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統一球によって、野球はどう変わったのか?
時事ドットコムの分析記事から要点をまとめ3回掲載してます。今日は2回目。
2 投手編
これまで、切れが良くて真っすぐ伸びる直球が、好投手の手本とされてきましたが、昨季はツーシームなど打者の手元で動く速球を使う投手が増えました。ソフトバンクの高山投手コーチは、「バットの芯を外せる投手が統一球の恩恵を受けた」と話しています。
統一球は、縫い目が0.2ミリ低くなり、幅は7ミリから8ミリに広がりました。福岡工大工学部の溝田武人教授(流体力学)は、それによって揚力が落ち、阪神の藤川のように毎秒44回転の高回転を与えた140キロ台の球でも、本塁上を通過する時は従来の球より4センチほど沈むという指摘しています。打撃の低迷は、ツーシームなどの沈む速球が効果を増したこととも、関連がありそうです。
ヤクルトの館山や赤川はツーシームをマスターすることで投球の幅を広げて好成績を残しました。また、巨人のゴンザレスは、来日以来ほとんど投げていなかったツーシームを多投し、終盤の重要な試合で好投しました。「高めに投げると打者は直球と思って手を出し、詰まる」と言っています。中日の吉見は速いシュートが効果を発揮し、防御率、最多勝の2冠を獲得しました。
また、打者を攻める場合の戦術にも変化はありました。横浜の山口は「去年なら本塁打だった当たりが外野フライになったりする。三振狙いだけでなく、前に飛ばさせて抑える投球がしやすくなった」と言います。そのため配球に幅とゆとりができ、投手優位の循環へ派生したと言えそうです。
統一球の恩恵を受ける半面、肘などの変調を訴える投手が増えました。統一球はコスト抑制の狙いもあり、牛の脇や腹の一部など従来の球より広い部位の皮を使って作ります。縫い目も変わり、投手が滑りやすいと感じるのが原因のようです。
西武の岸は「1年間張りっぱなしという感じ。今まで、こんなに肘が張ったことはなかった」と言うほど悩まされました。また、日本ハムの武田勝は「張り方が違うと思うし、回復が遅くなった」と言っています。
ヤクルトの高橋コンディショニングコーディネーターは「脇腹を痛める投手も多かった」と明かします。「力の入れ方が変わり、股関節をうまく使えず上半身だけで力を入れると、よく脇腹に負担がくる」のだそうです。阪神の久保の脇腹痛もこれが原因だったのかもしれません。
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