迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

PR

×

プロフィール

嵐悳江

嵐悳江

カレンダー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

浮世見聞記

(689)

現代手猿樂

(19)

鐵路

(25)

十二代目片岡仁左衛門

(35)

戯作

(3)

七代目嵐徳三郎

(17)

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2026.08.22
XML
カテゴリ: 浮世見聞記
埼玉縣東松山市の埼玉縣平和資料館 埼玉ピースミュージアムのテーマ展「回してちょうだい回覧板─暮らしのなかの戦争─」を觀る。



昭和十五年(1940年)に當時の内務省が發した「部落會町内會等整備要領」により、國民は五軒から二十軒をひとまとまりとする“隣組”を組織させられ、話し合ふ場である常會のほか、情報傳達と共有──回報の手段として月二度の回覧板が活用される。

しかし現在殘されてゐるこれら回報が傳へるのは、いづれも國民に質素倹約を強いる文言ばかり、軍事費捻出のために寄附や貯蓄を呼びかけ、華美や行樂など云ふにや及ぶ、食糧確保のための農業奨励など、操作された情報を通して貧苦を耐え忍ぶ「打倒! 鬼畜米英!!」の意識を“正しく”刷り込むことが目的であり、決して“正しい情報”を傳播させることが目的ではないところに、私はプロパガンダの恐ろしさをまざまざと見る。


(※案内チラシより)

戰時中に一度だけ行なはれた國政選挙(※昭和十七年の第二十一回衆議院議員選挙)では、「情に流されず公明正大な適任者を選ばう」や「人にケチをつけたりアラを探してゐるやうなのは選ばないこと」など、至極もっともなことを謳ってゐながら、實は東條英機内閣に都合よい議員で固めることが目的の選挙で、さうなると「人にケチをつけたり……」云々は意味を反転させて考へる必要があり、つまり正論すら情報操作の手先になってゐて、もう何を信じたらよいのかわからなくなるところに、戰争の恐怖とは爆撃ばかりではないではないことを、私は後學する。


戰後は飲食物の配給や選挙への投票など、日常生活における行政からの諸情報を傳へる手段として回覧板は引き續き活用され、


(※同)

ここに至りやっと正確な情報傳達手段となったことに救ひを見ると同時に、昭和二十二年の越谷市における縣議會議員と市町村會議員の選挙投票を呼びかける文句の、「進駐軍とゆうシュウト(※舅)を持つ現在の私達でありますが……」に、私は侵駐米夷への當時の認識を、生々しく感じる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026.08.22 18:52:35
[浮世見聞記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: