはTPにAVISHAI COHENの名前がクレジットされている。もっとも購入した当時は今ほど騒がれてなかったし、実際プレイのほうもFSNTのトリオ盤ほど弾けた演奏は聴けないのであるが、非凡な才能の断片は聴き取れると思う。テナーサックスのJESUS SANTANDREUのほうがどちらかというと目立ったプレイをしており、一言で言うとマイケル・ブレッカーしているのだ。1曲目の一糸乱れぬ複雑なラインのアンサンブルなど迫力もあるし、情熱を感じさせる楽曲の出来映えに感心させられる。リーダーのNELSON CASCAISが2曲を除いて作曲を担当しており、4曲目の「THERE`S A STAIN ON MY SHIRT」など60年代のウェイン・ショーター風だし、アップテンポの6曲目「LOOKING BACK」もミュージシャンうけしそうないい曲だと思う。ラストの「SEI LA!」ではテナーとトランペットが同時にアドリブを繰りひろげスリルに富んだジャズを展開している。録音は2001年5月20,21日 ポルトガルポルトガルのジャズも無視するわけにはいかないねぇ!
2005年01月14日
昨日H野さんに久しぶりにお会いする。2年前にN内さんと3人で広島であって以来のはず。小郡の小料理屋で約2時間。勿論、ジャズの話題、昔話に花が咲く。以下アトランダムに会話の中で出てきた固有名詞を羅列しよう!マイルス、扇町プール、パンゲア、アガルタ、JOKE,BIRD56、ローズマリー、アヴェニュー、YAMATOYA,WHISY WHASY,J.O.T.ワルツ堂、LPコーナー、VIC,DAN,MUSIC MAN,岡田さん、オアシス、A部さん、阪根楽器、中山康樹、リー・コニッツ、安次嶺さん、辻さん、CAT`S、寺島靖国、田中武久、大塚善章、ボブ、プレリュード、ポルシェ、清水末寿、工藤隆、佐藤丈青、BLOW UP2,清水ひろみ、JAZZ ON TOP,BLUE MOON,平井さん、ミムラ、堂島ワルティー、石川さん、ギターラ、シルバー、リバーサイド、中本マリ、ケイコ・リー、綾戸智絵、サラ・ヴォ-ン、エラ・フィッツジェラルド、マコさん、ドリス・デイ、ボビー・ワトソン、チャーリー・パーカー、私のこのブログに書き込んでくれている方々、デジオ、油井正一、ゴールデンライブステージ、渡辺貞夫、チック・コリア、マイ・ディア・ライフ、片岡義男、気まぐれ飛行船、もっといっぱい色々な固有名詞がでてその話題について話をしたけど、後半は酎ハイお湯割りの酔いも出てきて忘れてしまっている。 H野さんからロルフ・ビルベルグのCD-Rをもらう。岡山のH野さんのアパートで20年位前の深夜聴かせてもらって以来、久しぶりに聴けるのが凄く嬉しい。アケタズ・ディスク「野尻の黄昏」のアナログ盤を貰う。天才アケタと初山博のDUO。この曲には大学4年のときのクラブの夏合宿の時の思い出がある。車何台かに分乗して野尻湖の方へいったはず。私の記憶では、その時車の中でこの曲が話題になったことになっている。その時以来なので聴くのは、23年ぶりになるはずだ。ちなみにこのレコードはその時一緒に旅行にいったクラブの同級生現アケタの店マネージャー、録音技師S田氏の初期の録音だと思われる。
2005年01月13日
2年前の春先、倉敷の「レコード屋」で買ったもの。LOLA!というレーベルが珍しかったし、ペリコ・サンビートのリーダーアルバムは持っていなかったので、どれどれという感じで買ってみた。今、クレジットを見るとピアノにはBERNARDO SASSETTIが参加している。この人のそこはかとない寂寥感につつまれた水晶の輝きのような叙情的なピアノの音を聴いていると心がいつのまにか穏やかになる。一方PERICO SAMBEATのサックスはいつにましてフルトーンで鳴っていてケニー・ギャレットか?と思わせる場面もある。2曲目「DE CAMINO」でそれが覗える。手拍子、パーカッションが入った賑やかなリズムの中をペリコのアルトがエネルギッシュに駆け巡る。続くサセッティのピアノはいたってマイペース、自分の持ち味を崩さない。動のペリコ、静のサセッティ、両者の対比が面白いトラック。6曲目はサセッティの冬の雲の谷間から差し込む日に光の様なピアノの旋律に続いてペリコ・サンビートもコルトレーンの「セイ・イット」のような優しく厳かな吹奏を披露。この奏者の力量が覗えるトラック。ラスト「LO PILLAS?」はややフリーな導入部からラテンの血が煮えたぎる情熱的な演奏。スペインの代表的なアルト奏者のラテン性がよく分かる近況盤。録音は2000年2月14,15,16,17日 バレンシア
