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気候も安定し、トマトの収穫は順調です。K4月も半ばをすぎると夜温も上昇して、トマトにとっての快適な季節が到来します。そんななかでのハウス管理ですが、果実の収穫量を確保し、あわせて果実の品質を維持していくためには、引き続き ■ ハウス内の過乾燥に気をつける ■ 早めの追肥を施す ■ 果実の適期収穫に努める といった〔樹勢を落さないための〕ハウス管理を心がけます。そして〔夜間の低温の心配がなくなってくるかわりに〕この時期から大切になってくるのが、トマトの樹の誘引作業や整枝・摘葉作業となります。なんといっても01月の段階で、すでにトマトの樹は棚の上部に届いているわけですからね。これをおろそかにしてしまえばハウス内は、〔それぞれの樹の主枝の節々から伸びてくる枝葉によって〕日光があたらずに湿気が充満した、いわゆるジャングルのような〔果実の品質と量が確保できない〕状態になってしまいますからね。さてそこで、このハウスにおけるトマトの樹の誘引作業や整枝・摘葉作業のようすは、このようになります。上から順に、1月17日・2月19日。そして、一番下が 今回の4月18日分となります。 のの01月16日 ↓ のの02月08日 ↓の4月18日じつにみごとにトマトの樹が誘引され、トマトの樹からでる徒長枝がきれいに整枝・摘葉されているのがわかります。この整枝法については 次回に。 厳寒期には高い重油を燃やして夜間の加温をしていたわけです。 その暖房にかかる重油が必要でなくなったいまこの時期こそが、 ハウス経営にとっての、もっともおいしい稼ぎ時といえますよね。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Apr 27, 2013

続・ECメーターだけの検査では心もとない。K定植から3週間近く経過しているというのに、生育が遅く “先端部の葉色が薄く下葉はすでに黄色”という、あきらかに肥料切れの症状を呈していたメロンの生育のその後ですが、試しの葉面散布を数回施したところ、反応が良かったので ECメーターでは数値がでるのを無視して、追肥を開始してもらうことにしました。〔前回の葉面散布後の写真にくわえて〕こちらが、追肥を数回施用したあとの、メロンの生育になります。 列でみるとこんな具合になりますよ。ののののの 最初に、このメロンハウスにお邪魔したのが1月20日。そして上記の最終の写真が2月27日ですから、約40日でここまで回復したことになります。さて、そして問題の ECメーターは、なぜ、肥料分がないのに反応したのかという問題ですが・・・ PH EC AN NN P K Ca Mg Cl Na 腐植 6.00 0.89 0.4 0.3 5 15 488 79 22.1 8.5 2.4 1月20日に採取した土の、その後の測定結果によれば〔アンモニア態チッソや硝酸態チッソがほとんどないにもかかわらず〕 22.1という測定値をだしている Cl/塩素 に反応していたことが、判明しました。と、いうことで、今回は〔追肥の時期であればさほど問題ないのですが〕元肥施用時には、ECメーターによる測定地だけで判断することなく ほ場中のいろいろな成分を、きちんと測定しその後に、 その土に適応した肥料成分を過不足なく施用しましょう というおはなしでした。 ECメーターは、干拓地の塩分測定にも使用されます。 そしてこのほ場の Cl/塩素 や ナトリウムの由来ですが、こ れは 家畜ふん尿由来の土作りによって もたらされたものだと かんがえられますね。 ちなみに、塩分のたまった土地の土づくりの例は こちら。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Apr 23, 2013

