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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.08.09
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カテゴリ: 文芸

 この旅行記の文章と、小説で馴染んでいる文章とが明らかに別物であること。
 村上さんはこの旅行記において、自身の内面を語ることをある意味制限し、
 目の前の事実をたいへん客観的に書き綴っていると感じた。

 一方、村上さんが小説の中で主人公を描くときは、その内面に深く入り込み、
 現実と非現実との間の不明瞭な境界線・狭間を彷徨う姿を克明に描き出す。
 その違いが、本著の文章と小説の文章との間に大きな差を見せつける。
 本著からは、現実の中を生る人間・村上春樹がストレートに伝わってくる。

さて、長編小説読破に取り組んでいる最中、本著を読んでみようと思ったのは、
『ねじまき鳥クロニクル』
村上さんが現地を訪れた時の様子が書かれていることを知ったことと、
村上さんが故郷・神戸を訪れた時のことが書かれていると知ったから。

そして、「ノモンハンの鉄の墓場」では、本著の中で唯一と言ってもいい
小説におけるあの「村上ワールド」が感じられる部分が登場する。
それは、世界が揺さぶられ、村上さんが真夜中に目覚めるシーン。
世界を揺さぶったものに恐怖を感じ、怯える村上さんの姿はまるで小説の主人公のよう。

次に、「神戸まで歩く」には、私にとっても馴染みのある地名が数多く登場する。
そんな中、村上さんが本著の中で最も自身の内面・思いを前面に打ち出しているのが、
御前浜から芦屋浜を眺めたシーンにおける記述。
『羊をめぐる冒険』 に登場した風景のモデルであろうこの場所には、特別な思いがあるようだ。

   ***


  道路に作られた隆起物で、英語で言えばBUMPだ。
  とにかく国中のいたるところにこれがある。
  そこできちんとスピードを落とさないと、
  ドスンという不快な振動を経験することになる。(中略)
  こんなややこしいものを作らなくても<スピード落とせ>という標識を

  でもたぶんメキシコでは、標識を見たくらいでは誰もスピードなんか落とさないのだろう
  (まわりのドライバーを見ていると、たしかにこいつらは
  標識くらいではスピードなんかまず落とさないだろうという印象を強く受ける)。(p.94)

しかも、このトペというもの、メキシコだけでなく、他の中南米諸国にいっぱいあるらしい。
一方、中国でもこんな感じだ。

  「どうして信号が街にほとんどないのか」と中国人に尋ねると、
  「そんなの無駄ですよ。信号なんてあっても誰も守らないから」
  という答えがきまって返ってくる。(p.173)

世界の交通事情というのは、こういうものなのか。
国外へ行く際には、しっかり心得ておかねばならないようだ。

さて、本著の中には音楽好きの村上さんゆえ、多数の曲やアーティスト名が登場する。
そんな中、私が特に興味を持ったのは、
村上さんがメキシコを旅しているときにウォークマンで聞いていたリック・ネルソン。
そんな彼が人気凋落の後、彼が見事に復活を果たした 『ガーデン・パーティー』 という曲。

そして、もう一曲は、村上さんがアメリカを横断中、ウィスコンシン州に入った頃に
カーステレオから流れ始めたカントリー・ミュージックの洪水に辟易している中
これだけはけっこうしんみりして悪くなかったという 『テキサス・トルネード』 という曲。
(私は、村上さんとは逆でC&Wは、とても好きなジャンルの一つである)

   ***  

村上さんは旅行というものについて、
お金も手間も時間もかかり、その上とても疲れると言い、
さらには、大量の虫に襲われたり、色んなアクシデントに出くわすとぼやく。
そして、家に戻ってきたときには「やっぱり家が一番」と思うのだとも。

にもかかわらず、村上さんにとって旅行とは、出かけずにはおれないものらしい。
そして実際、本当に様々なところに出かけ、アクシデントに遭遇し、疲れ果てている。
それでも、村上さんは旅を続ける。
子どもたちに土産物を押しつけられ、お金をせびられても。





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Last updated  2009.08.09 14:45:30 コメントを書く
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