2005年01月12日
15年以上前、リリースされて直ぐに岡山のLPコーナーから買ったアナログ盤。1曲目はピアノに重鎮ハンク・ジョーンズを迎えたピアノトリオ。ストップタイムをもうけたグルービーなナンバーで幕を開ける。ハンクのいぶし銀のピアノと粘っこい黒人ベースらしいカーティス・ランディの相性は思いのほか良い。2曲目はスティーブ・ネルソンがそれに加わってホレス・シルバーの名曲「SIVER`S SERENADE」が演奏される。CARMEN LUNDYが天性の素質を感じさせるバラード作品「FUNNY」を唄う3曲目。わざとらしいところは微塵もない見事としか言いようの無いジャズバラード歌唱。4曲目はボビー・ワトソンが加わってモンク風のメロディーが演奏される。ボビー・ワトソンはその作曲能力も高く評価できるが、音色のオリジナリティに私は注目したい。一聴してワトソンとわかる音色は、中音域での倍音成分の多さとアーティキュレーションの独自性、高音域での歌謡成分など現代のドライでクールなアルト奏者と対局をいくような感情をストレートにだしていく演奏マナーに結構はまっているファンも多いはず。5曲目は鼻にかかった一瞬男性かと錯覚するCARMENのボーカルが再びフューチャーされる。6曲目スティーブ・ネルソンのビブラフォンがフューチャーされる「JUST BE YOURSELF」。ジャズ聴いていて良かったと感じる瞬間ってあるでしょう?こんな曲がまさにそうじゃないかなぁ?ほの暗い煙草の煙がよく似合うビタースウィートなバラード作。7曲目はワトソンの名曲「BOLANDO」。RED盤「APPOINTMENT IN MILANO」収録作の再演だ。ラストはパーカーの「SHAW`NUFF」をピアノトリオで締める。ハンク・ジョーンズの気品に溢れたそして真のジャズを感じさせるピアノはこのアルバムのグレードをひとつも二つも上げているといえよう。今でもよく聴く80年代後半に吹き込まれた黒人正統派ジャズの一枚である。
2005年01月11日
2年前、N内さんの家での新年会の集まりの時に持っていって好評だったCDで、2001年の年末にDUの通販で入手したもの。ジャケットが映画のワンシーンみたいで、とても美しい。そしてDUKE PEASON集という事で即購入が決定。有名なところでは、ASにPERICO SAMBEATが参加している。ピアソンの作品集でアルバムまるごと一枚なんてこれ以外に思いつかないが、結構いい作曲家だった事をこのCDを聴くことで逆に認識できる。「LOS MALOS HOMBRES」「GASLIGHT」「JEANNINE」「YOU KNOW I CARE」「IS THAT SO?」演奏もハードバップの精神を理解した歌心溢れるプレイが多く安心してピアソンの曲に身をゆだねて鑑賞できる。個人的には「JEANNINE」を最も気にいっている。キャノンボール・アダレイやマンハッタン・トランスファーのカバーバージョンでお馴染みになっていて前から好きな曲のひとつだった。ペリコ・サンビートのアルトはバラード曲「YOU KNOW I CARE」で全面フューチャーされていてさすがにベテランらしい味のあるプレイを披露してくれ、他の曲でも滋味深いウィットに富んだ演奏をしていて他のメンバーとの各の違いを見せつけてくれる。リーダーのFABIO MIANOも饒舌なスタイルではないが、メロディアスで暖かさを感じさせるアドリブフレーズがピアソンの曲にマッチしていて編曲とともに敢闘賞。全般的に丁寧なつくりでスリルや創造性といった面では物足りないところも感じられるが、好印象を残すアルバム。DAVID PASTOR(TP)PERICO SAMBEAT(AS)JESUS SANTANDREU(TS)CARLOS GONZALBEZ(G)FABIO MIANO(P)MARIO ROSSY(B)ESTAVEPI(DS)録音は2001年8月13,14日 ヴァレンシア昨日はN山さんのところで今年最初の研究会。