ECメーターだけの検査では、心もとない。K本年の01月後半のこと。「自分のECメーターで測った土の測定値が1.00 に近かっ たので、慣行の元肥の施肥量を半分にして、メロンを定植した ところ・・・生育が思わしくないので診てくれないか」と、おっしゃる農家さんからの依頼を受けて、メロンハウスにお邪魔しました。そのハウスのメロンの典型的な症状がこちら。 定植から3週間近く経過しているというのに、たしかに 先端部の葉色が薄く、下葉はすでに黄色という、あきらかに肥料切れの症状になっておりました。そこでこのハウスの土を再検査することにし、さらに土の診断結果がでるまでのあいだに〔あきらかに肥料切れの状態なので〕 チッソ入りの液肥〔8-3-3〕を3日おきに3回ほど葉面散布してもらうことにしました。土の検査結果で、このハウスの肥料分が少ないようなら、すぐに追肥してもらわねばなりません。しかし、土の検査結果がでるまでに2週間ほどかかりますので、そのあいだの応急処置的な対策として、液肥の散布という方法をとった というわけですね。その後の、このハウスの、最初の日、そしてその1週間後と2週間後の メロンのようすは こちら となります。 列でみるとこんな具合になりますけれど、メロンに勢いが出て順調に生育し始めましたよ。のの ということで、メロンの生育の状態からみれば、たしかに ハウスの土が肥料不足であったことがわかります。では、農家さんの「ECメーターで測った土の測定値が1.00あった」という話しは、まちがっていたのでしょうか。たとえば 農家さんのECメーターを使った判定方法に ■ 土の採取場所に問題があった ■ 土を採取した場所が一箇所であった ■ 手持ちの機械が壊れていた ■ 蒸留水ではなく、水道水で測定したといった検査数値が間違いやすいような初歩的なミスによる不都合があったとでもいうのでしょうか。いえ、そうではありませんでした。01月後半にお伺いしたときに、わたくしが採取した土の検査結果でも、土のEC測定値は、0.8という数値が、たしかにでたのです。それでは〔ECメーターが土の肥料分があることを示しているにもかかわらず〕なぜ、メロンが肥料切れになったというのでしょうか。・・・じつはですね、ECメーターは、ハウスの土のなかのある成分に化かされているのです〔このあとの1週間ごとの写真とあわせての解説は次回へと〕。こちらへ と つづく。 余談ですが・・・ECメーターを自分なりに使いこなすには、 同じハウス内であっても、作物の生育と照らし合わせながら いろいろな場所やいろいろな深さの土を自ら採取して自分で 測定してみることが大切です。 なんといっても、10アールの面積であっても〔10センチ の深さがあれば30トンちかくにもなる〕膨大な土の量を、 わずか数グラムの土で測定しようというのですからね。作物 の助けを借りなければ、正しい診断はなかなかできません。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Apr 17, 2013

春先の石灰欠乏を予防するために。前回は、ハウス内の温度や水を加減することによって石灰欠乏を軽減しようというお話しでした。そして今回は、〔春先になるとどうやっても〕おこりやすい石灰欠乏を事前に見越して、あらかじめ1月下旬に追肥用の石灰資材を施しておくという話しになります。写真を使って説明すると、こんなかんじになりますよ。 マルチのかけられたトマトハウスの マルチをめくって かん水チューブのそばに 10アールあたり60キロ/3袋のカルシウム資材 を散布しておきます。この写真で、かん水チューブの脇に 黒っぽい粒状のみえるものが そのカルシウム資材で、追肥につかえるように 作物の根にもやさしい微酸性となっていますよ〔商品名はカルミタス といって、その成分は硫酸石灰+糖蜜系の有機+腐植となります〕。毎年春先の石灰欠乏に困っているのだが・・・といった質問を農家さんから受けた場合には、私は、まずはこの方法を〔おおむね30年近く〕おすすめしています。 苦土石灰に消石灰に生石灰などといった、主として植え付け前の ほ場の酸度矯正につかう石灰資材とは別に、追肥用としての石灰 として、今回ご紹介した微酸性の硫酸石灰や硝酸石灰などがあり ます。・・・などとはいったものの、なかなか憶えにくいですよ ね。みんな石灰という言葉がつくのですから。 これってまるで 川崎市中原区の武蔵中原・武蔵小杉・武蔵新城 駅の区別みたいな話しじゃないかと、いつも思ってしまうんです/笑。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Apr 8, 2013

