“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2005.10.28
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テーマ: 日本料理(368)
山ばな平八茶屋 @京都市左京区山端

日ごろは 「飲食店の脚本家&演出家」の大久保一彦 のブログをお読みいただきありがとうございます。
「飲食店の脚本家&演出家」の大久保一彦の「食の商い塾」 開催中です。こちらからどうぞ!


懐石弁当をいただきながら、
20代当主園部平八氏のお話を伺った

平八茶屋は1675年創業、
記録がないところ(家系図が無い時代)までさかのぼると、
空海のお弟子さんである慈覚大師さまが立ち寄った


代々当主は平八を襲名し、
現在家系図がある範囲で20代目ということになる。

若狭街道(鯖街道といわれています・・食文化の基点からこの名前)の基点
京の七口、大原口にあり、
日本海の小浜に抜ける(ここから18里72キロの距離)要所として発展。

ここら山なんですよを意味する山ばな、
山は山賊が出るかもしれない危険な旅路だった。
その山ばなに位置する平八茶屋は麦とろを食べて、
身支度をする場所として発達した。

代々麦飯を売っている。

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江戸時代には万屋(よろずや)平八になり、


江戸中期には、屋台か土間から庶民が食事をするようになり、
そこに対応し、旅籠になった。
江戸後期には旅籠から料理屋に転身し、
明治時代には鉄道の施設に伴い若狭街道が廃れたため、
川魚専門店となった。


コンセプトは一塩ものと京野菜である。

このように飲食店であること同じであるが、
業態を時代のニーズに合わせて変えている。
京都の老舗松前屋は500年昆布一筋を売って同じのと、
大きく異なる。
それが飲食店というものだ。

平八茶屋では時代に合わせて、変えるものと変えないものがある。
古いものと新しいもののバランスが大切だ。

京都は200年前のものを使っているが、
奈良は遺跡になっていて使っていない場合が多い。

例えば、奥の座敷は大正時代の数奇作り。

さて、料理の話をしよう。
平八茶屋は麦飯とろろの店だ。
これは、代々変えていない。
100年前にも同じだし、これからも変わることがない。

あくまでもメインディッシュの麦とろを
おいしくいただくための料理というスタンスは崩さない。

「歴史は守るものではない」
これは20代目当主の考えである。

「私は20年前のリレイランナー」
「創業者は“短距離ランナー”、“マラソンランナー”個人競技」
「常にトップ集団についてたすきをつなぐことを考えて、
がんばっていく」

「時代に迎合せずに、時代に必要とされる店作り」をしているそうだ。
それは
女性の時代だからかわいらしく出すことが流行っていても、迎合しない。
若い人の時代で肉を出さなければならないと思わず、迎合しない。
自分のコンセプトは貫くのだ。

麦とろの麦は栄養価があるけど消化が悪い。
これに消化を助ける”とろろ”がある。

今日は一塩のぐじ(一昼夜かかってこなれたもの)の刺身食べた。
これはうまい!
ぐじのひとしおの刺身はあまりない。
一塩で刺身を食べられることは関西でもめったにない。

そして麦とろ。
最近、麦飯をご飯を食べておいしい米から、
とろろを食べておいしい米に変えたそうだ。
全国を歩き、おいしい米を探し出したそうだ。

最後に平八茶屋の家訓一子相伝について聞いてみた。
一子相伝の意味は、ミッション(使命)をひとりに伝えてくことだ。
もちろん、味だけではない考え方でもある。 

平八茶屋は宿泊もできる。
意外と京都の料亭は安いのだ。 

平八茶屋
京都市左京区山端川岸町8-1
075-781-5008





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