2001年1月から一月も欠かさずに続いているこの研究会、今年も宜しくという事でこんなCDをかけながらジャズ話に花が咲くのでした。・ALDA REZENDA/MADRUGADA(DO BRAZIL MUSICA)今朝DUから到着したCDを一緒に聴く。・PETTER WETTRE~DAVE LIEBMAN/TOUR DE FORCE(HOUSEHOLD)・KARIN HAMMAR/GOOD VIBE PROJECT(PROPHONE)・STEPANE GUILLAUME/#1 SOUL LOLE(Q+MUSIC)・ERIK WESSELTOFT/CON AMOR(NORMANN RECORDS)・STAHLS BLA/SCBLACHTPLATTE(MOSEROBIE)レコードで山下洋輔~大駱駝鑑/嵐(FRASCO)や名前を失念したが黒人の女性ボーカルを聴く。こんなCDをお借りする。KATARZYNA STEPNIOWSKA/VOCAL PROJECT(NOT TWO RECORDS)JEREMY STEIG~VIC JURIS/IMPROVISED(MOON BEAMS)MADELEINE PEYROUX/CARELESS LOVE(UNIVERSAL)B HOT CREATIONS/ENDLESS JOURNEY(ROVING SPIRITS)ERIKO ISHIHARA/A THOUSAND WINDS(LEAFAGE)越智順子/I WANT YOU(SFP RECORDS)JOHANNA GRUSSNER/NO MORE BLUES(PROPHONE)CD-R化したもので、JOE BONNER/THE LOST MELODY(STEEPLECHASE)HARRY ARNOLD BIG BAND/QUINCY JONES=JAZZ(EMARCY)COUNT BASIE/ONE MORE TIME(ROULETEE)MIKE NOCK QUARTET/IN OUT AND AROUND(TIMELESS)CHARLIE PARKER 10TH MEMORIAL CONCERT(LIMELIGHT)JAY HOGGARD/LOVE SURVIVES(GRMAVISION)JAMES BROWN/SOUL ON TOP(KING)次回は2月初めの予定。正確に数えたのではないけれどレギュラーな研究会としては50回目になるのではないかな?
2005年01月10日
去年の年末ぎりぎりに中南米音楽から購入したCDでsh2oさんのHPで知って関心を持ったのが、きっかけ。アルゼンチンジャズは凄い事になっている。ていうか、BAU RECORDSのJAZZ SERIESは同社のHP(www.BAUrecords.com.ar)によると現在21作品が掲載されているが、私はまだ3枚しか聴いていないので全体像は皆目わからないのだけれど、長年の勘でこれは面白そうなレーベルのような気がする。このレーベルについてはsh2oさんが自身のHPにて詳しい解説をお書きになる様なのでそれを待っている状況。このアルゼンチンのBAU RECORSやフィンランドのTUM RECORDSスウェーデンのMOSEROBIE,ノルウェーのJAZZAWAY,ポルトガルのCLEANFEEDなど新しめのレーベルや最近リリースが再び活発化してきたフランスのNOCTURNE、老舗ながらほとんど未開拓のスイス、ALTRISUONIやBRAMBUSなど個人的に要注目のレコード会社が目白押しで資金面でどうやりくりしていくか、悩んでいるところです。DANIEL NAVARRETE(B)とANDY BAEZA(DS,SAMPLER)にギタリストが二人、テナーサックスが参加したバンドなのですが、ギターになんとBEN MONDERがはいっているのだ。1曲目の短い導入部から2曲目「FLUIDOS」で早くも耳を奪われた。ベースとドラムスが織り成す定型ビート(これが菊地雅章「ススト」みたいにカッコいい)の絨毯の上をセミアコのギターがウネウネと音を紡いでいく。