2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全8件 (8件中 1-8件目)
1
<単身でギリシャに赴任した悟に、一方的に離婚を切り出した妻の奈美子。納得できない悟に対し、奈美子は祖父母の間で交わされた手紙のコピーを送る。―約50年前、祖母は殺人の容疑で逮捕されていた。頑なな態度を貫く祖母と、無実を信じ奔走する祖父。ふたりの手紙には、誰も知ることのない真実が語られていた…。>前半が奈美子と悟の、後半が祖父と祖母の、往復書簡で構成されている。手紙の内容だけでストーリーが語られるわけだから仕方ないと言えば言えるのだけど、あまりに丁寧で膨大な量なので、さすがにあり得ないなぁと思ってしまう。特に急な離婚を切り出された悟が、こんなに冷静で理性的に手紙をしたためられるわけないと。ただ、一途に妻を愛し続ける祖父の姿には、胸を打たれるものがある。
July 30, 2008
コメント(0)
<山梨県で地元の有力者の一人娘が誘拐される事件が起こった。警察の指示に従った結果、身代金の受け渡しは失敗。少女は死体となって発見された!県警は、遺留品に付いていた指紋から、無実の青年を逮捕。執拗な揺さぶりで自白に追い込んでしまう。有罪は確定してしまうのか?そして真犯人は?現役の法律家が描く、スリリングな冤罪ドラマ>以前、映画「それでもボクはやってない」を観た時もぞっとしたものですが、この本も無実の人が冤罪を背負わされる怖さを、詳細に書き記されています。作者が現役の法律家ということは、実際にこうした事件があり得るということで。。。正直、いくら早期解決が大事だといっても、捜査の途中で「これはおかしい」と思う警察官がいないはずないのでは・・・とも思いましたが、組織の倫理、上下関係などが微妙に絡み合って、正しいことだけがまかり通るわけではないのでしょうか?2部に若い正義感あふれる弁護士が登場することで、少し救われた気がします。彼の周りの、しっかり者の事務員や理解ある妻の存在は、清涼剤でした。しかし、それでもすんなり無罪とはならない現実、うーん。。。
July 30, 2008
コメント(2)
<野球場のビール売り、ファストフードの店員、スタンドの給油係、量販店の販売員、ファミレスやコンビニの店員などなど……。風実(ふみ)は自称「プロのフリーター」の25歳。 ボーイフレンドの英一はボクサーの卵。せっかく夢を追いかけていたのに、年下に強烈なパンチを食らって自信喪失。もうボクシングはあきらめる、なんて言い出す始末。やりきれない思いを38歳で部長昇進を果たしたサラリーマンの友達・小池さんに愚痴る日々。そんな不安定な風実の元に、18歳の弟の幹(かん)が転がり込んできた。その原因は……「お母さんにゲイだってカミングアウトしたら怒っちゃって」だって?! >風実の周りのいろんな人たち、たとえば母親とかボーイフレンドは、どうしようもなくマイナス思考で「ちょっと! ちょっと!」と言いたくなるけど、ゲイバーのマスターやバイト先のオーガニック惣菜屋台のご夫婦などは、スカッとしていて見事。そんな素敵な人とも、もちろんうじうじしている人とも、良いバランスをとりながら付き合えるのが、風実の魅力。悩みながらも成長していく女性の、爽やかな物語です。
July 29, 2008
コメント(0)
<ダブリンの街角で毎日のようにギターをかき鳴らす男(グレン・ハンサードは、ある日、チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会う。ひょんなことから彼女にピアノの才能があることを知った男は、自分が書いた曲を彼女と一緒に演奏してみることに。すると、そのセッションは想像以上の素晴らしいものとなり…>素朴で優しい映画です。プロを夢見るストリートミュージシャンの彼と、花売りをしたり家政婦の仕事をしたりしながら小さい娘を育てているチェコ移民の彼女。ちょっとしたシーンなのですが、父親の修理業を手伝う彼に、故障を直してもらいたくて、掃除機をガラガラ引いて歩く彼女の姿、ユーモラスで可愛いかった。音楽を通じて惹かれあう二人。でもお互いを尊重しあって、がむしゃらに近づきすぎたりはしない。率直で力強い彼のギターと歌声、繊細で優しい彼女のピアノと歌声が、良いハーモニーとなって、聞く者の心に響きます。爽やかな終わり方も、好感が持てました。どうやらこの映画は、すごく低予算で作られたようなのですが、どうしてどうして上質な作品に仕上がっていると思います。お金をかければ良いってもんではないですね。
July 26, 2008
コメント(0)
<逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。誘拐犯と誘拐された子。理性を揺るがす愛があり、罪にもそそぐ光があった>1章は、不倫相手の生まれたばかりの赤ちゃんを、思わず連れ去ってしまう希和子。生みたかったのに生めなかった我が子に名づけようと思っていた「薫」と言う名前をつけて、逃亡の日々が始まる。東京から名古屋・奈良・四国。二人で生き延びるためには、受け継いだ数千万の大金を、妖しい団体に全額寄付してまでも・・・ささやかで穏やかな生活を過ごせるようになった3年半後、一枚の写真であっけなく二人は見つかってしまう。2章は、誘拐された子供のその後の話。事件後の方が、生きていくのがつらいだろうな。実の子でなくても注げる強い愛情。子供は親を選べない不幸。どうしようもない相手を愛してしまうのは何故か。等々、色々なことを考えながらも、一気に読んでしまいました。
July 21, 2008
コメント(0)
<舞台は、かつて炭鉱で栄えた北海道のある街。4人の小学4年生が惑星探査機ボイジャーを見るために、ある丘へ出かけるところから物語は幕を開ける。4人の名前は、俊介と敏彦と雄司と美智子。 それから時は流れ、彼らは大人になり、それぞれの生活を送っている。あることをきっかけにふるさとを離れた俊介は、40歳を目前に控えたある日、自分が末期ガンであることを知り、ふるさとへ帰ることを決意する。そこで4人は再会することになるのだが――。>かつての炭鉱事故にまつわる悲劇やら、妻の不倫相手による幼い娘の殺害やら、これでもかというほどの哀しい話が出てきます。中でも40歳を前に死んでいかねばならないシュンの辛さは、読んでいてもしんどかった。正直上下巻というのは長すぎるなぁと思いましたが、重いテーマである「許し」を書き込むには、このくらいの量が必要なのかもしれませんね。
July 18, 2008
コメント(0)
<現役の弁護士でもある著者が、裁判制度の実態と問題点を浮き彫りにした法廷ミステリーです。高級老人ホームで起きた殺人事件。容疑者として、看護師の河本絵里が浮上します。「疑惑の女」となった絵里は、支援者と共にブログやマスコミを通じて冤罪を訴えます。まるで、女王ヒミコのように支援者を従え、冤罪を叫ぶ絵里。果たして白なのか黒なのか?事件の真相に迫る社会部記者の目を通して、裁判と人間の本質を克明に描いた一冊です。>複雑な家庭環境の中で不幸な幼少期を経て、したたかに成長した絵里。社会部記者打野にだけは見せる「山村からでてきた少女」のような純朴な一面。彼女は本当の犯人なのか?読みやすい半面、ミステリーとしての評価は今一なのかもしれませんが、実際の裁判を知るうえで、とても参考になる作品だと思います。裁判とは、検察側弁護側双方の十分な審理を尽くして決まるものだと思っていました。しかし「裁判官の裁量によって裁判の白黒が決まる」という現実は、ちょっと驚きでした。すでに出ている「お眠り、私の魂」「死亡推定時刻」などの作品は、更に面白そうなので、読んでみたいと思います。
July 6, 2008
コメント(0)
<退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、イラクから帰還してくるはずの息子マイク(ジョナサン・タッカー)が脱走したという知らせを受ける。息子を探すために現地へ向かい、地元警察のサンダース刑事(シャーリーズ・セロン)と捜索を開始。真実が明るみに出るとともに、ハンクは知らなかった息子の素顔を知ることに……。>うーん、思ったより静かで地味な映画だったんだけど、すごく重たいものを受け取ったような気分です。戦争とは・・・正義とは・・・どんな大義名分があるとしても、命をかけて戦うということは、異常事態なわけで、正常な精神を保つのは無理なのが当然。イラクからの帰還兵の多くが抱えるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を題材に、「クラッシュ」「ミリオンダラー・ベイビー」などの素晴らしい脚本を書いたポール・ハギスが作り上げた作品なので、じわじわと心に響くものがあります。回想で、戦地からの電話、マイクが父に「助けて欲しい!」という呼びかけに、「がんばれ!」と励ますシーンは、つらい。近くの映画館では上映しないので、都内まで出かけたのですが、駅構内街中に大勢の警官が。ちょっと物々しい雰囲気でしたが、洞爺湖サミット前の警戒だったんですね。初めての映画館だったのでちょっと分からず、その中のお一人に道を尋ねましたが、もちろん丁寧に教えてくれました。それから映画の日だったので、混雑しているかと思ったら予想外にガラガラ。公開直後のサービスの缶コーヒーまでいただいてしまいました。
July 5, 2008
コメント(0)
全8件 (8件中 1-8件目)
1