迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2026.09.01
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カテゴリ: 浮世見聞記
神奈川縣立金澤文庫の特別展「昭和と金澤文庫」を觀る。



昭和天皇御大典事業として計画され、實業家大橋新太郎の資金援助もあって昭和五年に神奈川縣初の博物館として誕生した金澤文庫の歩みを、収蔵品の數々と昭和の歴史とを絡めて回顧した昭和100年の記念企画、さうした學術の府たる金澤文庫も戰時下では時局への協力を強いられ、昭和十五年からは所藏圖書を縣内の小學校や圖書館へ貸し出す「貸出文庫」を行なふ。


(※案内チラシより)

“國威發揚”のための圖書を専用の行李に詰めて列車で輸送し、相手の担當者が最寄りの驛まで出向いて受け取る仕組みだったが、當初はトラック輸送を計画してゐたものの燃料統制のためにやむなく變更云々、敗戰後には侵駐米夷にそれら圖書の処分を命じられたが職員たちは館内に展示してゐた佛像の臺の下に隠して守り抜いたと云ふ話しに、歴史(資料)を研究すると同時に守り傳へる使命をもった方たちの矜持を見るやうであり、また深い人間味をも覺ゆ。

中世の古文書に添えられたイチョウの葉は料紙の防虫効果を狙ったものされ、自分も所有する和本で試してみやうかと興味をそそられる。

そして稱名寺本尊の弥勒菩薩像を昭和二年に修理した際、胎内の納入物を木箱に保管してゐた木箱の蓋に、「弥勒」を「勒弥」と間違へて書いたため、二字の間に漢文よろしくレ點をつけて對処したのは、人の手の温度を身近で感じるやうで、遠い時間もすぐそこにある親しみを覺える。





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最終更新日  2026.09.01 23:50:38
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