いや音色もフレーズも変幻自在、ジャージーなプレイであるかと思っているとスペイシーな演奏になっていたり、ロックテイストの強いプレイに変化したりとひとつのスタイルに終始しない、そしてスタイルの変化自体スムースに有機的に変わっていくのでわざとらしさを感じず、クールに進んでいくのだ。3曲目もツーギターがカウンター的にメロディーを綴っていく近未来的なイメージを受ける曲。カレイドスコープで外の風景を見てみるとドンドン色や形が変化していって幻想的なイメージが拡がっていくように、文字通り音のタペストリー、音の万華鏡といっていいようなサウンド。5曲目はセンシティブなバラード演奏。演奏にとても幅のあるバンドとみた。9曲目は「FREEDOM JAZZ DANCE」この曲にはAGUSTIN MOYAのテナーが参加。これが最もストレートなジャズ演奏。とにもかくにも現代アルゼンチンジャズのレベルの高さに驚いた一枚だったので、2004年のMY BESTにギリギリに入れたほど。これを機にいろいろ聴いてみたいと思っている。
2005年01月09日
出張からさっき帰ってきたところで今、PCの前にようやく座ったところです。大学二回生か三回生の時だから1980年位か、アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズのコンサートに一人で出かけた。民音か労音主催のコンサートだったので料金も安かったはず。ウィントン・マーサリスが加入する前のメッセンジャーズでメンバーはパレリー・ポノマレフ(TP)デビッド・シュニッター(TS 最近スペインのレーベルから久しぶりにリーダーアルバムを出した)ボビー・ワトソン(AS)がフロントだった。ピアノとベースは誰だったか失念した。ボビー・ワトソンを初めて見たのはこの時だった。レコードはそれからメッセンジャーズに参加しているものやRED盤などで集めていた。そんな矢先第1回のMT.FUJI BLUE NOTE JAZZ FESTIVALのオールスタージャムセッションで怒涛のロングソロで一躍評判をとったとの報をSJ誌上で知り、自分のことのように嬉しかったのを覚えている。それから間もなくそれが元かどうか知らないがBLUE NOTEと契約。下積み時代の長かったボビーにも漸く日の当たる場所に出る機会がやって来たのだ。ブルーノートからリリースされたアルバムも数枚購入したが、正直REDや「SOMEDAY」が自費出版したライブ盤などに較べてメンバーは豪華なんだけれどもボビーの奔放で傍若無人なところが薄められているような気がした。その後COLUMBIAに移籍したが、同じような印象。この人にはメイジャーよりやはりマイナーレーベルの方が向いているのだ。そんな折、六本木WAVEの広告でこのBERNIE SENENSKYのアルバムにボビーの名前を見つけてTIMELESSレーベルということもあり期待できそうな気がして購入した。予想は当たった。ここには昔の伸び伸びとアルトサックスを吹くボビーの姿がとらえられている。バニー・セネンスキーの端正なピアノとレイ・ドラモンド(B)マーヴィン・スミッティー・スミス(DS)の万能リズム隊とのコンビネーションも悪くない。「SOUL EYES」「NO MORE TEARS」SENENSKY作「EYE OF THE HURRICANE」が特に聴き物。録音は1991年2月26,27日 トロントボビーはまだ50歳を少し超したくらいの年齢のはず、まだまだ老け込む年でもないのだから現代ジャズシーンでもうひと暴れもふた暴れもしてもらいたい。
2005年01月08日