春先に多おこるカルシウム欠乏への対処法。Kハウストマト栽培に限らず、ハウスキュウリ栽培やハウスピーマン栽培において、気温が急上昇したあとの作物に水分が不足した場合にあらわれることが多い現象として 果実の尻グサレ症や、より重い症状の先端部分の褐変症などに代表される 作物のカルシウム欠乏の症状 があります。そして この症状が現われることの多い時期としてあげられるのが ● 天候が不安定 ● 日照時間が次第に長くなってくる ● 気温、ひいては地温が急激に上昇することが多い といった春先のハウス内が乾燥しやすい4月の時期というわけです。ある程度の尻グサレ症の果実の発生はしかたのないものですが、障害果量が多くなりすぎたり、また作物の先端部分に褐変症が現れるようであれば、もちろん対策が必要になります。ということで、対策としてまず考えられるのは ハウス内の土を乾燥しすぎないことが、大切になります。その方法ですが ● かん水の量を〔冬場よりも〕じょじょに増やしていく ● 内カーテンを上げ下げして日射量を調整する ● 遮光資材を利用する ● 気温上昇による水の蒸散を避けるために、充分に換気をするといった、こまめなハウス管理が なによりの乾燥防止対策となり、ひいては カルシウムの欠乏症状の予防対策 となります。また、気温の上昇とともに果実の太り具合もすこしづつ早くなってくるわけですから、冬場よりも収穫の間隔をいくぶん短縮することも必要になってくるころでもありますね。といったわけで、なんだか冬場よりも手がかかることになる春先のハウス管理です。 けれど厳寒期のなかで果実を成らしてきた“疲れ”がみえる作物にとっては、栽培者の存在がなによりのお薬・・・これからのハウス作終盤にかけての良品多収穫のためにも、ここはこまめな管理をお願いいたします。なんたって作物は、栽培者にとっての金のなる木 なのですものね。次回はカルシウム欠乏が起こる原因とその対策を、土の面からより掘り下げて考えてみたいとおもいます。 ハウス内の高温は、作物の花粉の品質や受粉にも影響します。 35度を超えたときに受粉した果実は、奇形果や果実の肥大 不良を招くともいわれていますよ。また受粉に活躍しくれる 昆虫たちにとっても高温は大敵です。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Apr 7, 2013

春先のハウスは温度管理に気をつける時期に。 収穫がはじまるまでの「栄養生長の時期」から、その後の「体づくりをしながら花も確実に結実させていく時期」を経て 順調に収穫が続けられているハウストマト栽培ですが・・・厳寒期をすぎて春先となったいま、あらたな生育管理が要求される時期にはいってきました。そうなんです、春先には気温の変化によりハウス内が急激な高温時になることが往々にしてある。その 高温時における栽培管理が必要になる時期がきたというわけなのです。その管理方法ですが、晴天下の日中では、日増しに強くなる太陽の光がもたらすハウス内の高温化を軽減するために ■ ハウスの上部や側面のビニールを開放して換気をおこなう ■ 強すぎる日差しには、内側のカーテンを遮光目的で使用する ■ 温度上昇に伴う土壌の急激な乾燥を防止するためにかん水するといった対策が要求されることになります。それでいて、夜間に冷え込めば厳冬期とおなじような低温対策もとらねばならないのですから、低温にさえ注意すればよかった厳冬期よりも、栽培管理にはむしろ手がかかることにもなります。「物事を成し遂げる過程で いちばん苦しい正念場」を“胸突き八丁”といいますが、長期間にわたる栽培において 栽培者さんと栽培される作物にとっては、いまがその時期にあたる といえるでしょう。しかし夜間の低温の心配がなくなる時期は、もうすぐ。それまでのあいだは、細心の注意を払って対応していただきたいなと、そう願っております。なんといっても、「栽培期間の全体を通して、一定量の良品を順調に出荷し続けていく」ことが、まだ先の長いこの作型の作物にとっての最善の対応策であるのですから。ということで今回は、終盤にさしかかったハウス栽培における春先の温度管理についてのご報告でした。次回は、春先の果実に出やすい微量要素欠乏とその対策についてとなります。 “ハウスのビニールを開けて換気をすることをうっかり忘れて ハウス内の作物を高温障害にあわせてしまった”という事故が おこりやすいのも、春先のこの時期です。・・・入学とか卒業 とか、税金の申告とか、なにかと行事の多い年度末にはとくに 注意が必要になります〔早場米地帯では、イネの育苗とか田植 の本田の準備なんかもありますから、とにかく春先はてんやわ んやの状態で・・・そんなときに起こりやすいのがハウスの閉 め切り事故だというわけです〕。 ちなみに激しい高温障害にあうと、作物の先端部が枯れてしま い、数回分の収穫がなくなってしまいます。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Apr 2, 2013
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