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kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.10.12
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カテゴリ: 文芸

 理由は、古本屋さんでは文庫本より単行本の方が安かったから。
 確かに、持ち運びには文庫本のほうが圧倒的に有利。
 でも、久しぶりに単行本を読んでみると、活字が大きくて読みやすい!

 このお話に出てくるマリも、分厚いハードカバーの本を読んでいる。
 夜のデニーズで一人、一行一行しっかりとかみ締めながら。
 タカハシ君の言葉を借りると
 「女の子が普通バッグに入れて持ち運ぶサイズじゃない」らしい。

さて、お話しの方はと言うと、これまでの村上作品とは一線を画する内容。

もちろん、これまで読んだ村上さんの作品においても、
最後の最後で、行き場の無さや頼りなさに戸惑うことは多々あった。

しかし、この作品のその度合いは相当なものである。
「えっ……これで終わり……ですか……」といった感じである。
タイトルを見直し、『アフターダーク(上)』となってないか確かめたくなった程である。
このまま(下)が描かれ続けていても何ら不思議はない、という所で終わってしまっている。

そう、一夜の物語は、その全てがと言っていいほど、
どのお話しも、一応の決着というものを見ていない。
エリはまだ眠り続けたままだし、
白川は何事もなかったかのように、これから自宅で眠りにつこうとしている。

謎の覆面の男も誰だか分からないままだし、

唯一、マリとタカハシ君のお話しだけが、ある意味完結し、
未来へと向けて流れていこうとしている。

しかし、これが日常というものの、本来持っている姿なのであろう。
一夜限りで、あれもこれも、色んなことが一切合切完結してしまうなんて、
絶対にありえないことなのだ。


つまり、今この瞬間が訪れるまでの様々な出来事については、
色んな視点から、事細かに語ることはできたとしても、
一瞬先の未来については、どう頑張っても語ることはできない。
そんな現実の一コマを、この作品は描ききろうとしたのだろうか。

   ***

それでは、このお話の中で私が心に残ったフレーズを。

  「私には、下の二人が選んだ人生の方がまともみたいに思えるんだけど」とマリは意見を述べる。
  「そうだよな」と彼は認める。
  「ハワイまで来て、霜をなめて、苔を食べて暮らしたいとは誰も思わないよな。たしかに。
   でも長男には、世界を少しでも遠くまで見たいという好奇心があったし、
   それを押さえることができなかったんだよ。
   そのために支払わなくちゃならないものがどんなに大きかったとしてもさ。」(p.26)

これは「ハワイのある島に、三人の兄弟が流れ着いた話」についてのマリとタカハシ君との会話。
海岸に近く、魚もとれる場所で暮らすことを選択したいちばん下の弟、
果物が豊富に実っている山の中腹で暮らすことを選択した次男、
何か月も飲み食いせず、誰よりも遠くの世界を見渡せる山のてっぺんまで辿りついた長男への一言。

 「中学生のときに、中古レコード屋で『ブルースエット』という
 ジャズのレコードをたまたま買ったんだよ。(中略)
 A面の一曲目に
 『 ファイブスポット・アフターダーク 』っていう曲が入っていて、
 これがひしひしといいんだ。
 トロンボーンを吹いているのが カーティス・フラー だ。
 初めて聴いたとき、両方の目からうろこがぼろぼろ落ちるような気がしたね。
 そうだ、これが僕の楽器だって思った。
 僕とトロンボーン。運命の出会い」(p.29)

これは、タカハシ君がマリに自分とトロンボーンとの出会いを語っているシーン。
うん、こういうのってイイな。
ラブホの名前 『アルファヴィル』 について、マリとカオルが語り合うシーンもイイ。(p.82)

  決断さえすれば、そんなにむずかしいことではない。
  肉体を離れ、実体をあとに残し、質量を持たない観念的な視点となればいいのだ。
  そうすればどんな壁だって通り抜けることができる。どんな深淵も飛び越すことができる。
  そして実際に、私たちは純粋なひとつの点となり、二つの世界を隔てるテレビ画面を通り抜ける。
  こちら側からあちら側に移動する。
  壁を通過し、深淵を飛び越えるとき、世界は大きく歪み、裂けて崩れ、いったん消失する。
  すべてが混じりけのない細かい塵になって、四方に飛び散る。
  それからまた世界が再構築される。新しい実体が私たちを取り囲む。
  全ては瞬きをひとつするあいだの出来事だ。(p.153) 

これは、「こちら側」と「あちら側」との世界を行き来する村上ワールドの視点であり、
『アフターダーク』の「私たち」
つまり「物語の語り手」ともなっているものに関する部分。
問題は、この一文から何を読み取ることができるかだ。

そして私は、これにて村上さんの長編小説は一つを除いて全て読破。
そう、 『1Q84』を読む前に、村上さんの長編小説を全て読んでしまおうと決め てから、
途中、短編や訳書等に寄り道しながらも、4か月程でようやくここまで辿りついた。
既に、『1Q84』は2冊まとめて発注済み!





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Last updated  2009.10.12 14:52:34 コメントを書く
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