1992年2月出張中の倉敷「GREEN HOUSE」で買ったもの。ちょうどその時、風邪を引いていて、熱があり食欲もあまりなかったのだが、駅前の食堂で何か食べないと体に悪いと思って、親子丼を食べてその後はやくホテルにチェックインすりゃいいものを、文字通り熱に浮かされたように「GREEN HOUSE」へ寄ったのだ。何か一枚とエサ箱を漁っていて見つけたのがこの一枚。MUSIDISCからトム・ハレルのリーダー盤が出ている事は知らなかったが、ワンホーン物であるし、期待できるかなぁと値段は少々高めだったが買ってみた。1曲目は「YESTERDAY」。ハレルのオリジナルなスタイルが垣間見れる滑り出し。続くケニー・ワーナーのピアノも個性的で聴き応えがある。2曲目からはトム・ハレルのオリジナル作品のオンパレード。「SAIL AWAY」「GRATITUDE」「GLASS MYSTERY」「CORAL SEA」「BUFFALO WINGS」。自作曲だとハレルのスタイルがより明瞭になる。ライブ録音であるにも関わらず、変にエキサイトする事もなく日頃の強い意思のもとに、自己の信念に基づいた自分自身のジャズを展開するハレルの姿が見事にとらえられている。青白い炎がめらめらと持続性を持って燃えている様なスタイルといったらよいだろうか、ハレルのスタイルはこれまでのTP奏者にはないユニークなものを感じる。決して饒舌なスタイルでもないし、超絶技巧を誇るテクニックを誇るプレイヤーでもないが、一流の個性と聴衆を納得させる音楽性、を有するプレイヤーだと思う。ジョー・ロバーノなどと並んで、現代ジャズシーンにおける若手プレイヤーにサウンド指向の面で多大なる影響を及ぼしているのではないだろうか?このアルバムに収録されているオリジナル作は後日、コンテンポラリーレーベルからデイブ・リーブマンやジョー・ロバーノを加えて二管編成で再吹き込みされているので、聞き比べてみるのも良いかもしれない。録音は1991年4月26日 パリ「ALLIGATORS」
2005年01月07日
2002年の秋にDUから通販で購入。シーマス・ブレイクが参加しているギターカルテットなので期待できるだろうと判断。リーダーのミケール・エンゲル?(MIKKEL ENGELL)についてはジャケにもなんのインフォメーションも記載されていないのでよく分からないのだけれど、カート・ローゼンウインクルやベン・モンダーなどと較べるとよりオーソドックスなJAZZの伝統に根ざしたプレイをするギタリストだと思う。曲調も彼らの曲より比較的わかりやすいメロディーで、かといって純然たる正統派のジャズ作品(ハードバップ作品等)というわけでもない。70年代以降のちょっと一捻りしたやや斬新な曲調のものが多い。フォークミュージックのテイストもところどころ匂わせ聴かせどころのある曲が多い。テナーのシーマス・ブレイクも自身のリーダー作より伸び伸びしたプレイを繰りひろげており、フラジオパートでは複雑な難しそうなフレーズをいつもの様にいとも容易く吹き切るテクニックに脱帽する。ENGELLの作品以外にデンマークのトラディショナルソングと「FOOL ON THE HILL」「MILESTONES」(古い方)が入っている。サポートメンバーはベースがBEN STREET,ドラムがJOCHEN RUECKERT。10曲目「OLD SCUBA MAN」木枯し吹きすさぶ戸外から帰ってきて、暖炉の灯ったリビングで部屋着に着替えて肘掛椅子に腰掛けゆっくりと葉巻を燻らせその日の出来事を反芻するようなリラックスしていて、どこか懐かしいイメージのする曲。名曲だ。ブルックリン派の若手テナー奏者のアルバムでギターと組むカルテット作は、結構数たくさんあるけれどもこのアルバムなど日常的によく聴くのによい、親しみをもてる一作としてお薦めしたい。
2005年01月06日
確か1982年の夏、社会にでた最初の夏の事だったと記憶している。夏のジャズフェス「合歓JAZZ INN」の事。学生時代四年連続で足を運んでいたので広島からも是非行きたかったし、k原君はじめクラブの皆も一緒に行こうと、電話で誘ってくれていたのだ。広島からでは残念なことに、時間と金銭面でどうしても都合がつかなかった。夜、ラジオをつけると偶然にそのステージの模様が実況中継されていた。その番組で大森明の演奏を初めて聴いたのだ。JAZZ LIFE誌上のインタビューで同業者の沢井原児(大学の大先輩でもある、直接面識はないが・・・)が演奏のアプローチや音色、心構えなど様々な質問をしていた中で、決定的に日本のアルト奏者と大森明の違いについてのところをよく覚えている。つまりこうだ。音楽とのフィットネス。言葉はその時と違うかもしれないが、自分と音楽の場とのアイデンティティの問題。クレッシェンドでもデクレシェンドでも絶対的な自己というものを最大限にアピールする表現力、存在力。日本のホーンプレイヤーはつい大きな音を出してアピールしがちだというのである。だいたいこの様な事だったと思う。その放送で決していい音とはいえないAM電波にのって聴こえてきた大森明のアルトの音から実際日本のホーンプレイヤーとは思えない、ニューヨークの音が聴こえたのだ。それから半年ほどして初リーダーアルバムがテイチクから出たんじゃなかったっけ?初リーダーアルバムは予想通り素晴らしい出来であった。バリー・ハリス、ロン・カーターをサイドメンに堂々たるリーダーぶりを発揮。我々仲間内でも好評だったはず。それから暫らくぶりのセカンド作が当アルバムにあたる。ピアノにはレイ・ブライアントを迎え、1986年10月8,9日に録音された。大森明の一番の魅力はその音色だと思う。少なくとも私にとって理想のアルトサックスの音を出すミュージシャンは大森明なのだ。このアルバムでもそんな理想の音色で「DONNA LEE」「SNEAKIN‘AROUND」(レイ・ブライアント)「THE OLD COUNTRY」(ナット・アダレイ)や「GOOD MORNING HEARTACHE」などが演奏される。数曲はいっている大森のオリジナル作品も佳作が多い。1曲目の「BACK TO THE WOOD」とスローボサで演奏される「JULIN」が特に気に入っている。日本を代表するアルト奏者が80年代中盤に記録した傑作として推薦したい。
2005年01月05日
去年の夏、HMVの\500セールで購入。クリス・チークとジム・ブラックのファンなので前から欲しいと思っていた一枚。私にとっては、何と言ってもジム・ブラックのドラムを聴く一枚。1曲目でクリス・チークのテナーが1992年のこのレコーディング時点で既にスタイルが確立されていた事に少し驚く。この時24歳だったそうだ。このアルバムのリーダー、ステファン・フリックも27歳。メンバーの中でフリックとピアニストのPATRICK GORAGUERはパリ出身、クリス・チークがセントルイス、ジム・ブラックがシアトル出身。1989年、全員がバークリー音楽院の生徒だった。1990年にフリックの初リーダー作KISHINEVで全員が一緒に演奏したのがこのバンドの始まりらしい。このアルバムは彼らの2回目のヨーロッパツアーの最後に1992年にレコーディングされたもの。異なる音楽環境、音楽経験を積んできた彼らが、このバンドを通して相互作用しあい、様々なスタイルを吸収していっただろう事はこのCDを聴く事にとって想像に難くない。演奏しながら新たな局面に進んでいく自分達の音楽に目を輝かせながらハプニングを楽しんでいる様が目に浮かんでくる。2曲目ではカミソリのようにシャープなジム・ブラックの正統4ビートドラミングが聴ける。4曲目でもソロ、ならびにトニー・ウィリアムスの様なドラムが。クリスのテナーもブルックリン派代表の様な素晴らしいソロを展開。6曲目はオーネット・コールマンの様な曲が、全員の躍動感あふれている様で巧みにコントロールされ、流れる様で所々アクセントが設定されている彼らのマナーで演奏される。ラストはECM風のやや思索的バラード。チークがジョー・ロバーノからの影響をよく受けているのが分かるトラックだ。リーダー、STEPHAN FURICのことを全然かかなかったが、作曲に特に才能があるんじゃなかろうか?このCDいがいにもSOUL NOTEから数枚リーダー盤がでているのでいつか聴いてみたい。
2005年01月04日
デビューアルバムの存在は知っていたがこのアルバムは知らなかった。阪神百貨店のレコード市でこれも偶然入手したもの。\950だった。最初エサ箱から取り出した時イングリッド・ジェンセンの名前に目がいった。その時はデビューアルバムのことを咄嗟に思い出さずこのグループ名を認識できなかった。確保したCDを品定めする段階になって思い出して即購入が決定。彼らの情報がほとんでないのでインターネットで得た情報を転載しておきます。MR FONEBONEは1994年トロンボーン(BONE)のANTTI RISSONENとサックスのMIKKO INNANEN(FONE)がフィンランド、ヘルシンキで結成したグループで、フィンランドジャズ界で最もイノベイティブな演奏をおこなうジャズバンドのひとつである。メンバー5人それぞれオリジナルなサウンドを持ち、新しいフィンランドジャズを創造するに足る個性的な面々からなっている。ANTTIは1998年フランク・ロソリーノ・ジャズ・トロンボーン・コンペティションで優勝していて、MIKKOは2000年スペインGETXOで行われた国際ジャズコンペティションで最優秀ソロイストを受賞している。KARI IKONENは2001年アメリカのジュリアス・ヘンフィル・ジャズ作曲賞を受賞している。ベースのTUURE KOSKIはフィンランドのファーストコールベーシストで様々なセッションで活躍ドラムのTEPPO MAKYNENNはフィンランド・フェスティバル・オーガニゼーションによる2000年のヤングアーティストに選定された。そんな輝かしい楽歴を有する彼らだが、数年前、ANTI RISSONENがベルリンで初めてイングリッド・ジェンセンに会った事からこのCDが生まれる。ANTIはイングリッドの個性的なトランペットに魅せられ、再会を誓う。1999年NYでそれが実現して数ヵ月後、フィンランドを一緒にツアーする事に・・・一日のコンサートからこのCDが産みだされた。実際聴いてみてどうかって?イングリッド・ジェンセンの空気を切り裂く様なスタイルのトランペットとMR FONEBONEの相性はとても良好。彼らの場合確信犯というか、60年代のモードスタイルのジャズ、第2次マイルスクインテットの手法をなんのてらいもなく演奏に取り込んでいるので、音に説得力があってこちらも聴いていて清々しい気分になる。勿論現代ジャズの語法もたくみに取り入れてはいるのだが、それはあくまでも隠し味的に使われているだけであって演奏のコアな部分はモードの追求とみた。トリオでKARI IKONENがローズでソロを取り場面などドラムは60年代のトニー・ウィリアムスそっくりだし結構カッコいいプレイだ。3曲目の「3RD ROOM FROM KITCHEN」をもう一度聴きなおそう。このサウンド今の耳で聴いても筍のサウンドしてると思う。
2005年01月03日
年末大阪で買ったCDの中からまずこの一枚を紹介したい。恐るべきアルゼンチンジャズ。ひょっとしてこの国はとてつもないジャズの宝庫かもしれない。そんな事を思わず感じさせる様な素晴らしい出来だったのでまずこの一枚をアップしたい。駅ビルのカーニバルレコードで入手。同ビルのDISC JJより値付けは全般的に高めだがその分珍しいCDを在庫で結構揃えている。中古で\1500以上と高めだったが、ジャケ裏の曲目を見て興味をそそられ勘で買った。I REMENBER CLIFFORD, WILDERNESS(TONY WILLIAMS)ANA MARIA(WAYNE SHORTER) EL OJO DEL HURACAN(HERBIE HANCOCK)MOANIN(BOBBY TIMMONS)こんな曲をアルゼンチンのドラマーがどう料理しているか?ちなみにジャケに他のミュージシャンのクレジットが全くないのでどんな編成かもわからず・・・ソロでやっていることもないだろうととにもかくにも買ってみたのだ。実家に帰って試聴開始。インナースリーブをめくってピアノトリオを軸に様々な楽器を加えて演奏している事が聴く前に判明。バンドネオン、アコーディオン、ヴァイオリンにチェロ、ギター、トランペットにテナーサックス、ソプラノサックスが曲によってフィーチャーされる。1曲目の「クリフォードの想い出」は哀愁度高めの仕上がり。ヴァイオリンのイントロに続いてリリカルなトランペットがメロディーを奏でる。この1曲目でアルバムに期待感が一気に高まり身を入れて鑑賞する事に・・・リズミックなピアノトリオで演じられる2曲目に続く3曲目トニー・ウィリアムス作「WILDERNESS」。バンドネオンとアコースティクギターを加えることにより異国情緒豊かな南海の楽園をイメージさせるサウンドに作り上げている。ピアノトリオによるハードドライビングな仕上りの4曲目に続いて5曲目もコルネットがソロを取る哀愁度高めのメロディーの小品。6曲目もヴァイオリンとピアノで奏でられる叙情感あふれる間奏曲。7曲目ウェイン・ショーターの「ANA MARIA」ヴォイスとアコーディオンのユニゾンが南米のパリといった風情を感じさせ情感豊かに迫ってくる。8曲目「SEVEN FOR TRANE」はコルトレーンマナーのテナーが加わったカルテットによる演奏。10曲目はハンコックの有名曲。ピアノトリオがそのままハンコック~ロンカー~トニーに聴こえない事もない。11曲目もヴァイオリンとピアノが旋律をとるナンバー。12曲目ピアノトリオによるチャーミングに仕上がった「モーニン」。ラストは少しフリーフォームなアドリブ部分が収録されているがこれは蛇足ではないか?無名(私は知りませんでした)のアルゼンチンのドラマーがリーダーの哀愁度高めの聴き易いジャズアルバム。こういう作品が個人的名盤になるのは、長年の経験から断言しても良い。
2005年01月02日
新年おめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。家族と大阪の実家に帰っていまして実家近くのインターネット喫茶から書き込みしています。30日にはO本さんとほぼ10年ぶりにあって久しぶりの再会をお互い喜びました。その前に梅田界隈の中古屋巡りを敢行。3時間しか時間がなかったので以下のコースを廻り次のCDをゲットいたしました。阪神百貨店中古レコード市(最終日)駅前第一ビル、第二ビル、第三ビルの中古屋すべてカーニバルとDISC JJ 8軒と堂島ワルティーMICHEL COCHRANE /IMPRESSIONS(LANDMARK)MR FONEBONE LIVE featuring INGRID JENSEN(TEXICALLI)BEN SLUIJS QUARTET/SEASOUNDS(DEWERF)ERNESTO JODOS/CAMBIO DE CELDA(BAU RECORDS)GIANNI CAPPIELLO/INCENDI MARINI(SPLASC(H)FRANCISCO MORA CATLETT/WORLD TRADE MUSIC(CP)BELMONDO QUINTET/FOR ALL FRIENDS(CHALLENGE)DAVID REX QUARTET/THE DARK SIDE OF THE STREET(ABC MUSIC)CARLOS BARRETTO QUINTET/GOING UP(A RECORDS)JOSE LUIS GUTIERREZ(FSWJ)FLANAGAN~INGHAM QUARTET/ZANZIBAR(GRAY BROTHERS RECORDS)JEFF HAMILTON TRIO FEATURING FRITS LANDESBERGEN(MONS)KEN SERIO TRIO/TOMORROW`S ANOTHERDAY(MIRROR WIZARD MUSIC)QUINTINO CINALLI/CAMBIO DE PLANES(MELOPEA DISCOS)ELEMER BALAZS GROUP WITH CHARLIE MARIANO/OUR WORLDS BEYOND(BMC)BUDAPEST JAZZ ORCHESTTRA WITH DAVID LIEBMAN/HUMAN CIRCLE(BMC)GABOR GADO QUARTET/UNKNOWN KINGDOM(BMC)GABOR GADO QUARTET/ORTHODOXIA(BMC)以上18枚で\18000 中々良い買い物が短時間のわりにできました。その後O本さんとあって昔話ならびに最近のジャズの話をする。ビヤホールの後ジャズ喫茶かジャズバーにでも行こうと言う事になりWHISY WHASYに行ったのだが28日から正月休みだったので近くのジャズクラブ「JAZZ ON TOP」へ。内装がジャズクラブにしては結構凝っていて初めていってもリラックスできて落ち着ける実に雰囲気の良いジャズクラブ。演奏もギタートリオ+ボーカルで楽しめた。ヒルトンホテルのラウンジでコーヒーを飲んで別れる。買ったCDはこの正月休みに聴きたおして気に入ったものは随時紹介していこう!
2005年01月01日
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